TWST × とうらぶ
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With 加州清光
清光とヴィル先輩は気が合うみたいでよく二人で話している。主である私以外の人間に心を開けるのはいいことだ。忠誠や主従を除いて、他の人間と関われるのが見れて嬉しい。本丸では私しか人間はいなかったし、刀剣同士の関わりしか見なかったから。
「主〜、お土産もらってきたよ」
「うわ……すごい量、こんなに貰っていいの?」
清光の両手プラス紙袋を提げて持たされているのはいろいろな美容グッズ。こんなに英字が書かれた洋風のスキンケア用品に触れるのは久々だ……元のところの雪肌精とかランコムとかそういう高級ラインのパッケージとよく似てる…ということはこれ、かなり高めのラインなのでは…??
「主も『すきんけあ』好きだよ、本丸でもめちゃくちゃしっかりしてたって言ったら色々くれたよ。ゔぃるは凄いのな、主が乾燥に悩んでるのぴったり言い当ててた」
「う……凄いと同時に恥ずかしいんだけど」
「指先がささくれてるから分かったってさ」
保湿クリームをもらう。……おお、カモミールのいい香り。早速手に塗りこむ。…べたつかないしいい、これなら塗りやすいかも。結局炊事などしようと思うと手がどんどん乾燥するし荒れていくし、塗り直しが面倒になるから軽い質感のものは助かる。
「カミツレの香り?いい匂いだねえ」
ね、と言い合う。清光はネイルが好きだ。今日はヴィル先輩の爪に塗ってきたらしい。
「ネイルかぁ……私もやってもらおうかな」
「いいの?主のなら余計に気合入るね」
色合いは清光に任せるよ、と手を出す。清光は何色にしようかな〜って貰ってきたものから色を選定している。私って何色っぽい?と尋ねてみると顎に手を当てて考えている。
「主の色……?うーん……難しいこと聞くね、白とか橙色かな?」
「へえ……そんな風に見えてるのか」
「何なのその含み笑い……塗ってやんね」
拗ねないでよ〜!と揶揄うと手のひらを突かれる。少し照れやで、天邪鬼で、意地っ張りな清光は刀剣として過ごしてきた年数を無視すると弟のようで可愛い。
なんとか機嫌を持ち直して爪を塗ってくれた。はみ出しなんかがない綺麗な塗り様に素直に感心する。すごーい……私もマニキュアすることあったけど、必ずはみ出てた。
そのまま乾かして夕ご飯の準備へと移る。今日は私が食べたくなったコロッケを作る。清光も初めて口にするだろうからわくわくしてたな。グリムは『芋を丸めて揚げたやつ〜?ポテトフライと何が違うんだゾ??』ってちょっとガッカリしてたけど……これは私の説明が悪い。
「グリム〜手伝って」
「おー……おぉ??!なんかウマソーなんだゾ」
「思ってたのと違った?今日は牛乳入れてるから滑らかにしてるよ」
「へ〜牛肉と牛肉、じゃがいもと塩胡椒でこんな様変わりするんだ」
ここから卵の液をつけたり、パン粉をつけたりして揚げられる直前のコロッケをみた清光も感心したように呟く。
「これで油揚げんのか?」
「うん、芋は1回茹でてあるし牛肉は炒めてあるからから、パン粉が美味しそうな色になったらもう完成」
揚げ具合を確認する役割をグリムに任せて油をひいた鍋にコロッケを入れていく。いい香り〜。次々と山盛りになっていくコロッケを見ながらもう我慢できなさそうなグリムについ吹き出す。
「グリム、今食べたら熱すぎて口の中終わるよ。こんな高温で揚げてるんだから」
油分を切るのと少し冷ますためにバットに上げてるんだからつまみ食いはだめ、と制する。全部揚げ終わって余熱を冷まして食卓に並べる。胃もたれ防止のキャベツの千切りは大量に清光に切ってもらった。
私はコロッケにはブルドックソースなんだけど、流石にブルドックソースはないので似た感じのものをサムさんに確認して購買部で買ってきた。
「はい、召し上がれ」
「いただきま〜す!はぐっ!……う、うめぇんだゾ〜!!!」
うん、美味しくできた…!懐かしい味に顔が思わず綻ぶ。グリムは美味しい美味しいと詰まらせる勢いで食べてる。清光を見やると、初めて私のお家流のおにぎりを食べた時の顔をしてる。
「どう?美味しい?」
「ん…めちゃくちゃ美味い」
パンに挟んでも美味しいんだよ、と返すとグリムが明日のお弁当はそれがいい!と騒ぐ。仕方ないなあ、作ってあげるか。じゃあ明日のぶんに何個か残しておこうとコロッケを分ける。つまみ食いしたら駄目だからね、とグリムに釘を刺して冷蔵庫へ。
夕食後、お皿を洗っているとお風呂を洗っていた清光が今日は星がキレイ、と声をかけてくる。本丸にいた頃、この学園よりも街灯が少なくて現代から来た私は毎日近侍の皆にお願いして本丸の縁側や庭で星を見ていた。プラネタリウムで見るような、あの満天の星が毎日。標高の高い山じゃなくてもこんなにキレイなんだ〜って感動したっけな……。
ここも、本丸と負けないくらい星が綺麗。すぐ行くよと返事をしてお皿を洗い終え、手を洗って上着を引っ掛けて外へ。
「主、寒くない?」
「風もないから平気……ほんとだ、今日は月が大きくて星もキレイだねえ……もしかして中秋の名月だったりするのかな」
お団子食べたくなっちゃうね、と清光に声をかける。オンボロ寮脇に畑を作れるようにしてくれたり、本丸の庭みたいに庭園ぽくしてくれた学園長には頭が上がらない。ベンチに腰掛け二人で空を見上げてる。
「あ」
「見た!?流れ星だよ、清光!」
「見た、こっちにもあるんだ」
「空の出来事は同じなんじゃない?」
「天候操れる奴がいる時点でねえ……空から飴玉転がってきても納得できるじゃん、ここ」
まあ……確かに。魔法がある世界だからね、そういうザ!ファンタジーみたいなことが起きても不思議じゃない。
「主、無理してない?」
「え?」
突然切り出した清光に素っ頓狂な声が出る。
「主さあ、ここ来てから……なんかずっと笑ってるから。聞き方悪いけど、本丸の方がキツかったのかな〜とか…」
「…キツい、か…ん〜…本丸で1番に考えてたことは、皆の安全だよ。だからいつも合戦場にいても軽傷を負ったら帰還することを1番の約束として皆に伝えてたでしょう?」
清光は、心配性だ。政府からの通達書で予算が削られたり、軽傷でいちいち帰還させるなとお叱りの手紙が何通も来たり、時間遡行軍の討伐数が著しく低いと他の本丸の先輩審神者たちに嗤われたり……そういう私の部分を知ってしまっている。落ち込む私が気がかりで手紙とか勝手に読んじゃった子だからね。
「清光は随分主思いだね……ありがと、無理してないし本丸の生活はすごく楽しかったよ。結局時間遡行軍は壊滅に追い込んだし、審神者は私だけじゃないし。討伐数では下から数えたほうが早くても、私は……1番皆を大事にした自信はある」
結局は、刀。結局はモノ。そう考える審神者の人たちからしたら、重傷でも合戦場に行かせて刀剣達が破壊されてるのを見ても平気なんだろう。私はそれが一番嫌だった。だったら私が刀を振るって戦いたかった……人の姿として顕現させて、想いや感情、意志がある状態でボロボロになるのを結局はモノ、なんて考えられなかったから安全第一、重傷で帰ってきた清光に泣きながら怒鳴ったこともある。
「…突くなよ」
素直じゃないんだから。
「ここでの生活は楽しいし、現代だと……魔法なんて本や娯楽の世界でしかないから夢みたいな毎日ではあるよ。まあ……ヤンチャな子が多いから、それはそれでたまにムッてなるけど」
特に清光が刀を抜かないことで図に乗る生徒もいる。見かけだけだ〜とかね。
「ムッてしてんの?」
「してるしてる、顔には出さないけど。私より子どもだからね」
「俺からしたら皆赤ちゃんみたいなもんだけど……」
「ちょっと、それは誰も勝てないじゃん清光の年齢出されたらさ……清光の事を馬鹿にしたりとかされるから……ムッてなる」
「だから俺ちょっとやり返そうか?って言ってるじゃん、主過保護だから許してくれねえけど」
「そりゃそうでしょう、怪我どころか死ぬ死なないの話になるだろうし……それで清光が責められたりするの見たくないもの」
大きな力を持つほうが加減をしないと、責められるものだから。なんて恐ろしい…て危惧されたりする方が私自身にも堪えそうだから我慢はしてる…けれど、正直いい気は全くしない。
「ま、無理してないならいいよ…それに俺のこと言われても主がそんな怒らなくていーからね……本気出したら俺、ここにいる誰よりも強いの分かってんでしょ?」
「確かに……なんか魔法弾き返しちゃいそうだもんね」
そう言うとそれは流石にできねーけどさ……と返ってくる。けど修行に行って強くなってきて帰ってきて、さらに経験をたくさんたくさん積んだうちの清光は魔法というものが使えなくても相応に戦えるんじゃないか?と思うくらいには強い。魔法を刀身で弾くのもいつの間にか習得してそう。
「子分、キヨミツ!そろそろ寝るんだゾ……何だお前ら、空見てたのか?」
「うん、グリム今日は空がきれいだよ。さっき流れ星も見えたんだから」
「流れ星?」
おや、知らないのか。我が国の言い伝えとともに告げると俺様もお願い事する!と膝の上にやって来た。こういう素直なところがとっても可愛いと思う。
(で、寝坊したと)
(すみません………)
(……顔を上げろ駄犬が……クマができてる、普段から夜ふかししているのか?)
(えっ!?嘘…)
(飼い主の言いつけも守れない駄犬には特別に補習と俺の手伝いをつけてやろう)
(うわ〜〜〜清光〜っ!!!)
(ちょっと、文字なりなんなり1から勉強してる主にそれはねーんじゃねえの?)
(カシュウ……お前も使い魔ならしっかり進言したらどうだ)
(うちの主は赤点とったら補習になるから夜ふかししてまで勉強してるんですけど、そこの毛玉の学力だけじゃ足りないからね)
(ふなっ!??!しつれーだぞお前!!!)
気が合うと分かるまではバチバチの喧嘩をしてそうなクルーウェルと清光………
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