TWST × とうらぶ
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
With 鬼丸国綱
「主、静かにしていろ」
国綱に抱っこされた。いきなり何?と見上げても国綱はドアの向こうを睨むだけ。イデアくんから貰ったゲームしてたのに!
「ニんげんのニオいがスる!ス、する、すル」
変な声が聞こえて思わず体が跳ねた。変な抑揚で話す明らかに人間じゃない存在が扉の向こうにいる。僕は霊力が弱い方の審神者だ。第六感というやつはないに等しい。霊感とかそういうのないし、気付けない。本丸でも僕が気付かないうちに怪異や妖怪もどきが侵入なんて多々あった。
「……主、息は止めなくていい」
「うん…」
「おれが居るのに怖がる必要があるか?」
「……未知のものは、やっぱり怖いよ…」
「いつまでも怖がりだな……斬ってくる。ここで待っていろ、おれがいいと言うまで扉から出るな」
ちょっとだけ国綱にバカにされた気もするけど、怖がりなのは事実。夜の本丸の怖さに慣れなくて最初はトイレも行けなかった。誰かについてきてもらうのでようやく。庭には枝垂れ柳があったんだけど、本当に人と見間違えたことがあって大声出して寝てる皆を起こしちゃったり……近侍に添い寝を頼んだり。今でも一人で寝るのは怖いから、このわけ分からない世界でもグリム、それに国綱がいてくれて本当に良かったと思うくらい。(当たり前にゴーストいるのほんとに意味分かんない)
「す、すぐ戻る?」
「あぁ」
「分かった……間違ってゴーストたち斬っちゃだめだよ」
「そんなヘマはしない……待っていてくれ」
頷く。ソファの上で体育座りをしながらひたすら待つ。各寮の敷地は広いけど、オンボロ寮自体は広くない。だから怪異?が逃げ込んでもすぐ国綱は帰ってくるだろう。
5分ほど経って足音が聞こえてノックされる。
「主、オレだ」
「は〜い…………?」
おかしいな、出るなとは言われたけど扉に鍵はかけてない。なんで入ってこないんだろう?嫌な予感がして扉を見続けていると、扉がまるでカビたようにどんどん黒くなっていく。
「開けろ」
国綱じゃ、ない。
「開けろあけろあけろアケろアけろあケろあけロ」
ドンドン!と扉に手を叩きつけるような音が鳴り止まず緊張と恐怖で喉が締まるような感覚に陥る。
「っひ……」
とりあえずこの部屋の範囲内で遠くに行かないと、と働かない頭を必死に動かして振り向く。
「ミツケた」
「!」
いつのまに後ろに、
国綱の顔面が溶けたような見た目の奴だが口角が上がってニンマリと笑っているのは分かった。
「主!」
「…っ国、つな…」
手早く斬って消し去ってくれた国綱に肩を掴まれるが僕はもう半ばパニック状態だった。
「ふ、はぁ…っ、国綱、苦しい…」
「主、おれの目を見ろ…主、ここだ。おれはここにいる」
「国綱、…怖いよ、怖い…っ」
「大丈夫だ、もう居ない。近づけさせて悪かった、気配を隠すのが上手くて探すのに手間どってしまった……」
あんなにもよそよそしかった国綱が躊躇いなく手を握って背中を擦ってくれるようになるなんて、審神者になりたての僕は信じないだろう。
「ふ、ふぅ……」
「そうだ、しっかりと深呼吸をしろ……」
落ち着くまで背中を擦ってくれたおかげで早めに冷静になれた。完全に腰まで抜けてて立ち上がれなかったのが少し恥ずかしくなってくる。
「国綱、ありがとう……ごめん、手間かけたね」
「礼はいい、そしておれの主を下げるな」
デコピンされた。痛い……おでこの骨陥没したんじゃ?擦っているとタイミングよくルークくんたちがやってくる。今日は美味しい紅茶や茶菓子を安く買えるお店を教えてもらえるって約束の日だった。
「おや……?涙の痕が。何かあったのかい?」
「妖擬きがここに立ち入った。主に取り憑きかけたから斬った」
「ほう……それは災難だったね」
「ルークくん、子供扱いしないでよ」
「フフ、申し訳ない……
頭を撫でてきたルークくんの手が止まって抱きしめられる。ルークくんは僕が大好きなんだって。初めて見たときからビビビッてなったらしい。ヴィルくんがため息つきながら言ってた。
僕は13歳でルークくんは18歳。ルークくんやヴィルくんは法律的には大人の年齢なんだとか。僕の国は20歳だよ、と教えたら驚いてたっけな。
「あぁ、今日も素敵で可愛らしいね。睫毛に涙があるのはまるで朝露に濡れた枝先のようで美しい……フフフ、宝石のような美しい瞳だね」
「主を口説くな…主、今日は先のこともあったし出かけずにこの屋敷内にいろ……るうく、主を離すなよ」
「国綱は?どこ行くの?」
「残党や仲間がいないか念の為見回るだけだ、すぐ戻るし近くにいる」
ルークくんより雑に頭をぐしゃぐしゃにされた。扉を見てるとルークくんにぐしゃぐしゃになった髪の毛を正された。ルークくん見たことないくらい髪の毛がツヤツヤだ。
「ナマエくん」
「ん?」
「フフ、君は名前まで可愛らしいんだね……意味もなく口にしたくなるよ」
「そうなの?ルークくんもじゃない?ルーク・ハントって綺麗な名前だよ」
ルークくんは僕に近寄りすぎない。最初色々な言葉で僕を好きって言われたときはなんか恥ずかしいし、人にそんなに好きって言われたことがないから戸惑った。そんな僕に気付いてルークくんは分かりやすく距離をあけてくれた。国綱も『主が信頼できると思えるなら関係を続ければいい、その中で少しでも信頼できないなら拒否していい』って言ってくれた。
「え……フフ、君に褒められるなんて嬉しいな」
ルークくんが先に褒めてきたのに?そう思いながら見上げると背後から大きいため息が聞こえた。
「ルーク……未成年よ」
「おや、ヴィル!フフ……手出しはしてないさ」
「もう出してるようなモンでしょ、全く…‥監督生、グリムから聞いたけど……ここ数日あんまり食べてないんですって?やだ、隈できてるじゃないの」
「た、食べてはいるよ……」
「ふうん?じゃあ今朝は何食べたの?」
「わかめスープ」
「………お昼は?」
「ピーナッツバターつけたコッペパン……あと牛乳…?」
「0点よ、アンタ今13でしょう?1番伸び盛りなのになんでそんな少食なのよ」
ぜ、0点…。ついでに昨日の夕飯は?と聞かれて、昨日はあんまりお腹空かなかったから食べてないって答えたら歌仙が怒ったときみたいな顔になった。怖いからルークくんの後ろに隠れる。
「食が合わないのかい?」
「や、そんなことは……僕もともと食べないよ」
「ふむ……少食な君に無理に押し込むつもりはないけれど、しかし心配な量ではあるね」
「運動してお腹空かせたらどう?見たところ喘息とかではないでしょう」
「ぜ、喘息はないけど、過呼吸には…なりやすいかも。国綱が居ないと怖いよ」
「あぁ、闇の鏡を前にしたときもアンタ顔青くしてたものね」
「ここは、変な妖怪とか遭遇しにくいけど……居ないわけじゃないし、暗いところ怖いから…夜は出歩きたくないし」
「うちの寮生に見習ってほしいわね…サイエンス部はどう?そこまで遅くになるまでやってるイメージないけど」
「サイエンス……」
ルークくんがいるところか。調理や育てた薬草の調合をしたり、他の部活のお手伝いをしてるってトレイくんから聞いたことある。結構なんでもやさんみたいなところがあるって言ってたな。
「……あ!馬!馬いるよね、僕馬好き」
「馬術部に興味が?」
「乗ったことはあんまりないけど……本丸にもいっぱい馬はいて、よくお世話してたから。馬のお世話したいな」
「リドルたちも喜びそうね……ちょっとルーク、あからさまに拗ねないでよ…監督生、あやしておいて」
「え?…わ、ルークくん、…ごめんね?」
ごめんねで合ってるのか?分からないけどとりあえず謝っておく。
「いいさ、君が選んだことならば…けど、君に愛情を注がれる馬たちが羨ましくはなるね」
「えぇ…?馬と人に向ける気持ちはイコールじゃなくない?」
「…君は本当に私を喜ばせるのが上手だね、
すり、とほっぺを撫でられて恥ずかしくなって俯く。大般若にだってこんな風にキザに口説かれたことない。
*ヴィル・シェーンハイト
全く、飽きもせずイチャイチャして……。手を洗うついでに冷蔵庫を開ける。……なんでこんなすっからかんなわけ?監督生が少食にしろ、グリムは馬鹿みたいに食べるしオニマルの体格からしても冷蔵庫にものがなさ過ぎる。……野菜が多いのはまあ、合格ね。
アタシが13歳の時ってどんな子供だったかしら…。努力を重ねるのは変わらずとも、もう少しいろんな側面で幼くて年相応の部分なんて合ったのかしら…ダッドに聞いてみようかしら。
談話室に戻るとルークの肩に体を預けて眠る監督生。随分ルークにも心開くようになったのね、最初はとにかくルークのことを不審者みたいな目で見ていたのに……まぁ出会い頭にいきなり口説かれたら警戒もするでしょうけど。
「寝たの?」
「あぁ、すんなりね」
「…だっらしない顔……少し引き締めなさい」
「すまないね、私に身を預けてくれたのは初めてだから」
「そうね、随分警戒心はなくなったわね」
まぁアンタが狙いを定めた時点でこの子は逃げられないでしょうけど…それでも存外簡単に落ちてこないにルークはすっかり夢中。ま、何事も簡単に手に入ってはつまらないわよね。
(ということでルークがヤキモチ妬くからそこだけ気をつけて)
(ヤキモチ……???まぁ……はい、分かりました。では監督生、まずはヴォーパルに挨拶しに行こうか)
(は、はい!)
(そう緊張しなくても…優しい性格だから大丈夫だよ)
(リ、リドルくんと気が合う馬ならなんか、しゃんとしてないと怒られるかなって…)
(ふ、どうだろうね?……ヴォーパル、今日から君のお世話を手伝ってくれるオンボロ寮の監督生だよ)
(こ、こんにちは……わ、綺麗な毛色)
(ふふ、そうだろう?鬣が黒っぽいから君に似ているね)
(そうかな?わ、人懐こい……おとと)
(こら、ヴォーパル。この子は力が弱いから加減をしておやり。……乗ってみるかい?)
(いいの!?本丸では落ちたら怪我するからだめって禁止されてたんだ)
(まあ、落馬が危険なのはここでも変わりないけど……僕が補助に入るしヴォーパルも素直で良い子だからね。では鞍からつけてごらん)
世話するために馬術部に入ると聞いていた鬼丸、まさかの乗りこなす主を見て驚きと若干の怪我への不安ですっ飛んできます。
16/16ページ