13 With …?
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With 富田江
結論を言うとあれから数日後、ナイトレイブンカレッジに戻った。みんなで晩御飯を食べていたと思ったら、クルーウェル先生が休憩していた部屋に出現。ナイトレイブンカレッジでは1週間くらい過ぎており、割と大変な騒動になってた。(3寮の寮長が居なくなっちゃったから、それはそう)
「ステイ、お前は?見たことない毛艶だな」
「?…私は稲葉江と双璧を成す江の刀の王子様、郷義弘が作刀、名物、富田江。これで、良いかい?主」
「うん、完璧だね。私の使い魔です、先生」
「ほう、サヨとは全く違う大きさだな」
「刀身自体が大きいですからね……学園長はどちらに?」
帰還の挨拶をしないと。やっぱりお試し、と言われてただけあって不安定なのかも。行き来できるっていうだけでも大きな前身だけれど。
「監督生〜!お前無事だったのか?!」
「ふなっ!な、なんかデケェんだゾ…!!」
「さっきアズール先輩とすれ違って帰ってきたって聞いて……!」
「君たち、主が潰れちゃうだろう」
富田の大きな手がにゅ、と視界にやってくる。そのまま手を握って立ち上がる。
「ありがと……さっき夜ご飯食べてたんだけどね。急にここに……彼は富田江。よろしくね」
「トミタ?へえ……なんかロイヤルソードアカデミーの奴らみたいだ」
「ロイヤルソード?面白い名だね」
「まあ……近しいかも。刀派が江っていうんだけど、その中で王子様だからね」
「はあ〜???すげえな……オレエース、こっちはデュース。んでこいつはグリム!よろしく、トミタ」
「うん」
簡単な体調チェックをして皆でオンボロ寮へ。アズール先輩たちは落ち着いたらまた顔見せる、と別れた。
「うわ……埃がすごい……グリム!お掃除サボったでしょ!」
も〜この子は本当に‥…。窓を開けて換気換気!1週間とは思えない埃っぽさだ。
「富田、お洋服汚れちゃうから……前レオナ先輩に貰ったジャージ着て?」
私には大きすぎるお下がり。寒いときの羽織に使ってる。身長同じくらいだしきっと入るはず……あの人も筋肉質だし。軽く掃除をして、エースたちにも手伝ってもらいながらなんとか過ごせるくらいに片付けていく。
「なあ、子分」
「ん?」
「……またすぐ、帰っちまうのか?」
「グリム……前も話したでしょう、グリムが本当に大魔法士になりたいのなら……今は二人で一人の扱いで授業してても、いつかは一人で立たなくちゃいけないよって。
もともと私はこの世界の生まれじゃないんだもん」
「ふな……」
なんて寂しそうな顔をするんだろう。後ろ髪を引かれるとはこのことだ。冷たく突き放すようになってしまってるけど、グリムのためでもある。魔力を持たない私は魔法士というグリムの夢を支えられない。在学中は勉強をサポートできるかもしれないけど、そもそも理論や公式が存在しない価値観のものだから私だってちんぷんかんぷんだ。一言で言えば私は、役立たず。
「グリムの夢は応援してるし、投げ出すつもりじゃないのは分かってくれる?」
「おう……」
しょんぼりと耳と尻尾を下げて手洗い場に向かったグリムを見送り、グサグサと刺さる背中の視線に振り返る。エースとデュースだろう。
「監督生」
「なぁに……私間違ったこと言ってないよ」
「そうだけどさ……なんつーか…もっと惜しむ気はないわけ?そんな軽いもんなの?オレらって」
「軽んじてるつもりは……」
「軽いじゃん、異世界人だからってなんか距離あるしいつでも別れる準備はできてますって顔でさぁ!」
いきなり声を荒げたエースに肩が跳ねる。そんなこと言われても……。来た以上いつかは帰りたいし、私には男士たちが待ってる。帰ってきてくれるって信じてる子達をいつまでも置いておきたくない気持ちもある。
「なぁに、喧嘩?大きな声ではしたない……監督生、これ余りで悪いけど持ってきたわよ。数週間お世話になったし」
聞こえた声にぱ、と顔を上げるとヴィル先輩たちだ。ぼやけた視界がクリアになったような気がする、お礼を言って受け取る……これは、食材?やら化粧品やら。
ヴィル先輩だけでもたんまりあったのにカリム先輩からは新品の衣服を買いにいこう!と言われ、アズール先輩にはしばらくの間モストロラウンジの食費をタダにしますとまで。か、過剰な気がする…!
「監督生、それしまってきちゃいなさいよ。アタシたちも整理整頓くらいは手伝ってあげる」
「何から何まで……すみません」
*エース・トラッポラ
「で?さっきの言いがかりは何かしら」
ギッと見たことねえくらい怖い顔で睨んでくるヴィル先輩に震え上がる。なんか……後ろのアズール先輩たちもキレてね?!
「アンタの言うとおりあの子は異世界人よ、ここじゃないところで生まれて育ってるの。家族もそっちにいるの……別れがたいからってあんな駄々をこねて困らせてどういうつもり?」
「それ、は分かってますけど……!」
「もしかして大泣きして別れを惜しんでほしいんですか?全く……彼女の今までをお忘れで?魔力がない、異世界人だから常識もないと散々揶揄され、挙句僕達のオーバーブロットに巻き込まれ死にかけたこともある。
そんな彼女が今まで泣き言を溢していましたか?」
そう言われれば……見たことも、聞いたこともねえかも。全部前にいた使い魔のサヨに言ってるのかとばっかり。
「逆上したって正当なものですよ、巻き込まれ事故ですからね。……飄々としていたって彼女にも感情はあります。勝手に決めつけて怒鳴るなんて浅はかでは?」
「まあ、エースの気持ちも分かるけどよ……オレたち、向こうで3週間位世話になっててな。意外といろいろ溜め込んでるんだよ、それだけはわかってやってくれるか?それに…1番仲良くしてるお前らと別れるってなって寂しくないわけねえと思うなぁ、オレは。」
「……エース、どうすんだよ。オレらは今から掃除すっけど」
「………謝ってくる」
「ねえ」
談話室を出ようとしたとき、聞きなれない声がする。顔を上げると……トミタ。レオナ先輩から譲られた真っ黒なジャージをサラッと着こなしてる。
「……主はね、中々弱音吐けないだけだよ。でも君たちみたいに色々考えてくれてる。だから……傷つけるのだけは、やめてね?」
「……悪い」
「うん、僕はいいよ……主しょんぼりしてたから」
しっかりトミタにも釘を刺されて気まずい中、階段を上がって2階へ。監督生の部屋の前で深呼吸……。
「監督生……オレだけど、入っていい?」
ノックをしていつもより覇気のない返事をドアの向こうから聞きながら扉を開ける。
*ヴィル・シェーンハイト
「ほんっっと小ジャガのくせに素直に寂しいって言えないのね、なんのための頭と口よ」
「まあまあ、ヴィル……そう怒ってやるなよ。エースが素直じゃないのは前々からだろ」
「それにしたって監督生が不憫だわ、あんなの板挟み超えてサンドバッグじゃない」
ムカムカする。素直に寂しいから帰らないでくれって言う方が何倍も可愛げあってマシよ。監督生がここで距離をおくのは当然。ここで大事なものを抱えてしまったら、ホンマルに戻ったときに後腐れなく…というのが出来なくなる。エースも感じてる一種の距離感は彼女なりの防衛線であって、それを咎める権利はアタシたちのうち誰一人としてない……だってあの子は望んでもないのにここに来たんだもの。サニワとして召集されてたあちらとはわけが違う。
「君……意外と怒りっぽいんだね」
「なんですって?」
「やめてください、ヴィルさんの怒りが長引くでしょう!」
「あ……いや、そういうことじゃなくて。主のためにそこまで怒ってくれるんだって」
「3週間程度とは思えないほど色々あったしね」
「あぁ……稲葉たちから聞いたよ、職員の対応もしてくれたんだってね?大変だっただろうに」
どこか掴みどころのない………なんかシルバーと話してる時を思い出すわ。要領得てるのか得てないのか分からない返事がくるあの感じ。
「こどもなのに偉いね」
「ちょっと、子供扱いしないでちょうだい」
「?君たちまだ10歳くらいだろう、子どもじゃないか」
「そりゃ何百年も生きてるアンタたちと比べたら大半は子どもよ」
マレウスたちみたいなこと言い出したトミタに積み重なったゴミを渡していく。グリムだけしかいなかったはずなのにどうしてこんなにも汚いのかしら。とぼとぼ帰ってきたグリムを引っ掴んで掃除を再開させる。
「なにをメソメソしてんのよ、おためしで行き来できたんだからアンタも行けばいいじゃない。今生の別れのようなテンションでしみったれないでよ」
「…ふなぁ……確かに、オメーらが帰ってきたんならオレ様も帰ってこれるってことだな!」
「そーそー、監督生のとこのご飯も美味かったぜ!」
元気づける役はカリムに任せる。これでモップをかければ大分マシね。窓を開けているせいで少し寒いけど、埃っぽさは大分良くなった。確かさっき渡した袋の中に紅茶が入ってたはず。お湯を沸かしてティーポットを用意していく。……あの小ジャガは仲直りしたのかしら…してなかったら許さないけど。
「これはなに?」
「紅茶よ」
「こうちゃ……へえ、いい匂いだね」
「でしょう?ホンマルにあったグリーンティーも渋くて美味しかったけど、こっちは苦味が少ないわ」
試しに、とカップを渡して紅茶を注ぎトミタに渡す。一口のんでぱっと顔が明るくなった……気に入ったみたいね。
「……美味しいね、主も好きかな?」
「えぇ、気に入ると思うわ……デュース、この馬鹿でかいケーキは何?」
「トレイ先輩からのお祝いケーキっす!」
それにしてもでかすぎないかしら…?一体どれほどのカロリーあるのよ、これ。
「あとで寮長達も来るんで、大きめだって言ってました」
「なるほどね…じゃあ用意しましょうか」
「オレ様が切るんだゾ!子分のお祝いパーティだからな!」
張り切るグリムにクリームつけたりしないよう気をつけろと注意してケーキナイフを渡す。
「トミタ、このティーセット向こうに運んでくれる?」
「うん……あの子、大丈夫?」
「あの子?」
「赤い子」
あぁ、エースのことね。たしかに二人まだ部屋から出てこないわね……また泣かせてるのかしら、天邪鬼だし。
「…気にはなるけど…手助けしないと仲直りすらできないような子どもじゃないんだし、もう少し様子を見ましょう」
「ん、分かった」
素直に頷くトミタを見送る。そういえば……あそこの短刀たちも『主(監督生)以外の人間は珍しい』とアタシたちを取り囲んでいたわね。トミタはその輪には入ってきてはなかったけれど……やっぱりどういうものなのか、分からないから気になるのかしら。
*ミョウジナマエ
「だから、帰るなよ……いや、帰ってもいいけど……すぐ、会えるようにしろよ」
「ぁ、えと……」
な、何故こんなことに??!ずびずびと鼻をつまらせながら涙ぐむエースに抱きしめられている。さっきはごめん、って謝ってくれたときからボロボロ泣くからもうティッシュじゃダメそう…と思ってタオルを差し出した。その手を引かれてずっと抱きしめられている……そう、ずっと。
エース、私が成人ってこともちろん知らないんだよね……。私より歳下しか居ないのに、私より全然容姿が大人びた人たちしかいないこの学園でただでさえ『男子校』の中に女子、が紛れ込んだとぎゃあぎゃあしてるのに、実はレオナさん同様成人してます、となれば大混乱に陥ると思って教師陣にしか話してない。図らずも本丸でヴィル先輩たちにはバレちゃったけど……。
つまり、私は成人してる身で未成年に言い寄られてるということ。絵面が犯罪者すぎて最悪。どこから説明すべきか……エースの言いたいことも気持ちも分かるから、無下に扱いたくない。けど……いま年齢のこと出したらもう完全に私が騙してた側なんだよな……順序立てて話していくべきか。
「エース、エース…落ち着いて。伝えなきゃいけないこと、いっぱいあるから。……はいまず座ろうか」
背中をぽんぽん、と擦ってベッドの縁に腰掛けさせる。私はその向かいに座るように椅子へ。
「まず!小夜ちゃん……今回は富田だけど。私にはあんな感じの使い魔が100振り…100人以上、本丸で待ってるのね。第二の家族と思ってる子たち……帰る場所は、そこがいい。」
「……」
「現世の実家は…まあ、たまにの里帰りでいいかなって感じ。
ここは、どちらかというと……他の県に住んでる友達の家って感じ。分かるかな」
「……なんとなく」
「頻繁に遊びに来たいなって思えるから、旅費のために仕事頑張ろ!って思えるところだよ、ここは。だから…全く寂しくないわけでもないよ、それだけは分かってほしいな」
「……ん」
「そして……非常に……言いづらいんですが……えと…実は私、成人してて」
「……は?」
「に、21なんだよね……」
「……はあぁあ〜〜〜っっっ!??!??」
まあそうなるよね……。どうどう、と肩を叩く。座ってくれ、頼むから。
「いや、騙してるようでほんとに心苦しいんだけどさ、その、性別の時点で色々問題重なるから、更に問題増やさないほうがいいって…なりまして……」
「……いや、騙されたとかそーゆーことは全く思ってねえけどさ…!!見えなさすぎでしょ、レオナ先輩よりも上?!お前が?!こんな可愛いのに?!?」
「恥ずかしいから大きな声出さないで…!」
勘弁してくれ、本当に。そりゃ大般若みたく揶揄うように口説いてくる男士もいるけど…!慣れるわけではない。顔に熱が集まる感覚がして俯くと、エースが静かになる。
「で、年齢が何?」
「あ〜……えっと、一応未成年と成人の組み合わせだから、その……」
「……へ〜〜ぇ?監督生ってそーゆーのニブそ〜とか思ってたけど…脈ナシじゃないって捉えていー感じ?」
「近い近い近い」
「逃げんなよ」
椅子から立ち上がろうとしたら手を繋がれる。なんで急にそんな積極的になるの!?誰かにドキドキするなんて久々すぎて頭がうまく回らない。
「ふぅん…?そういや監督生知らないよね」
「な、何が?」
「ここでは18になれば成人なの。だからオレが2年になれば成人同士ってワケ。
それまでは待ってあげる」
「ひぇ………」
「どんだけ顔真っ赤なんだよ……っうわ!!?!?」
「何っ!??!」
いきなり大きな声を出すエースを見上げると、すぐそばに富田がいて私もびっくりした。
「ふぅん……ふふ、まあ君なら主も大丈夫そうだね」
「いつから居たわけ!?ドア開ける音聞こえなかったんだけど…!」
「いつって、最初からだよ。ほら」
富田が指差す先には、本体がいる。あ…そうだ。さっき床に直置きは…と躊躇ってベッドの上に置いたんだった。
「〜〜〜しんっじらんねえ、盗み聞き!?」
「盗み聞きも何も……君の声は大包平くらい大きいから廊下まで筒抜けだったよ?」
きょとん、とした富田。エースが何に照れて怒ってるか分かってないな、これは……。仕方ない、年齢だけで言えばウン百歳だけど、人の形で顕現してまだ数年だし……。人間歴で言えばエースや私のほうが長いからね。
「えと、ごめん。私の配慮が足りなかった。二人とも、それぞれ悪くないから……ごめん」
「……ま、いーけど!…つか監督生はちゃんと分かってんの?」
「分かった、分かったから」
「ふふ、主モテモテだね」
「富田も揶揄わないで……」
「安定して行き来できるようになったらオレが一番最初に行くからね」
(あら、トミタ。ご機嫌ね)
(うん、いいもの見れた)
(見るなよ)
(監督生は……聞かないであげる)
(そうしてください)
(子分、トレイのケーキ切ったゾ!)
(うわぁ、美味しそう…ありがとうグリム。大変だったでしょ)
(オレ様にかかればこんなもん、朝飯前なんだゾ!)
(お、揃ってるな…カリムたちもおかえり、やっと一段落だな)
(トレイ〜!なんか久しぶりだなぁ!さっき掃除が終わってパーティーの準備してたんだ)
(アズールもいたのかい?しまったな、もう少し手土産を増やすべきだったか…?)
(リドルさん、心配しないでも僕達の分もあるので足りていますよ)
(あはは、み〜んな何かしら持ち寄って来たんだ?…お、君ははじめましてだね。使い魔くんかな?)
(うん。僕は富田江)
(ロイヤルソードアカデミー生みたいだな…オレはトレイ。こっちは寮長のリドル)
(オレのことはけーくんって呼んでね!)
エースくん、有言実行するのでイデアとレオナに頼み込んで行き来させる魔導具開発させますし、一番最初に本丸に行って驚く監督生審神者ちゃんに特大の薔薇の花束持って口説きに行きます。その時の年齢は19歳くらいかな……!!
大般若長光に一発で気に入られるといい。でもエースは監督生ちゃんにベタベタしてほしくないから可愛く牽制しててほしい……!!!
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