TWST × とうらぶ
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With 雲生
*レオナ・キングスカラー
「主、そんなにお御足を広げてはなりません」
「パンツだもん」
「存じております」
「……りふじんっていうんだよそーゆーの」
「いいえ、これは主のためです」
植物園で昼寝中にこんな会話が聞こえてくる。寝れやしねえ。少し前にふとやって来たレディのナマエは異世界人で、物を実体化する力を持つ……が魔力は全く無い不思議な草食動物。
そんでその草食動物の護衛のように側を離れないのが、使い魔の刀から実体化されたウンショウ…という真っ白な男。いつも腰に自身だという大きな刀を携えている。
「……あ、いた!レオナくん」
「……何の御用で?」
「これ、く、クルーエ……クルエル先生から盗んできた」
クルーウェル、という発音が難しいらしくナイトレイブンカレッジには正しく呼んでもらえない奴が何人かいる。ジャミルとかな。……待て、今盗んできたっつったか?
「主、盗んだのですか」
「うん、仔犬には必要ないっていうからんしょと話してる時に」
流石にウンショウも頭を抱えてる。瓶の中身は……透き通る緑色。ラベルも何もないから憶測だが……神経系の頭痛に効く魔法薬か?
「レオナくん、いつも頭痛そうだから」
「………お気遣いは嬉しいが、受け取れねえな」
そう返す。そろそろ隠れてねえで出てこい、クルーウェル。タイミングを見計らったように出てきたクルーウェルに驚いて俺の後ろに隠れるナマエの首根っこ掴んで前に持ってくる。
「……この薬品は渡せないと言ったはずだが何故ここに?」
「う……クルエル先生くれないっていうから」
「当たり前だ、仔犬には魔力も魔力耐性もない。そんな仔犬がこの魔法薬を飲めば正しく作用しなくなる」
「レオナくんにあげたかったんだもん…」
随分と小さい鳴き声でナマエが呟く。
「主、なぜレオナ様に?」
クルーウェルは聞き取れなかったようだが、聞き取れた使い魔のウンショウが膝を折ってナマエと目線を合わせる。
「痛そうにしてたから」
「……キングスカラーに?……頭痛だなんて熱でもあるのか?」
クルーウェルが手を伸ばしてくるので払う。
「頭痛持ちなンだよ……偏頭痛だ」
今日はそれで朝から寝てたと告げると目を丸くしてこっちを見るから見るなと睨んでおく。
「……仔犬、次からは自分が飲むのか飲まないのか教えろ。そうしたら渡す」
「ごめんなさい……」
垂れた耳と尻尾が見えてくるようだ。使い魔もクルーウェルに謝罪をしてお叱りは終わり。薬を飲めと目線がうるさいので飲む。……クソ苦ェな。
「レディ、次は要らねェからな」
チェカを撫でるよりは優しく撫でると耳と尻尾が復活したように元気になる。
*ジェイド・リーチ
おやおや。手元に焦げるほど視線を寄越すオンボロ寮の監督生……ナマエさんを見やる。何をそんなに穴が開くほど見つめているのでしょう?
「フフ、どうしました?」
「それなぁに?」
「あぁ、こちら僕が山で採ってきたキノコですよ」
「かわいい」
おや、話が合うようだ。どれが可愛いんです?と広げると薄い青と白色のキノコを指差している。
「んしょみたい」
……?…あぁ、使い魔のウンショウさんのことですね。少し舌っ足らずな監督生さんの言葉だと一瞬気づけずにいました。確かに彼は真っ白なお召し物と髪色ですし、目の色は透き通るようなシアンブルーでどことなく彷彿とさせる……かも?
「主、探しましたよ…こんにちは、ジェイド様」
物腰柔らかく丁寧なウンショウさんはいつもぴしりとしている。そんな彼が額に汗を浮かせ、少し息が荒い……走り回って探していたのだろう。おてんばな主人を持つと大変ですねぇ。
「んしょ!見て、これんしょみたいで可愛いよ」
「かわ………?そうでしょうか?」
頭に疑問符をたくさん浮かべているウンショウさんにそうだよ!と仁王立ちでキノコの可愛さを説いている監督生さん。
「食用ではないので生憎食べられませんが……、お二人ともお暇でしたらモストロラウンジへいらっしゃいませんか?」
「んしょ、おさいふ出して」
「はい」
「ん〜〜…?1000マドルあればんしょも食べれる?」
「はい、充分ですよ」
「主、私は結構です」
皿洗いやちょっとしたお手伝いを各寮でこなしている監督生さんは普段使うようのお財布と、貯金用のお財布を持ち歩いており、貯金用から1000マドルを抜き出した。ウンショウさんは遠慮していましたが、モストロラウンジは紳士の社交場……本来なら監督生さんのご年齢だとメニューは半額か特別な値段の設定なので、とお誘いする。
「おお〜」
「主、私と手を繋いでください」
「はぁい」
なんとも仲睦まじい。ナイトレイブンカレッジの制服とは真逆の色味のお召し物の彼はロイヤルソードアカデミーの生徒のようだ、と揶揄されていたのを思い出す。確かに……監督生さんへの手取り足取りエスコートする様も相まって王子様のよう。
「んしょ、どれにする?」
「……恥ずかしながら私はまだここの文字があまり解読できず……読み上げてもらってもよろしいですか?」
「……あんとれ?サーモンの…???」
フフフ、監督生さんもまだ文字に苦戦している様子。難易度が高かったかもしれませんね。
「アントレはポタージュの前に提供する前菜ですね。監督生さんが読んでいたのはサーモンのポーピエット……お野菜をサーモンでくるっと包んでます」
「おいしそう!お野菜まきまきしてるんだって」
「ポーピエット……ほう」
まるで勉強を教えているかのようにメニュー表を一つ一つ読み上げてどんな料理か説明していく。
ポタージュはなんと人参セレクト。てっきり監督生さんは甘党なのもあってコーンポタージュを選ぶと思っていたのですが……。
ポワソンはスズキのソテー、メインは牛のステーキ。デザートはティラミスと監督生さん用にプリン。
飲み物は僕がセレクトしてお二人に用意する形で。
「ではお先に、こちらドリンクです」
「わぁ!んしょだ!」
昼間のキノコの感想から着想点を得て作成したホワイトサワーにブルーのソースを入れたグラデーションがきれいなサワードリンク。やはり監督生さんは大喜びしてくださいました。
「んしょと同じ色だよ、ほら」
「ふふ、ありがとうございます。嬉しいです」
おやおや、ウンショウさん……耳まで真っ赤になっていらっしゃる。
*フロイド・リーチ
「んしょ、おいしい?」
「えぇ、とても」
うわ〜…オレ知ってる、あーいうのバカップルっつーんでしょ?小エビちゃんもシロクジラくんもいっつもイチャイチャしてる。
前に小エビちゃん、ここの学園でカッコイイって思うオスいねえの?って聞いたら居ないって即答された。小エビちゃんはシロクジラくんと結婚する!と言ってるし、満更でもなさそうなシロクジラくんを見て、ちょっかいかける生徒は減ったらしい。
「ねね、ど〜ぉ?それオレが作ったんだ」
「お肉?」
「魚も全部」
「おいしい!苦くない」
「ええ、丁寧に処理されてるのがとても伝わります。ジェイド様もフロイド様も、本当にお上手ですね……私も見習いたいと思います」
シロクジラちゃん、料理の腕はあんまりなんだとか。前にアズールがモストロラウンジのバイトに引き抜こうとして、あんまりにできねえからホールに移動させた話マジでウケる。
「?私やるよ?」
「なりません、あんな無名の刃物を主に握らせるなんて…」
シロクジラくん、本体は腰にある刀で人間の姿は小エビちゃんの力によって出てきたって説明受けたけど……聞いてもよく分かんねえ。でも同じ刃物で嫉妬はするみてえで、自分以外の刃物を持たせたくないらしー。
「シロクジラくんって意外にヤキモチ妬きだよねえ」
「そうなの?」
「うん。自分以外の刃物触ってほしくねえとかめちゃくちゃヤキモチじゃん」
小エビちゃんはシロクジラくんを見上げて笑ってるけど、ちょっと耳赤くなってる。アハ、図星なんだ。
「んしょ真っ赤だ」
「申し訳ありません……」
*ヴィル・シェーンハイト
「あら、監督生にウンショウじゃない……監督生、襟が曲がってるわ」
「?」
「しゃんと立って」
「しゃーん」
何が面白いのか分からないけどケラケラ笑う監督生の頬を摘むと空気がすぼむ音がして更に監督生は笑う。もう、本当に子供なんだから。
「ビルくん、グリム見た?また逃げたの」
「あら……見てないわ、大変ね。」
そうなの〜と肩をおとす監督生を撫でる。見かけたら声かけるわと告げる……そもそもグリムは何故逃げ出したのかしら?
「グリムが逃げるなんて補習か何か?」
「うん、トレイン先生の補習なの……やだぁ」
「あらあら、制服汚れるわよ」
「あたしここの世界の歴史難しくてすきじゃない!あたしも勉強したくない」
「主、ヴィル様が困ってらっしゃいます」
ウンショウによって抱きかかえられた監督生は観念したよう…でも眉間に皺が寄ってる。
「そういえば監督生、いくつなの?」
「ナマエは〜5歳!」
5歳……文字の読み書きがやっとくらいよね。監督生はもともといた世界で過去に戻って、ウンショウたちと政府からの命に基づいて戦ってたと聞いたことがある。そこで何年過ごしたかは分からないけど、歴史を覚えるにはたしかに幼い。
「頑張ったらアタシが特別メニューを作ってあげる」
「とくべつ?」
「ええそうよ、クッキーなんていかがかしら?」
「ん〜……や!」
「あら、残念……おいしいのに」
「とくべつなクッキーじゃなくて、ビルくんのいつものご飯がいい」
「いつもの?」
首を傾げるとウンショウから説明を受ける。監督生の世界にはオニギリ、といういつもの食卓や特別な行事にも出されることのあるメニューがあり、監督生はここで各国の出身者のオニギリに匹敵するご飯を知りたがっているのだという。
「つまり、家庭料理みたいな……ソウルフードに近いもの?アタシの家だと……オニオングラタンスープとかパルマンティエになるのかしら」
「ぱるま?」
「パルマンティエ。監督生はグラタン好き?簡単にひき肉の上にマッシュポテトが乗ってるグラタンよ」
「ぐらたん?」
あら、グラタンも知らないのね。じゃあそれ作ってあげるから補修頑張ってらっしゃいと送り出す。オニオングラタンスープにしてもパルマンティエにしても……栄養に欠けるわ。トレイに声をかけてみるとヴィクトリアケーキを提案された。ケーキ……まあ、監督生は喜びそうね。今夜オンボロ寮に集合するように声をかける。
「メイン何にしようかしら……」
「監督生のオニギリってやつ気になるな、普段も食べられて特別な行事にも出せるって…ピザとかミートパイとかそういうのに匹敵するんじゃないか?」
確かに…オニギリは一体何で出来てるのかを聞き忘れてたわ。2時間後ぐったりした監督生と、トレインによって捕らえられたらしいグリムが帰ってきたので夜ご飯のことを告げる。
「ニャッハー!オレ様いっぱい食うんだゾ!」
「アンタじゃなくてナマエへの労いよ!逃げ出しておいて調子いいわね」
「ぎく…で、でもオレも補習受けたんだゾ!」
「それはトレイン先生が貴方を捕獲したからでしょう……主、少し眠りますか?」
「ん……寝ない」
「少し仮眠をとったほうが良いかと思いますが……」
「おにぎりはナマエがつくる……んしょだとバクダンになる…」
「ふふ、頼もしいわね」
購買部に言ってお米を買う。アタシはキャロット・ラペとパルマンティエを作り、トレイはヴィクトリアケーキを作る。逃げ出したグリムもきちんと手伝わせ、オンボロ寮に住むゴーストの手伝いもありすぐに終わる。監督生たちは…土鍋でお米を炊いてるのね。コンブと呼ばれる海藻を一緒に入れてたのは見たけど…。
炊き上がったつやっつやのお米を前に監督生がラップを敷き、塩をひとつまみ。ラップ全体にまぶして皿に移しておいたお米をほんの少し円形に広げる。
「それは?」
「しゃけ!」
「へえ…いい匂い、美味しそうね」
「本当は梅干しが良かったけどないから……あちっ」
「気をつけなさい……見せて?…真っ赤じゃない」
炊きたてのお米を触って指先が真っ赤になってる。マジカルペンを振って治す。鮭にフタをするようにまたお米を広げてラップを閉めていく。それを……監督生の小さい手のひらに乗せ、三角形になるようにぎゅっぎゅっと握っていく。なるほど、お握りね!
「これは?」
「のり!」
「のり……?海藻かしら?」
「ええ、もとは藻なのですがそれを一定の厚みに成形し乾燥させたのが海苔になります。お米ととても合うのですよ」
「へえ!乾燥させるだけでこんなに香りが高くなるのね」
新たな食べ物、ノリ。三角系のお握りにくるっと巻いて完成。いい香りね。
「のりがパリパリでもおいしいし、しなしなでも美味しいよ」
監督生の勧めもあり、ひとまず一番最初に食べてみようとトレイと手に取る。
「いただきます。………うん、鮭に到達するまで無味なのかと思えば……塩味がいいわね。ノリの香りもいい」
「これは確かに食が進むな」
「へへ〜グリム、肉球きをつけてね」
アタシが作ったラペとパルマンティエも監督生たちとグリムが美味しい美味しいと平らげていく。
(ぐらたん、美味しかった!!)
(ヴィル様、あとで私にも手順をお教えいただけますでしょうか?主のために作れるようになりたいです)
(もちろんよ)
(ふふ、監督生…ケーキ食えそうか?)
(たべる!たべる!)
(オレ様も!)
(グリム、ヴィクトリアって何?)
(……分かんねーんだゾ)
(薔薇の王国の過去の王女様の名前だな、彼女のお茶会で人気になったからヴィクトリア・ケーキ)
(わ〜!)
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