TWISTED-WONDERLAND
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果然
*フロイド・リーチ
「は?ちっちゃ」
「……?だれ?」
アカイカせんせぇに急いで魔法薬学室へ行けって言われて来たらちっちゃくなったマンタちゃんがいる。しかもオレのこと忘れてんだけど…めちゃくちゃ警戒されてる。
「オレはぁ…マンタちゃんの番のフロイド。マンタちゃん今いくつ?」
「つ、がい…?お兄さんが…?」
そうだよと答えると信じらんねーって顔のマンタちゃんに手を伸ばす。
「……フウカに気に入られてる」
フウカ…?
「フウカぁ?誰それ?」
「サメ。ぼくの盾」
「……?どゆこと?」
マンタちゃんに聞けば盾みたいに守ってくれるサメと嫌なやつをボコボコにしてくれるウツボのウツホが近くにいるんだとか。
「……フロイド、仔犬普段からそんな幻覚を見ているような発言をしているのか?」
「いや、初めて…オレはどっちにも嫌われてねえの?」
「うん」
「ミョウジの隣の駄犬が薬を故意にかけてな……1日程度で戻ると思うが、問題はかけた駄犬だ」
マンタちゃんにイタズラしたあと、突然腕や腹を切裂くような傷で怪我して医務室行きになったらしい。
「そいつらがやったんじゃねえの?」
「……しかし見えないし気配を感じない。召喚術にしても高度すぎる」
「自業自得だしよくね?つーかマンタちゃん、オレ以外のウツボと仲良くしてんの?それすげーやだ」
「?」
「仔犬、先程の話を…」
イシダイせんせぇがオレの隣にしゃがんで来る。
「ぼくじゃない」
「……だが」
「ぼくじゃないってば!」
大きな声をあげたマンタちゃんの空き鍋がひっくり返る。……何これ歯型?
「……分かった、場所を変えよう。フロイド・リーチも同席しろ」
「えぇ〜?…あ、マンタちゃんこっちおいで。オレが抱っこしてあげる」
ちっちゃくて軽いマンタちゃんをだっこして学園長室に連れてかれる。
「いつからそのウツボと友達なの?オレそんな話聞いたことねえんだけど」
「いつから……?もっとちいちゃい頃から」
マンタちゃんが大声を出したときに感じた気配は本物っぽいけど……イシダイせんせぇの言う通り見えねえの変な感じする、ユニーク魔法とはちげえだろうし。
「おやおや……ナマエくん、随分と可愛らしくなりましたねえ…クルーウェル先生たちとついてきた見かけない顔のお二人もお友達ですか?」
「学園長、見えるのですか?」
「ええ、可愛らしいレディが2人見えますねえ……ただ随分と攻撃性が高いようで威嚇されてますけど」
サメとウツボの雌…?人魚ってこと?オレも見えたらいいのに。
「おじさんのことは嫌いだって」
「んまっ!嫌いと決めつけるにはまだ早計じゃありませんか?」
「妖精の類でしょうかねえ…いやそれとも違う………あぁなるほど。これは……イマジナリーフレンドというものですね、それに魔力が付与されたことによって僅かながら実体を持つと」
「イマジナリーフレンド?なにそれ?」
「子供が幼い頃に見る事がある空想上の友人だ。いつの間にか見えなくなると言われているな……ナマエ、学園長に自己紹介をしてくれないか?」
訳わかんねえこと言い始めたイシダイ先生を見ると黙ってろと口パクで言われる。
「?ナマエ・ミョウジ…」
「通ってるスクールやご家庭の様子も教えてくれるか?何して遊ぶときが楽しい?」
「……珊瑚の海のエレメンタリースクールに通ってる。フウカとウツホと遊ぶときがいちばん楽しい、崖下の洞窟に三人で遊びに行くんだ」
ね、とオレらからは何も見えねえ空間に向かってニコニコしてるマンタちゃん、ちょっと気味悪ぃかも…。
「随分とやんちゃな遊びをしてるんだな?」
「フウカは泳ぐのうまいから平気だもん。…パパとママは最近お仕事をやり直してるから大変だっておばちゃんが言ってた」
「……あ〜オレなんとなく分かったかも」
親族の中でもアルビノってだけで浮いてるって話してたマンタちゃん。頭いいし普段もウミガメくんみたいな取っ掛かりやすさもある…けど、今のマンタちゃんはめちゃくちゃ寂しそう。エレメンタリースクールでも家族でも浮いて1人だから、見えねー友達作って遊んでるんじゃね?
「学園長、もっとそいつらに魔力ふってオレらにも見えるようにしてよ」
「随分簡単に言いますねぇ、君は……。そもそも魔力を付与したのは…もしかしてナマエくんですか?」
「?」
「だとしたらとんでもないな……無機物に命を与えるのと同等だ」
まあやってみましょう、って呟いた学園長が杖を振ると…ほんとに姿が見えてきた。マンタちゃんと同じくらいのがきんちょ。青いほうがサメで、オレンジのこいつがウツボか…ふぅん。
「あららこちらを睨みつけてきてこわぁい…こんな野蛮な子らにウチのナマエは預けられへんなぁ?」
「そうじゃそうじゃ!ナマエ、今からでも帰るぞ!」
マンタちゃんの両手を掴んでギャーギャー言ってる。
「言っとくけどマンタちゃんはオレの番なの、勝手に連れて帰んねえでくれる?」
「なーにが番じゃ、お前みたいな男にはやらん!」
「なんでお前がお父さんポジなの」
「そこの白と黒のあんさんもナマエが一生懸命話してはるのに一方的に決めつけてきて…濡れ衣着せられるナマエが可哀想やと思いませんの?」
イシダイせんせぇにもケンカ売ってる。
「マシなのはコイツじゃな、センスの欠片もない服着とるが」
「んま〜!随分失礼ですねあなた達…!いいですか、ナマエくんは今魔法薬の影響で今の年齢に一時的に戻っていますが彼は本来17歳で、この学園の生徒なんですよ」
「17?!」
「ナマエ、そない大きくなって…見てみたいわぁ」
ふぅん、やっぱ途中で見えなくなったんだコイツら。小さい頃のマンタちゃんの記憶しかないんだな。
「………2人とも、大きくなったらいないの?」
「あ、いやえーと…」
「あーあ、学園長泣かせた〜」
よしよしとだっこしてあやすけど全然泣きやまない。
「イシダイせんせぇ、今日のことって覚えてもとに戻んの?」
「…元に戻ってみないと分からん、なんせ駄犬が作ったレベルの魔法薬だ」
「ふーん……ね、マンタちゃん」
「…?」
あは、鼻水出てるカワイイ〜。ちゃんと呼びかけると反応して偉いねえ。
「今はぁ、エレンタリースクールに友達いなくてつまんねーかもしんねぇけど……16歳になったらすんげー楽しいよ、17歳になったらオレと番になるからここで待っててあげる。だから今はそのがきんちょたちとたくさん遊んでおきな」
「がきんちょとはなんじゃ!貴様少しでかいだけじゃろうが!!」
「はいはいおチビは黙ってな」
「あらあら、ウツボ同士仲えぇなあ。態度が大きいのそっくりやないの」
「なんじゃとフウカ!!」
ぎゃいぎゃい騒ぎ始めたおチビたちからマンタちゃんを少し離して分かった?って確認したら頷いてる。いいこだねえと頭を撫でるといつものマンタちゃんの表情だ。
元に戻るまでオレが面倒見ろってイシダイせんせぇに押し付けられたから、万が一のときのために夢の中に入れる薬を交換条件でもらった。
「なぜ夢?」
「どうやって元に戻るか分かんねえけど……寝てるときに戻る、しかも今日の記憶まんま引き継ぐならちびマンタちゃんぐずりそうじゃん、甘えんぼだし」
「ほう……ふっ、番への愛が随分深いんだな」
「当たり前じゃん、オレの番なんだし。人魚って一途なんだからこんくらいするよ」
イシダイせんせぇに笑われながら薬をもらって、ちびマンタちゃんとギャーギャーうるせえおチビのお守りをしてベッドに寝かせる。
「お前ら床な」
「せめてソファにせんか!痛くて寝れんわ!!」
「おもてなしの基本から学んだほうがええんちゃいます?」
うるせーからアズールに押し付けてマンタちゃんと同じベッドに入る。かわい〜…もうウトウトしてる。
「寝たくない……フウカたち居なくなっちゃうの?」
「居なくなんねえよ、消えるんじゃなくて見えなくなるだけでそばにいるよ。いーじゃん静かになるし」
そう言うとうるさいことは認めてるマンタちゃんがケラケラ笑う。あっという間に寝落ちしたマンタちゃんがやっぱり魘されてるのを見てから薬を飲む。
*ナマエ・ミョウジ
「やだ、置いてかないで!」
毎日一緒に遊んでるのに、喧嘩もしてないのになんでおいてくの…。声をかけてもウツホとフウカは先に進んでいってしまう。
「…あ、いた…マンタちゃん、」
「……?」
「フーローイード。もう忘れちゃった?」
フロイド?……あぁ、ウツボのお兄さん……ぼくの番だって頭撫でてくれた人…。
「あれ……」
「ここね、夢。マンタちゃんいま夢見てるんだよ…はいごろーん」
「ウ、ツホとフウカに…っおいてかれた」
「アイツら今ぐーすか寝てるよ、夢だよ夢」
右手を握りしめられる。あったか……手大きい。身長も高い、お父さんより高かったもんな…。
「…マンタちゃん、よっぽど寂しかったんだねえ」
「……?なに、が?」
ほら泣かない、ってフロイドくんの手が胸にくる。じんわりあったかくて落ち着く…。
「賢いから分かってんでしょ、アイツらがマンタちゃんの中でしかいねえって。だから魔力注いでまでして実体化させたかったんでしょ?」
「……いるもん、」
「うん、居なかったのに居ることにしちゃったねえ」
「違う、最初からいたもん!」
「ん〜あんま大きい声出さねーの……オレもイシダイせんせぇにも見えなかったよ?最初は」
ぐ、と言葉に詰まる。スクールの先生に言われたことを思い出して頭をブンブン振る。
『ミョウジくん、君さっきから誰とお話してるの?』
「…っるさい、うるさい!!!」
「マンタちゃん、ぎゅー…落ち着いて…誰も責めてねえよ?」
「皆してバカにしてきたじゃん、嘘つき!フウカもウツホもいる!ぼくは触れるし体温だってある!」
フロイドくんの力は強くて腕から出られないから腕を強く叩く。
「それ言ってきたのって、エレメンタリースクールの子たちの話でしょ?」
「………」
「マンタちゃんがちょっと失敗しちゃった実体化、今日学園長にやってもらったじゃん…思い出してきた?」
「う、ん」
「だから今はいるからいーじゃん、置いてかないし消えないし見えなくならねえよ。だって実体化したんだもん」
「………?むずかしいよ、フロイドくん」
「あは、夢だとマンタちゃんちょっとお馬鹿になるのカワイイねぇ……オレの予想は〜…大きくはならねえけど、あの二人ずっと居るとも思うよ。体があるから」
「ずっと…?」
「うん、ずっと。オレ的には邪魔だけど」
「ジャマって言わないで」
ごめんごめん、と笑うフロイドくんをじっと見る。カラスの仮面を付けた変なおじさんがイマジナリーフレンドって言っていたのを思い出す。イマジナリーフレンドってどういう意味だっけ……?
「小さい頃は空想の友達作るくらい寂しかったんだろうけど、大きくなったらオレがいっぱい愛してあげるからもう寂しくないよ…だからちゃんと寝てみ」
「フロイドくんもいる?」
「いるよ、番だもん。死ぬまで一緒」
番……なんでぼくもフロイドくんも自分たちを選んだのかまだ分かんないけど…確かにフロイドくんの手や腕の中は落ち着く。
「おやすみ、マンタちゃん」
「……ナマエ、ナマエ!いつまで寝とるんじゃ!」
「え……?」
なんだか懐かしい声が聞こえる。目を開けるとしかめっ面のフロイドが寝てる。……フロイドの声にしては高かったような…?
「こっちじゃバカもの!」
「………ウツホ!??」
「ほーほんとに大きくなってるんじゃなあ」
「あらあら目ェまんまるにして可愛らしい、久しぶりやね」
間違いない、小さい頃毎日のように遊んでたウツホとフウカだ。あの頃と全く変わってない…。思い返すと転校かなんかか分からないが、急にいなくなった……気がする?なんか記憶が怪しい…。
「マンタちゃん…おはよぉ……寝れた?」
よっぽど俺より眠れてなさそうなフロイドに声をかけられる。頭を撫でて起こすと、昨日の魔法薬学の授業での事故のことを教えてくれる。エレメンタリースクールに通う頃の俺に一時的に戻っていたこと、イマジナリーフレンドに実体を持たせていたこと、学園長が更に魔力を付与して殆どの人の目に触れるくらい実体を持つようになったこと、そのおかげか正式にはイマジナリーフレンドではなくなり、今こうして目の前にいること。
「あんさんはよう甘えて泣き虫さんやからなぁ、1人にするには心配やったよ」
「あの変なのいわく、ワシらは妖精に近いらしい。魔力をもらったから好きにナマエの前に来たり隠れたりできるんじゃ」
(……話についていけない)
(昨日マンタちゃん暴れて大変だったんだかんね、泣き喚くしおチビはおチビで暴れるしさあ)
(ご、ごめん……)
(ん〜?まあちびマンタちゃんも可愛かったからいいけどぉ…マンタちゃん、エレメンタリースクールの時結構問題児だったの?)
(………べ、つに…)
(へ〜、昨日オレ夢の中でマンタちゃんの記憶見たけど?なんか血みどろ多かった気がするけど気のせい?)
(ワシじゃな、ナマエのことを死人のように白くて気味が悪いなんぞ言って冷たい海底に沈めようとしよってボコボコにした)
(あったわぁそんなことも……ぎょーさん泣いて助けを求めてきて滑稽やったわ)
(へえ、楽しそうじゃん)
(楽しくないだろどう考えても…)
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