HQ 及川
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コイバナ
*ミョウジナマエ
何に着替えよ……ジャージ?部屋着?寝る前じゃないしなあ……これからもう寝ます、みたいな服しかない。ハーフサイズのパンツとネイビーのスウェットに着替える。制服をかけてるとノック。………ママでも一静でもないな、誰だろ?え、もしかして……岩泉くん……??!!?車内では説教できなかったからってわざわざ部屋に……??!
そういえば、1番怒ってるのは及川くんって一静が言ってたような?はい、と返事をしてドアを開けると岩泉くんではなく、及川くん。
「訂正、あるから話に来たんだけどいい?」
訂正……頷いて立ったままも疲れるだろうからとお部屋へどうぞ、と言う。先週末キレイにしといてよかった。流石にソファとかはないからふかふかクッションを譲る。私のちょっとファンシーな部屋に及川くんがいるの、ちょっと面白い。
「さっき、ごめん……ちょっと怖く言い過ぎたって思って」
「いや、私が……私がバカだから、悪かったし」
「…ナマエちゃん、バカじゃないでしょ」
「………」
「誰かに言われた?……まあちょっと天然だな〜って思うけど、ナマエちゃんはバカじゃないよ」
「……それ、皆言うけどさ、天然ってバカを優しく言い換えたんじゃなくて?」
昔、本当に昔。小学校の中学年くらい?意地悪な子に言われた言葉。周りも確かにって同意してた。
「え?全然違うと思うけど……天然ってちょっと抜けてて……ナマエちゃんみたいに人の悪意に気付きにくい人が多いかな。バカはなんつーか……救いようないって感じ?」
「……なにそれ」
ものすごい悪口言うじゃん、バカに対して。思わず笑うと及川くんがジッとこちらを見てくる。
「さっき、怖がらせすぎちゃってごめん。ナマエちゃんはいい子だよ、でもあんまり人を疑わないでしょ?だから心配だっただけ」
「……うん、及川くんの言うことは正しいと思ったから…私も気をつける。よく、部活で遅くなったときに先に帰ろうとして待って!っていうのもそういうことなんだよね?」
「うん…女の子の一人歩きは危ないからね」
そのことも4人から怒られたっけな……。確かコーチからも怒られた気がする、全部が線になるような感覚だった。皆こういう気持ちで口酸っぱく言ってくれてたんだ。
「ナマエちゃん、あのさ」
「うん?」
「今まで誰かのこと好きになったことある?」
「急に話題変換したね」
「気になっちゃって」
「うーん………ないかな」
期待してないと付け加える。
「期待?」
「私、一目惚れとかそういうの分からなくてさ。これは私の考え方なんだけど、パッと見ただけの人のどこをどう好きになるの?って感じちゃうんだ」
「なるほどね」
「……中学生の頃さ、話したこともない1回もクラスが被ったわけじゃない……はずの男の子たちがさ」
「?うん」
「誰が好き?って話で放課後、盛り上がってて……聞く気はなかったんだよ、ちょうど私の席に座ってたから…教科書取りに行けなくて」
「うんうん」
「私の友達の子が好き〜、とか、隣のクラスの〇〇さんが好き〜って言ってる中に、私の名前をあげる人がいて」
「うん」
「周りの子たちもさ……ミョウジさんかぁ、可愛いもんね。でも天然過ぎて話通じなそう、とか顔は可愛いのに身長がなあとかさ……なんていうの、ものすごい見た目と偏見で色々言われたのが悲しくて。
ルナちゃんみたいに私のいいところはこうで、だめなところはここだよねって言えやしないのに、見た目で全部判断されちゃうんだって」
ママにも一静にも言ったことのない、ルナちゃんにしか話したことのない話題。可愛いから好きって言う人が大半で、私の中身なんか見てくれない。顔と名前を覚えるのに時間がかかる私の中身を知ったらもれなく皆距離を置く。だから期待してない。
「……ナマエちゃんさ」
「ん?」
「やっぱ慎重なんだね」
「……やっぱ、とは?」
「マネ入るときも相当考えてくれたし、その後の嫌がらせも相当オレらのこと考えてくれてたじゃん。ものすっごい考えるタイプなんだ……新しい駄菓子屋を求めて適当に歩くような直感的なとこもあんのに」
「ゔ………」
言い返せない。
「はは、ウソウソ……ねえ、じゃあさどういう人がタイプ?」
「タイプ?……理想のってやつ?」
そそ!とニコニコで及川くんが見上げてくる。どうしてこんな急にコイバナを?
「考えたことないけど………例えばで及川くんの聞いていい?」
「ん〜、オレは笑顔が可愛くて、何かに一生懸命になれる子で……バレーが好きなオレのことが好きな子が理想かな」
「おお……なるほど、大事だね」
「でしょ?私と仕事どっちが大事なの!?なんて詰められたら、別次元だから〜〜!ってなる。理解はほしいかな」
確かに。高校生とは思えないストイックさで練習をしている及川くんたちに、デートしたいのに!と詰め寄っても辟易しちゃうだろうからね、お互いに。
「理想の人か……思いやりがあって、優しくて……」
簡単に人を傷つけたりしない、私にだけ優しいんじゃなくて優しくするべき人に優しくできる感じ…?
目を閉じて想像したら、及川くんのファンクラブの子たちに怒る及川くんが思い浮かぶ。ルナちゃんは八方美人だ、なんて言ってたけど………応援したいって思う子たちの気持ちは大事にしたいから、と新しくマネージャーになった私とファンクラブの子たちに波が立たないように立ち回ってくれてたのは及川くん自身だったな。
「あとは、大事にするものを大事にできる人?………とか?」
「なるほどね」
及川くんってコイバナにこんなに興味あるタイプなんだ、知らなかった。上手くいってないときの愚痴?をたくさん聞くのはしんどくなってきて苦手だけど、人が幸せそうにしてるのを見たり聞いたりするのはいいよね。
「小学生みたいな答えになっちゃった気がする……あ、でも!確かにってなったキャラクターいる、のび太!」
「のび太?どらえもんの?」
「うん、しずかちゃんとの結婚前夜エピ知ってる?」
「ふは、何それ知らない……大人になった話あるんだ」
あるよ〜、と掻い摘んで話す。マリッジブルーになったしずかちゃんが夜にお父さんの部屋へ行き、本当に結婚した方がいいのかな?と不安をぶちまける。しずかちゃんのお父さんはそこで、名言を残すんだ。
「のび太くんは人の悲しみを悲しめて、人の喜びを自分の事のように喜べる人だよって言うんだよ、のび太みたいな人が理想かも」
自分の事のように、というのが難しくて凄いところだと思う。やろうと思ってやってるわけじゃないし、しずかちゃんのお父さんの気持ちもわかる、安心して送り出せるよね。
「へえ、なるほど。ナマエちゃんドラえもんとか好きなんだ」
「ブラック・ジャックも好きだよ…漫画あるし」
「渋い」
渋くないよ!と反論する。セリフやコマを覚えるくらい読み返した漫画の一つ。一静にも貸し出ししてブーム作ったんだから。
ママからご飯できたよ、と呼びかけがあり降りていく。おお、豪華だ。とんでもない量を食べる食べ盛りの子が4人もいるからかな。いつものご飯より6倍くらい多い。
「足りなかったらもう出前とろう」
「足ります、美味そう」
「ナマエはこっち、椅子いくつか出して」
は〜い、と来客用の椅子をいくつか出していく。いて、折りたたみ椅子に軽めに指挟んだ……。
「ちょっと、ナマエちゃん何してるの」
「指むにってやった、繋がってるよ」
「いや断裂してなくてももっと慌てて?!」
過保護になった及川くんに指を見られた。赤くなってないし多分平気。そんな勢いで挟んでないし。すれ違いざまに家具に軽めに肩ぶつけたみたいな、そんな小さな怪我。
いただきます、と声を揃えて皆でご飯を食べる。なんか画面の圧がすごい。
「美味え」
「一静、お肉あげる」
「お前は少し食え」
「野菜食べるから」
「タンパク質も摂取しろ」
お父さんにバレたのでお肉を譲れずもそもそ食べる。いっぱい噛まなきゃいけないから、顎が疲れるんだ……。
でも今日は私の大好きな麻婆茄子もある。中華三昧で嬉しい。
「おお、ミョウジが大盛りにしてる」
「麻婆茄子は好きだからね」
「美味いよなあ」
「啜れるから美味しい」
「「「……啜る?」」」
おお、3人揃った。ナスを麺みたいに啜るんだよ、と返すと噛めよって怒られた。一静にも昔から言われてることだからか、一静とママは大爆笑してた。
「あ、そうだ……夏になったらバレー部も合宿とかする……のかな?」
「はい、その予定です」
そうなんだ。合宿、私生まれて初めてだ…なんか緊張するな。
「学校の施設に泊まる感じ?先生方に聞いたほうがいいのかな」
ママをじ、と見る。私がマネ1人しかいないから、泊まらせるか帰らせるかで悩んでるのかな……泊まってみたいけど。修学旅行とか、そういうの以来だし。
「例年通りだと、大学のチームとの合同合宿になると思います、たぶん……でも大学のチームも人数多すぎて泊められないんでナマエはここに帰ってきてもいいかもね」
「え〜〜…」
「えーじゃねえだろ、松川の言うとおりにしとけ」
「お泊り会したかったな」
「一応合宿だからね?ナマエちゃん……」
「枕投げとかさ…」
「おとぼけちゃん、枕であっても倒れそう」
失礼な、体幹鍛えるようになってからちょっとはブレなくなったのに。私は泊まってみたいなぁ、という気持ちをママに伝えておく。日程とかにもよるだろうし、まだ確定じゃないから。監督とコーチと要相談だな……。
あんなにあったご飯を4人はペロリと平らげて、ママは逆に感動してた。すごい、全部完食……!お弁当箱が私の3個分くらいあるわけだ……。
「あ、そだ。ナマエのペナルティってことで黒歴史放出どお?」
「やめてくださいまじで」
「「「お〜!!!」」」
なんで盛り上がるの。ママもウキウキでビデオを持ってくるもんだからもう止めようがない。岩泉くんと及川くんの背中の後ろに隠れてなるべく小さくなっておく。
「まあ俺の黒歴史でもあるケド」
「まっつんも?楽しみ〜」
「なんと、ナマエに付き合って女装」
「ヤバ!!!!楽しみすぎる」
あ〜あのセーラームーンのやつか……地獄だ。
『はい、じゃあお二人さんどうぞ』
幾分かまだ声の高いパパの声が聞こえる。もう後ろでヒイヒイ笑ってる一静ママたちの声も入ってる。
「松川、目ェ死んどんぞ」
「仮面ライダーかセーラームーンかでジャンケンして負けたあとだからね」
『愛と正義のセーラー服美少女戦士!セーラームーン!!ちゅきにかわっておしおきよ!!』
「わ〜ナマエちゃん可愛いじゃん……めっちゃ小さくなってる…!」
笑わないでよ、と肩を押しておく。
『水の星!水星を守護にもつ知の戦士、セーラーマーキュリー!水でもかぶって反省しなさい!』
「そんでなんでお前も暗礁できんだよ」
「そりゃナマエに付き合って散々見てたから。逆に仮面ライダーの変身動作完璧だよ、ナマエも」
「順番!って交代でビデオ入れてずっと見てたよねえ、二人とも」
スタメン五人を交代しながらやって、画面に釘付けになってる私と一静が映し出される。
『新たな時代に誘われて…セーラーウラヌス、華麗に活躍!…同じく、新たな時代に誘われて…セーラーネプチューン、優雅に活躍』
『きゃ〜!!!』
「明日から学校行かない」
ひっくり返って笑う3人を見てそう呟けば一静までウケだす。全然ウケないし面白くないんですけど。
(ごめんごめん、そんな拗ねないでよ)
(めちゃくちゃおもろかったな)
(おもろくないし)
(きゃ〜!!!って反応面白すぎ)
(花巻くんまで……)
(今度このメンバーでやる?おとぼけちゃんセーラームーンでいいよ、俺ヴィーナス推しだからヴィーナスやる)
(じゃあ俺亜美ちゃん好きだったからマーキュリーやるわ)
(岩ちゃんどっちやる?マーズ?)
(やんないからね!!!)