HQ 及川
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潜入
*ミョウジナマエ
今日は待ちに待った烏野の文化祭!同じ市内だしなんていうか同じクラスにいる子みたいな距離感ではあるけど、実際に訪ねるとなると遠いし時間かかった。
「げ」
「どした?」
「漏らさなきゃよかった、一静たちも来るって」
私がいそいそ準備してたのが気になった花巻くんにうっかり烏野の文化祭行く!と漏らしてしまった。
あんな大男4人と一緒にいたらどう見たって目立つに決まってる。しかも今日はかわいい小ギャルのルナちゃんまでいるんだから。
「ほらじっとする……ハイ完成〜いやー、アンタ目が垂れ目だからメイクのしがいがあるわ」
「そうなの?垂れ目が…?」
「私は垂れてないしむしろ釣り目だから全く勝手が違うの、いい練習になるわ…よし、リップ塗ってレッツゴー!」
おー!と手を伸ばして烏野への道のり再開。坂道を歩いてると商店を発見。私の駄菓子センサーが反応してる、ここは絶対にいいのある…!
「ルナちゃん、ここ」
「思ってた…今日いくらもってきた?」
「3万」
「バカなの?は〜おもしろ。ちなアタシ2万6000円」
一緒じゃん。笑い合いながら商店に入るとタバコの匂いがする。お〜いいねいいね、個人経営のお店って感じのラインナップ!珍しいの多い。
「品揃えよすぎん?媚びてない」
「私これ見たことないかも」
2人で真剣に吟味してるとタバコをふかしてたお兄さんが突然隣にやってくる。
「お前どこかで見たことあると思ったら……青城のマネか」
「??」
「アンタ有名人ね〜、バレー部の人ですか?この子人に関する記憶力なくて今思い出してる最中だと思います」
ルナちゃんが補足を入れてくれた通り頑張って思い出してる。こんな人どこのバレー部にも居なかったような……?
「烏野のコーチだ。この間は世話んなった」
「あぁ…?あ!いた、思い出した」
こっそりヤンキーだって言って一静に絶対に相手の前で言うなよってめちゃくちゃ怒られたやつだ。言うわけないのに……。
「先日はどうも」
「文化祭か?珍しいな」
頷く。コーチだし言っていいかな…。
「烏野のマネちゃん……清水さんにやっほーて言いに来ました」
「……え、それだけのために来たのか?結構遠かっただろ」
「遠くてびっくりしました」
コンビニやスーパー、お店を何件もハシゴしてお菓子を買いにいく私たちでさえ遠いねって感じたんだもの。
「ここでいくら使う?」
「ん〜〜最大で1万5000円かな」
「……は?」
私とルナちゃんの会話に疑問符をうかべてる烏野のコーチ……親玉カラスさんにお菓子に目がないことと品揃えが良すぎるから文化祭の前にここでお菓子買ってくことを告げる。
「にしても……1万も使うほど買い込む気か?行きがてらに買ったら重いだろ、取り置いてやるからかご入れとけ」
「神さま…!!」
「めっちゃやさしー!お兄さんありがと!」
私たちが大げさにはしゃいでどんどんカゴにお菓子を入れてくから、ちょっと笑顔が引き攣ってたけどめちゃくちゃ優しい人だった。ヤンキーなんて思ってごめんなさい。
たんまりとお菓子を取り置きしてもらい、いくつかは先にお金を払って食べながら烏野へ向かう。計算もしてくれたからお財布の中のお金を分けておく。
「あ、見えてきたよ!すご、制服学ランなんだ…アタシたち超目立つね」
青城の制服はブレザーだし珍しく白地のデザイン。白地にパステル風味なブルーのラインが入っていたりするからかなり浮いてる。学ランじゃない制服もちらほら居るけど、青城は居なさそう……だって遠いから。
「3年何組なんだろう、清水さん」
「名字がもっと希少なら見つけやすいんだけどねえ、清水となると……」
2人で歩いているといろいろ声をかけられる。焼きそば食べない?とかたこ焼きどうですか?とか。小型の星くずキャンディー食べてるからお腹は空いてないんだよな。
3年生の階についた。ひとまずちらちら覗いていこう。1組…居なさそう。
2組……うーん…。あ、いた!この間の里山さん?と泣きぼくろのお母さんもいるし更にもっと背の高い人もいる。
「あの子じゃない?」
「うん、あの子。烏野のお父さんとお母さんもいる」
「……あ〜なんとなく分かるわ…お母さん泣きぼくろの方でしょ」
頷く。やっぱ分かってくれる?とルナちゃんに尋ねると感覚的になんとなく、と返ってくる。入り口で入らず中を見てるから廊下の人たちがなんだ?と私たちを見てることに気付く。
「邪魔になるし入ろうか……よし、たのもー!」
「なんで挑むスタイルなのよ」
「あれ、青城のマネちゃんじゃん!」
「こんにちはお母さん」
「「お母さん……???」」
お父さんと背の高い人が私を見てくる。
「清水さん、ひさしぶり!会いに来た……あ、マシュマロあるけど食べる?」
「え?…あ、ありがとう……隣はお友達、だよね?この間も居た」
「え〜!?アタシのことまで覚えてくれてんの〜?!アタシはルナ!」
「初対面のルナちゃんなかなか忘れないよ」
「何言ってんのアンタ私のこと2回も忘れてたくせに」
「許してほしい」
ルナちゃんは清水さんと握手をして私はもう片方の手にマシュマロを乗せる。
「お母さんも食べる?」
「それなんなの?食べるけど」
お母さんぽいからお母さん、と伝えるとお父さんが笑ってるからあなたはお父さんだよと伝えると今度は背の高い人とお母さんが大笑いしてる。
「ちょっと納得行くかも」
清水さんのお墨付きのあだ名になった。里山じゃなくて澤村さんだった……危ない、名前で呼ばなくてよかった。
「清水さんフリータイム?よかったら皆で一緒に回ろ!」
「ちょっとルナちゃんマシュマロ取りすぎ」
お母さんたちも後ろからついてきてくれるみたいだ。おすすめはお父さんとお母さんのクラスのお化け屋敷らしい、遠慮したい。すごい叫び声聞こえてきたもん。
「下降りてくべ、2人は腹減ってないの?」
「お菓子食べたし…」
「商店に取り置きしてもらったしね」
「また買ってんの?!」
もちろん、と返す。お母さん若干引いてるね?
「潔子さ…はぅあっ!??!」
「……?」
「あぁ、気にしなくて大丈夫」
胸を抑えて倒れ込んだ坊主頭の人に気を取られていたら清水さんに肩を叩かれる。知り合い?
「田中〜、他校の前なんだから恥ずかしいことすんなっつの」
「そんなん無理ですって…!ノヤっさん!ノヤっさーーん!!!」
「わあ元気、野球部?」
「あ、田中のこと覚えてない?」
「え、バレー部?ごめんなさい……何番のギブス着てた?」
4だったかな、と返されて思い出す。4、4……。
「………あ〜!思い出した、及川くんのこと睨んでた子だ」
どんな思い出し方よ、とルナちゃんに突っ込まれるけど正解だったみたいでそうそうと色んな人に言われる。周知の事実なんだ…。
「ナマエ見てフルーツサンドある」
「4個食べる」
「おけ、清水さんは?」
「わ、私1個で大丈夫かな……4個も食べるの?」
「ほら、お菓子は別腹って言うじゃん?……あ!岩泉くんたちには内緒にしてね?マジで怒られるから」
そう頼み込むとお父さんが前も怒られてなかったか?と尋ねてくるので頷く。岩泉くんはいつも怒ってるもん。
ルナちゃんからフルーツサンドを受け取り、ひとまずミカンから頂く。……ジャムまで塗ってある、めちゃうま〜!バナナ、イチゴ…と食べすすめているとお母さんが「あ」と声を漏らした。振り返ると鬼の形相の岩泉くんがもう私の目の前に立ってる。
「………1個目です」
「何だその脇にある大量の包み紙はよ?何個だ、言えや」
「清水さんと半分こした!」
「烏野巻き込むんじゃねえアホ……悪ィな…おい坂田、甘やかすなっつってんだろ」
「可愛い子を甘やかして何か悪いわけ?むさ苦しい、アホ川連れて離れてよ」
「没収」
「あー!楽しみにしてたマンゴー!!!」
「松川食え」
「返してよ、食べ物の恨みすごいからね」
「マジですごいから恨まれたくない、花巻ドゾ」
「この流れで食うわけなくね??」
花巻くんから無事に帰ってきたマンゴーのフルーツサンドを食べてると遠くから歓声が聞こえた。もしかしなくても及川くんだろう。
「なんでアイツ連れてくんの?トラブルの元なのに」
「まあまあ、ハブったらさすがに可哀想じゃん。あと及川くん一生そのネタこするから」
「連れてこないほうが面倒くせェんだよ……」
散々な言われようだけど事実だ。ずっと言われるだろうからね……老人ホームでも「あのとき置いてったよね!!」って言ってそうだもん。
「ミスコンコンビは目立つね」
「ミスコン?」
「そ、青城の悪しき伝統だね〜要らなくない?ってなってる各学年のミスとミスターコンテスト。及川は3年連続連覇で、今年はなんと!アタシが可愛く仕立てたナマエが3年のミス!」
「へ〜!凄いじゃん!」
お母さんに褒められるのでありがとう、とブイサインで返す。
「動機クソほど不純だけどな」
「岩泉くん聞こえてるよ」
聞こえるように言ってんだ、と怒られた。マンゴー美味しい。帰りの商店のお菓子どうやって説教を免れようかな……。
「おとぼけちゃん、クリーム。ティッシュは?」
「ウェットシート持ってきた」
ポッケをがさごそ探すと落ちそうだったのか一静にフルーツサンドと手を守るように掴まれる。
「おとぼけちゃんってあだ名?」
清水さんにそう聞かれるけど…分かんない、なんかいつの間にか呼ぶようになってたし。ウェットシートで口元を拭きながら一静を見上げるとため息吐かれた。
「俺の幼馴染は大変天然でね…とぼけてる事多いからおとぼけちゃん」
「初めて知った」
「これ6回目ね説明」
うそ、5回も聞いてたの?すっかり忘れてた。
「……待ってナマエ、あれ」
両手で頭を挟まれるように持たれ方向転換する。のど自慢の看板と景品一覧……!!!!
「関東地方限定のチョコポテ!??!」
「なに?またお菓子見つけたの?」
お母さん動じなくなってきた。強い、岩泉くんもこうならいいのに。コーチと一緒になって怒ってくるから味方が誰もいない最近の部活を思い出す。
「1位の景品!ナマエ何歌う?」
「からおけの18番」
「どれよ、たくさんあんじゃん」
もう出る気満々の私たちのもとに咳払いが響く。岩泉くんだ。
「お願いします」
「ブッ……ふっ、お辞儀深…っ」
「んな深いお辞儀してもダメだ、どうせそこの商店でも買うだろ。しこたま駄菓子置いてあったし」
「な……監視カメラでもつけてる?!」
「つけるかアホ、お前が単純なんだべや!」
つけんでも分かるわ!と暴言に近い言葉言われた。烏野の父母はお腹抱えて爆笑してる。
「ナマエ、アンタGPSでもつけられてんじゃないの?」
「体内に…??」
「あっはっはっ!おもしろ!」
「つけるかっつーの!」
(なぁに、岩ちゃん大声で…あ!烏野のマネちゃんじゃん、やっほー)
(清水ちゃんに気軽に声かけんなアホ)
(ほんと冷たいねえ……)
(で、ナマエちゃんはまたお菓子食べてんの?ほら落としてるよ、ヘンゼルとグレーテルじゃないんだから)
(やば、拾って食べないと)
(拾うな!んでもって食うな、3秒以上経ってるだろ)
(前に一静が時間は関係ないって)
(あれはドーナツ砂まみれにしてたからでしょうよ…)
(お菓子関連になったら脳バグるのなんなの?)
(ひどい、お父さん聞いた?私皆に悪口言われてる)
(烏野きてもいいんだよ〜お母さんもいるからねえ)
(ちょっと!ウチの大事なマネ拐わないでくれる??)