HQ 菅原
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夜泣き
*ミョウジナマエ
肝を試すところか肝を冷え冷えにして今日は終わった。姿や声なんかは聞いてないけど、ものすごい悪寒がしてとにかく怖かったのには変わりない。
清水先輩と仁花ちゃんが手を繋いでくれた上に白福さんたちが真ん中で寝ていいよ、と譲ってくれたので心が休まる。皆におしくらまんじゅうされてる気持ちになる。
寝付きはよかった、疲れてたのもあるけどすぐ眠れたけれど夢見が最高に悪い。さっきから何度も起きてる……真っ暗な川?があるような景色の夢で、川からなにかやってくる直前に目が覚めるのを繰り返して…もう3回目?くらい。
「……ナマエちゃん、寝れない?」
「…清水先輩……」
「魘されてるから…冷えぴた貼ろうか、すごい汗」
「いいです、ここにいて…」
起き上がろうとする清水先輩の手を引く。
「いるよ、すぐそこにあるから……よいしょ」
おデコ出して、と言われて前髪を上げる。ひんやりとした冷えぴたが気持ちいい。
「烏野にいるときのこと思い出してみて、りくくんのこととか」
左手を握られる。清水先輩の手あったかい……。
「……先輩、ねれますか…?」
「うん、私どこでも寝れるから」
よかった……付き合わせてごめんなさい、と呟く。清水先輩は何か言っていたようだけど、眠気がやってきて返事は聞き取れなかった。
「ナマエちゃ〜ん、おはよ〜朝だよ〜」
聞き慣れない声がする。意識が浮上して体が動く。
「あ。起きた?」
「そろそろ朝練始まるよ」
「ナマエちゃん、寝れた?」
「………?」
今何時……?時計を見ると6時半。今日は烏野が朝ご飯当番だったはず……。白福さんと雀田さんに起きて〜と体をゆっくり揺さぶられる。
「清水先輩、ちゃんと寝れました?」
「うん…ナマエちゃんは?」
「変な夢見なかったです、ありがとうございました」
「よかった…すごい魘されてたから心配だったんだ」
実は、と夢の内容を話すとそれは怖いねって同意してくれる。
*菅原孝支
肝試し以降ナマエちゃんは1人で廊下にいくのが怖くなってしまったようだ。マネの仕事で水道に行くときとか備品取りに行くときの表情がものすごく固い……そもそも怖がりなナマエちゃんに昨日の出来事は相当キツかっただろうな……可哀想なことした。
「清水、昨日大丈夫だった?」
「…私は平気だけど……ナマエちゃんはあんまり眠れてないと思う」
「…え、泣いてたりした?」
「寝付きはよかったの。でも何度も魘されて飛び上がって起きてた、同じ内容の怖い夢見てたって……だからナマエちゃん今日ほとんど眠れてないと思う」
「谷地さんは?」
「恥ずかしながら私はぐっすり……でも!手は握ってました!!」
偉い偉い、と褒める。
「ナマエちゃん」
「っ!……びっくりした…」
「……寝れてないんでしょ、フラついてるべ…少し仮眠してくる?」
そう聞くとそこまでじゃないしちゃんと仕事をする、と真面目な答えが返ってくる。ナマエちゃんの頭を撫でながら様子を見る。
「……あ、菅原さん、ミョウジさん…ちょうどよかった」
赤葦だ。向こうのエースの木兎くんもひょっこりやってきてる。
「なになに?珍しいメンバーだな」
「……あれ、もしかしてナマエちゃん少し見えるようになった?」
「……」
「そうなの!??…コラ、ちょっとナマエちゃんどうして言わなかったのかなぁ??」
「み、見えないです!でもなんかいるような感じ……」
柔らかいほっぺを両手で挟むと勘弁して、と謝られるけど大事なこと伏せて我慢しようとしてたのは見過ごせない。
「ん〜…今まで見えたことないなら多分…今ちょっと過敏になってるだけだから平気だと思いますけど……あと昨日も言ったけど菅原さんもミョウジさんも先祖の力強いから大丈夫、お守りとか必要ないくらい」
赤葦がそう言うとホッとしたような表情になるナマエちゃん。よしよしと頭を撫でる。
「あ〜お化け?オレは見たことねえんだよなあ…見てみてーのに」
「木兎さんはむしろ蹴散らす勢いですから、たぶん一生見ないと思いますよ」
たしかに日向みたいな元気っ子キャラの木兎くんなら幽霊とかいても蹴散らしてそうだべ……。なんか太陽の光みたいなのを浴びすぎて消滅してそうですらある。
「梟谷のマネの中にもなんか…跳ねのける子いんだべ?それに加えてオレもいるし…追い払える赤葦もいるし、平気だべ」
「確かに……!」
お、表情だいぶ柔らかくなった。大丈夫そうだ。谷地さんに呼ばれて戻ったナマエちゃんを見送るとこちらを見つめていた赤葦と目が合う。
「…どうかした?」
「あ、いえ……ラブラブなんですね」
「え゛……ま、まぁ…?」
なんか恥ずかしくなって頬を掻くと、先祖もメロメロですもんねと言われる。
「え?」
「菅原さんの先祖もミョウジさんの先祖を前にするとなんかモジモジしてますよ」
何それ……めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど。
「当人同士の相性がよくても、お家柄が合わないって場合は割とあるんですよ。だけどここまで相性いいのは珍しいなあって……優しくしてあげてくださいね」
「努めます……なんか恥ずいな」
「なーなー赤葦、俺は〜?なんかミョウジさんに怖がられてんだよなー」
「それは先祖が…とかじゃなくて、単に木兎さんの声がデカイからだと思いますよ」
あはは…まぁ、烏野にはあんまりない体格の良さと日向の倍くらい元気な子だもんな……見慣れない、が正解かな。
*ミョウジナマエ
背中がゾワゾワするたびに赤葦さんの言葉を思い出して、脳内に結界みたいのをイメージする。つよつよな人が多数いるこの森然高校には近寄れないはず。昨日はたまたま、隙があるところに迷い込んじゃっただけで……大きな壁のようなものをイメージして跳ね除ける。
病は気からっていうし、怖いのも気からな気がするから。跳ね除ける気持ちでいればゾワゾワもなくなるかなって。
「ねえ」
「……なんだ月島くんか、やめてよぉ……」
「昨日、なんか大変だったって聞いた。…大丈夫だったの?」
「見てないんだけど………追い掛け回されて、梟谷の赤葦さんが追っ払ってくれたよ」
「へえ……まあ僕も見えないケド。でも確かにちょっとヤな感じはする」
「こ、怖がらせにきたの…?私今日だってなかなか眠れなくて大変だったのに……」
そう言えば、目が合ったあと分かりやすくニッコリした月島くんはなんて意地悪なんだろうか。
「まあ……ね、夜気をつけなよ」
「い、意地悪……!山口くんに言いつけるから!」
「別に山口に言いつけたって僕にダメージないけど……」
「じゃあ皆に言う」
「やめな、肝試ししたことバレたら全員大目玉だよ」
た、確かに……。しょんぼりしてると日向くんがやってきて元気ないの?と気にしてくれた。特に烏野の皆にはさすがに伝わってるようで、定期的に誰かが一人にさせまいと来てくれる。優しいなあ……。
「月島くんのせいで元気ないないしちゃった」
「ないない……」
「ごめん、ものすごい言い方間違えた」
りくに対しての言い方がぽろっと出てしまう。日向くんもりくより小さい妹ちゃんがいるらしく、出ちゃうよね〜と賛同してくれた。
「そういえば弟くんの入院のときとか泊まり込みじゃなかったの?」
月島くんにそう言われる。何度か泊まり込みはあった。なかなか会えないから、特に容態が危なくないときに…2ヶ月に1回とかお泊りを許可してくれる優しい病院だった。
「あったよ!お母さんが泊まることもあったけど」
「ふぅん……病院で大丈夫だったなら大丈夫でしょ、学校よりそういうの多いだろうし」
おお、月島くんなりの励まし?でもすごく説得力ある。病院って人が亡くなったりする場所だからどうしても幽霊や心霊体験は多いだろう。たしかに、病院には日夜問わず足繁く通ってたけどそういうのないな……。
お昼になり、食トレだ!と澤村さんに見張られながらご飯をよそう。でも今日のお昼は鶏胸肉だからちょっと嬉しい。
「菅原先輩、これどうぞ。あげます」
「コラ」
「これも」
「コラ!!!一品までだぞ」
そ、そんなルールがいつの間に追加されていたの…?ズッキーニがをわけわけしてついでにピーマンもと思ったら澤村先輩に怒られた。
「ふはっ、めげないねえナマエちゃん」
残念、と菅原先輩がズッキーニは食べてくれた。鶏胸肉おいし〜〜!照り焼きかな?ちょっと時間かかったけどなんとか食べきって、片付ける。
午後も被弾に気をつけながらひたすら練習試合形式で回していく。皆よくバテないな……夜になってお風呂の準備をしたり、ご飯を食べて寝る準備をして、りくと少しやり取りなんかして。まだ自主練中の各体育館をチラ見する。
「……?」
なんだろ、あそこ。渡り廊下から各体育館へ続く道から外れた、学校の敷地内。藪とか林の中ではないけど茂る場所に何か動いてる気がする。タヌキ?……東京ってタヌキいるの??猫とかではなさそう。
*赤葦京治
「はい、ミョウジさんストップ」
汗まみれでごめん、と右腕を優しく掴む。第三体育館からは黒尾さんや木兎さんたちがなんだ?と扉から体を乗り出してこちらの様子をうかがってる。
「ミョウジさん、ミョウジさん……俺、分かる?」
「……ぇ…?あれ……赤葦さん……?」
あ、戻ってきた。顔の前で手をひらひらさせて目が合うように視線を誘導する。フラフラと暗がりの方に歩くから嫌な予感した……声かけて正解だった。
「どこ行こうとしてたの?」
「……あっち?」
指差す先は木々が生い茂ってて真っ暗だ。
「こんな夜に危ないよ、気になるなら明日の昼間ついてってあげるから……白福先輩!抜け出さないように見といてもらえますか?」
通りがかった白福先輩に声をかければ察してくれたのか頷きで返ってくる。
「ありゃ〜ミョウジちゃん、蚊に食われてるよ……もう夜遅いし自主練組も終わるから寝よ〜よ?」
「ぇ、あ、はい……?」
昨日のやつか…どんだけミョウジさんのこと気に入ったんだか。一度視える、気付いて反応した相手にはしつこい。普段は見ても気付いてももらえないから。手を引かれて連れて行かれるミョウジさんと白福先輩を見送り、振り返って睨みつける。
「執拗いぞ、追い払われるだけじゃなくて消されたい?」
「赤葦〜、なんかいんのぉ?ミョウジさんフラフラしてたけど」
木兎さんがやってきたことで少し後ずさりしてるそいつに思い切り念を送る。もう攫おうとして手を出されてる訳だから消してもいいだろう。
「昨日の…肝試しのやつです。あまりにしつこいし宮城について行っても困るので消しました」
「エッ……大丈夫なの?そんなに霊感ないって昼間言ってたのに」
「勝手に気に入られちゃっただけだから平気だと思いますよ……俺らもそろそろ終わりましょうか。菅原さんたちにも話しておかないと」
(ということがあったので白福さんに頼んで連れて帰ってもらいました……んで、昨日の霊ですが追い払ったのにまた来たので消し去りました)
((消し去る……))
(まあ成仏に近い?ですけど、低級霊で悪霊なのでお祓いに近いですね……これで大丈夫だとは思うんですが念の為、明日も様子は見といてほしいです。俺も一応様子見ますけど)
(わ、分かった……えと、確認なんだけどこれ毎年あるあるじゃないよな?)
(怖い話とかしたらそりゃ寄ってきますけど、特例の誰かが狙われるのは初ですね…ほら、木兎さんとか白福先輩とか……音駒だと孤爪とかは幽霊が嫌うくらいの強さ持ってるんで)
(そっか……清水にも話してくる、スガも様子見に行くか?)
(うん、行こうかな…赤葦ありがとな。なんかあとでジュース奢るべ)
(いや、別に大したことでは……)
(いーのいーの、先輩には奢られといて!)