HQ 黒尾
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大惚気
*ミョウジナマエ
黒尾くんと、付き合うことになった。好きだなっていうドキドキ感っていうものよりかは安心して落ち着ける人だなと思ってた。小さい頃それなりに少女漫画を読んでいたから、黒尾くんから『可愛い』って言われてドキドキするまで気付けなかった。
連絡もマメで、とにかく世話焼きなのは研磨への接し方を見てるだけでも分かる。分かってたはずなんだけど、付き合うってなってから黒尾くんの距離が近い。そりゃ振り付けで男の子相手に抱き合ったり、顔を近づけたりすることは全然ある。だから近いの慣れてると思ってたのに、黒尾くんが相手となると緊張するようになってしまった。
「く、黒尾くん、あの」
「鉄朗」
「ゔ、あの……」
「ん?」
「ち、近くないかな?」
リリの匂いを嗅いでるときの私くらいおでこのすぐ側に黒尾くんの顔がある。黒尾くんの足の上に座って、お腹に腕を回されてるから立ち上がることもできない。
「そう?……嫌だった?」
「嫌、というわけではないけど……心臓が慣れない」
「じゃあ慣れて、んで黒尾くん呼びは禁止」
俺彼氏だもん。と拗ねるように言われてしまっては仕方ない。たしかに名字で呼んでたら距離感感じるか……。急激な距離感の近さはともかく、名前で呼ぶのはすぐ出来るはず。
「鉄朗、くん」
「……イイ…」
あぁ、固まってしまった。リリみたいに頭をぐりぐり押し付けてくるのマーキングされてるみたいだな…って思いながら鉄朗くんの頭を撫でる。ふわふわ。猫っ毛だ……!
*黒尾鉄朗
ずーっと撫でられ続けてる。先日晴れてナマエちゃんに5年分の気持ちを5年越しに伝えて、交際がスタート。大学のバレーサークルの奴らには即報告して、行かないと言い続けてた合コンの誘い自体を辞めろと周知した。大惚気野郎ってセンスの欠片もないあだ名つけられた。
研磨と研磨のパパにも『ようやく???』と揶揄われたりした。俺の父さんは気付いてなくて付き合うことになったよと言ったら、驚きすぎて機能停止してマグカップ落として割ってた。
俺の……部屋に、ナマエちゃんが居る!なんなら俺の足の上にちょこんって座って収まってる!!可愛い!いい匂いするしちっちゃくてぎゅうぎゅうと抱きしめやすい。近い、と顔真っ赤にされたけど慣れて、の一言でしかない。本当に慣れてほしい。
「ねえ、足痺れたりしない?おりるよ」
「空気のように軽いから大丈夫」
「何言ってるの、それなりに体重あるから……私の高校の剣道部の先輩、正座のし過ぎで足痺れてる状態で立ち上がって骨折してるからだめ!降りる、ちゃんと血液流して」
浮腫むよ!と指導が入ったのでしぶしぶナマエちゃんを膝上から降ろす。全然痺れたりしてねえのに……。
「今日も研磨のチャンネル出んの?」
「デスストやらせてくれるっていうから……あれ怖いゲームらしいよ、ほんとにやるの?って4回くらい確認された」
「まあ元々怖いゲーム作ってる人が独立して作ったゲームだからね……怖いだろうけど」
そんなにゲーム精通してない俺でも一連の流れは知ってるし、独立前のシリーズ作品も知ってるくらい有名なゲーム作ってた人だ。そんな人の金と時間をたっぷりかけたゲーム、怖い描写がないわけない。挿入歌に使われてる曲、2曲ともライブのセトリに入ってるし世界観の理解を深めたいと連日ナマエちゃんは研磨のチャンネルに出演してデスストを前作からプレイしてる。
どうしてもクリアできないところは研磨に代わってやってもらいながら、という形。俺も出たいって研磨に言ったら『イチャイチャされると困るからだめ』と却下された。たしかに、研磨と研磨の彼女という画角なら分かる。リスナーもガチ恋勢意外は喜ぶ……?のか?メインで見に来てる人とその従兄弟ならまだしも、その彼氏となると冷めるよな…と自粛中。
「……鉄朗くん、あの、今度さ……ここ行きたくて。空いてる日、ある?」
「なくても作りますが」
「学業優先してね、ほんとに……」
「フル単ですよこちとら……何があるの?ここ」
「神社!風車がブワーってあってキレイなんだって…お花が咲く季節でもいいなと思ったんだけど」
「あじさい有名な別の寺とかなかったっけ?」
「あるある!ツツジも有名なところあるよね」
全部メモっておこう。ナマエちゃんは神社仏閣が好きで本やマップ本買うくらいだ。行くと元気になれるらしくて山登りと同列の趣味だとか。アクティブで結構。
「ナマエちゃん」
「ん?」
「ナマエちゃんこそ無理してませんか?…今までだったらリハーサル前の期間から集中モード入ってたでしょ」
「うん……今のとこちょっとアウェーというか……元々私以外のダンサーたちは全員顔見知りで現場かぶりも多いけど、私その中の一人が怪我したことによる代理だからさ……入学してはじめましてのクラス1週間目って感じ」
「なるほど、どんな子なのかな〜って探り合ってるんだ」
「人見知りだからすごい疲れる」
研磨みたいなこと言ってる。研磨は本当に内向的な人見知りだけど、ナマエちゃんは多少外交的だから人見知りと判断されない。はじめましてのあの気まずい空間をどうにかして気まずくならないように気を回して無理して話したりするタイプだ。
「性格きつい子とかは居ない感じなんだ?」
「た、ぶん……?」
お、雲行き怪しいぞ。
「よっこいしょ、はい血流促進の時間おしまい。」
ひょいっとナマエちゃんを後ろから抱っこするように抱えて手を握れば、控えめに握り返される。
「なんかあった?」
「……1日練習のとき、お昼の休憩があるんだけど皆どっか行っちゃうんだよね……初日から。
そういうもんなのかな〜って思ってたら、帰って来てから『あ、ごめん誘おうって言ってたんだけどうまく伝わってなかったみたいで…』って謝られるみたいな」
「なるほど……嫌だね」
「うん……でも、いい。次はいつもどこでお昼食べてるの?混ざってもいい?って聞いてみるから……ごめんね、愚痴言っちゃって」
「何を何を……俺でガス抜きしてくれるなら本望だよ、いつもしっかりいい子でいなきゃって律するナマエちゃんはかっこいいけど、靴下左右違うとかシャツ裏表で着ちゃうとか、弱音吐いてくれるナマエちゃんも好きだよ……いい子でいるよりしんどいでしょ」
「……鉄朗くんって前世の記憶とかある人?2週目ってやつ?」
「もれなく1週目です」
「人格の差が出てる……鉄朗くんも、私に弱くて情けないところ頑張って見せてね」
「あんまり見せたくねえけど………うん、まぁ……見てもドン引きしないでね」
*孤爪研磨
「はい、今日はここまでにしよ……だいぶストーリー進んだね、処理しきれてる?ナマエ」
「……考察したいかも…」
「そうしな…話としてはいま終盤寄りの中盤くらいかな」
チカチカとスマホが光って視線を移せば、クロ。…また?
『あとで差し入れ持ってく、何がいい?』
「……ナマエ、クロが差し入れくれるって」
「え!何にしよ」
パーティーゲーム以外あんまりしないナマエには難しい操作方法と難易度、ストーリーでぐったりしてたけどクロの名前を出すと途端に元気になる。何このバカップル……くっつく前まではくっつく前でヤキモキしてたけど、くっついたらくっついたでイチャイチャしすぎでウザい。
コメントを見てると、本当に仲いいねとか操作頑張ってたナマエにお疲れ様とか色々。ナマエがライブに出るから、曲への理解度を深めるためにという理由は伏せてある。だからナマエとクロにまたホラゲーやってほしいっていう声が多くて再登場……っていう体。
「こんにゃくゼリー食べたいな」
「……ナマエ、ご飯ちゃんと食べてる?」
「食べてるよ、食べてるから間食をこんにゃくゼリーにしてるの」
「前もそう言って体絞るとか主食に置き換えてたじゃん、前科あるからね」
「全然ご飯食べない研磨に言われたくない〜」
「俺は不規則だけどちゃんと食べてはいるから、母さん怒るし」
「不規則じゃん」
「うるさい、未だにミニトマトもきゅうりも食べられないくせに」
「ピクルスとケチャップは食べられるもん」
「それ別物だから」
「原材料は一緒だし」
「ほら、ちゃんとご飯食べろって」
「それ研磨に言ってるんだよ」
違うし。もっとちゃんとモニター見てよね。2人でコメントが流れるモニターを見ていると、文字からだんだんwwwの文字が多めになっていく。見てる意味なくなるじゃん、コメントしてよ。
『急に喧嘩しだした』
『めちゃくちゃ屁理屈言い合ってる』
『かと思えば猫みたいにモニター見出した』
『猫じゃん』
『草』
『微動だにしないんだけどwwww』
『クロさん早く来てwww』
「お邪魔しますよ……配信見てたけど何やってるのアナタ達……小突き合わない!喧嘩長引くでしょ!」
「あ、こんにゃくゼリーありがと!」
「ちゃんとご飯食べてね、研磨心配性なんだから」
「今回は食べてるよ………ホントだってば」
倒れたくせによく言う……。おれはエナドリって送ったのに無視されてた。
「エナドリない」
「連日配信してるんだから寝てください……」
まあ、確かに……そうか。今回のライブも行きたかったけどチケット全然当たらない。米津のドームツアーも一応申し込んでる。北海道とかの地方に狙い定めようかな。
コメントを読んで、ちょっと雑談して。挨拶して配信切る。
「クロ、ありがと。これ今ハマってるんだよね」
乾パンみたいなビスケット。ほんのり甘くて美味しいんだよね。
「ねぇ研磨、リハくらいまでには間に合うかな」
「うーん……今やってる初代の方はおれもやったことあるからペースが分かるんだけど、新作の方はやってないから……でもボリューム増したとかそういうレビューはないから間に合うと思うよ」
「そっか……ごめんね、付き合わせて」
「いいよ、同じところで何回もミスってるの見るの面白いし」
「怖いんだもん雰囲気がさあ……」
だろうね。機材の片付けをして目を離すとすーぐイチャイチャしてる。
(すぐそうやってイチャイチャしないでよ)
(話してただけじゃん……ふ、研磨すごい顔だよ)
(んな不味いもん食ったときみたいな顔しないでくれます??…てか、配信見ててさぁ…1個気になったんだけど)
(…ナマエへのコメント?)
(?なんか変なのあったの?)
(同じアカウントだから気になっただけ……やたら可愛いとか彼氏いるのかなとかそういうの連投してたアカウントあった)
(あ〜コメント自体はチラチラ見えてたけどアレ同じ人だったの?……ブロックはしないでおくよ、次回それとなく話すから)
(そういう人ってなんでそんなこと送ってくるの?クラスメートみたいな気分なのかな)
(え、何その例え可愛い……)
(クロうるさい……ゴシップ好きな人の類か、ヤバイ方かだと思う。おれもだし、クロもだけど。ナマエも皆ある程度顔出してるわけだから、ちゃんと自衛と対策は考えないとだよ)
(でもナマエはまた別。男のおれらの場合と女の子のナマエの場合じゃまた変わってくるから)