HQ 黒尾
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再会
*ミョウジナマエ
ゆさゆさと揺さぶられる感覚で起きる。
「ナマエ、起きれる?」
「むっちゃ眠い…」
研磨の声だ。頭は覚醒したけど体が重い。なんとか起き上がってもぼーっとしてたら研磨が笑い出す。
「ふ、顔洗ってきたら」
「んー…」
「階段落ちないでよ」
顔を洗ってなんとか覚醒させて化粧や身支度を済ませて着替える。
「お、起きれたの?」
「なんとか…」
黒尾くんと合流し、黒尾くんの車に研磨と乗り込む。つくまで一時間位だから寝てていいよと言われる。まだまだ眠くてお言葉に甘える。
*黒尾鉄朗
研磨が手を連れてきたナマエちゃんはいかにも眠そうな顔をして家から出てきた。車にのせて運転すると秒で寝てる……時差ボケはキツイわな…。
差し入れを買うために適当な店によって飲み物やらチビちゃんたちのお菓子を買いに行って戻ってきても爆睡してる。
「ナマエちゃん、水飲みなさい」
「……え…?」
「水、買ってきたから」
言われるがままとりあえず飲んでるナマエちゃんを確認して運転席に戻る。
「もお着いた…?」
「まだ、差し入れ買ってたトコ」
研磨がそう返すと寝ぼけすぎて分からなかったのか首を傾げながらまた寝てる。
「今日寝かせといたほうが良かったかな…」
「いいんじゃない?ナマエも行きたいって言ってたんだし」
車を走らせて懐かしの森然高校へ。今日はぼっくんたちも来るらしいからおなじみのメンツだな、一応澤村たちも誘ったけど…あいつらは宮城だから来るかどうかはまだ分かんない。
「ナマエちゃん、着いたよ」
「ん……まっぶし…」
「晴れてきたね〜…体調平気?」
「起きてきた感じはある」
しょぼしょぼと言うその姿にあんまり説得力はないけど、まあ元気そうならいっか。もう一度水を飲むように伝えて車から降りる。
「よっす、お久しぶりだねえチビちゃんたち」
「黒尾さん!研磨!」
「木兎さんたち来てるからなんとなく予想してましたケド…」
なんで嫌そうな顔してんのかなあツッキーは…チビちゃんくらい喜んでくれりゃいいのに。
「あ、研磨の従兄弟!」
「どうも、なんかゴツくなったね…」
日向と挨拶もそこそこに差し入れを渡して体育館をぐるっと回る。烏野も随分新入生増えたんだなー後輩たちがワラワラいる。研磨は久々の猫又監督に捕まってしまったので今はナマエちゃんと2人きり。1年半も離れていたからなんか変な感じだ。
「懐かしい、ここで間違えて踊っちゃったとこ?」
「あったね〜」
あのときのナマエちゃんは忘れられない。
「1年間いろいろあったな…」
「思い出話聞かせてよ、昨日はアナタ割とすぐ寝ちゃったし」
研磨も2度見するスピードで寝落ちしていた。疲れてたのはもちろんあるんだろうけど…。
「やりたいことが見つかったからそれは良かったけど…やっぱりこっちで卒業は迎えればよかったなあとか思ったよ、向こうでの勉強も大変だったし…課題がとにかく多くて」
「なんか海外ドラマとかでも意外に宿題やってるシーン多いもんね…いいじゃないの、いろいろ早めにしれたりしたんだから」
「確かに…黒尾くんは大学大変?研磨が寂しがってたよ」
「研磨が?…まあ大変だね、意外とやること山積みって感じ…2年生になってようやく慣れてきたかな」
課題も地味に多いし、バイトなんかもある。サークルでバレー部に入ってるからそっちの勧誘とか付き合いもそこそこ多い。
「そんな黒尾くんにお知らせがあります」
「え、何?」
「なんと…ダンサーとしてツアー同行決定しました!」
「え、誰の…?」
「ひっきー!」
ツッキー!とよくくっついてた山口が一瞬出てきたけど…え、間違ってないなら宇多田ヒカリ?!
そう確認するとそうだよと返ってくる。日本でのライブたしか10年くらいぶりってニュースで見たばっかりだ。
「お時間合えば、ぜひ!来てほしいな」
「行くに決まってんじゃん、超好きなんだよ宇多田ヒカリ…!全部の曲にナマエちゃんいるの?」
「過労死させる気?全部じゃないけど…もうひとりが子供の頃からずっと仲のいいダンサーの子で。最初その子と別の子と私で話が進んでたんだけど、その子より私のほうがいいって友だちが勧めてくれたみたいで。
だからあのディズニーの動画見たんだって!電話で言われて失神するかと思った」
「本人から電話きたってこと?ヤバ…」
「2人でのステージもあるし、私と友だちそれぞれソロステージがあって…振り付けもステージの使い方も好きなようにしていいよって言われてるから今…製作中!」
ブイサインするナマエちゃんの頭を思わず撫でる。つい犬岡なんかにやる癖が出た。
「ちなみにまた10秒くらい先見せしてくれたりは?」
「黒尾くんってほんと上手だよねえ……ん〜どれにしよっかなぁ」
そう言ってかけた曲は数年前、やっとシリーズが完結するという昔からある映画の主題歌だ。俺もやっくんと見に行った映画だ、昔のアニメに比べて物凄いハッピーエンドで終わっててやっくんと思わずカラオケに直行して泣きながら感想を語り合ったのを思い出す。
「はい、ここまで!」
「むっちゃ好きな曲なんだけど…」
「えー!じゃあもっと拘っちゃおかな…あ、木兎くん!赤葦くん!久しぶり〜!」
オレの後ろに向かって手を振るナマエちゃんに合わせて振り向くとぼっくんと赤葦が入り口で立ってた。
「おーぼっくん!赤葦、久々じゃん」
「黒尾もナマエも久々〜!なになに、こんどその人のなんかに出んの?」
「宇多田ヒカリですよ木兎さん……え、マジ!?俺横浜と東京公園当てたんですけど」
現役中でもあんまり聞いたことない赤葦の珍しいリアクションに目が点になりながらも説明する。
「赤葦くんも木兎くんも…黒尾くんも!これサプライズだから言っちゃだめね、最後の横浜でしか出ないの」
「赤葦ラッキーだな!俺も今から当てられっかな」
「そんなんしなくても関係者席渡すよ…赤葦くん席どこ?」
「まだ席は出てなくて…ただアリーナで申し込みはしました」
ガチじゃん……。映画鑑賞誘えばよかった。やっくんにも繋げていい?とナマエちゃんに聞くといいよ!と返ってくる。アイツさっきの曲かかったら泣き出すんだろうな〜…
「じゃあ席分かったら教えてね、構成考えるから」
「お前が全部やんの??大変だな」
「任せるよって言ってくれたからね、本人と調節しながら考えてるとこ。…でも大体こういうのってチームでやるからそこのリーダーみたいのが構成考えたりとか、事務所からの指示があるから今回がかなりイレギュラーなんだよね。
歌を歌うのが私のやりたいことだから、なんなら隠れてもいいって言ってたし…流石に止めたけど」
これは当日までの楽しみができた。研磨には先に話してたみたいで、あんまり興味なかったけど全曲聞いてきたって言われた話を聞いてみんなで大笑いした。
「すっごい笑い声響いてるけど何…?」
「お前宇多田ヒカリ全曲聞いたのか!?」
「…ちょっとナマエ、言わないでって言ったじゃん」
「ごめん話の流れで…だって嬉しかったんだもん!」
研磨はムスッとした顔をしてる。赤葦も偶然自分でチケット当ててたんだと話すとセトリのネタバレは絶対しないでね、と釘を刺していた。
「木兎さんも…完全初見でいくから」
「そんな気負わなくても…ライブなんだしメインは音楽なんだから楽しくね?」
来年の冬から始まるらしく、そう思うとまだまだ先だけど…かなり先でも楽しみがあると思うとレポートやらバイトも頑張れる。
久々にあったし引退組と現役組混ざって試合をしようという話になる。ナマエちゃんもちょっとやる気だったけど怪我をしかねないからダメ、とコートの外に追いやる。
しこたま試合のような遊びのようなセットを繰り返し、くったくたになりながらも楽しい時間を過ごす。チビちゃんもツッキーも…全員まだ上達してて末恐ろしいこと。
夏には本格的な合宿が始まるのでまたお邪魔し、ナマエちゃんは本格的なリハーサル期間に入る…といってもまだ会場や通しでやるやつじゃなくて担当の曲を1曲ずつフリ入れをしてるらしい。
「クロさ、彼女とか作らないの?」
「……何急に…?」
「気になったから。まだナマエのこと変わらず好きなの?」
身内だからね、と追求してくる研磨の目つきは鋭い。
「まあ…変わらず好きですケド。悲しいくらい脈ねーけど」
「………そうかな」
「?」
「知る限り確かに彼氏いた事ないけど…それはナマエが鈍いからとか、興味ないからって訳じゃない…と思う」
「…ごめんつまり?」
「うまく言えないけど……大きな仕事が立て込んで片付いたと思えば、留学になって…帰ってきてまた大きな仕事が入ってきて余裕がないのは確かだけどなんとも思ってないわけじゃないと思うよ」
(少しは期待していいってこと?)
(うん…いいんじゃない?泣かせたりしたら怒るからね)
(泣かすわけないでしょーよ……)
(それならいいけど)