Marco Papa
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ひとつぶんの距離
赤髪は子ども好きだし根はいい奴だ、と思う。少し扱い方が雑だが、赤髪にすっかり気に入られたニアは当人の膝の上で固まっている。ジンベエやオヤジとの初対面のとき、俺やエースとの初対面を思い出しても、ここまで怯えを前面に出しているのは見たことない。
「マルコ…」
遠慮がちで切実な声が聞こえる。ハルタも怖がっていた、と言っていた。拒絶されまくっている赤髪はショックを隠しきれず、落ち込んでいる。そんな様子をオヤジはさぞ嬉しそうに見ているが、違和感のようなものが拭えない。
「…ニア、赤髪の何が怖いよい?」
「…何も怖くねェだろ、俺は…」
小さく不貞腐れたようにも聞こえる声は無視する。
「わ、かんないけど……目…?」
眉を顰めて考え込む表情的に、これ以上の言語化は望めない。目…。
「…そりゃ見聞色の覇気バシバシ使ってるからじゃねえのか?嬢ちゃん」
赤髪の副船長、ベン・ベックマンがそう呟く。
「あんたらは慣れてるかもしれんが、相当こちらを探るような動きでな…他の海賊を見るのは初めてか?」
ベックマンには怯えた顔をしていないニアは頷く。
「…無意識か…随分覇気の使い方が下手くそなんだな」
「つまり、探知しようとしすぎてダダ漏れってことかい?」
あぁ、と頷かれる。…じゃあ赤髪にあんなに怯えていたのは…同じように探ろうとされたから?
「大人気ねえよい、赤髪…」
「だって気になるだろうが」
だって、じゃねえ。まだ様子を窺うようなニアを抱きかかえる。
「ニア、俺や周りを見る感覚…止めることできるか?赤髪はそれを真似してる」
「……」
いきなりの無理難題、そもそもここまで強い見聞色の覇気を戦闘訓練もなし、覇気の訓練をしていたわけでもない子どもが自分の使いたいように使えるのも突飛な話だが、オンオフは出来るようにしねえとマズイ。
見聞色の覇気…色々聞こえてくるし最悪見えてくる。
「……お、すげえ…。やれって言われて出来んのか?」
「ん〜わかんない…」
まあ、ぼちぼち練習だな。少しぐったりしたニアの背中を撫でる。
赤髪にも怖がらせるな、と再三警告をしたため怯えるのはなくなったがまだ様子見の段階。赤髪が今までの冒険話をニアに話し始める。
「ルフィ……?エースのおとうと?」
「おぉ、知ってんのか!」
麦わらの手配書が出回ったとき、俺の弟なんだ!とそれはそれは嬉しそうに言いまわってたエースを思い出す。
「前にエースから聞いた」
あまりの怯えように一瞬どうなることかと思ったが、案外赤髪に懐いている様子のニアを見やる。ハルタも心配して見に来ていた。
「そうだ、ニア。お前俺の船こいよ」
ナチュラルに引き抜こうとする赤髪にため息が出る。
「…なんで?」
「俺がお前を気に入ったからだ!」
「…やだ、マルコがいい」
この返答にはベックマンも呑んでいた酒を噴き出し噎せて大笑いしていた。悔しそうにする赤髪を見ながら呑む酒は美味い。
「ンだと…!?俺だっていい男だろうが!」
「マルコのほうがかっこいいよ」
「グララ…手厳しいなァうちのちび娘は…」
やり取りを見守っていたオヤジも上機嫌で酒を煽る。
「ほくそ笑んでるマルコが一番腹立つな…!じゃあマルコと来いよ!」
じゃあってなんだよい、行かねえよ。
「シャンクスが、おとーさんよりかっこよくなったらね」
ニアの一言に今度こそ全員が涙を浮かべて笑うことになる。ナースたちも手を叩いて笑っている。
「このガキ…ちゃんと生意気なのな!!」
「素直で良い子っていわれるよ?」
そう赤髪に告げたニアの目線が下を向く。顔も傾け、下に集中するその様子には見覚えがある。
不思議そうにニアの様子を見ている赤髪たちをよそにニアに確認する。
「何かわかるか?」
「海王類…かも…?無視された」
「……は?お前…海王類と話せんのか?」
驚く赤髪をよそにモビーと赤髪の船はどうすべきかニアに確認する。
「……あ…こっち来ちゃった」
そう言うや否や、海面が大きく揺れ見た目は温厚そうな海王類が現れる。まるで寝起きみてぇな締まりの無い顔してる。
「……」
ニアが海王類に近寄っていく。
「ニア、危ないよ…」
ハルタも声をかけるが、のんびりした子だよと返ってくる。
「…ふふ、海底で頭ぶつけたんだって」
「タンコブできてるねい」
「モビー仲間かと思って浮いてきたのに、人がいっぱいいるからびっくりしたって」
「すげ…会話してんのか?マルコあれマジで?」
赤髪が尋ねてくるので一部の生物と会話ができると伝える。
「いくら見聞色の覇気があるからって、会話までできるとはな」
ベックマンも感心した顔つきでニアを見やる。しばらく人間がうろつくから浮上しないように海王類に告げ、バイバイと手を振るニア。寝ぼけたままのような海王類は海に帰っていく。
「すげぇなあ、ますます興味湧いてくるな…」
(ニア、お酒のんでベロベロになる人嫌い)
(あぁ!?マルコたちだって呑んでるだろーが)
(こんなふうにならないもん……エース…)
(おら、シャンクス。重ェってよ、退いてやれ)
(逃げるのが悪ィ!)
(うわっ!?いた…)
(すげー音したな、平気か?ニア)
(頭、そろそろしまいにしねェと本気で嫌われんぞ)
