Marco Papa
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おませさん
*マルコ
「……今、なんつったよい?」
聞き捨てならねえ単語が聞こえてきたのでナースたちへと振り返る。話の中心にいたニアはキョトンとした顔でこちらを見上げている。
「けっこんするなら、マルコとかイゾウとか…ベックみたいな人がいい」
「ベン・ベックマンよい……?ハッ、俺は認めねえよい」
あんな女たらし。そう吐き捨てるとニアの表情がムッとしたしかめっ面になる。
「べつに、ベックじゃなくてベックみたいな人っていってるの」
「だから、アイツみてえな男なら女たらしの浮気野郎だって言ってるんだよい」
「ちょっと、マルコさん…」
マリーが止めてくるが遮るようにニアの怒号が響く。
「今のマルコのほうがイヤ!」
「……それで部屋出て行かれて拗ねてここ居んの?」
「エース、ケンカなら言い値で買うよい」
そう睨むと違うって!!と慌てる弟の背中を軽く叩く。ナースたちにも散々詰め寄られたあとだから尚更凹むよい…
「まあ話聞いてて思ったがそりゃマルコが悪いな」
「オレもそう思う。マルコの言いたいことはわかるけど」
「オレも〜」
「僕も。ニアにそのまま嫌われればいいよ」
「好き勝手言いやがってテメェら……!!!」
「でもさあ、イゾウとマルコとベックマンって……共通するとこある?筋肉?」
ふと投げかけられた疑問に俺を含め全員黙る。確かに……筋肉ならエースも入ってきそうだがねい。
「何がいいか聞く前に全否定されちゃあ気ィ悪いわなぁ?」
「でもあいつの女癖の悪さは本当なんだろ?……まぁマルコも人のこと言えねえと思うけどよ」
余計な一言が多いエースに覇気入りのゲンコツをかます。本当に一言多いよい。
「何年前の話だよい……」
「ニア拾ってからぱっったり辞めたね、偉いじゃん。まあ〜?年頃になったらそれでも嫌われると思うけどね、そういうの嫌がるって聞くし」
「ニアも反抗期とかくんのかなー…すげぇ嫌だな」
「嫌っつったってお前、大きくなりゃ女の子は難しくなるだろ。現に今パパは悩んでるしよ」
「ふふ、結婚するならなんて話題がニアから出るとはねぇ……随分おませさんだ」
くそ、安全圏にいるからって余裕綽綽な態度しやがって…。あれからニアは親父の部屋に家出してしまい、面会も拒否されている。親父は爆笑していたが、俺は全然笑えねえよい……。
「とにもかくにも、ちゃんと謝ってこい。振られたらハルタの部屋に家出させりゃいい」
イゾウにそう言われるも、仕事はある。夕方にもう一回顔出すかねい……。はあ、とため息をついて取り掛かった作業は全然思うように進まなかった。
「……マルコ、お腹すいたあ」
寂しそうな小さな声が聞こえ振り返ると、お腹をさすりながらニアが立っている。怒りよりも食欲が勝ったのか……嫌なところエースに似てるよい。
「……ニア、さっきは悪かったよい……なんでベックマンがいいんだよい」
「……ん〜優しいから?」
腕を広げれば膝の上によじ登ってきて抱きついてくるニアを抱えて食堂へと歩く。優しい………すっかりあいつの外面に騙されてるねい、と思ったところでふと気付く。
「……ニア、そんなにベックマンと接してないよい?」
赤髪が離さなかったせいもあり、ニアは他の赤髪のクルーとは話してないはずだ。どこをどう見て優しいと感じたんだ?
「ニアはあんまりお話してないけど……前、シャンクスがここに来た時にルルが転びそうなのとめてたし……おとーさんにお酒って渡したときもマリーたちじゃ持てないからって運んであげてた」
よく見てるんだねい……。しかも紳士ぶってる節もあるベックマンの取りそうな行動でもある。
「じゃあ、イゾウは?」
「イゾウはおしゃれでかっこいい!あとニアがやりたいって言ってたこと覚えててくれるんだよ、ハルくんと一緒に折り紙できたの嬉しかったの」
ほうほう。アイツはそういう理由かよい……確かにまあ納得はいく。イゾウも細やかな気遣いができる上にあの顔立ちだ。モテなかったことはない。
「マルコはひみつ」
「なんでだよい……」
「ひみつなの!」
ナースと恋バナするようになるとはな……ませたニアの可愛い頭を撫で回すと一丁前に照れてる。聞いたのがイゾウだったら、イゾウのいいところは秘密にしてるんだろう。
プチ家出から半月。赤髪がゲリラでモビーにやってきた。見張りが先に気づきなんの用だろうか、と話し合ってると遠くから赤髪の船の旗に気づいたニアがすっ転んでオヤジに知らせに来た。
「追い返そうよ」
「グラララ……一応客人なモンでな、んな無下にできねえんだ…観念しな、チビ」
さぞ嬉しそうに笑うオヤジの指を軽く叩いて肩を落として帰ってくるもんだからマリーたちまで笑ってる。シラフのときはいいがお酒が入ると赤髪はしつこい。それが嫌なんだろう。
「ハルタと一緒にいりゃいいよい、あいつはお前がいると誰にも触らせねえからねい」
「マルコは?」
「あ〜ダメダメ、マルコ赤髪のお気に入りだから。まとめて来いよ!って勧誘の嵐だよ」
そうハルタに説得されてはいるが、不満そうだ。フグみたいに膨れてる。片付けやらなんやらで慌ただしいモビーで逸れないようにハルタと一緒に居ろ、と声をかけておく。
*ニア
今日はイゾウとおえかき教室の予定だったのに…!
水でぬらしながら使う色えんぴつをイゾウが前かってくれた。今日海とお空をかこうねって話してたから、たのしみにしてたのに……。
「ニア、どこいくの?」
「もんく!」
「文句?…赤髪に?」
「うん」
「ふふ、付き合ってあげる」
ハルくんの手を繋いでモビーのはじっこに向かう。
「……かえってよ!!!」
「あぁ??!?お前……それはねえだろ!!!」
「今日はイゾウとおえかきするの!!かえってよ!!!」
「ふ、あっはっはっ!!!あー面白い……ほら、若ぇのは奥行っとけ!また覇気でぶっ倒れるんだから」
ハルくんに抱っこされた。シャンクス、怒ってる……でもニアのほうが怒ってる。ニアの文句が無視されてシャンクスがモビーの上に降りてくると体がやっぱりビリビリする。
「うぅ……」
「ありゃりゃ……おい、赤髪。ニアは両の手もいかないんだぞ、加減しろアホ。オヤジにぶん殴られちまえ」
目がぐるぐるする……ハルくんに寄りかかると誰かの手が背中にくっついてる。あったか……
「予定を崩した上に覇気浴びせて済まねえな、嬢ちゃん…頭、あまり八つ当たりすんなよ」
「だれぇ…?」
「ニアの結婚相手」
「はあ!??!ベック??!俺は??!!」
「シャンクスはいや!」
ふりかえってみあげると…イゾウみたいなやつ吸ってる。健康に悪いから吸ってるときは近寄っちゃだめ、って前に怒られたやつ。
「光栄だ、花婿候補か」
「ちょっと、口説くのやめてくれる?オヤジが許しても僕は許さないから!」
ハルくんとベックマンの顔を見てると右手をベックマンに掴まれる。そのまま……絵本で読んだことのある、王子様がプリンセスにやるやつされた。
「待て待て待てハルタ、待て!!!剣を抜くな抜くな!!イゾウも構えるな!!!サッチ!こいつら抑えろ!!!」
エースの声が聞こえたと思ったらベックマンに抱っこされてる。イゾウとハルくんがサッチとエースに抑えられてる………こういうのなんて言うんだっけ……。
「……サギ?」
「気障な!!!」
「ベックマン、お前……誘拐はダメだろ」
「いいや?俺を結婚相手の一人にしてくれてるらしい」
「?ベックマンみたいなって言ったよ」
「じゃあ俺本人でもいいだろう?」
そう…なのかな?…みたいな人がいいって話してただけだからわからないや。
「一番はマルコだもん」
「手強いライバルだな」
「やめとけ嬢ちゃん、ベックマンなんか好きになっても泣く羽目になんぞ〜」
気にするなとベックマンに頭を撫でられる。エース……よりもムキムキでジョズみたい。
「……何がどうなってんだよい…」
「結婚相手の一人と伺ったのでな、立候補してた」
「……はぁ…ニア、降りるよい」
はあいと返事をして降りるためにベックマンをみあげる。
「いつでも歓迎だぜ、お嬢ちゃん」
「だーーーーれがやるか!!!!!」
「どうどう、ハルタ落ち着けよい……」
ハルくんに怒らないで、と告げるとだってキスしたんだよ!!ともっとプンプンしちゃった。
「は!?キス??!」
「おててにだよ、ほら……マルコが前にかってくれた、人魚姫のやつ!」
王子様がやるやつだよ、と言うとマルコもプンプンしだした。あれ?おかしいな……。
「何でみんな怒るの?挨拶みたいなやつっていってたのに…」
「ニア、詳しく説明しなかった俺らも悪ィがあんまり誰彼構わず許しちゃだめだぜ。とくに赤髪ンとこは全員NGだ」
イゾウにそう言われる。全員ダメなんだ、、分かったと返事をしておく。マリーにあとで聞いてみようかな。
*イゾウ
全く口説かれてる実感がない末娘に頭を抱える。俺ら……特にマルコを揶揄う目的で手の甲にキスなんぞしたベックマンを睨みながらニアを引き剥がす。
そりゃ?数日前にニアが結婚するなら俺、マルコ、ベックマン『みたいな』人がいいって話をしてそれをきっかけにしたマルコとの口喧嘩を揶揄ったのは認める。
ニアが〇〇みたいな人と結婚したい!って言うのはまぁ敵船であるやつがメンバーに居ても微笑ましいが、本人が両の手もいかないのにオッサンが口説こうと手を出したのは見過ごせない。
「プリンセスのキス、だめだったの?」
「ん〜……時と場合によるな。アイツはNG…ニアがエースくらいの大人ならまた変わってくるがな?」
「うぅん……」
チビマルコの眉間の皺が深くなる。急に俺らまでキレだしたから理由が分からねえんだろう。抱っこ、とせがまれたので抱えあげる。
オヤジと赤髪が船長室で話し込んでる間、ニアはベックマン以外の赤髪のクルーに挨拶回りをしていた。おお……見た目が厳ついやつが多いのに、人見知りせず話しかけれるようになって…成長を感じるねえ。
「びりびり」
「……すげーな見聞色の覇気がえげつねえってマジなのかよ」
ライムジュース、という赤髪の船員の中では若めの野郎の武器を指しながら呟くニアに皆驚いた表情をしている。
「お嬢ちゃん、俺のところは来てくれねえのか?」
「撃ち抜くぞベックマン」
寂しいなあ、なんて嘘を付きながらこちらをみやるベックマンに俺とハルタが武器を構えていると俺らがマリーたちに怒られる。なんでだ、納得がいかねえぞ。
「みんな、好きな人いないの?」
「俺はいるぜ、もうおっ死んじまったが……アイツ以上の女は居ねえと思ってる」
あいつは確か…ヤソップ、だったか。既婚者だとは知らなかった、海賊にしては珍しく一途だな。
「この船に乗せるわけにもいかねえし、島に置いていくのも辛いだろ?だから特定の人間を作らねえことのほうが多いんだよ」
「………ふぅん」
信じられない、といった顔でベックマンをじとりと見やるニアは色々感じ取ったのだろう。ベックマンは相当手が早い。ウチのナースも何人狙われ、何人手を出されたか……。
疑いの表情がありありと表に出ちまう素直すぎるニアを撫でながら抱きかかえる。
(ベックマン、嘘つき。ニア嘘つく人イヤ)
(俺がいつ嬢ちゃんに嘘をついた?)
(女の子がいっぱい見える…マルコもだけど)
(え、そうなのかい?…もう少し大きくなってから話そうと思っていたんだが…)
(ニア、ベックマンはともかくマルコのそういうの嫌?)
(うーん……でもニアもそこにいるから…ぽわぽわって)
(待ってウケる歴代彼女みたいなとこにニアもいるの!??!めちゃくちゃウケる何それ)
(肖像画的な感じか?)
(やめろ馬鹿エース、笑い死ぬだろハルタが)
(マルコの名誉のために言うが、お前が来てからはぱったり辞めたぞ…意外とあの不死鳥は一途なんだよ)
(イゾウも?)
(ああ。俺も心に決めた女は1人だけさ…まだ出会ったことねえが)
(ニアはサッチみたいな男好きになっちゃだめだよ、全員にいい顔すんだから)
