Marco Papa
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パンプキンの王さま
*エース
ニアにクリスマスへ向けて好みをリサーチするハルタ。…早くね?まだ9月半ばだけど?
「ハルタ、気合い入るの分かるけどよ…早すぎねえか?」
そう言うと肩をすくめてため息ついてくる。
「分かってないな、エース…。いい?だいたいの子供の好みの移り変わりは成長より早いの。ニアがクジラにずっとどハマりしてるのは例外でね。パズルばっかりやってると思ったら、突然ボール遊びに夢中になる子もいるし、ピンクが好きだったのにいつの間に緑が好きになる子もいる。
だから常々リサーチは必要だし、このモビーに何人兄貴が居ると思ってるわけ?プレゼント被ってもしらけるし、分散できるにこしたことないでしょ!」
ハルタの話にジョズが感心して拍手してる。いつもニア関連でハルタは大泣きしてることが多い、それを慰めたりしつつも白けた目で見てる一人だからな。
「ただの妹バカではなく、そんな周到に練られた計画だったとは…」
ジョズと全く同意見。意外だよな、というと頷いてる。
「ただ甘やかしてるだけの兄貴だと思わないでよね!……まあ僕が1番いいの買ってあげて?できるだけ好感度爆上げしたいなとは思ってるけど」
「めちゃくちゃ下心ありありじゃねえかよ」
結局コレだ、ジョズは呆れてそこまでじゃなさそうなのを買うから後で教えろと部屋に戻っていった。
ハルタに手が空いてるならエースも手伝え、と言われ一緒に向かう。読むための本は尽きやすいと学んだニアは最近パズルや数独とか頭使う本を買っている。そういうのにハマるの、マジでマルコそっくり。
「ニア〜!」
「あ、ハルくん!エース!」
パッ、と顔を上げてニカッと笑うニアに心臓を抑えるハルタ。ニアがこのまま成長して大人になった時ハルタは目ェ合わせて会話できんのか…?
「よっ、さっきハルタとイゾウと話してたんだけどよ…ニアはサンタ信じるか?」
これくらいならプレゼントのリサーチだとは思わねえだろ。
幽霊がいるかどうか?みたいな話だし。
「サンタ?…サンタさん?」
「そうそう。サンタさん。」
ハルタがニアの隣に座り込む。
「ん〜…居ないと思う…しニアそこまでクリスマス好きじゃないから気にしたことないや」
「「「えっ」」」
まさかの回答に書類を整理してたマルコも反応する。
クリスマスが好きじゃない…??!?そんな子どもがこの世にいんのか!?!おれだってまだワクワクするのに!?隊の奴らとやるプレゼント交換とか超楽しいのに!??
「な、なんでだよい?」
すげえ分かりやすく動揺してるマルコを不思議そうに見上げるニア。こんな姿、お前じゃなきゃなかなか見せねえぞ…マルコメガネズレてるし…さり気なく直しておく。
「リリアくんにもらった絵本よんだから?」
そう言いながら絵本を持ってくるニア。
リリア……?あ〜鏡の中の魔法勉強してる奴らか。妖精族らしい!と言っていたな。
「つーか、向こうの文字少しこっちと違うんじゃなかったか?もう読めんの?」
「読めるようになりたくて絵本もらった!これなら簡単じゃぞ〜てくれたんだよ」
で、異世界の文字もいつの間に読めるようになってる訳ね…天才じゃね?
「ニア、それ僕らにも見せて?」
ハルタが受け取り、3人で並んで見る。
”The Nightmares before Christmas“
「これ、どんな本なの?」
流石に俺らは読めないからニアに要約を頼む。
「んとね……人を怖がらせるのが得意なハロウィンの王様のジャックが、明るくて楽しいクリスマスに憧れて挑戦するお話し」
「ふうん…それでどうなったの?ジャック」
ペラペラとページをめくると、最初虫やらなんやら暗い家々と驚く人、怖がらせてる……これはなんだ?お化け?たちが次々と出てくる。ひときわ派手に井戸から登場してる細長いこいつが多分「ジャック」だろう。
あ、ほんとだ。雪国といかにもクリスマスの飾りがたくさんあるところに来てジャックの目がキラキラしてる。
「大失敗しちゃうの。暗くて怖がらせるのが得意なハロウィンの王様が考える、明るくて楽しいクリスマスはクリスマスタウンの人たちからしたら全然違くて…とにかくめちゃくちゃでジャックのことを怒るの」
ほら、と指を指すニアに従いページを見ると、明るい箱に生首みたいなのが入ってる。……これは確かにめちゃくちゃだな。
「…そのあとどーなんだ?」
つい気になり聞いてしまう。
「ジャック、すごく落ち込んじゃうんだけどね…ハロウィンタウンに帰って自分のトラップにビックリして喜ぶハロウィンタウンの皆を見て、やっぱりハロウィンは最高!ってなるんだよ」
「それでクリスマスが嫌いなのかよい?」
「嫌いじゃないよ!ハロウィンの方が好きなの。なんかねぇ、ジャックってニアたちみたいだなって思ったの」
*マルコ
この本、そんな重めの内容だったのかよい。
クリスマスがあまり好きじゃない、というニアを見やる。ニアによると、このジャックとハロウィンタウンの住人は俺たちにそっくりだそうだ。
「だって海賊って、周りから見たらこんな感じでしょ?
ニアたちが正しくても、楽しくても周りの人たちの正しさと楽しさとはあわないんだよ。だから追いかけられるし、いるだけで怒られるし…」
ハルタと顔を見合わせる。本当に5歳の考えることかよい…?
「みんなの幸せの象徴がクリスマスなら、ニアは絶対、絶対ハロウィンの方がいい!さすがに髪の毛に蜘蛛がのるのはイヤだけど…あと生首も…」
ニカッ、とエースみたいな笑い方をするニアの頭を撫でてやる。
「………僕もう… ニアが賢すぎて…逆に自分がバカすぎて…海の底に沈みたいくらいだよ…」
「しっかりしろよい、バカハルタ」
5歳の末っ子が考えることの大きさを目の当たりにして、ハルタの脳がショートを起こしたのか反応が鈍くなる。
(と、いう訳だよい。ちなみにハルタは元に戻らねえままだ)
(グララララ、大した頭してんだなぁチビ娘は…)
(5歳……だよな…?)
(俺はもう、クリスマスが好きじゃないってだけで衝撃だよ…)
(じゃあ、1ヶ月後のハロウィンはクリスマスよりド派手にやってやらなきゃな)
(頼むよい、サッチ)
マジで日本のディズニーだとクリスマス時期にジャックの装飾されたりするの本当に遺憾です、ちゃんと映画見たのか!??!
ティムバートンがシザーハンズの頃から顕著にしてきた「幸せな人々や、環境にそぐわない暗くて人を傷つけることしかできない自分へのコンプレックス」が最も顕著に出てる作品だと思うんですけどね…!??!?
タイトルだって有名な詩「ナイト・クリスマス」を皮肉ってナイトメア(悪夢)としてるんですよ!??!?
ハロウィンにジャックの本領発揮させてほしい、あれは断じてクリスマス映画ではない!!!
陰キャオタクのうるさい訴えでした。
