Marco Papa
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視えた
「マルコ!!!緊急事態だ、ニアの様子がおかしい!」
ノックもなしに血相変えて飛び込んできたのはイゾウ。横抱きにしてるニアは目を瞑り、魘されている。
「…何があったよい?」
呼びかけても応じないニア。寝てるのか?額にはびっしょりと汗までかいている。
「分からねぇ、俺が武器の手入れをして触らせねえように近くに座らせてたんだ。…突然頭抱えて…気絶してンのか寝てンのか分からねぇが、ずっと魘されて……」
イゾウが珍しく取り乱しながら話す。
「とりあえず……ナースのところへ行くよい。…イゾウ、お前はオヤジに先にこのこと話しててくれ。」
頷くイゾウの肩を軽く叩く。ニアへの愛が重すぎるハルタやエース…そんで俺をいつも揶揄ってばかりのイゾウだが、表面に出さないだけで同じくらい溺愛してる。
可愛い妹がきっかけも分からず倒れちまえば、イゾウだって新入りクルーのように取り乱す。
イゾウが取り乱してる分、なぜか妙に冷静な俺は婦長マリーを呼び止め、診せながら説明する。
「熱もないし、脈もおかしくない。痛がる様子があるわけでもないし…昼寝してて突然魘され始めた訳ではないのよね?」
「あぁ、直前まで起きてたそうだよい」
「鎮静剤をほんの少し注射したから、普通の眠りに移行して数時間後に起きると思う。」
礼を言ってニアの頭を撫でる。
「起きたかい?」
エースと昼寝してる時のような穏やかな寝起きのニアを軽く撫でる。顔色もいいし焦点も合う、回復したようだ。
「マルコ…?」
「マルコだよい」
「マルコ、」
俺と合致した途端に飛び起きて抱きついてくる。予想外の反応に少し驚く。
「ニア、どうしたよい?…イゾウといた時に突然倒れたんだよい」
「分かんない…」
ぶるぶる震えるニアの背中を撫でる。マリーが心配そうにこちらを見ている。起きた手前、オヤジと心配で何も手についてないイゾウに顔を見せてやりたいが、こんな様子じゃ不安が増えちまう。
「……なんか怖い思いしたのかよい?」
「…うん」
「どんな怖いことされたんだよい?覚えてたら教えてほしいよい」
汗をかくほど怖く、魘されていたのだとしたらよっぽどだろう。イゾウの何気ない行動が、捕まっていた時のことを思い出させたりしたのかもしれない。
「……イゾウの、銃」
「イゾウの銃?」
「声がしたの」
「……声よい?」
俺に掴まる手にどんどん力が入っていく。
「ころしてやるって…その声がしたら真っ暗になって、1人だったのに何人もいて…すごくこわかった…、」
ぼろぼろ泣き出すニア。
「ニア、それ知ってる声だったか?」
首を横に振るニア。ユラユラと体を揺らしてあやしながら背を撫でる。
「…そうかい。オヤジのところへ行くよい、俺もいてイゾウもいて、オヤジもいればその怖い声は聞こえないからねい。」
オヤジの部屋に入ると、数時間しか経ってないとは思えないくらい窶れたイゾウが力無く座っていて、思わず小さく笑う。ハルタがこの姿を見たら、末代まで語り継がれてバカにされるだろう。
ボロ泣きしているニアをあやしながら先ほど聞いた話を伝える。
「オレの、銃から……?安っぽいモン扱ってるつもりはねぇが、妖刀みたいなモンでもねぇぞ…」
「…見聞色の覇気か…」
オヤジが言う。
「あぁ、俺もそう思うよい」
ぽかん、とするイゾウとニア。
「イゾウ、こいつの見聞色の覇気がとてつもないのは知ってるよい?……海底にいるクジラの言葉や気持ちを掴み取ったり、島のうんと離れたエースがどこの飯屋で食い逃げ起こしかけてるか、目の前にいるソイツがどんな嘘をついているか、調子がいいときなんかは未来予知もできる」
「…あぁ…そう、だな…」
「…その理論で言えば、人が使ってる武器に取り憑いた怨念が見えたり聞こえたりしても、おかしくねぇよい。ニアの話じゃ麦わらの小舟の記憶みてぇなんも見えたらしいからねい……万物が対象になっても頷けるよい」
「………」
言葉を失うイゾウ。
「誰一人として知らない声だったって言ってるから、『相手』だろうよい」
その武器を使って倒してきた相手方の。
「ニア…怖い思いさせてすまなかったなあ……」
今にも泣きそうなイゾウ。ニアが絡むとモビーの野郎は涙腺がすぐ壊れる。
「イゾウ、こわかった?」
「…お前が突然倒れて、魘されてるから…起きねえし消えちまうかと思って…何より恐ろしかったよ」
イゾウの手を握るニア。
「イゾウの銃に嫌われてるから『ころしてやる』って言われたのかとおもったの……もう皆と会えないかとおもったの」
「イゾウ、お前のせいじゃねえだろい。思い詰めるな」
無言で涙を流すイゾウの肩を撫でる。
「ニア…俺たちは1つの宝を求めて奪い合って生きてる。それが海賊だって教えたのは覚えてるか…?」
オヤジが口を開く。
「うん」
「綺麗事だけじゃあやっていけねえ、俺らは敵とみなした海賊どもを殺して、ここまで大きな家族になってきた……家族に手を出されれば報いを受けさせてきた。
ここで生きるっつうのは、お前がイゾウの銃から味わった怨念を向け合うことだ。耐えれンのか?」
「…皆いるなら平気」
「グララ……ぴーぴー泣いといて一丁前に…」
オヤジがニアとイゾウの頭を撫でる。
「お前も辛気くせぇ顔してねぇでシャキッとしやがれ、兄貴だろうが」
(イゾウ、泣いてるの?)
(もう泣いてねぇ)
(グラララ、末っ子に心配されちゃあ顔が立たねえなぁ…!)
(オヤジ、あんま虐めないでやれよい)
(イゾウを泣かせちゃダメだよ)
(ニア、あんま大声で言わないでくれ…)
(もう平気だから、泣かないで?)
(そうだな…)
悪魔の実以外は必然的に武器が必要になるので、倒してきたり妖刀みたいなものだと歴代分の恨みつらみがありそう。
