Marco Papa
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ひと悶着
ニアがクルーの足の間を縫うように走り抜けていく。そんなに足が速くないのに、一向に捕まらない。
エースや隊員も何人か呼び、なるべく怖がらせねえように捕まえろの指示を出す。追いかけ回されてるのよく見るとこちらの動きを予測しているかのように避けている。
「…ニア、痛いことしねえよい!調子悪いとこねえか見るだけだ!」
「……」
「…心音聞いて、触診…お腹とか触って腸の様子見て、口ン中見て喉の様子みて、食いもんに対してアレルギーないかテストするだけだよい」
なるべく噛み砕いて不安要素をなくしてみる作戦。医者嫌いはこのモビー上にも多くいる、何されるか分からなくて嫌いだという声が多いので試してみるが、ニアにはどうか…
「…うわっ」
まただ、後ろから二人近寄っていたのにスイスイと避けこちらにくるニア。まるで背中に目があるみてえだ。
「ほら、捕まえたよい。…噛むなよい」
「ほんとに痛いことしない…?」
「ああ。テストも少し血を採るだけだよい、じっとしてればすぐ終わる。20秒ほどな」
嘘をついて注射と誤解される方が今後が面倒だと判断し、嘘なく告げる。
「……わかった…」
ぷるぷると震える腕をこちらに差し出して目をつむるニアについ笑う。
「フッ、まだだよい…そうだな、採血一番最初にやってさっさと終わらせるよい」
頭を撫でる。観念したようだ。
「随分逃げ回るの上手えんだねい?」
「?」
「動きを予測してるみてえだったよい」
「あ〜…?皆、わかるんじゃないの?なんとなくわかるよ」
「考えてることがよい?」
そう聞くと首を横に振る。
「ぼんやり…ちょっと?分かるよ、マルコは青ときいろでキレイだねえ」
「…へぇ、悪魔の実が分かるのかよい。なんでエース避けたんだよい?」
「もえるから」
しっかりと識別しているようだ、俺のは炎と認識はされてねえようだが…まあ青いし燃えないと判断されたのかもしれない。
「しっかり分かってんだねい…エースも能力コントロールできるから、心配しなくていいよい。触っても平気だ」
「そうなの?」
「そうだよい…エース!」
エースを呼び、腕を触ってみせる。おお…と声が漏れるニアの手を掴み、エースの手のひらと合わせる。随分小せえ手だよい。
「…ほんとだ…もえない」
「おう、コントロールできるからな。…マルコのも燃えねえし熱くねえけど炎だぞ」
医務室についた、椅子へ降ろす。ナースに採血を先にしてくれ、と指示を出し準備を進める。
「…ほんとに苦手なんだねい…見えないほうがいいよい?」
前からニアを抱きかかえ、腕だけ台に乗せて体にニアの頭を寄せる。
顔色が悪い、前の船で何されたんだか…。背中を軽く叩き、呼吸をするよう伝える。
「自慢だが、この船のナースは皆技術が高くてな…思うより痛くなくてびっくりするんじゃねえかよい?」
「……針がこわいの、」
「そうねえ、怖いわねえ。私も怖いわ」
チラ、と見るともう採血している。痛がってる様子もないし、大丈夫そうだな。
「はい、終わり!ガーゼ貼って…はいよく頑張りました〜」
一番の難関、採血が終わり本人も呆気にとられている。
「な、思うより平気だったろ?」
そう言うとうん、と返って来る。その後の簡易診察も終わり異常なし。
アレルギーになったことないか聞くために前の敵船での状況を聞いてみる。コックであるサッチと、採血担当して懐いた婦長のマリーにも同席して貰う。
「前のおふね…?ん〜…」
困ったような、悲しいような表情になるニア。あんまり思い出したくねえだろうが、聞いておくに越したことはない。
「何食べてた?好きな食べ物あるか?」
「……やさいのかわ?」
長考し、返ってきた二人が固まる。
「や、野菜の皮…?」
「うん、特に緑とオレンジのやつが甘くて好き!」
かぼちゃ、のことだろうか?
「……不味くて食べられなかったモンは分かるか?」
苦い顔をするサッチが問いかける。ロクな扱いを受けてないのは先程のやり取りで充分想像できる。
「ん〜…魚のないぞうと…オレンジ色のやつ…?」
特に後者はかゆかった!と言われるが、さっきもかぼちゃは甘くて好きと言われたので特定ができない。
後で食材で答え合わせしよう、となる。
「ニア、なんであそこにいたか聞いてもいいよい?」
「……ニア、ケガ治せるの…だいたいのケガ」
「!」
「…ぜんぶ、ニアにケガ返ってくるから…痛くて逃げてたら机とくっつけられた」
「そうかよい……ここでは、それ使わなくていいよい」
「…ほんとに?…さっきの人…なおさなくていいの?」
さっきの人?と聞き返すと、オヤジのことだという。名医に見せても原因不明で、まあ理由の何割かに酒は関係してると思うが完治はできないだろうと言われている。
話してないのにもう見抜いているのか。
「ああ、いいよい。オヤジもそれは望まねえ」
(へんなの…治るのに?)
(はあ、いろんな名医が治せねえって投げ出したのまで治せんのか?すげえ仕組みだな…)
(確かに気にはなるがねい、そのために乗せたんじゃねえからよい)
(マルコさん、サッチさん、マリーさん!ちょうどよかった、アレルギー反応の結果が出て…結構アレルギー予備軍がちらほらいました)
(ほう、にんじんやセロリのセリ科やウリ科が危ねえな…)
