Marco Papa
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恐竜はかせ
✳エース
ニアが下を覗き込む動作をしてもあまり驚かなくなった。モビーの船底はクジラの腹みたいなデザインのため、モビーのすぐ近くまでクジラと勘違いして海王類やクジラなどの生き物がやってくることも珍しくない。
「なんか来たのか?」
一緒に日向ぼっこしていたニアが起き上がって海底を見つめるように柵から身を乗り出そうとしているので、落ちねえように体を支えてやる。
「…エース、ネッシーって知ってる?」
「ネッシー?分かんねえ」
可愛い名前だなと返す。
「恐竜図鑑にいた、首長いやつ」
「あぁ、アレがネッシーっつうのか」
「それぽいのいる」
凄え!ネッシー!?と2人で騒げば、はしゃぐなとマルコに怒られる。恐竜がいたのは確かだがネッシーは話が別だ、絶対にいたっていう証拠がなくて伝説になってる生き物だ。
「呼べねえの?ネッシーなら見てみてぇ!」
「ん〜…」
あ、出た。ちびマルコ。考えるときや悩んでるとき、眉間にシワが寄ってめちゃくちゃマルコそっくりになる。マルコはこんな両の手もいかねえ子どもがシワ寄せるなんて…ってショック受けてやめさせてぇらしいけど、全然治ってない。
その様子を見て、またマルコが頭抱えてら。
「…きたかも」
甲板に移動し、柵の隙間から足を出してプラプラするニア。
なんやかんやマルコも気になるようで、ついてきた。
「あんまり身乗り出すと危ねえよい」
「へーき、目印だから!」
大きな黒い影が水面に浮かび、ザブンと音を立てて波も立てて、モビーが少し大きく揺れる。
「ニアが呼んだよい、まだ撃つな!」
まだとか言うなよマルコ…。
「うお…本当に首長え!!」
「ネッシーだ…!!!」
本物のネッシーだ!とニアと碧いソイツを見る。なんとも言えない体のバランスでうまく泳いでる。
「なんか…言いたげな顔だな、なんて?」
「なんの用?ってゆってる」
すっげーマトモな質問きた。見たかっただけだし、コイツには悪いことしたな。
「ニア、エース。落っこちたらひとたまりもないよい、もう少し中に入れ」
マルコが言うが、興奮しているニアは聞かない。
「優しいよ、ネッシー。人間なんか食べないよって言ってる」
「……ハァ、突き落としでもしたらこっちが食ってやるよい」
逆に食うのかよ、怖。
「末代までのろってやるだって」
怖ッ!!!
「お前、名前ねーのか?」
「ないって。じゃあ、ニアがつけてあげる…ん〜…」
またちびマルコになる。
「ディノ!」
Dinosaurからディノ。賢い名付け方だ。ネッシーは喜んでるみたいで鳴き声あげてた。普通に海王類(?)呼び寄せて仲良くなってるが、普通じゃないよな?
✳マルコ
ディノに水かけられたり、ニアが紙飛行機飛ばして攻撃(?)したり、戯れあって遊んであっという間に3時間。
ハルタやジョズ、ビスタたちも騒ぎを聞きつけて甲板に集まりだす。
「ニア、体が冷えるよい。着替えたらどうだ?」
「きがえる〜」
楽しそうに遊んでいるニアがこっちへ戻ってくる。部屋に戻ってお湯とタオルで軽く拭きながら着替えさせる。
「ニアは凄いねい。笛なしでも恐竜呼ぶなんて」
「ふふ、」
照れてるのか下向くニア。もじもじ手をいじっていて可愛い。
「相手が海王類でも、敵意があるかどうか分かるのかよい?」
「なんとなく分かる……お腹すいたとか、眠いとかそういうのもなんとなく…ただ、人間とは違うから単語がそんなになくて会話は難しい。ここら辺は大きい海王類そんな居ないみたい、敵なし!って言ってた」
そこまで大きい海王類じゃないディノの天敵も居ないのだろう。末代まで呪う発言は誰の入れ知恵か知らんが、賢いやつだ。
「ネッシーは絶滅してないんだね。すごいね、新発見だよ」
「恐竜博士の称号も貰わねえとねい」
クジラにタコに動物に恐竜に…どんどん増えてくよい。
圧倒的に海の生物が多いところがまた可愛い。海が大好きだとハルタとの海上観察で言っていたが、ここまでとは。
髪の毛もある程度乾いて着替え終わる。甲板に戻ると、なんとネッシーが2匹に増えてる。
「なんで増えてんだよい」
「お友達なんだって!」
わーネッシーが2匹だ〜!とはしゃぎ回るニア。エースも負けじと大興奮してる。あいつも恐竜やそういう類好きなんだねい。
撫でたり頭の上に乗せたり首に捕まったり、切り落とした魚の頭をやったり(大好物らしいし、サッチたちも生ゴミが減る!)と大喜びしていた。
「ディノちゃん、ネスくん」と名前をつけた2匹が一旦海へ潜り5分ほど経って上がってくる。
その口元にはジャラジャラとした金塊。
「え、」
「すげぇ!!!ニア、これ金塊じゃんか!」
「海底にあるのがまたロマンだな〜!」
「もしかして沈没船があるとか!?」
「おぉそれ夢あるな〜!俺が魚人だったらなあ!」
ワラワラと甲板でやり取りを見ていたクルーたちがさらに集まる。金塊より沈没船の有無を楽しみにしている子供が何割かいるが。
当のニアは眉尻を下げて困惑している様子。どうした?と声をかけようとすると「いらない、」と返答する。
「ニア…お金はいらない」
「グララ、つれねぇこと言ってやんなニア…。これは金じゃなくて贈りモンだ、海の生物から陸の生物へ贈りモンなんてこっちが願っても貰えねえぞ。
友好の印ってやつだ、大したモンだな…」
ネッシーだネッシー!とラクヨウとナミュールが引っ張り出してきたオヤジが制する。
「エース、友好ってなに?」
オヤジのその言葉に、すぐ近くにいたエースに尋ねるニア。
「友達っつーこと。…ほら、お前もイゾウから本もらったりするだろ、いいもん見つけたからやるよ!ってことだ」
説明できるのか不安だったが、エースだからこその言葉にすんなり理解したらしく受け取ることにしたようだ。
「…じゃあ、1こずつもらう」
大量の金塊にさすがに引け目を感じているらしいニアは遠慮して残りは俺らに、と伝えている。どこまでも海賊らしくねえよい。
ニアは甲板に下ろしてもらった金塊をまじまじと見て、ピッカピカの金のスプーンと蛇の模様の装飾が綺麗な甕を自分用に、と貰った。
宝石やいかにもな指輪などもあったがそういったものではなく、骨董品に近いものを選ぶのもニアらしい。
本人は友好の印、と聞いてそれだけでも嬉しいのに、綺麗なものを貰えた!とスキップしていた。ディノもネスもなんとも嬉しそうな声で鳴いているので、甲板にいる全員の顔が緩みきっている。
ハルタは出血死してるんじゃねえかと不安がよぎり見渡したら、なんとかギリギリで持ち堪えているようだった。
(俺は沈没船の有無を聞きたいねい、これどっから拾ってきたんだよい?)
(フンッ)
(…ふふ、マルコには教えないだって)
(んだとこの魚…)
(マルコー大人げないぞー)
(そうだそうだ!ニアの友達だぞ〜!)
(つーか魚じゃなくね?)
(うるせえよいお前ら!!!)
(海水にずっとあったはずなのにぴかぴか…綺麗だねえ)
(お、宝の地図みてえなのあるじゃん!)
(…エース、でもそれ…なんか紙があたらしくない?)
(たしかに…ニセモンかもな)
(誰かが練習で描いたやつかもよ?)
沈没船、海底のお宝というワードに一喜一憂する大人たちを書きたくて
