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81 ハロウィン
*神代くましろ
「ハロウィン?」
「そーそー、せっかく寮生活になったんだしなんかやりてーよな!っつーことで第一回目のイベントはハロウィン!」
切島くんに肩を組まれる。
「仮装でもするの?」
「その予定〜!くましろは何仮装すんの?ドラキュラとか似合いそー」
上鳴くんも隣に座ってくる。クラス一を争う明るい二人に挟まれた。心なしか近辺の温度が上がった気がする…。
それにしても仮装か…実はこういう催しは初めてだった。誕生日はなんとなく家で祝ってもらえたりした記憶がおぼろげにあるし、クリスマスもめちゃくちゃ小さい頃は……あった気がする。
「ハロウィンって、具体的に何をするの?」
「仮装してお菓子パーティー!くましろちゃんも絶対楽しいよ!」
「お菓子パーティー……へぇ、やったことないから新鮮だな……って何…そんなじっと見て」
芦戸さんを始め、両脇の二人も顔をのぞき込んでくる。
「あ゛〜…つかぬこと聞くが、くましろって…クリスマスはわかるよな?サンタいつまで来てた?」
「失礼な…クリスマスくらい分かるよ。小学校…あがったら来なくなったね」
「早ッ!!?…じゃあ誕生日はどーしてたんだ?お前ん家、両親とも忙しいんだろ」
「…最後に家族揃って祝ってもらったのなんて覚えてないな…、今は保護者の人がお祝いしてくれるよ」
「………今年のハロウィンは盛大にやるぞ!!!いいな!!」
切島くんに大きな声を出されてびっくりする。頷くと俺は計画を立ててくる!といやに張り切ってソファから去っていった。同情させちゃったかな…。
「…可哀想って思われちゃったかな…」
「…何揃いも揃って通夜みてェな空気しとんだ、辛気臭ぇ」
爆豪くんだ。
「ん〜、ちょっと切島くんに気を遣わせちゃったかな〜…って」
ハロウィンパーティーをやろうって企画してるんだって、と告げる。爆豪くんママ、意外とハロウィン仮装好きそうだけどどうなんだろう?
「…そゆの、したことねーのか?」
「ハロウィンはないかな。不在が多かったからさぁ…クリスマスも誕生日も小さい頃が家族揃ったの最後かなって。
そりゃ当時は寂しかったけど…今は保護者が代わりにやってくれてるから平気だよ」
これは本音。何から何までお世話になってて、お金のことも明かしてくれないからとにかく申し訳ないのに、誕生日やクリスマスはプレゼントとは別にめちゃくちゃケンタッキーのパーティーバレルとか買ってきてくれる。
「大人数で何かやるの、初めてだからたのしみ。爆豪くんは仮装する?」
「しねぇ」
だろうね。
「…皆仮装してめっちゃ浮くかもよ?」
「そーそー、こういうときはスッとやっちゃえばいいって!」
芦戸さんは悪魔になりたい!と言ってもう衣装を検索してる。
「爆豪くんは……目が大きいから唐傘おばけとかどう?可愛いよ、絶対」
「着地点が意味不明。却下だ」
「三つ目小僧とかは??!?絶対似合う!!」
「却下だ。地味」
おでこに3つめの目があることの何がどう地味なんだ…!!!おでこをグリグリ押すとやめろや!!!とキレられた。
「お前はどうすンだ」
「ん〜〜…九尾がいい、かっこいいから!それか…ミイラ男!」
「いいじゃんいいじゃん、くましろちゃん絶対似合うよ〜!」
「つーか妖怪ばっかだと妖怪大戦争みてぇになるから和洋折衷でいこーぜ」
上鳴くんに俺はフランケンシュタインがいい!と言われた。被らないようにするのは大変だけど、多分被らないほうがいいよね?どうぞどうぞ、とフランケンシュタインの枠を渡す。
切島くんはわざわざクラスでのLINEと、口頭で合わせて周知してた。仮装か…何が正解なんだろな…。
『相澤さん、切島くんたちがハロウィンパーティーで仮装しよう!って誘ってくれたんですけど仮装って何が正解なんですか?
あと芦戸さんにお菓子パーティーするんだよって教えてもらったんですが、どんなラインのお菓子用意したらいいんですかね?』
『知るか。…お菓子は俺が用意しとく、なんかファミリーパックのもんとかでいいだろ』
一蹴された。困ってるからLINE送ってるのに…!
『相澤さんだったら、仮装何にします?』
『ウケ狙いでナース。でもくましろはだめ。多分被害に遭う』
なんの被害に…?とも思ったけど、そもそもナース服は着たくないから俺もやだなぁと思い九尾って良くないですか?と送ったら斬新でいいと思う、ただ仮想セット売ってないだろと言われた。た、確かに…!!!
衣装、と調べると狐耳のカチューシャと巫女さん、とか狐のお面と巫女さん衣装が多くてこういうのじゃないんだよなあ…とページを閉じる。ていうか巫女さんが主体だから九尾じゃなくて巫女さんのコスプレに近い。
どうしよう…と考えてると、きっと同じくどうしよう…て悩んでるらしい轟くんからLINEが飛んでくる。
……あ、いいこと思いついた!!!!
『轟くん、仮装決まった?』
『まだ。ヤケクソでペンギンにしようかと思ってた』
『ヤケクソなんだ…ねえ、オレにとってもいい案あるんだけどどう?聞きたくない?』
『聞きたい』
『クルエラどう?!?』
『くるえら?』
うそ、自信満々のドヤ顔で送ったのにクルエラ知らないの…!??この人だよ、と送ると見たことあると帰ってくる。ディズニーヴィランの古参だからね…。
『オレがダルメシアンで、轟くんクルエラ仮装ってメチャよくない??髪の色はオレの友達に頼んで変えてもらおう』
『俺こんな服持ってねえぞ、いけるか?』
概念コーデで行けばいいんだよ、と返す。クルエラは白と黒の髪の毛で、真っ赤なリップが特徴だ。さすがに轟くんに真っ赤なリップを塗るのは憚られるので、白黒赤の色味を服とかで再現できたらかなり良くなるんじゃないだろうか…。
俺もたいとに頼んで髪の毛の色を変えてもらう予定。ハイライトみたいに白を入れて、真っ黒な髪の毛に変えてもらったらぶち模様のシャツを着て、101匹の中でもよくグッズのセンターにいる耳が黒くて赤い首輪をつけてるラッキーみたいに赤い首輪…の代わりのチョーカーつけたらかなり似るのでは??
案が決まったら早速たいとに連絡する。そしたらディズニーランドで売ってる101匹わんちゃんのカチューシャをくれた。
『101匹わんちゃんでいきます、轟くんがクルエラでオレは子犬』
『ウッディとバズじゃねえのか?』
『あれはちょっと……何から何まで揃えないといけないんで』
相澤さんにもいいんじゃない?と言われたのでこれで行くことに。
ハロウィン当日、トーンアップする日焼け止めを塗って乾燥防止のリップを塗る。カチューシャつけて、髪の毛ちゃんとセットしたら…よし!カチューシャで一気に犬っぽい。なんの仮装かは分かってもらえるレベルだろう。
「くましろ、俺変じゃないか?」
「うん、超クルエラでいい感じ」
髪が黒白になるだけで別人みたいな轟くん。黒いシャツに白いベスト、黒いパンツに赤い靴下と赤いネクタイでめちゃくちゃ意識してるのは伝わると思う。
共有スペースに降りるとお茶子ちゃんと梅雨ちゃんが来て褒めてくれた。
「待って、クルエラと101匹わんちゃん?!くましろくんめちゃ似合っとる…轟くんも雰囲気変わるね!すごい!!クオリティ高…」
「お茶子ちゃんイースターのうさぎ??スカート超かわいい〜」
「そうそう、ハロウィンって秋だしどうしてもダークなの多いからちょっと明るいの選んでみたんよ!」
なるほど。梅雨ちゃんは魔女。ステッキ持ってて超可愛かった、ステッキ光るから貸してもらって振り回してたら障子くんにバカにされた。
幹事の切島くん、上鳴くん、芦戸さんにも見つかり3人わいわい言いながらカメラを向けてくる。
「なんかポーズしてよ!すごい!」
ポーズか…。
「じゃあ轟くん、オレのアゴ持って若干睨んで?」
「こうか?」
そうそう、と返す。怒ってるような真顔の轟くんと顎をつかまれて捕まってしまったわんちゃん風の写真を撮ってもらう。
「随分派手なのな……ほら、お菓子置いとくから食べなさい」
「あ!相澤先生!!トリック・オア・トリート!」
「今おいた」
「だめです、本来はこれ言われたときに個人に渡すってネットに書いてあった!」
「なんて反抗心の強い犬だ、クルエラに躾けてもらえ……あ、梅の飴ならある。あげる」
「ゔっ…一生とっておきます…!!!」
食えよ、と相澤さんに笑われる。
「はい、じゃあ…トリック・オア・トリート」
「……え!?そんなやり返しみたいなのアリなんですか?!」
「ナシじゃないよ。なんだ……人に強請っといてくれないの?」
「ゔっかわいい゛…っ!!!!」
「せんせ、それ以上くましろいじめたらまた鼻血出ちまうよ」
上鳴くんに揶揄われる。…ていうか、ムービー撮ってる…!後でちょうだいね、と言おうと視線を逸らすと相澤さんに顔を掴まれる。
「じゃあトリックね、はい逃げない」
「あ、…なに…?」
「にらめっこ。負けたらお菓子運ぶの手伝って…はいよーいどん」
「アッヒャッヒャ!!!くましろめっちゃ顔赤え!!!」
瀬呂くんの笑う声も気にならないくらい顔が近い。おでこをコツン、と合わせてきた相澤さんに顔が熱くなって息が浅くなる。
「……こうさんします…」
「ふ、はい。職員室行くよ」
「…何笑ってんの轟くん…!!耳郎ちゃんまで…っ!!!」
そうふたりを睨むと全然そんな事思ってません、って顔で謝られた。
やっと顔の赤みが引いた頃、三つ目おでこにバツの形のテーピングを貼った爆豪くんが降りてきて皆でドーナツやらポテチやらを食べる。
「どう?くましろちゃん、初ハロウィンどうだった?」
「ふふ、楽しいし美味しい!芦戸さんこれ多分好きでしょ、あげる」
「わーいありがと〜!楽しんでもらえて何より!」
「騒ぐのは共有スペース内だけにしろよ、んであんまりギャーギャーしねぇこと。」
相澤さんがそう言えば皆が返事する。爆豪くんやオールマイトコスの出久くんやなぜか桃太郎の飯田くんと写真を撮り、たくさんお菓子を食べたあと解散。
『楽しかったか?』
地の果てまで優しい相澤さんからそうLINEが来てる。
(お菓子いっぱいありがとうございました!すっごい楽しかったです!!)
(そりゃ何より、仮装似合ってたな)
(可愛いって言ってください)
(ハイ可愛い可愛い。マイクがお菓子準備してたのに来てくれなかったって凹んでるから明日やってやれよ)
(だって8時過ぎたら原則出歩き禁止じゃないですか…)
(変なとこ真面目なのな)
(いつだっていい子ですが?)
(何言ってんだ、定期的に寝れねえからって夜ランニングしてんのバレてねえとでも思ってんのか)
(こわ………寝てくださいよ)
(お前が寝ろ そしたら俺も寝る)