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71 またねの時間
*神代くましろ
6日間にわたった複数校による夏の合宿の最後はBBQで終わりを迎えた。烏野のチームは全体的に大きな変化があり、日向くんがフェイントを覚えたり、山口くんの叱咤激励で火がついた月島くんのブロック技術があがったり、それにより2年生、3年生たちにも火がついて全体的に4月に初めて青葉城西高校との練習試合を見たときより、技術面がメキメキと上がっていたのが素人目でも分かる。
BBQの終わり際最後の挨拶、となり折角だからとコーチや監督ではないけれどオレも倣って挨拶をする。
「はいこんにちは、神代です。オレはバレーに関しては未経験で素人です。でも武田さんと烏養さんと同じく…4月頃から穴があるにせよずっと烏野の様子を見てきたので、皆がたった数ヶ月でこんなに変わるんだ?ってくらい変化があったのは分かります。
澤村くん、3年生なのもあるだろうけど4月の時から上手だなあと思ってたらレシーブの精度とっても上がったよね。セッターの方へ返してる割合があがってる。菅原くんは新メンバーへのトスと、既存メンバーへのトスの精度が上がってるし、誘導させるブロック成功率も高い。東峰くんはパワーが増したね、ブロック貫くの多くなってるの素直にすごいなあって思うよ、筋肉つけるのは本当に大変だからね。
田中くんは4月のときは1年生のフォローメインが多かったからか、集中力が切れやすいのかなって思ってたけど今や後ろの人の足の動きまでよく見て動くようになったね。西谷くん、ブロック超えたスパイクを上げる確率が2割増したね。あれに反応できるの流石だよ。…言われないって思ってるだろう縁の下くんたち、オレはちゃんと君たちのことも見てるよ?縁の下くんはブロックが少し苦手で、木下くん、成田くんはレシーブが苦手なのかなって思ったけど、痛そうなのばっかり打ってくる木兎くんたちのボール段々ブロックもレシーブも上げられるようになってたよね?
日向くんはアタック方面の伸びが光るけどレシーブもとっても上手になって変な方向行っちゃう確率減ったよね。影山くんは、とにかく何でも吸い込んじゃうからいろんな人のいろんな技真似してるよね。日向くんには日向くんの、月島くんには月島くんの…田中くんには田中くんのトスを上げようとしてるのも伝わる、君ならあと……1ヶ月内で感覚つかめてくるんじゃないかな?月島くんもレシーブとっても上手になったよね。レシーブを上げてから次の動作までの動きもよくなった。山口くんはサーブの精度を絞ってる最中だと思うけど、月島くんとのセットでのブロック成功率も徐々に上がってるよね」
入院してたときの試合も動画で見せてもらったし、飛び飛びの練習を見た中での印象だけどつらつら上げていくと皆口がぽかんとしてる。
「……あれ、的はずれなこと言ってたかな?!確率の計算はちゃんと成功本数とかも数えてやったんだけど…」
「…いや…いい、続けろ」
烏養さんにそう言われるのでじゃあ、と続ける。
「ん〜まだ未定なんだけど、とりあえず来月あたりに職場に復帰しようかなって思ってます。だから、春高…見に行けるか今は分からないんだけど…」
「え…、帰っちゃうんですか?!」
「日向、一旦最後まで聞け!な?」
田中くんに宥められてる日向くんの頭を撫でる。
「皆には原点を大事にしてほしいなって思います。なんの為にめっちゃ暑い中練習してるのか、キツイことやってるのか…その原点が鈍らずにいるなら、きっと春高にも行けるはず。見に行く気ではいるけど、まだ確定できないから…頑張ってね!」
一旦挨拶はこれくらいにして、と終わると烏養さんと武田さんに挟まれる。
「目処が立ったんですか…?」
「勘です、来月どころか…今週の気もします。」
そうですか…と返ってくる。寂しくなるなあ…。
「随分急なのな…めちゃくちゃ寂しがってんぞ、主にお前の弟分が」
「うおお、凄い勢い」
影山くんだ。
「いつ…帰るんスか」
「まだ未定…新学期始まる前くらいかなあ…とは思ってるけど…二度と会えない訳じゃないんだからそんな顔しないでよ〜」
「春高…出るんで絶対見に来てください」
「…なるべく有給もぎ取って見に行けるようにするよ」
こちらの日数経過と元がどれくらい差があるかを計算しないといけないし、現実的に無理があったら諦めるしかない。はっきりと言い切れないことに罪悪感を覚えつつ、見に行きたい気持ちは強いことを伝える。
今生の別れ、みたいな空気になりがちな烏野の皆に違うからね?!と釘を刺しつつ宮城へ帰る。このチームはこれからどうなるんだろうな…過程を見守りたい気持ちもありつつ、もう3ヶ月…もう少しで4ヶ月の滞在日数分、ツイステッドワンダーランドの子どもたちを戻してあげたい気持ちと何より消太さんに会いたい気持ちも強い。
予想通り、夏休みの合宿を終えて8月に入ってすぐ通称どこでもドアの個性の感覚が戻ってくる。
「武田さん……帰る準備できました」
「わ、ほんとだ…なんか光ってるね」
「通称どこでもドアって呼んでるものなので、また…来ます。時間経過の因果がまだわからないですけど、できれば春高前に」
「うん。僕も…皆も待ってます。寂しくなりますねぇ」
「ふふ、そうですね。」
「皆帰ってきてから言ってました、急に職場復帰…つまりここを離れることを聞いて寂しい気持ちと、君の最後の挨拶に大変感動したと」
「…感動要素ありましたかね?」
「ひとりひとりをきちんと見ていてくれたことですよ…成功率の確率計算もですが、見ていてくれたんだと感じたと何人も言ってました」
「ああ…!…よかったです、オレ…褒められるの好きなんで、技術的な指導は烏養さんがやってるだろうしで本人もきっと気付いてない、強みを伸ばしてる最中だからそこじゃない部分もちゃんと伸びてるよってことを伝えたくて…考えた甲斐がありました」
「細かな割合まで割り出してたので、烏養くんはちょっと引いてましたけど…」
なんでよ…確かなエビデンスとしてぴったりだと思ったのに…!
「自分だって相当な数の試合動画とか見て分析してるから同じようなことしてんのに…まあともかく、4ヶ月弱大変お世話になりました!特に入院前後…」
「そちらでも無理はしないようにね」
はい、と頷いて握手して目を閉じる。ピカッと光ったかと思うと雄英の職員室にいる。
「…くましろ、平気か?」
「本物の消太さんだ…うわ〜4ヶ月ぶり…!!!」
「4ヶ月もいたのか…こっちは10日だ。」
ぎゅ、と抱きつくとびっくりしたのか固まってる。ふとした仕草超かわいい…。
「も〜大変でしたよ…事故にあって1ヶ月昏睡状態なったりとか…」
「オイオイ平気かよそれ?」
「別の子が轢かれそうだからその子達蹴り飛ばして間に入ったんだけど、すんごい泣かれた」
「だろうな…ちゃんとケアしたか?」
ゼンマイと消太さんにきちんとしました!と答える。…あ、そうだ。早速調べてみよう。
「オレ今回宮城にいたんですよ……あ〜…ないなー…。向こうの世界だとヒーローだけない日本の世界でした、時間や歴史もほぼ同じ。ここに高校があって、商店があって…」
「へー、ヒーローの居ねえ日本!こりゃまた面白えトコ行ってきたんだな」
ゼンマイからお茶を受け取り飲む。グーグルマップで見たけど、空き地というか普通にここではお家が建ってる住宅街になってた。同姓同名でも存在してたら嬉しかったんだけどな…。
「じゃあ個性ひた隠しにしてたのか?」
「信頼の置ける学校の先生には話しました、生徒と触れ合う機会があったんですが皆にはナイショで。…だから手合わせできてなくてなんか体鈍っちゃって…あとでお願いします。」
「分かった」
「個性の同時使用の精度は多少なりとも上がったと思うんですけどね…」
「また学校に世話になってたんか」
「そうなんですよ、バレー部にお邪魔してました。すっごい楽しかったですよ」
ちょっと長かったけど休暇みたいに楽しんできました、と告げる。
「部活……確かに、お前には縁のない世界だな」
でしょう?と消太さんに同意する。
「小中高っていう同じような学校に通うってトコでも部活か、まああっちはなかったけどヒーローって目指すだけでこんなに生活が違うんだ〜とか…体育の授業くらいでしかやらなかったですけど、バレーってこんな楽しいんだって見てて思いました」
「楽しかったようで何よりだよ…寝るの?」
「全身から消太さんを摂取してるんです」
何だそれ、と上から笑い声が聞こえてくる。あったか…。何も言わずに膝の上に乗ってるオレを当たり前かのように受け入れてくれてる消太さんによりかかる。
「どさくさにまぎれて吸うな」
ペチ、とおでこを叩かれる。くそう、バレたか…。あっちにいたのは…合計で125日。それはこっちで10日ってことは、こっちの1日があちらでは12日前後になる…?
ってことは、春高ほんちゃんは1月の三賀日終わってすぐって言ってたから残り150日と少し、あと2週間足らずで春高バレーが行われるのか…。
消太さんに説明し、カレンダーに丸をつけておく。春高って書いとこ。
「間に合うといいな」
「ですね…春高もですし、早くリドルくんたち元に戻してあげたいです。」
(どうせそっち行くなら俺も行く、菓子折りかなんか持ってかないとな)
(確かに…つーか事故で昏睡ってどんな規模のだ?)
(車に轢かれて頭打った、警察の事情聴取とかでややこしくなるかなって思って治癒も止めるのも使わずにいたら1ヶ月寝たきりだった…らしい)
(故意か?)
(いえ、持病の発作で気を失っての追突でした。入院費用とかもその人が全部保険金と自己負担で払ってくれたので、お世話になった人に払わせることにならなくて…そこだけ感謝してます)
(よくそれで目の前で見てた生徒たち平気だったな)
(なんか不思議な体験したんですよね…意識がない間、オレは寝てる感覚だったんですけどその…オレの夢?の中にその子達がすごい泣きながら歩いてたんで、肩掴んで大丈夫だよって話したことがその2人の夢に同じように出てきたらしくて。 夏前には戻るから!って伝えたらちょっと安心したみたいで、そこから登校できるようになったって言ってました)
(夢……)
(一説によると、夢の中の世界ってこの世とあの世の狭間らしーからな…そんなこと起きても不思議じゃねえわな)
(その理論だとオレ死にかけてたってことじゃん…コワすぎ…)
HQ編一旦終了です。春高間に合わせるか否か大変に悩んでます。