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59 誕生日のお願い
*相澤消太
「浴衣…?」
くましろの誕生日を祝う回数が両の手を超えた頃。あまり普段から物を強請ったりしないくましろの欲しいものを先に用意しておく、というのは難しすぎて毎年誕生日やクリスマスは余裕を持って尋ねておくスタイル。
今年は?と聞いたところ、先の回答が返ってくる。
「はい、ちなみにオレじゃなくて貴方のです」
しかも俺が着る用のらしい。なんでだよ…。
「誕生日プレゼントだぞ」
「クリスマスに浴衣は着せませんよ」
そうじゃねえと頭を小突く。
「くましろの誕生日だっつってんの」
「消太さんの浴衣姿が見たいんです!!」
ンな力説されても…。くましろは夏生まれのくせにとっても夏に弱い。すぐバテて目眩を起こしたり、熱中症になってみたり…でヒーロー活動休止するくらいだ。
「見るだけ?」
「……え?」
「見るだけでいいの?」
くましろの右手を掴んで握る。よし、逃走阻止。
「…脱がしてほしいってことですか……?」
顔を真っ赤にしてそう聞いてくるもんだから思わず吹き出す。
「へえ、くましろは浴衣といえば見るか脱ぐか…なんだ?」
意地の悪い聞き方をすると首まで真っ赤になってる。素直に引っかかってくれて何より。
「違くて…っ!」
「わかってるよ、浴衣デートしなくていいの?ってこと。…くましろは暑いの弱いから嫌なのかなって思ったけど…」
「ゆ、浴衣デート…消太さんと??!」
他に誰とすんだよ。くましろが驚くのも無理はない、学生時代から人気のくましろはプロヒデビューしてから今の今までロクに長期休暇を取れた試しがない。現場に駆り出され、その帰り道にまた別の事件に携わったり、敵から指名されたり、メディアに出たり…。
体調不良で俺が無理やり休ませたことや、個性事故(?)に巻き込まれて休みを取らせたことはあったものの、休暇ではない。俺がメディア嫌いなのもあり、とにかく俺に関することの防衛に必死でメディア避けを徹底しているため、外でデートなんて一度もしたことない。
「あぁ。夏ならどっかで祭りくらいやってんだろ」
「そんな…浴衣姿の消太さんを世に放ったら死人が続出しますが…??」
「少なくともくましろ以外は気にも留めねえと思うぞ」
俺が髪の毛を纏めるだけで大騒ぎのくましろはいつも大袈裟に言うところがある。顔面偏差値は間違いなくくましろのほうが高いんだけどな…。
「人目気になるなら避暑地でも行くか?軽井沢とかあたり」
今からならペンションとかの別荘地の予約も間に合うだろう。
「浴衣姿の消太さんだけでご褒美なのに…?!」
「お前は少し休むことと、休みを楽しむということを覚えなさい」
あぐらかいた足の上にくましろを乗っけてパソコンを一緒に見る。おお、やってるやってる。コテージで家ごと貸し切るタイプならオプションでBBQもついてるから手持ち花火くらいは許されるだろうし、そういうのでもいいかもな。平日から思い切って3日4日休むのもアリだ。
「豪華すぎる…消太さんの誕生日プレゼント同時に決めないと釣り合い取れないんですが…」
「あー…じゃあ…」
確かに旅行となるとプレゼント代にしては金がかかるためくましろの言うことも分かる。気にしいなくましろに気負わず奢られとけ、というのは無理な話だ。
「11月か……じゃあ、俺も何泊かの旅行がいい。夏の活休明けでいつも家空ける時期だから、くましろを独り占めしたい」
「…ひゃい…」
顔を真っ赤にして頷くくましろの頬にキスしながら言質とったからな、と言うとこの旅行の予約のあと一緒に予約を取る、と返ってくる。事前に信頼の置けるA組の同期たちに連絡して居ない間もし指名があった場合などの代理を頼む、と。
「ふ、あいつら喜んで代理受けそうだな」
「ええ…そうですかね…連勤させることになるんで気は乗らないですけど」
「そうやって全部背負い込むお前が始めて頼ってくれたってなったら、何連勤でもするよあいつらは…」
夏は軽井沢、じゃあ冬は?と尋ねられる。俺は別にどこでもいいけど…いっそめちゃくちゃ遠くに行こうということで北海道の話が出る。…が、豪雪慣れしてない二人が11月の北海道に行ったところで、移動ができずに困り果てる未来が見えたのでナシ。
来年の夏にしようと勝手に約束し、冬の旅行先で検索してると山形の銀山温泉が出てくる。温泉か…くましろも無類の風呂好きだしいいな。
雪が振り始める12月以降に設定し、気の済んだくましろは予約サイトや宿情報を見てる。俺は俺でコテージを予約し、根津さんに有給申請すれば二つ返事で承諾された。
「で、どんな浴衣がいいの?」
「黒です。で、帯は白」
いやに具体的だな…。
「いつものヒーローコスチュームみたいな色合いがいいです」
「私服もそんなに色味変わんねえと思うが…まあいいや。くましろはどんなの着るの?俺がきめていい?」
「……女の子用のとか選んじゃいそうなので俺も見ます」
心外な、女用か男用かくらいは分かるぞ。染め物の模様がきれいな浴衣を見つけたのでこれにするか、と決める。俺の浴衣はくましろがうんうん唸りながら決めた。黒い浴衣なんてありふれてるほどあるのに、素材がどーのこーの一生懸命悩んでた。
「ゔぅ……浴衣姿の消太さんが拝めるなんて…っ!!!」
号泣するくらい喜んでる。着せたい服のうちの1つらしい。他は?と聞くと速攻でメイド服と執事服、ガラの悪いシャツ、リハビリ系統のナース服…とキリがないほど出てくる。
「……ふぅん…ラインナップがコスプレセックスしたいって聞こえるけど?」
メイドだの執事だの…。違います!!!と顔真っ赤にして怒鳴られたが、一体何が違うんだ。
「もし消太さんがヒーローじゃなかったら、って考えて別の職業だったらこんな感じなのかな〜って妄想するのが楽しいんじゃないですか…!!!」
「…途中まではわかるが、それにしたって1発目がメイド服はおかしいだろ」
「だって消太さんのメイド、絶ッッ対可愛いですもん…ヴィクトリアタイプの上品なやつ…絶対かわいい…かわい…っ!!!」
分かったから暴れるな、と抱きしめる。とりあえずこの歳でミニスカを履かされることはなさそうで安心した。
「執事は?」
「スーツ鬼似合うから…バチボコハンサム間違い無しです」
「っくく、そうか…あ〜面白い…着てもいいよ、くましろが着てくれるなら」
「え、オレもですか?!?」
当たり前だろ、と返す。
「同じの着てもいいけど、メイドと執事なら奉仕してもいいな…こら逃げるな」
「その顔面でお茶なんか淹れられようもんなら四肢がぶっ飛ぶんですが…!!?」
どこまでも俺のオタクなのが変わらないくましろに今度こそ腹を抱えて笑う。
「お茶だけで済むと思う?」
「……も〜っすけべ!!!」
「悪いな、転んでもタダじゃ起きねえんだよ」
決まりな、とギャーギャー騒ぐくましろを半分シカトして機嫌直せよと顔中にキスする。
(逆にオレに着てほしい服とかないんですか…?)
(…淫魔と短パン、猫耳)
(…全部すけべなのどうにかなりませんか?)
(ならん、お前が可愛いから仕方ねェ)
(そんな真顔で言い切られても…)
(今度買っておく)
(着ませんからね。…着ませんからね!??!)
(着させるからいい)
私の中での相澤消太、ドがつくむっつりなのでコスプレエッチが大好きだと思います。
お誕生日プレゼントであげた旅行先でもしこたまする気満々ですし、なんなら浴衣は宣言通り脱ぐとこまで見る気でいます。