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55 供給
*相澤消太
徹夜でまとめた小テストの返却。計算ミスはないはず…だが受け取ったくましろは不服そうな顔をしてる。
「…悪い、計算ミスでもしたか?」
大体座学100点のくましろに確認するとボソボソ何か呟いている。
「…なに?」
「100点なのにいつものはなまるが無いんですけど…!」
「………」
「ブッー!!!お前そんな可愛いの目当てでテスト頑張ってんのかよ!!」
上鳴が吹き出して机を叩いて爆笑し始める。今回も赤点のくせに、満点のくましろにこうやって対抗できるのは素直にすごい。
「なんでよ、セメントス先生はシールまで貼ってくれるもん!!」
「相澤センセー爆笑しとんぞ!」
静かに笑っていた俺に気づいた切島が指を指してそう言ってくるので、珍しく目を吊り上げたくましろと再び目が合う。
「悪かったな、はい…はなまる。飯田もあとでもってこい」
くましろの髪の毛がぐしゃぐしゃになるまで撫でたあとはなまるを描いてくましろにテストを返すとそれは嬉しそうににっこり笑って自席に戻っていった。なんて単純な…。
他の100点とったやつにも同じように描き足して返していく。ずっと爆豪に自慢していたくましろは頭を鷲掴みにしてキレられていた。…確か爆豪は計算ミスで98だったか。
職員室に戻り、席でだらけてたマイクと毎回シールを貼って返してるらしいセメントス先生が丁度いる。
「さっき、A組で小テスト返却したんだが…」
「「??」」
「くましろに100点なのにいつものはなまるが無えって怒られた」
「ブッアッハッハッハッ!!!!」
「セメントス先生はシール貼ってくれるのに!って文句付きで」
「…ッフフ、相澤先生…それは災難でしたね」
ヒィヒィ笑う二人に釣られて口角が上がる。
「花丸、ちゃんとあげたのかよ?あ〜おもしろ…」
マイクにそう言われるので頷く。
「花丸描き足して返したらニコニコして席に戻っていった」
「彼、本当にそういう…なんだろ、ご褒美にちゃんと弱いですよね」
「ちゃんと子供っぽくて可愛いとこあるよなあ〜!褒められてぇから座学1番目指す、とかよ」
初めての期末テストでオール100点を叩き出し、俺以外の担当教師にもちゃんと凄い凄いと褒められたのが相当嬉しかったみたいであの後もずっと100点キープし続けてるくましろ。
教師陣もそのやる気が続くなら…とセメントス先生のようにシール貼りだしたりしてるらしい。
「褒めたら褒めた分だけちゃんと伸びる子ですもんねぇ…あぁ、面白い話聞けた。今回ほか100点いたんですか?」
「比較的簡単な小テストにしたから、くましろの他にも飯田や蛙吹、八百万や…あと葉隠なんかも。」
まあ簡単にしたつもりなんですが赤点もいました、と付け加える。
「今度はよ、赤点の奴らにドクロマークでも書いてやったらどうよ?」
「…ずるいっつってくましろがワザと0点とるようになったらどーすんだよ」
「あはは!同じこと考えましたよ、今…!」
花丸よりどうしても手の込むドクロのほうがいい!って名前書かずに0点叩き出しそうだ。
「…何悪口言ってるんですか…」
職員室のドアから小さく文句が聞こえて振り返るとくましろがこちらをのぞき込んでいる。
「悪口じゃねえ」
「お〜、神代!今回も100点だったんだって?相澤から聞いたぜ」
マイクにまた頭をぐっしゃぐしゃになるまで撫で回されるくましろ。なんだかんだ言って兄のように慕っているマイクに褒められるのが嬉しいのも周知されていることは知らないんだろう。
「オレは徹夜した相澤先生を叱りに来たんですよ」
「仕方ねえだろ、業務立て込んだんだから…今日は帰って寝るよ」
「ゼンマイのせい?」
前にマイクの業務を請けもってめちゃくちゃ残業したこと、まだ根に持ってるのか…。あの日の小テストの採点はボロボロすぎて計算ミス、採点ミスが多すぎたから家に帰ってもくましろは即寝ろとしか言わなくて大変だった。
「今回オレはノータッチ」
「年度末ってのもあるし…まあ…いろいろだ」
そう言うと渋々納得したようだ。俺への弁当を届け忘れた、といい机に置いていく。日に日に貯まるファンレターに肩を下げつつ(読めばいいのに、もう恥ずかしいから読まないらしい)教室に戻っていった。
*神代くましろ
「…何してんだ?」
家でテストをファイリングしてると帰ってきた相澤さんに後ろから声をかけられる。
「あ、おかえりなさい!…これ相澤さんからもらったはなまるのファイリング」
「……お前……そこまでか」
「なんですかその目は……!だって相澤さんからもらったはなまるですもん」
ちょっと引いたような、呆れたような顔をされるので靴下を引っ張ってぺちぺちしておく。
「正直はなまるやシールくれたりコメントくれるの嬉しいんですけど、全教科となると場所取るんですよね…。どうやって保管しよう…。」
小テストや期末とかのテストの答案用紙っていつまで保管してるのが正解なんだろう?各先生たちがコメントくれたりしてるから、捨てにくいし…。
「すげえ悩みだな、聞いたことねえよ…『100点の答案用紙が嵩張るからいつまで保管したらいいのか』なんて」
とりあえず1番最初の期末テストのは取っといてある。なんか、記念として。とりあえず時期順に保管してはいるけど…。卒業のときどう思うかで捨てるか、取っておくか決めようかな。
「くましろ」
「?はい」
「俺も徹夜頑張ったからなんかくれ」
両手を広げて椅子に座る相澤さんに心臓が跳ねる。なんか、って何?!?ポーズは完全に抱っこして!って強請ってる小さい子みたいなんだけど??!
「え、あの…」
「早く」
とりあえずこのポーズでハグは違うことないだろうと思って相澤さんをぎゅ、と抱きしめる。
「…お前…心臓すごいことになってんぞ、落ち着けよ」
「無理…」
「抱きしめるのくらい慣れろよ」
なんて無茶難題を突きつけてくるんだよこの人は…!!!どれだけオレが相澤さん+イレイザーヘッドを好きか、ちゃんと分かっててこういう事すんだから…!!
「…合ってました?」
「うん、合ってる…もうちょっと」
「死ぬ死ぬ死ぬ待って、無理…なんで力込めるんですか!!」
「もうちょっとっつったろ」
「心臓がもたないんですが」
「もたせろ。…足、痺れるだろ」
両脚を引っ張られてオレが相澤さんの上に座るような体制になる。逆にしんどいのでは…??
「お、もくないですか…?」
「軽い、もっと筋肉つけろ」
ぐうの音も出ない…。はい、と返事をしてとりあえず相澤さんの好きなようにさせておこう。相澤さん、眠いのかすっごいあったかい。頭を撫でると、背中に回ってる腕がよりキツく締まる。
「相澤さん、眠いんでしょ」
「ねむい…疲れた」
何今の言い方めっちゃ可愛いんだけど??!?胸キュンが止まらない…。
「ベッド行きましょ、ご飯明日にして」
「……くましろつれてって」
「死にそう…歩けますか?」
嫌だ、と即答される。嫌か…そうか…相澤さん、そりゃオールマイトとかと比べたらすごい華奢に見えるけどめちゃくちゃ筋肉質でオレと比べたらムッキムキ。オレが細いんだよ、と怒られるけど筋肉がつきにくいこちらとしてはムキムキと表現せざるを得ないくらいではある。そんな相澤さんを抱きかかえて寝室まで行けるかな……気合で行くか…。
相澤さんの足の上から下りて、まだとひっつく相澤さんをそのまま抱っこはきついので、お姫様だっこでなんとか運ぶ。これなら…この距離ならまあいけるかな!!!
「くましろ、」
「はい?」
ベッドにおろしてすぐ呼ばれるので返事をするとそのまま引っ張られる。
「着替えてたよな…制服」
「はい、お風呂入って着替えました」
「そうか……寝るぞ」
抱き枕のようにひっついてくる相澤さんに左手を握られる。手、あったか…。
(やば、ねちゃった……)
(…起きたか?)
(はい…相澤さん寝れました?)
(めっちゃ寝た…腹減ったから風呂入って食う)
(オレも腹減りました…用意しときます)
(っふ、すげぇ寝癖…)