MHA
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
53 海賊と交流
*マルコ
偵察しに帰って来たらくましろがおらず、エースの帽子を引き取りにいったと聞き頭を抱える。モビーから出歩くなと言ったはずだ、とエースの頭をぶん殴り首根っこ掴んで探しに行くとぶっ倒れた海兵の周りに赤髪とベックマンに挟まれたエースの帽子が見える。
被るやつが違うと印象が全然違うんだな、と考えているとフラフラとしているくましろの様子を鑑みるに、恐らく赤髪は覇気を使ったんだろう。もれなく気絶している海兵の周りには銃やら爆弾が落ちており、くましろが大人しく縄で縛られている理由とも合点が行く。
周りの人間…つまり島民に流れ弾などで被害を出したくなかった、とフラついたくましろが言うとベックマンと赤髪はあり得ないものを見る目で俺を見てきた。
昼間助けた女からナイフを借り、くましろの縄を切っている最中に限界だったらしくぶっ倒れる。くましろのことが気になる!とモビーについてきた赤髪を誘導し、島近くの孤島にモビーごと動かす。
目覚めた瞬間赤髪にベタベタと距離を詰められ、困惑している様子だ。自分は距離を大きく詰めるのに他人にやられると困るんだねい。
出歩くなと指示を破って海兵に煽り散らかしていた罰としてげんこつをすれば蹲って動かなくなる。聞けば個性…こいつの不思議な力の反動のせいでダメージ二倍なのだと聞かされる。そういうのは先に言えよい、大バカが。
「個性…?っつーのは?」
不思議そうに、なおかつ自然に自分の手中にくましろを引き寄せた赤髪にくましろは異世界人で、個性という超能力のような力が使えると話す。
「さっきのやつか?なんか一瞬体が動かなくなったなァ」
「それです、いきなり使って申し訳ないですけど怪しさ満点だったんで……ちょっと、あんまりベタベタ触らないでください、嫌です」
「悪ィ悪ィ、ンな怒るなよ」
全く悪びれてない赤髪に早くもため息をついてる。
「いくらマルコさんたちのご友人でも、許容量超えたら蹴り飛ばしますからね」
「おぉ、怖ェ〜!威勢がいいな!ベン、こいつやっぱり面白いぞ!」
ベックマンはあまり揶揄いすぎるなよと釘を刺してるが、赤髪は酔うともっと質が悪くなる。不安な組み合わせだが平気かねい…。
「目立つようなことしちゃったし街頭インタビューは中止かなぁ…」
そう肩を落とすくましろにそうだ、こいつの島への上陸の目的はそれだった…と思い出す。まあ助けてもらった島民あたりは喜んで話を聞いてくれそうだが、彷徨いている海兵が厄介だ。
「なんか聞いてまわってんのか?」
「もともと、異世界に来たのは理由があって…その行き先に少しでも掠ってないかの確認のために、です。
シャンクスさんは魔法使えるよって人見たりとか聞いたことありますか?…それがツイステッドワンダーランドっていう単語とか…」
俺らも聞いたことないし、赤髪もそんなやつ聞いたことないと返す。いろんな人間や出来事が起こると言われる理屈だけじゃ説明できないグランドラインでも、魔法を使えてそれを教えてる奴らの存在は聞いたことがない。
「じゃあやっぱりここじゃないのかな〜…」
「帰っちまうのか?」
「そうですね、お世話になり続けるわけにも行かないですし。そもそもここ来たときも散々夜這いとか言われて大変でしたし…」
くましろがイゾウを睨むとどこ吹く風のイゾウは酒を煽る。
「そしたらもう来ねえのか?たまには遊びに来いよ!お前なら歓迎するぜ」
「たまになら…ここの時間の経過と元の世界の時間の経過の兼ね合いもありますしね。マルコさんたちもまたお邪魔してもいいですか?」
当たり前だろい、そう返すと嬉しそうに笑うくましろ。オヤジが心底気に入ってんだ、もうクルーみたいなもんだ。
「おい、赤髪…こいつ酒弱いからあんまり飲ませるなよい」
「よし、じゃあどっちが樽空けられるか勝負といこうじゃねえか!」
「樽どころかジョッキも空かないよ…やめてよね、酔うと小悪魔なんだし」
ハルタがケラケラと笑いながら言うと「小悪魔」というのが不本意なのか、本人は苦虫を噛み潰したような顔をしている。酔うと大胆になる、と知った赤髪はジョッキにナミナミ注いだ酒をくましろに渡している。
「やだ、下心ある人とはお酒飲みません」
あーあ、フラレてやんの。くましろは既婚者だと告げると目を丸くして驚いてる赤髪にサッチが作った料理を渡す。
「まあ放っておかれねえわな…どんな女なんだ?相手」
「?男の人ですよ、世界で一番かっこいい恩師です。」
「ショウタっつってたからそうかと思ってたけど、男だったのかよい」
「言ったつもりでいました…」
「トドロキってのは?前酔っ払ったとき言ってたよ」
ハルタも横に座ってくる。
「轟くんは…その、ヒーローになるためには専門の機関があるんですね。そこで同じクラスだったんですけど、クラスの中でもトップ3に入る仲良しくんです」
交友関係は多そうだ、現に数日しか居ないとは思えない馴染みぶりでモビーで生活してる。偶然とはいえ居合わせた赤髪ともなんやかんや言いつつ打ち解けてきている。
「くましろ、飯は?」
「いただきたいです!お腹減りました」
あんだけ暴れ回ってたらそりゃ腹も減るだろうねい…。サッチから飯を受け取り、食べ始めるくましろ。胃に何か入れた状態なら酒を飲んでもまだ悪酔いはしねえだろう。
*エース
ふわふわ、ぽやぽやしたくましろがシャンクスの航路での話を楽しそうに聞いてる。俺の後ろを回ってついてきてたルフィを思い出すキラキラした目だ。フーシャ村でのことや、小さい頃の俺の話なんかも興味深そうに聞いてる。
「小さい頃はコイツトゲトゲしてなあ…年中反抗期見てぇだったよなぁ、ベン!」
「あんま揶揄うなよ」
「エースくんがトゲトゲ……?」
「反抗期は今もだよい」
モビーや親父の傘下の中でも、俺は最年少だ。末っ子末っ子と言われ、特に親父に迎え入れられる前の喧嘩ふっかけた時期の話は未だに酒のつまみとして笑い話にされる。もう何年つまみにされてんだか…。人を笑いものにするマルコやシャンクスを肘でつつく。
「反抗期…みんな通る道だよね」
「お前に反抗期なんてあんのか?」
ウンウン、と頷くくましろには反抗期なんてなさそうだけどな。…いや、島での様子を聞く感じだと意外とキレやすいのか?
「ん〜…多分あったよ、母さんとは馬合わなかったし…」
「母親とか、またベタな反抗期だね」
「まあ……だいぶ…なんていうかクセの塊なので、みんなが思ってるような喧嘩とか反抗期の関係図ではないと思うけど……」
「うるせえクソババア!!…とかじゃねえの?俺母親いねえから知んねえけど」
肉をつまみながらそう聞くと、物心ついたときから海にいることが多い海賊側は首を傾げている。反抗期に母親と喧嘩してる奴のほうが珍しいかもな、ここでは。
「クソババアは往復が怖くて言ったことないけど…母さんみたいな正義と同じようにされたくないから中立選んでるの、正義ってその人の中では絶対でしょ?って煽ったことはある」
「結構言うねい、お前…」
「世間からの評価は『死神』ですからね、一緒にしないでほしくて…クソガキって怒られましたけど」
クソガキ…全然見えねえけどな。
「死神ィ??お前そんな異名ついてんのか?」
「母さんですよ…オレはどちらかというと、イレイザーヘッドのオタクとかA組の姫って言われることのほうが多いです」
姫?と聞き返すと学生時代敵組織のトップに付け狙われて毎回敵から指名されていたため、大人が子供を守るのは当然プラスでくましろは特に厳重に守られていたことを『姫』とあだ名がつけられたらしい。くましろ的にはかなり不名誉らしく、姫は嫌だと怒ってる。
「完全にディスってるじゃん、週刊誌に攫われ姫って言われたりしてさ…」
週刊誌ってなんだ?と聞けば、新聞みてぇなモンだと返ってくる。その規模で悪口みてえなこと書かれたら溜まったもんじゃねえな…。
「……ていうか、皆さん全然海賊っぽくないですね。優しすぎるような?」
くましろが気にかけてるこの島をナワバリにして海軍や賊が悪さできねえようにするか?という案が上がっていると知ったくましろがそう呟く。
「まぁ俺らからしたらお前の底なしのお人好しのほうがビビるけどな」
シャンクスがそう言うと、俺を含めた何人かが頷く。正義感の塊のようなやつだ。
「…いやそりゃまあ、この世にいる人すべてを救えるなんて思ってませんけど…理不尽なのとか好きじゃないし…それに、尊敬してるヒーローが言ってたんですよ。守るものが多いと大変だし苦しいけどだから強くなれるんだって!」
ニコニコと屈託のない笑顔で話すくましろに毒気が抜かれるようだ。理想論ぽいけどまあ一理ある。守るものがあるから強くなるっていうのには同意だ。現にオヤジを筆頭とした家族を守るから、この海で白ひげは強い。
「個性、皆もって生まれてくるんですよ。中には……ちょっと物を引き寄せられる、とか首が伸びる…とか。いわゆる……ハズレみたいな個性もあるんですね、ヒーローがどうしても華形でそれ以外はダサいみたいな価値観もあるんですよ。
だから…どうしてもダサい道にしか進めなくて道を外す敵もいる…そういう敵の気持ちも理解はできるよって公式で中立で居たくて母親と衝突しましたね、母さんは敵は皆殺す!て感じなので」
「ただの綺麗事言ってる甘ちゃんかと思ってた、意外と現実見てるんだね」
「オレも14…?くらいまではそっち側でしたからね」
見た目や言動からは想像がつかない曲がった人生を歩いてきてるんだな、とマルコに言われていた。
(名残惜しいですが、元のところにおいてきた子どもたちが気がかりなのでお暇します。お世話になりました!)
(気が向いたらまた来いよ、チビっちょろ)
(俺らもお前は歓迎だ、また話聞かせてくれ)
(今度はゆっくり遊びに来いよい)
(元気でな!)
(じゃあな、小悪魔)