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50 海賊のいるところ
*神代くましろ
身勝手な敵のせいで巻き込まれたツイステッドワンダーランド…という異世界にいる生徒たちをもとに戻すために、
協力してくれない・信頼性のない敵本人に頼るんじゃなくて自分でやっちゃえばいいと関係者通称「どこでもドア」の個性を鍛え始めて2週間ほど。
初めの1週間はまずは校内から、と範囲を広げて狙いを定めた北陸や九州にもいけるようになったため、初めての異世界へのドアをつなげる作業。
今までは存在する地域を思い浮かべて、あらかじめ調べたマップ画像の地点に自分が立っていることを意識してたから上手く行ってたけど、異世界となると…。
経緯度が分からないことには…と断られた敵の言葉を思い出す、確かに簡単なことではない。
とにかく、一度異世界に行ってしまえれば感覚がつかめるはずとひたすら瞑想のようにイメージする日々に突然変化が現れたのは行き先を異世界にしてから5日後だった。
個性訓練時にはいつもスマホと念の為ポケベルを持ち歩いてた。万が一のときたいとや消太さんたちに連絡が取れるように。
ここ数日鍛え始めた「たいとに姿を変えてもらった」姿を「止めて」元のオレ自身に戻す。たいとに姿を変えてもらった状態を「止めずに」さきほどオレ自身に戻した状態から変えてもらった…今回だと敵の姿に戻る、っていう状態変化も可能でスイッチのオンオフのようにオレ⇔敵の姿に変われるようになった。
そもそも止める状態を止める、とか逆転の発想!みたいなの昔からやっててイケちゃってるけど、ほんとに汎用性高すぎない??
個性だけ特定で鍛えるなんて雄英入学前を思い出す。あの時より個性特化で毎日やってるから、体はそんなに動かしてないのに毎日疲労がすごい。
どしゃ!!と思い切り顔から着地した。…いった…痛みで動けないでいると、カチャリと金属音が右から聞こえる。ヤクザの事務所にでも来てしまったんだろうか…。
「誰だい、お前さん。夜這いの趣味でもあんのか?」
着物着てるめちゃくちゃ美人な…お兄さん…?が下から銃をオレの頭に突きつけてる。そうか、今敵の見た目だからこの人がお兄さんなら確かに夜這いと思われても仕方ないのか。
この状態でいきなり元の姿に戻ってもそれはそれで誤解を招きそうだ、まずは敵意がないよってことを示さないと…。
「ここに来た理由は話せば長いですが、とりあえず敵意はありません。あと夜這いでもないです」
「ほう?…名前はなんつーんだ?」
「神代 くましろです。…降りてもいいですか?」
お兄さんの上に跨るように乗っかってしまっている、この人の体に着地したはずだよな…?なんであんなに顔痛かったんだ…?鉄でできてんのかこの人の体は…コンクリかと思うくらい痛かったんだけど…
「勝手に動くな」
青筋立てて怒ってる、話聞く気全然ないじゃん…。なんでツイステッドワンダーランドといい、ここといい、こんな血の気多い人ばっかりなんだ…。
「はい、動きません。怖いので」
「くましろ…っつったか?…背中向け」
大人しく背中向けた瞬間、ベッドに抑えつけられる。撃たれなくて良かったけど苦しい苦しい、鼻と口が思い切りベッドに埋まってて呼吸できてない!!
手早くなんか見たことないゴツめの手錠をかけられて体を起こされる。
「立て、部屋出ンぞ」
「…ここどこなんですか?ホテル…?」
「……知らずに夜這いしてきたのか?ここは白ひげのモビーの上だ」
「ちょっと待って、夜這いではないし話せば長いって言ったじゃないですか」
何ナチュラルに夜這いにしてんの?そんなことどうでもいいとか言われたんだけどオレの名誉にかけてどうでもよくないから…!ていうか白ひげのモビーっていうのも何??木造の建物だけど、扉から外に出た瞬間、海の上にいるのが分かるくらいの磯の匂いがする。
大型船…の中でも、世界一周とかしてるタイプの豪華客船レベルの大きさでは??とんでもないとこ来たな…。落ちてきた部屋の内装と、この廊下の装飾を見る限り、オレの世界にある知ってる豪華客船ではなさそうだ。もっと内装ゴテゴテしてるだろうし。
「…クソ、朝からダリぃな…マルコ!ちょいとこっち来てくれ」
そういえばこのお兄さんの名前聞いてないや…日本人…ぽいけど…。髪型が昔のものなんだよなあ。
「……誰だよい、その女」
よい…???マルコ、と呼ばれた体格がエグい人がこちらへやってくる。ナチュラルオールマイトみたいな筋肉量だ、これでラリアットされたら普通に首折れる。コワ…。
「神代 くましろとかいうふざけた女だ、夜這いされた」
「大いに異議あり、夜這いじゃないです。」
まるっきり無視されたんだけど??!!?聞いてよ!!!
ジロジロと見られてるのはまあ、置いといて…男所帯ぽいな。話聞いてくれるだろうか、誰か一人くらいは血の気少ない人いてほしい。
「……ひとまずオヤジのトコ連れて行くかよい」
あぁ終わった、ここヤクザの事務所だ…。親父なんて呼び合うのヤクザでしか見たことないもん…。歩け、と口癖がかなり気になるマルコさんに引っ張られて歩く。
入れ、と開けられたドアの向こうにマウントレディと同じくらい大きい人がお酒飲んでた。こんな朝から…?ていうか何あのアニメでしかいないようなナースさんたち…ヒョウ柄等のタイツ履いてる、ギャルじゃん…なんなんだここ…。
マルコさんが先程の夜這いされたと話を聞いてくれない和装の人に隊長呼んでこいと言っていたが、今度は各隊長がいるのか。…めちゃくちゃ人数が多くてずらりと並ぶさまはほんとにヤクザ。
「グラララ…なんだそのチビ娘は…」
「イゾウの部屋に突然出てきたらしいくてねい…夜這いだとよ」
「再度異議あり、夜這いじゃないですってば!!3回目!」
勝手に話進めないでよ!不名誉なんだけど!
「小娘、ひとまず話聞いてから処遇を決めてやる。話せ」
オヤジ、と呼ばれた一際大きい人と目が合う。体が大きかったり、威圧感ある人には一応慣れてるんだからな!
「はい。じゃあまず訂正箇所を言います、オレは小娘じゃなくて男で、夜這いするために部屋に居たわけじゃないです。
あと……大事な確認なんですがここにはヒーローという存在のものがいたり、個性という力をご存知ですか?」
「はあ?!男…?」「ヒーロー…?」そんな声がたくさん後ろから聞こえてくる。個性も知らなそうだし、ヒーローも知らなさそうだな、もしかしたら異世界に来れたかも。ツイステッドワンダーランドではなさそうだけども…。
元の世界であった個性事故の話、オレが今それを使ってここに来てしまったことを簡潔に、でもなるべく詳しく話す。
何人かは頭おかしいやつだと笑っていたけど、オレが元の姿に戻ったら黙った。
「……それ信じろってのかよい」
「全部事実ですから…」
話をした限り、魔法も存在しないしツイステッドワンダーランドも誰も聞いたことないと返答をもらった。まあ、だよね…あるのなら誰かしら魔法使ってきてもいいなと思ったもん…。
「面白え奴だな、グラララ…!グランドラインは異世界人まで呼んじまうのか…」
ひとり楽しそうなオヤジさんはケラケラ笑ってる、馬鹿にしてるとかそういう類じゃなくて、なんか…「まじかよ!やば!」みたいな感じに近いと思う。
「つーかこんなガキンチョが海軍みてえなことしてるっていうのが信じられねぇんだが」
イゾウさんがちょっと半笑いで言ってくる。まあ、ナイトレイブンカレッジのみんなにも顔との年齢差はさんざん言われたからな…。
「そうだ、お前年いくつなんだよ?」
何故かめちゃくちゃ上裸のこれまたムッキムキの子が近づいてくる。何なんだここは…。
「25だけど…」
「「「はぁ??!」」」
どこかで見たような反応が返ってくる。そんなに年相応に見えないかな〜…ゼンマイとかは最近大人っぽくなったなって言ってくれたんだけどな…。
「バカ言うなよ、俺より上なのか?!」
エース君目をかっぴらいて驚いてる。目鼻立ちがくっきりした子だな…。
「嘘なんか1つもついてませんよ…」
「オヤジ、コイツどうするよい?」
「チビ、もう少しこっち来てみろ」
呼び出されたので目の前に向かうと、背もたれに寄りかかるようにして座っていたオヤジ、と呼ばれる恐らく…船長?さんが体を起こして顔を近づけてくる。ジー、と顔を見られたかと思いきや、ニンマリと悪そうな表情になるので少し身構える。
「…なるほど、馬鹿じゃねえのは確かだなァ…ここにお前が探してるモンがなかったらどうするんだ?」
「元の世界に帰ります。次のとこへ行く感じで」
「帰れるのかよい?」
「あの…初対面の女の姿あったじゃないですか。アレに戻れば帰れます。」
「夜這いの姿か」
「だから違います!出現場所は選べないんですってば!」
ポケモンみたいに言うなよ!!!ニヤニヤと意地の悪い笑みをうかべてるあたり、意地悪なんだろう。
「次の島は確かデケェ首都のはずだ、そこで聞き込みしてねえなら帰りゃいい。歓迎するぜ、異世界のチビ」
ありがとうございます!とお礼を言うと楽しそうに笑ってる、きっと害のない人間だと思われたんだろう。それにオレもこの人数比の戦闘は避けたい。
海楼石と呼ばれたゴツめの手錠を外してもらい晴れて自由の身。島までは数日かかるそうで、好きに過ごしていいと言われたものの…。やることないし、と口癖がすごいけど隊長の中でも一番強いらしいマルコさんのもとへ向かう。
「なんかお手伝いさせてください、暇です」
「……字は読めるかい?」
ペラ、と渡された紙に書いてあったのはアルファベット。へえ、話す言葉は日本語?なのに読み書きする言語は英語なのか…文法もまんま英語だ。読める読める。なんか経費の書類なんだ、コレ。冷蔵庫の買い替えしたものらしい。
「冷蔵庫が燃えて溶けたため買い替え……?」
「読めんなら話が早いねい、隊ごとにこういう書類わんさかあるから纏めてほしいよい」
とりあえず分かりました、と返事をして隊ごとに分かれたファイルを受け取る。重……何をいくつ買ったか、とか新入りの人の簡易的なものから詳細な個人情報まで挟まってる。
「マルコさん、個人情報と隊の備品が纏まってると色々アレなんでファイル自体分けたほうがよくないですか?」
「じゃあ分けろ、見やすくしてくれりゃいい」
丸投げされた…じゃあ一番大きい隊の番号からやっていくか…。いくつか予備のファイルを出して個人情報とそうでないものにファイリングしていき、マルコさんから纏めるように渡された書類の中から該当するものがないか探して閉じる。
なんとか下から5つの隊分が終わる。残るは11個分か…先は長いな。
「もうこんなに終わったよい?」
「まだ半分もいってませんよ…疲れた…」
「充分早ェよい、ほら飯行くぞ」
立ち上がって伸びると背中がボキボキなる。迷わないように歩幅が大きいマルコさんに着いていき、でっかい食堂へ。雄英のよりでかいんじゃ…?
「好きなのとっていけばいいよい」
「わ、はい!」
お盆をぽい、と投げられなんとかキャッチする。好きなのって言ってもな…和食はないだろうなあ…。
「おい、夜這い野郎、つっかえてるぞ」
「イゾウさん……不名誉な名前で呼ばないでください」
「事実だからな」
だから違うって言ってるのに…お盆で背中をグイグイ押されて強制的に歩かされる。ので適当におかずをぽいぽい取っていく。席は半ば強制的にマルコさんの前、イゾウさんは横に座ってきた。
(驚いた、お前さん全然食べないんだね)
(かなり腹ぺこなので取った方ですよ?…フードファイターでもいるんですか?)
(エースがよく食うだけだろい)
(エースくん倒れてますが??!)
(寝てんだよい)
(ご飯の上で…?)
(凄え顔だな)
(潔癖なんであり得ないって思っただけです)