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49 魔法と惜別
*神代くましろ
たいとと消太さんに協力してもらい、あれからさらに2ヶ月ほど個性訓練を実施。3つめの個性を使えるような感覚で楽しかった反面、異世界先としてヒーローがいない世界線の日本の学校に行ってしまったり、海賊がいる世界に行ってしまったりしてそれはそれで大変だった…。
分かったこととしては、行き先ごとにこちらとの時間経過は大きく変わること、行き先は全く分からないこと。
ツイステッドワンダーランドや魔法のことを思い浮かべながら個性を使用してるけど、上手くいったきっかけは記憶の再認識だと思う。
初めてリドルくんにハーツラビュルの寮を案内してもらったとき、クルーウェル先生が犬が好きでクラシックカーが趣味なこと、マレウスくんを見たときに感じた感覚がここに帰ってきたことでようやく思い出せた。
轟くんと会っておそろいのキーホルダーを見て思い出せたんだけど、頭にモヤがかかったように、単語を思い出す際はノイズがかかったようにぼやぼやしてた「ディズニー」っていう単語を再認識したらようやくツイステッドワンダーランドに帰れた。
恐らく……ディズニーのヴィランたちがグレート7…英雄として崇められているから、オレや轟くんがここで見て知っているディズニーの…作中の世界線とはまた違うんだろう。そう結論付けることができたのはヒーローがいない日本に行ったから、だろう。並行世界ってやつ…?
問題のツイステッドワンダーランドは2週間ほど経っていたみたいで、クロウリーさんになんとか説明して理解してもらった。寮長・副寮長たちにも集まってもらって、一応話は通してある。
「ごめんね、なるべく早く帰そうと動いてはいたんだけど…」
「何もくましろさんが謝ることじゃないだろう…しかし…クルーウェル先生まで行ってたとはな…」
『ていうかいつの間に行き来できるようになってたの…?』
「向こうの敵が個性を使用して生まれた事故みたいなもんだからね…」
「我らが女王、ヴィルは元気かい?」
「ルークくん…うん、グラウンド走って体動かしたり本を読んで過ごしてるよ」
「人の子、お前はもうここには来ないのか?」
「…えっと?」
マレウスくんに顔を覗きこまれる。リリアくんは楽しそうにこちらを見ているだけだ。
「遊びに来ていいってこと?オレ…部外者だよ?」
「事務員をしていただろう」
なんかちょっとムッとしてる…?
「そうですねぇ、フロイドもアズールとともに貴方まで居なくなってしまって元気がないのです。たまにフロイドの相手をしていただけると僕も嬉しいのですが…」
「じゃあクロウリーさんが許可したら、また来ようかな」
「クロウリー、いいだろう?」
許可とるの早いな。思わず笑うと何がおかしいと怒られた。
「ええもちろん。」
「ふふ、マレウスくんまた美味しいお菓子食べようね」
各寮長たちに挨拶をして、連れてくるね!と雄英に戻る。
「……くましろ、」
消太さんの両手が顔を包んでるのに気付く。少し心配そうな顔をしてる……期間が空いちゃったかな?
「…消太さん?どうしました?」
「……ちゃんと帰ってきたか確認しただけ、今回の行き先は?」
「ツイステッドワンダーランドです、行けました!」
そう言うと後ろからおお!と歓声があがる。ようやく帰れるもんね。生徒たちに支度をさせて、持ち帰りたい本とかがあればいいよと声をかける。
「くましろ、こっち向いて」
顔色のチェックとかをしてくる消太さんの頭を撫でる。クルーウェルさんの心配性が移ってしまったようだ。
「くましろさん、こちらいただいてもよろしいですか?」
「るるぶ…旅行雑誌だけどいいの?レシピ本とかもあるよ?」
「建築物や特産品なども載っているので…」
なるほどね。何度か招待してもらったモストロ・ラウンジも什器や内装がとっても綺麗だったもんなあ。そういうのにもちゃんと精通があるんだ…。
消太さんにどうしてツイステッドワンダーランドに行けたか、最初に立てた予想の内容を伝えると少し納得してる様子だった。あんなにオレがディズニーの世界が好きなのに、単語や作品名もろもろ忘れるというか…思い出せないほどの力の干渉の部分を鑑みても納得できる。
念の為、消太さんも一緒にツイステッドワンダーランドへ向かうことに。意識を集中して…1人が複数人になった分調整は難しそうだけど。
「…念の為に皆手を繋いでくれない?」
そうすると隣にいたレオナくんが嫌々そうに手を差し出してきた。ごめんよ、自分の個性じゃないから難しいんだよね…。
体が少し浮遊する感覚、さっき行って帰ってきた感覚を思い出して…。
「オーララ!本当に皆無事に帰ってきたんだね!」
ルークくんのそんな声がぼんやり聞こえる。
「…おい、草食動物しっかりしろ!」
「ん、え…?」
*相澤消太
流石にこの人数はキャパオーバーだったか、ぶっ通しで使ったせいかは不明だが、ヴィルが所属する寮にクルーウェルと生徒たち含め全員転移できたと確認している最中、くましろがブッ倒れる。
「待て、あまり動かすな」
手首で脈を確認し、呼吸してるかも確認。瞳孔なんかも確認したが目に見える異常はナシ。クルーウェルとともに保健室に向かい診察してもらう。
学園長だというクロウリーと名乗る仮面を被った胡散臭い男に礼を言われるとともに、くましろが目覚めて体調が万全になるまでゆっくりしていってくれと歓迎される。
「倒れてばっかりだな、お前は…」
少し顔色が悪い冷たい頬を温めるように撫でる。
「草食動物、飯を食えとクロウリーからの通達だ」
いち早く倒れたときに受け止めていたレオナが呼びにくる。軽食でいいんだがと断ると、いいから来いと席を立たされる。
「あいつのことになると急に弱くなるんだな」
「…何度も目の前で死にかけられちゃあな、怖くもなる」
「…は、お前ら本当同じこと言うんだな。アイツもお前が血流しすぎて死なねえか不安になるってよ」
「同じこと言ってたか」
でかい広間のような食堂に通される。夜なのもあり生徒はいないが、くましろと帰ってきた生徒たちには特別にと夜飯を作ってくれるようだ。ゴーストがご飯を作るというくましろの話を思い出す。ゴーストが本当に飯を作っている…どういう原理で作っているんだ。
保健室の側のベッドを使わせてもらい、横で眠るも中々寝付けずくましろのベッドに入る。
「くましろ」
反応なし。眠ってるように見えるが、いつ目を覚ますんだか…。
「相澤…相澤、起きれるか?」
ゆさゆさと肩を揺さぶられて起きるとクルーウェルがサンドイッチを片手に保健室にいた。俺の様子を見に来てくれたらしい。くましろは事務員として働いていたらしいが今回は理由が理由なので側にいていいと言われる。
「申し訳ないが再び世話になる」
「いいさ、子犬を構いたい奴は俺以外にもいるからな…お前も普段から休めていないのだろう?少しは羽を伸ばすといい」
同じ教師という立場もあり、見抜かれているようだ。
お昼まで授業の合間の時間を縫っていろんな生徒が訪問してくる。こいつ……ここでも人気者になってるのか、ほんとに凄えな…。
「あの…これ、僕の実家で作ってるりんごです。甘くてたげ美味しくて…くましろさんと、貴方にも食べてほしくて。」
エペル、というヴィルの寮の一年生が声をかけてくる。くましろには手合わせしてもらった時からファンらしい。
「甘くて美味そうだ、こいつりんご好きなんだよ。ありがとう」
「これ、トレイ先輩から!相澤さんのこと言ったらどうせあんまり食ってねえだろうからって」
エースもつまめるものを持ってきてくれる。
夕方になり、目を覚ましたくましろ。
「……消太さん?」
「起きたか」
頭を撫でると目を閉じているくましろに、差し入れ多数あるぞと告げる。
「多分キャパオーバーだな、昨日の夜ここに到着して翌日の夕方だ。…気分は?」
「体が少しだるいなってくらいです…皆無事ですか?」
頷く。目を覚ましたとなれば今日だけでも相当なお見舞い品をよこした各生徒たちから声がたくさんかかるだろう。
「…どうした?」
浮かない顔をしているくましろに尋ねると、ぼそぼそ言い難そうに言葉が続く。
「…ヤな夢見ちゃって…」
「俺が死ぬ類のか?」
そう尋ねるもくましろは首を横に振る。
「…オレ、消太さんやゼンマイに人たらしって言われてるじゃないですか…それで…いつも人に囲まれてて気が休まらないって、消太さん出てっちゃった…」
「出てっちゃったのか」
現実の俺はそんなこと言ったことないし目の前にいるだろ、と手を握るとまだ不安そうな顔をしてる。
「くましろ、お前が人たらしで大抵の人間に好かれて人気者なのは教え子のときからよく知ってるよ。気が休まらないのはくましろの方だと思うが…お前が俺のことをどれほど好きなのかも分かってるし、俺がお前に弱いことも分かってんだろ」
「うぅ…好き…」
「語彙力失ってねえで、エペルがくれたりんご食え。」
いつもの如く溶けるかのようなくましろの体を起こして、もらったりんごをカットして一緒に食う。おお、蜜があって甘くて美味い。上質なりんごだな。
「うま!!!!美味しいですねえ、このりんご…!」
「甘いな、なんかのブランドりんごじゃねえのか?」
明日の朝挨拶したら帰るか、と話して様子を見に来たクロウリーさん、クルーウェルたちにも話す。名残惜しそうにしてはいたが、すっかりこのコピーした個性のコツを掴んだようでまた来ますねと笑顔で話していた。
朝、多くの生徒に見送られながらくましろと元の雄英に帰ってくる。なんかすごく静かに感じる。個性使用者に変身していたので、たいとに頼み元に戻してもらう。
「わ、何ですか…?」
「ずっとアイツの顔だったから。…よく見せて」
「照れて死にそう…」
またすぐ顔を赤くするくましろに笑う。根津さんや塚内さんたちに話に行かないとな。
(じゃあ、会見はしない…でいいの?)
(たいとが狙われても嫌ですし…お子さんのこともあるので)
(定期的に活休してたのが救いだな)
(ね、なんか複雑ですけど)
(神代くんらしい選択だね…尊重するよ、ただあの人からは君の記憶を消す予定だ、親族からも届け出出てたしね)
(次は消太さんの個性マスターしようかな)
(ダメ。危ねえことはもうするな)
他の2つの世界編はのちほど書こうと思います。
楽しかった〜!満足!