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44 魔法と適合
*相澤消太
半年前に現場先から突然姿を消し、帰ってこなかったくましろがまた突然姿を現し、大量の子どもたちを連れて救助活動をしているのをテレビで確認。塚内さん、根津さんからも連絡が飛ぶようにして来たあと警察署に迎えに行くとピンピンしてる。体つきが若干良くなったか…?
こちらでは半年だったが、異世界の方では2ヶ月と少しの期間世話になっていたらしい。一番偉い根津さん的立場の人がいないのが残念だが…。まあそれにしても、子どもによく好かれるんだなと見ていて思う。
いろんな見た目の奴らがいるが、ひっきりなしに呼ばれては構われている。俺のことも包み隠さず話していたようで、俺もちょっかいをかけられてはいるが。
「アンタが消太さん?」
「くましろさんの結婚相手の…?」
「信じられねえとでも言いたげな顔だな…どんなこと言いふらしてたんだか」
まあ大方予想はつくが。
「とんでもないハンサム」
「世界が憂うイケメンって」
「……ハァ…くましろ!!!デマを吹聴するなっていつも言ってんだろ!」
「どこがどうデマなんですか?!まじで鏡見てきてくださいよ」
逆ギレしてくるくましろの頬を抓る。
「いだだだだいだい…!」
「飯は食ってたのか」
「はい、もりもりと!オールマイトみたいな筋肉の先生いたんで手合わせしてもらってました!」
だから鈍ってはないですよ、と言われる。先程の動きを見ていたらわかる。雑用をこなして置いてもらいながらも、鍛えるのは続けていたんだろう。誰に似てこんなストイックになったんだか…。
「雄英高校の管理下のもと、保護…でいいかな?」
「はい…皆お家に入れるの難しいし…。魔法も個性ってことにすれば馴染みやすいかなと!」
「今度は俺らがこっちの学校に世話になるのか…」
エース、と呼ばれていた少年が肩を下げる。くましろによると勉強が苦手な悪戯っ子タイプらしい。コイツらの学校は各寮に分かれて生活しているらしく、何人か寮長と呼ばれる生徒も混じっている。
ハーツラビュル寮長のリドル、寮生のエース、デュース。
サバナクロー寮長のレオナ、寮生のラギー。
オクタヴィネル寮長のアズール。
ポムフィオーレ寮長のヴィル。
グレートセブンと呼ばれるかつて存在したといわれる偉人たちの精神に基づいて寮は分けられ、生活してるとのこと。文字から常識何から何まで違うと話すくましろが主張する通り、学園で保護したほうが目立たない。
よほどのことがない限りの魔法の使用は原則禁止のルールを説明し、警察署で引き続き塚内さん主体で念のための書類作成や身体検査などがされていく。
「…いつまでその服なんだ、血生臭えよ」
ライオンの獣人のレオナと呼ばれる青年が眉間にシワを寄せてくましろにそう言う。
「あ〜……着替えてくる…」
「待て、着替えあっからシャワー浴びてこい」
スパダリ…と褒めてくるくましろの背中を押し、早よ行けと促す。
「凄えなあ、神代…ついに異世界進出か」
「マイク…うるさい」
「お前のほうが痩せてんじゃねえの?半年長かったな〜、根津さんはなんて?」
「記者会見はまだ原因がわかってないからしない、今日と半年前の市内の防犯カメラ全部見て個性事故かどうか調査だと……」
「つーか、避難中見てて思ったんスけど…なんなんスか?うちわやらなんやら持って駆けつけてた女のコたち…」
あいつは…ハイエナ獣人のラギー…だったか?肝が座ってるのか、くましろがいるからかなのか分からないがこの場にいる子どもたちは誰一人として不安そうな顔をしていない。
「あぁ……あいつのヒーローとしての活躍はどこまで聞いてんだ?あんまり話してなさそうだけどよ…」
マイクがそう言う、俺もそれに同意見だ。多分話してねえだろうな。
「25歳でプロヒーローってことくらいかしらね。見えないけど」
一際目を引く宝塚のような美人…あいつはヴィルか。
「ここでは高校は3年間、15〜18の間雄英と呼ばれる高校に通いプロヒーローになるための訓練を受ける。…あいつは入学して半年足らずで校内で5000…だったか?のファンクラブ立ち上げられるくらいの人気者だ。それは卒業しても変わらない。
こっちでは半年行方不明だった、メディアには伏せていたが半年ぶりの活躍にファンが騒いでたって話だ」
「「「5000人のファンクラブ…!?」」」
「非公式でこの人数はすげえよなあ…今いくつだっけか?10万人だっけか?」
マイクが聞いてくるが、もう覚えてねえよと返す。
「今日のは半年ぶりのメディア出てるっつーのもあるけど、あいつの同級生の轟と爆豪がいたってのもあって大騒ぎだ。数日はメディアが張るだろうなぁ…ストレスでおかしくならねえといいけどよ」
「メディアの対処の仕方は教えてる、大丈夫だろ」
テレビをつけると早速ニュースで今日の敵襲撃と3人の活躍ぶりをまとめたコーナーがやっている。
「すげ、ほんとに文字ちげえ!…おい、押すなよデュース!」
「お前が前行くと見えないだろ…!」
「デュース、エース。騒がしいよ、座ってくれないと見えない」
やいのやいの言いながら結局全員テレビに群がってくる。
「あ〜さっぱりした…何見てんですか?…あ、ニュースか」
おかえり、と声を掛ける。マイクにもみくちゃにされてるがまあいいか。俺と同じくらい帰りを気にかけていたからな。
「クルーウェル先生、平気ですか?」
「あぁ……」
「なんとクルーウェル先生、32歳です。ゼンマイの弟分」
「32ィ!?随分若えなと思ってたがスゲェな…酒いける口か?神代お帰りの会参加するか?」
なんだお帰りの会って…。
「…消太さん、痩せました?」
「2キロほどな…すぐ戻るよ」
「オレが2キロ減ったら大騒ぎなのに…」
「お前2キロじゃなくて10キロくらい平気で痩せるだろうが」
一緒にすんなと頬を伸ばす。
*神代くましろ
塚内さんがくるまで暇なのでストレッチする。体バキバキ…瓦礫撤去キツかった…。
「あ、そうだ…消太さん紹介しますね、オレの養子予定のリドルくんです」
「まだ言ってたんですか!?」
何笑ってんのさリドルくん…。消太さんがすごい顔で見てくるので理由を説明すると、弟が欲しいだけだろって怒られた。
「轟と緑谷がいるだろ」
「ちょっと、逆に轟くんと出久くんをなんだと思ってんですか…」
あの二人は戦友ですよ、というとちょっと嬉しそうにそうかと返ってくる。たしかに出久くんは弟ぽいところあるけど、多分本人に言ったら君のほうが弟だろって真顔で言ってくると思う。
「お前よりしっかりしてんのな」
「それは…ぐうの音も出ませんけども…!」
身体検査を終えてやっと皆が解放された。雄英高校に案内するとなり、たいとに顔を変えてもらう。たいともすごいライン上で喜んでた。半年か…結構経ってたんだな…。
「何故別人に?」
「マスコミすごいからね…皆やたらと写されたら大変だから」
そう言うと納得してくれたアズールくん。雄英につくと出久くんがまだ残って作業していた。
「出久くん!」
「わぶ、くましろくん…久しぶり、心配してたよ…」
犬のように飛びついてももうびくともしなくなった出久くんのガタイにビビりながらも、魔法学校の生徒たちだよ!と皆を紹介すると出久くんも目をキラキラさせてた。
「これからしばらく雄英下で保護することになった。…くましろが世話になった例というのもある。空き部屋にそれぞれ連れてってやってくれ」
消太さんが出久くんにそう指示して、なるべく一人1部屋で案内していく。
オレはレオナくんとラギーくんを案内する。
「広い学校ッスね」
「ヒーロー科以外にも学科あるからね〜何回迷ったか…」
「肉あるか?」
「肉たんまりあるよ…お昼はランチクックってヒーローがご飯作ってくれるから。今日は…どうすんだろ?皆で食べいくのかな?」
何にせよ肉にしろとレオナくんが主張してくるので分かったよ、と頭を撫でると唸られた。ご機嫌斜めになっちゃった。
皆のご飯どうしますか?と確認すると、やっぱり焼肉屋さんあたりに行こうとなった。目立たないように皆にそれらしい私服を何枚か渡して着替えてもらう。
「くましろくん、これなんて書いてあるんスか?」
「カルビ」
「…カルビ…?」
「美味しいよ、脂のってる部位!」
じゃあそれで、とタッチパネルを押して注文する。格段に楽な注文方法でよかった…。
「くましろさん、これは?」
はいはい、次はエースくんのテーブルね。
「ハラミ。肉肉しい赤身の部位だよ…ていうか君ら二人めっちゃ食べるんだし一人前ずつくらい全部頼めばいいんじゃない?」
エースくん、デュースくん、リドルくん、アズールくんのテーブルか…。アズールくんはたしか太らないように管理しっかりしてる子だったから…
「あ、あとここに載ってる数字がカロリーね。こっちがジュースとかで…」
「コレなんスか?美味しそう」
コーラか…。
「シュワシュワしてる、美味しいよ…アズールくんて炭酸ジュース飲めるの?」
「いきなりですね…飲めますよ。カロリーの観点で飲まないだけです」
「なんだ…シュワシュワ苦手だったら面白かったのに」
炭酸ジュース飲んでアズールくんがアワアワしてたら面白くない?と三人にいうと想像して面白かったのか、三人とも笑ってた。
「神代、お前レモンサワーでいいの?」
ゼンマイにうん、と頷く。焼き肉は胃がもたれるからレモンサワーくらいしか飲めなくなる。
「たまごスープは?」
「飲みます!」
「は、お子ちゃまだな」
レオナくんてば、まだ機嫌悪いのか…。耳がなんか…体育座りみたいな形になってる。
「ステイ、キュートな子猫ちゃん!お座敷では膝立てない!」
「「ブッ!!!」」
後ろからおそらくエースくん・デュースくんの吹き出す声が聞こえた。ヴィルくんも肩を震わせて笑ってる。
「だからその毛ほども似てない俺のモノマネをやめろ!」
「俺は猫じゃねぇつってんだろ…!」
二人して唸るからゼンマイと消太さんまで笑ってる。
「だって厳密には子犬じゃないじゃん?ライオンだから」
「子猫でもねえっつうの」
猫科だけどな…。もっと怒っちゃいそうだから黙ってよう。あらかた皆の頼みたいもの代理で頼んで、ゼンマイたちの席に戻る。
「お前ほんとどこ行っても弟属性として可愛がられンのな」
「え!?お兄ちゃんのつもりで皆と接してたんだけど…?!」
無理あるぜ、とゼンマイに鼻で笑われたので爪楊枝を投げる。
「こら、酒を先に飲むな。すぐ酔うんだから」
レモンサワーが先に来たので飲もうとしたら消太さんに取り上げられる。代わりにお通しのキムチを渡される。
*相澤消太
酒の弱いくましろと、強そうに見えたクルーウェル。俺たちよりかは弱かったみたいで、二人でぐでんぐでんになってる。
「すげー、クル先が酒に酔うなんてこの先一生見れねえカモ……ふたりとも強いんスね」
エースがこちらのテーブルを覗き込んでくる。俺は普通だ、と返す。
「だ〜からあ、それはヤクルトじゃなくてカルピスって言ってるじゃん!」
「子犬、もっとはっきり話せ、意味がわからん」
「全ッ然会話になってねえな…」
マイクも笑いが堪えきれねえようで、ヒイヒイ笑ってる。
「変な顔〜」
「あ゛…?」
子猫ちゃんと呼んでいたレオナに睨まれているのに気づき、人の顔を指さしてケタケタ笑う失礼なくましろの体を起こす。
「…ぅん?」
「酔いすぎ…水どっち?」
「みず…?…これ?」
「それジュースだろ…これが水」
「……」
水を手渡したのに全然飲まないくましろに水を押し付ける。なんだ、俺の顔をじっと見て…。
「ハンサム……ちょっと、皆見るのやめて!」
また騒ぎ出した。捕縛武器で俺の顔をぐるぐると隠して満足したのか水を飲んでる。
「…はあ…満足?」
満足です!と返ってくるのでとりあえずお会計を済ませ、ぐでんぐでんのクルーウェルはマイクに任せ、同じくぐでんぐでんのくましろを抱えて店を出る。
(めちゃくちゃバカップルじゃん…)
(なんだ、冷めきってるとでも思ってたか?)
(神代はそりゃ相澤にゾッコンだけど、同じくらいゾッコンだからな〜)
(マイク……)
(ホントだろ?)
(レオナ、あんたご機嫌ね)
(まあまあ美味かった)