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39 魔法の攻撃
*神代くましろ
クルーウェル先生につれられ、食堂にやってきた。わ〜、広くて天井高くてきれいですね!と言ったら見る目あるなって褒められた。
聞けばここの卒業生だそうで出久くんと同じだなあと思って話を聞いていた。ここではランチクックの代わりにゴーストが給餌をしているらしく…。ていうか普通にゴーストいるんだ…怖…と怯えてたらエースくんたちに驚かされてめちゃくちゃでかい声出てクルーウェル先生に怒られた。
「も〜怒られちゃったじゃん!」
「プッ、あんなのにビビるとかウケる」
「オレお化けダメなの!…絵の中も動いてるしマジで怖いよ…」
「そんなですか?ここにいる奴ら基本的に悪さしないすけど…」
デュースくんが心底不思議そうに見てくる。君たちは存在に慣れてるかもしれないけどさ…。
「害がある・ないの判断もつかないもん、全員怖いよ…」
クルーウェル先生に言われて買った食券をゴーストに渡し、お皿に入れて受け取る方式。チェーンのうどん屋さんみたいな感じか。最後ご飯を受け取ろうとすると、スッと横取りされる。
その手の先を見ると、知らない子。誰??え、シンプルに誰???
事務員ではなく、入りたての生徒だと思って話しかけてきてる生徒たちにみるみる青筋を立てるクルーウェル先生。それに気づいてないせいと2人。
どうしようかな…ここで双方キレられても目立つんだよな…。異世界人ってだけで目立つのにもうこれ以上目立ちたくない…。
「返して?」
そう言いながら二人の動きを止めてご飯を返してもらったかのように受け取る。
もちろん止めるの解除したら2人は騒ぎ出すわけで…。
「オイ待てゴラァ!!!」
「クルーウェル先生といっしょに買ったやつなんだけど?君たちのじゃないでしょ?」
「あ…?でまかせ言ってんじゃねえ!!」
全然聞く耳持たないな…。振り返ろうとしたとき左肩に痛みが走る。
「いった……」
何、斬られた…?左肩から出血して手首に滴り落ちている…え〜もうせっかく足の怪我治ってきたばかりだったのに…!
クルーウェル先生は幸い席取りのために先に行ってて見てない。
いきなり魔法ぶっ放すなんて思ってなかったぽいエース、デュースくんに反撃しないように伝えてトレイを一旦受取テーブルの上に置かせてもらう。給餌のゴーストさんたちも心配してくれてて、ほんとに優しいんだとびっくりした。
「……一方的に魔法で相手を傷つけたなんて、退学処分じゃないの?決闘でもなんでもないよね?」
「ならお前もマジカルペン出せや!!……あ?持ってない…?」
「何、お前魔法使えねえのか!?」
めっちゃウケてる。一方的にそんな相手に攻撃して出血させてる恥とかはないんだな…ヤンキーというよりチンピラに近いなこの2人…。
「なんだと…!」
「こらこら、口車に乗ってどうするの」
「でも、くましろさん後ろからやるなんて卑怯ですよ!」
「そりゃ卑怯以外の何者でもないけど…オレが殴りかかるとかならまだしも、君たちは乗っかっちゃダメでしょ?リドルくんに怒られるよ〜?」
怒ったら怖そうだもんなあ、リドルくん。というと、もう怒られ慣れてるのか二人の顔が青ざめるのでつい笑う。
「え、何?ほんとに怒られてるの!?悪ガキだなぁ…」
そう言ってウケてると俺たちを無視するな!と後ろのチンピラ2人に怒られる。ご飯食べに来ただけなのに結局目立ってしまってる…。
「……何?肩から血を出させておいて、まだ不満?じゃあ次どこがいい?お腹?心臓?首?…頭?」
止めるまでもない、こんな二人。そう言い寄ればまさかの返答に言い淀んでる。
「いいよ、好きなところ切っても抉っても……その覚悟があるならね」
「この…っ!!調子づいてんじゃねえ!!!」
ここではあのペンが魔法の杖的な存在なのか。石が埋め込まれてる…リドルくんは杖だったけど、大体はこのペンなのかな?おしゃれなデザインだな。
「ステイ!そこまでだ駄犬共…!」
クルーウェル先生が止めに入ってくれた。肩がズキズキと痛む。治癒で治りは遅いくせに、結局痛みは2倍のままなの本当にただただ損だな…と思いながら自分でも治癒を進める。
「なんでやり返さなかったんだよ…」
悔しそうな顔してるエースくんの頭を怪我してない方で撫でておく。どうどう、落ち着いてくれ。
「そんな……君たちマフィアかなんかなの???怖いよ?」
「だってあんないきなり怪我させられて…やられっぱなしなんて納得できねえっつうか…」
あら、君もかデュースくん。頭をポンポン、とするとぐ…と少し押し黙る。
「いいじゃん、治るし。……わかったそんな顔で睨まないでよ…じゃあ、次はもっと凄むから」
「凄むなバカ犬、じっとしろ」
おでこにデコピンされて痛くてじっとしてると、クルーウェル先生が肩を治してくれた。おお、早い…。
「おお、すごい!痛くない…!ありがとうございます!」
飯を食ったら説教だ、と言われてしょんぼりしてたらゴーストさんがおまけのプリンくれた。わーい!
「……で、だ。何故避けなかった?」
「いや、まさかいきなり斬られるとは思ってなくて」
「……あの生徒2人の話を聞くに、君…一瞬だけ力使いましたね?」
「ご飯を持ってる手の動きを止めただけですよ…その後は皆さん見てたとおりです。ほんとは使いたくなかったけど」
「…怖がるからですか?」
「えぇ。…まあ元の世界でもあれはお咎めナシに入るかなって部類なんで使いました。」
ご飯を食べてクルーウェル先生にズルズル引きずられ、クロウリーさんのいる学園長室へ。ついた瞬間即尋問のような感じ。
「…事務員枠として誤魔化しても、皆が持ってる…なんちゃらペン?持ってないし、この世界の常識も知らないオレが異世界人だってボロが出るのはすぐだと思います。だから隠さず聞いてきた子にはそう伝えてます。
でもオレの個性は人を簡単に殺せる、から簡単には使いたくないですよ。体の一部の動きを止めるくらいしか使いたくないっていうか…ちなみに、元の世界だとお咎めないっていうのはヒーローに対する妨害行為と捉えられるからです。」
「今回はそうですね、完全にあちら側に非がありますが…うーん、そうなると難しいですねぇ。」
「…子犬、お前強いのか?」
「…ここで魔法がどう作用するか分かりませんが、子どもにやられるほどではないかと…」
「実技の方に担当を回したほうがいいんじゃないでしょうか?学園長」
「え…!??!嫌ですよ、指導とかするんですか??無理…あくまで補佐にしてください」
先生の補佐はやったことあるけど、メインで指導なんてやったことない。ただ、実技で体を動かせるのは助かる。体力育成と体づくりができるし…。
「子犬、今回のように生徒に一方的に魔法を使われた場合は反撃しろ。…足の怪我の件から鑑みるに、お前に当たった魔法の回復は遅い。つまり…軽い攻撃が子犬の致命傷になりかねない。職員がいる場合は呼び、いないなら反撃して構わない。」
「私もそちらに賛成です。…ああもうどうしてこの学園はこうもヤンチャな子が多いんでしょう…!!」
頭を抱えるクロウリーさんに同情の気持ちを送りつつ、本気で心配してくれてるクルーウェル先生には頷いておく。
飛行術はバルガス先生、歴史…魔法史の授業はトレイン先生が主に行っているらしい。
夏になったらプールとか体育ぽいこと全般行ってるのがバルガス先生の担当らしい。二人の説明を聞くとなんとも『脳筋』以外の何者でもないけど、大丈夫だろうか…。
クロウリーさんからジャージやら学園内にいるときの普段着をいくつかもらい、着替えてバルガス先生に挨拶しに向かう。バルガス先生、トレイン先生にも話はしてくれてるらしい。
「こんにちは、バルガス先生ですか?」
「…んん?…おお、お前か!学園長が仰ってたのは…随分細いな、きちんと鍛えているのか?!」
おお、話通りの熱血キャラだ…でもほんとに筋肉すごい。オールマイトくらいあるんじゃないか…?
「神代くましろって言います、よろしくお願いします!鍛えてはいますが、体重落ちちゃって…って感じです」
「そうか…神代と言うのか!筋肉がつきにくい体質なのか?」
「たぶん…?そうだと思います。あんまり食べても増量しないといいますか…」
体に良い食材アレコレを教えてくれるけど、中には多分ここ特有のものが混じっているのか聞いたことない食材名があった。
実技の補佐ということで、早速手合わせ。このあと飛行訓練らしいから手短にな!と言われる。手短な手合わせ…って何??じゃあ終わってからでいいんじゃないの…?と思いつつ、とりあえずストレッチ。
「あ、ちょいタンマ!」
「なっ!?…なんだ始まる前に…」
「すみません、念の為…。オレが異世界人っていうのはご存知ですか?」
「ああ、聞いてるぞ」
「間違っても魔法をぶつけないでくださいね、なんか治りが遅いので…それだけです!」
「安心しろ、それも学園長から伺ってるさ…お前も妙な力を使うと聞いた。今回はソレはナシだ、お互い体のみ!」
頷く。始業まであと20分。
駆け出してきたバルガス先生の蹴り、パンチは重くいなすことがなかなかできない。重すぎて受け止めることしかできないってなかなかじゃない?
でも、一発一発が骨折するような打撃でもないし、この思い切りの良さや動きの速さは爆豪くんによく似ている。目が追いつく。足もまだ動く。
「お…!?随分早い動きだな、感心!」
「伊達にヒーローしてないんで…」
ダメージ2倍なことはここでは言ってない。遠慮されるか悪用されるかと思っての判断だけど、正解だ。遠慮がない手合わせ…演習はすごく滾る。見たことない動きやどういう戦い方するか分からない相手とやるのは楽しい。
バルガス先生の右からのパンチを両手で受け止め、後ろに下がる。
「ふふ、」
あ、レオナくんだ。目が合う。やばい、笑ってたの見られたかな…。
バルガス先生が追撃してくるのを交わして交わして…押されてるように演出しながらとある場面を狙っている。
「バルガス先生、パワータイプですもんね」
「なに…?」
「魔法を使えばこんなことないんでしょうけど…パワーを出すために利き足で踏み込んでもう片方の足と手を一緒に出して力を込める癖がある」
つまり、今支柱となるのは左足一本だけ。
「!!早い…」
下に潜り込むように間合いに入り、バルガス先生の左足を回し蹴りすると体勢を崩す。おお、背中から倒れた。
「おお…中々やるなあ!…げ、始業開始まで5分切ってるじゃないか!」
「…あ!!ほんとだ!すいませんうっかり…」
10分前には終わろうねって言ってたのに…!バルガス先生の背中についた草を払い、授業用の箒をバタバタと用意する。
「ゼェ…疲れた……」
「授業前にバテるな!体力が足りないからそうなるんだぞ」
ご尤もな指摘を受ける。授業の号令や点呼確認中後ろでストレッチをしておく。あ〜疲れた…でも楽しかったな〜。
「おい」
「あ、レオナくん」
「…さっき何やってたんだ」
めちゃくちゃ堂々とサボるんだね…。普通に隣に座ってきたレオナくん。びっくりして2度見しちゃったよ。
「何見てンだ」
なんつー理不尽な…。
「いや、すごい堂々とサボるんだなって思ってびっくりしてる」
「今更空を飛ぶ基礎授業なんざ受けたって意味ねぇ」
なるほど、もうスイスイ飛べるんだなきっと。…じゃあなんで受けてるんだ?選択制だったよね?この授業…。
「さっき…は手合わせしてもらってた」
「…魔法ナシでか?」
「うん…魔法でできた傷、なんか治り遅いみたいで」
そう言うと耳がぴるぴる動いてる。
「かわいい耳だね」
「あ゛…?」
「え?違った?かっこいい耳のほうがよかった???」
「うるせぇ」
やばい、機嫌を損ねてしまったようだ。
「触ったら怒る?」
「手を食いちぎる」
「コワ」
グルル…とわざと喉を鳴らされて威嚇されたので思わず笑う。ライオンか〜、レオナくんは大きい猫ちゃんみたいだな…。そう思って耳を眺めてると思いっきり尻尾で顔を叩かれる。
「いっだぁ!?!…悪さしたのこの尻尾か!」
「なんのことだか」
「毛流れ逆にしちゃうからね!」
得意げに笑ってるくせに知らないフリで通そうとしてるらしいレオナくん。立ち上がって耳を見る。毛艶いい…。撫でたいけど手を食いちぎられてしまう…。でもこのフフンてしてる悪い猫ちゃんを叱るには……あ、そうだ。
「フゥッ!!!!」
息を吹きかけると跳ね上がって驚くレオナくん。
「反省した?悪いライオンくん…うっわ顔コワ…」
(喉に噛みつかれてぇようだな)
(先にこの悪い尻尾でビンタしてきたんじゃん)
(俺の意思じゃねえ)
(メデューサじゃないんだからダメだよその理屈…。じゃあオレもオレの息じゃなくてそよ風だって事にしちゃうけど)
(思い切り立ち上がってただろうがよ…)
(ほらこういうときこそ、喧嘩両成敗!)
(喧嘩してねえだろアホか)