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38 魔法の文字
*神代くましろ
魔法の世界ツイステッドワンダーランド。の中の2大魔法士養成学校のうちのひとつ、ナイトレイブンカレッジ校。もう一つはロイヤルソードアカデミーという学校らしく、このナイトレイブンカレッジがある賢者の島の向かいにあるように建立しているみたい。
地図やらなにやらを広げていろいろこの世界の基礎中の基礎、きっと日本の中に東京はここにあって、首都はここで…みたいなレベルの話を淡々と教えてくれるリドルくん。
付き添いとしてトレイくんとケイトくんも一緒に教えてくれた。
「はあ〜、ここまで色々違うと面白いねえ…。」
そもそも魔法があるので、交通ルールやらなにやらが色々違う。いつの間にか交通法違反とかで捕まりたくないし助かる。覚えきれるかは別として…。
文字もなんとなく半分は覚えた。ひらがな、カタカナ、漢字みたいな違いがない分全然マシかな。
「あ〜腰バキバキ……リドルくん、ストレッチしてもいい?」
どうぞ、と言われるので床に座って開脚して体をほぐす。ずっと座りっぱなしはなかなかキツイもんがある。
「随分柔らかいんだな…」
トレイくんがちょっと引いた目で見てくる。え、そんなかな?
「ダンスやってたからねえ…あ、そういえばクロウリーさんて今日どこで寝ろとか言ってたっけ?」
まあ最悪寝袋あればどこでも寝れるよと言ったけど、断固としてそれはだめ!と3人に怒られた。リドルくんも覚えてないってことは、特に指示されてないな…。
「リドル寮長〜、…あれ?誰すか?そいつ…」
おぉ、ハートマークとスペードの子が揃った。床に寝転んでストレッチしてるオレを一瞥しているのでとりあえず会釈。
「こんちは、事務員になる予定のくましろです。よろしく〜」
「事務員…?」
「転寮でもないのになんでハーツにいるわけ…?」
二人の最もな疑問にトレイくんとリドルくんが説明してくれる。どんどんオレが異世界人っていうのが普通に広まってるけどいいんだろうか?…まあいいか。
「異世界人かもって……コイツが??」
「ヒーローっていうほどの見た目にも見えませんけど…」
「え〜ん、ボロクソ…これでも頑張ってんのにな〜」
まあ確かに最近痩せちゃってたけど…、体型戻すために色々頑張らないとな…。
「エース、デュース。失礼な物言いはおやめ」
「まあいいよ、オレ見た目こんなだから色々言われるの慣れてるし…」
「失礼!くましろ君、進捗はいかがですか?」
うお、びっくりした。後ろにいつの間にいたクロウリーさんに仰け反りつつ3人に教えてもらってたよと進捗具合を報告。明日はクルーウェルと呼ばれる先生の備品倉庫整理をお願いされる。
「学園長、彼は今日どこで寝泊まりするのでしょう?あと食事など…教官棟ですか?」
すっかり忘れてたことを聞いてくれるリドルくんに頭が上がらない。クロウリーさんも忘れてたそうで今日はその教官棟に空きがないから、ここハーツラビュルの空き部屋を使わせてもらうことに。
「何から何までごめんね、リドルくん…」
「このくらいどうってことないですよ。鏡の間の移動方法などのため、明日は7時にボクが迎えに来ます。」
7時ね。貸してもらった時計を設定し、夕食の時間までまた文字の読み書き練習。
「発音むず…」
どうもフランス語のような訛り?みたいのがあって耳に馴染まない…。
「知ってる呪文とかねえの?」
「エースくん…ハート落としちゃったの?」
「タトゥーとかじゃねえからな…。」
じゃぁ毎朝化粧?してるのか…大変だな。
「知ってる呪文か〜魔法は映画の中とかでしか見ないからなあ…
パッと思いつくのだと…コンフリンゴ!ステューピファイ!ウィンガーディアム・レビオーサ!アバダケダブラ!…とか?」
ハリー・ポッターの動きを真似ながらいくつか言い、振り返るとエースくんたちがドン引きした顔でこちらを見ていた。え、なんで??!?!
「なんで禁忌の呪文知ってんだよ…?」
「え、…もしかして最後のやつ?映画でも禁じられた魔法って言ってたけどここでもそうなの?じゃあ…クルーシオとかも?」
クルーシオは確か拷問の魔法だったはず。アバダケダブラは歌の歌詞にもあったし、この単語単体が悪い言葉ではなかったと思う…多分だけど。
「古くから伝わる禁忌魔法のうちの一つだ、くましろさん…間違っても外でそれらを言わないように」
リドルくんに釘を差されるので頷く。
「分かった!コンフリンゴとかもあるの?」
「それは知らないなぁ…どんな魔法なの?」
ケイトくんがそう尋ねてくるので、たしか遠距離型の爆発魔法だったはず!と答えると、なんでそんな物騒なのばっかりなの…とため息つかれちゃった。わりと戦うシーン多めの映画だったからね。
よかった、ここのご飯は映画の中の魔法界と違ってかなり美味しそう。めちゃくちゃ安心した〜よくわからない色味のよく分かんない料理出てきたらどうしようかと思った。
「いただきまーす!」
「口に合うといいんだが…」
いくつかはトレイくんが作ってくれたらしい。盛り付けも何もかも売り物と間違えるくらいきれいで美味しいものか多かった、パティシエか何か…?
「うん、美味しい〜!これならすぐ体重戻りそう!」
「細いもんな…体重いくつなんすか?」
隣の席のデュースくんに尋ねられる。最近体重計乗ったのいつだろ…。
「うーん…たぶん…52キロとか…?ちょっとバテて痩せちゃってね」
「ほっそ…」
筋肉になりそうな肉系をメインにモリモリ食べるけど、全然エースくんたちのほうが量食べててちょっと凹んだ。
足の様子を見てもらい、保健室に行くほどではなさそうと判断してもらい再びリドルくんに治癒魔法を当ててもらう。お風呂はもう入ったから空き部屋に案内してもらい、布団に入る。
トランプ柄の主張が激しい部屋で、目がチカチカする。部屋を真っ暗にして、模様が目に入らないように布団をかぶって目を瞑る。
それにしても異世界か…とんでもないとこ来ちゃったな…。個性事故だといいんだけど…。個性事故で10年前の自分と入れ替わったこともあるからか、今この状況に戸惑いはしてるけど絶望や焦りはしてない。これは10年前、プロヒーローなりたての自分が見たらとにかく驚くと思う。
慌ててはないけど、帰りたい。今日の仕事終わったら久々のオフ被るから映画でも観ようって言ってたのにな…。
「…さん、くましろさん」
「…ん…」
「起きれますか?リドルです」
控えめに肩を叩かれて起きる。やば…目覚まし気付けなかったかな…。寝ぼけた頭で時計をつかもうとしたらリドルくんの手を掴んでた。
「あれ…?」
「すみません、誤ってボクが時計を持ち帰ってしまっていて…」
「……寝坊じゃない…?」
「まだ40分ほど時間はあります」
よかった〜、寝坊したのかと思った…。
「起きるねぇ……洗面台ってどこだっけ…?」
「ボクが案内します、軽食食べますか?」
何から何まで…マネージャーみたいにさせて申し訳ないな。
「たべる…けど、リドルくん。大変でしょ?いいよ、ありがとうね」
消太さんがやってくれてるように、ただリドルくんのセットが崩れはしないように頭を撫でる。
「な…子供扱いしないでください」
「え〜?見た目はそんなに見えないかもだけど、オレからみたら皆10くらい年下の子どもだよ…?」
そう言うとたしかに…と納得してくれたのか押し黙るリドルくん。
顔を洗って寝癖整えて、パンをいくつか摘んで準備する。
あ〜やっと体が起きてきた…。昨日と同じようにストレッチをして体をほぐす。背骨がバキバキいってる…。
エースくんたちもドタドタと洗面台の前で準備している。やっぱり毎朝あの模様描いてるんだ…。
ぞろぞろと鏡の間まで移動し、錬金術担当教師のクルーウェル先生、とやらに会いに行く。1限目ちょうどエースくんたちが錬金術らしく、リドルくんたちとはここでお別れ。
「朝ありがとうねえ、リドルくん」
「だから…!撫でないでいただけますか…」
「なんで?嫌だった?」
顔を覗き込む。エースくんから一人っ子で親がとっても厳しかった環境にいる子だと聞いた。お兄ちゃんを演じてみたんだけどだめだったかな…。
「嫌というか…皆の前では控えてください」
「うん、分かった。じゃあまた勉強教えてもらうときにね〜」
ほんとにわかってますか?とジト目で見られたけど、誰もいない時とかならいいよってこと…だよね?合ってるよね?
「アンタ…リドル寮長の頭撫でるなんて命知らずだね…」
「え?なんで?リドルくん可愛いじゃん…弟いたらああいう感じなんだろうなあと思うよ…ちょっとしっかりしすぎだけど」
えぇ?!と懐疑的な目線を寄越すエースくんとデュースくんと並んで歩いていると、後ろから声をかけられる。
「クワイエット!廊下は静かに歩けと前に言った筈だ、駄犬共…。…それで…貴様が学園長が仰っていた事務員か?」
おお、これまた癖のある…!すんごいいい匂いする。
「はい、備品倉庫の整理をしろと指示受けました。神代くましろです。よろしくお願いします」
とりあえず挨拶はしっかりと思って頭を下げておく。
「ふむ……礼儀はしっかりした子犬のようだな」
「…多分ですけどそんなに年齢変わりませんよ…?」
「…いくつだ?」
「25歳です…クルーウェル先生、同じくらいじゃないですか?」
「…成人済み?こんな子犬が…?」
「ちょっと、童顔だからってそんな狼狽えないでくださいよ…今持ってないけど免許証だってありますからね…」
やっぱり歳が近かったクルーウェル先生、少し狼狽えてたけど子犬呼びは変わらず。まあいいか。
リストをもらい、字を覚えたてだから質問が多いかもしれないけど許してほしいと先に断りを入れておく。授業を中断するつもりはないけど…うーん、テキストの文字体とは違って人の書く文字だと読み解くのに時間かかるな…。
「何か注意点ありますか?…素手で触っちゃだめとか…」
「あぁ…基本瓶の中に材料は入ってる。それを取り出すようなことさえしなければトラブルは起きない。あと…こうやって布をかけてあるものは日光に弱いので、窓の側を避けるかこうして布をかけておいたままにしておけ」
ふむふむ、メモを取っていくとオレの字を見たクルーウェル先生が覗き込んでくる。
「…本当に異世界人なんだな」
「嘘じゃないですよ」
「いや、もう適応しているのでな…もっと慌てたりするのかと」
「…まあ、来れたから帰れるでしょ!の精神です」
授業が開始し、オレの仕事も始まる。ふんふん、薬草やら鉱石?やら何かの生き物ぽいもののホルマリン漬け的なものやら…いろいろあるなあ、錬金術も漫画でしか見たことない。あとで時間が合えばクルーウェル先生に見せてもらおうかな…!
この材料のかけらたちが何かに変わるんだもんな…すごい。
このツイステッドワンダーランドという世界には地震があるんだろうか?とりあえず鉱石とかの重い物を上にはせず下にして、なるべく軽いものを上にしていく。耐震シールみたいのとかないし、地震波あんまり来ないのかも。それか魔法で固定してるのかもしれないけど…。端から順にリストと合わせて並べ替えしていく。
途中ラベルの貼られていない謎の材料たちは取り出して床においていく。日光が苦手なものもあるらしいから、とりあえず端の陽にあたらない箇所へ。
ぶっ通しで作業を続けて、ベルが4回鳴った頃。リスト上のものは整理できて、身元不明のものもひとまず捌き終わった。クルーウェル先生を呼びに行こう。
「迷った…」
何ここまじでなんで同じような景色がずっと続くわけ??あ、あれは制服!いやにデカいけどここの生徒に違いない。
「ね、君!」
「…僕か?」
わ、かっこいいツノ生えてる。
「うん、君に話しかけてる。…クルーウェル先生見なかった?迷っちゃって…オレは事務員のくましろって言います、部外者じゃないから安心してね」
「クルーウェル……あいつならこの先右に曲がった教室にいるぞ。」
右、右ね。何回か確認しておく。
「どうもありがとう、君はなんて言うの?」
「……僕を知らないのか?」
え、そんな有名人枠なの?轟くんみたいな純粋な目で見られてちょっと困る。
「ごめんね…オレ異世界人で、ここの世界の人間じゃないんだ…」
「異世界人……フフフ、そうか。それで妙な気を感じるのか…僕はマレウス。マレウス・ドラコニアだ。以後よろしく、人の子よ」
「独特な呼び方するんだね…獣人は見たんだけど、マレウスくんも?」
「僕は妖精だ」
「妖精…!?え〜!!!……キラキラの粉とか出るの…?」
「出そうと思えば出るぞ」
「え、すごい…!!!その粉でオレも飛べたりする…?なんかの映画で見…痛……」
ズキン!とものすごい頭痛がして、またどんな映画か思い出せそうなところでノイズがかったように消えていく。なんだ…?
「粉で飛ぶ…?飛行魔法をお前にかけることはできるぞ」
ほら、といきなり体が宙に浮く。ちょっと待って、いきなりじゃバランス保てないんだってば…!
「うわ!………あ、ありがとマレウスくん…痛くない?」
前に倒れるように転んだオレの両手を握って受け止めてくれたマレウスくんは楽しそうに笑ってる。
運動音痴を見て笑うあの感じに近い笑いだ…くそ〜、オレだって無重力化して空飛んだりは一応できるのに!
「痛くも痒くもない……?微かに血の匂いがするな」
「あぁ、昨日レオナくんにも言われたのに……足怪我しててね。治りかけなんだ」
「…キングスカラーに?……治癒魔法を受けてないのか?」
「リドルくんがしてくれたよ、もう治りかけだから良いよってオレが断ったんだ」
そうか、と言われて地面にゆっくり下ろされる。なんかまだふわふわしてる気がする…変なの…。
「授業の合間の邪魔してごめんね、ありがとうマレウスくん!甘いもの好き?今度マレウスくんおすすめのお菓子紹介してよ」
「分かった、そうしよう」
不思議な子だったな…。言われた通り右に曲がった教室にクルーウェル先生はいたので作業の進捗を報告。倉庫内を確認してもらいひとまずOKが出た。ラベルが貼られてない謎の者達は素人が触ると危ないので先生自身がやるらしい。
(……?子犬、誰かと会っていたのか?)
(マレウスくんに道を教えてもらいました)
(…そうか)
(え?何!?なんの含みですか??!)
(防御魔法がかけられている…気に入られたんだな、あいつに)
(妖精に食いついたからですかね?いや〜妖精までいるなんてすごいな〜ファンタジーすぎる)