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34 鬱憤
*プレゼント・マイク
毎年のように活動休止中に激痩せしている神代。まあ夏は食欲も落ちるし?活動休止中なら仕方ねえんじゃねえか?と最初は見逃していたが、だんだん見逃せない体重の増減幅になってきたと相澤が真面目な顔して相談してきたのが始まりだった。
『せっかくの活休中なら、色のとこ行こうぜ!アイツの飯なら食うだろ』
そうして久々に色の店にやってきた。カツオも分からないってのにはめちゃくちゃ驚いたが、食わず嫌いが1つ減ったようで何よりだ。神代リクエストの肉も本人は美味しい美味しいとニコニコ食べ、米は少し相澤に食ってもらってたが完食。
ちびちびとチューハイを飲み始めたが、3%のはずのアルコールで早くもヘロヘロになっている。これで吐いたり二日酔いになったりしたことはないらしいから不思議だよなあ…。
「ゼンマイ、きいてよ」
少し舌っ足らずな神代が俺の両手を掴んでくる。
「なんだ?」
「オレもお、テレビ出るのやめるの!」
「随分急だなァ、何かあったか?」
ありまくりだよ!と腕をブンブン上下に揺られる。相当鬱憤溜まってんなコリャ…。
在学中から大人気だった神代は、プロヒーロー後も人気がすごい。そりゃ爆豪…ダイナマとか轟とか、こいつの同期たちはあのA組っつーのもあって、プロヒーローなりたててでも異例なくらいの知名度・人気度の高さはあるものの、こいつは3本の指に入るレベルだ。
いまやトーク番組や最近だとバラエティにも出てたし、CMもいくつか持ってる。この間は大好きだと大興奮してたゲーム会社とコラボ企画で配信デビューまで果たした。
そろそろオールマイトみたいにおもちゃかお菓子出る話が上がってくるだろう。
「まずさあ、この間のバラエティのやつ…知らないおじさんにお尻さわられた!」
「オォ…ちょ、ちょっと待て神代、それ相澤には言ったか?」
1発目からキツイのきたな…と思いつつ相澤をチラ見したら凄い顔してた。こいつ……まさか心配かけるからとかいって相談してねえな!??!?
「言ってない…言ったってテレビの仕事ではオレより偉い人なんだからどうにもならないじゃん…」
眉が下がっていく神代の頭を撫でる。
「全部聞いてやっから、話してみろ?」
まあ〜出るわ出るわ…。
ほぼセクハラまがいのことだったが、母親とのことを執拗に問いただしてくる暴露系のネタで売れてるお笑い芸人とか、
今からでも女と結婚しろと勧めてくるPD、そして娘を紹介される流れ、メイクやモデルに触れなくていいタイミングで勝手に体を触られる、冒頭にあった変態ジジイからも触られるとか、若くて人気だからって調子乗るなってゲストとして出てくれと言われた番組の制作陣に説教されたとか…。
「ムッカつくね……今からでもいいから言っちゃえば?」
色も相澤も顔がブチギレてるが、まあまあと宥める。
「じゃあお前、CM会社との契約切らねえ理由は?」
「…CMに出てくださいって頼んできた人たちは関係ないから…あとオレが断ったらクビにされるかもしれない勢いで今更断れない…」
お前に1個断わられたくらいじゃクビにはならねえよ、と伝えておく。すげぇ勢いで頼み込まれたんだろうな…想像つくぜ。
「雑誌は?もう出ねえのか?」
「…ん〜…うん…ヘアメイクさんとかなんか肩とかベタベタ触ってきてやだったし…衣装さんも着替えるのに出てってくれなくて嫌だったからもう受けない…」
そうか、と返す。
「お前がやられるっつーことは、他の誰かも当たり前にやられてるんだよ
テレビ業界はマジで色々あるし汚えからな…。だから、明確な証拠がない限りお前が訴えたところで揉み消されるのがオチだ、だから今の神代の判断は賢明だとオレは思うぜ…
我慢しなくていい。お前の本分はメディアに出ることじゃねえからな……ただ!同棲してるパートナーには言えよ…ブチギレてんぞ、後ろで」
「へ?」
「全部初耳だが…説明してくれるか?」
ウワこっっわ!!!!色も俺も震え上がるような無表情で神代に凄んでる。
「…気持ちのいい話じゃないでしょう」
「山田には話せて、俺には話せねえのか?」
バチボコに嫉妬してやがる…なぜか巻き込まれた俺に憐れむ視線を送ってくる色を睨む。助けろよ!!
「ええ?話つながってない…話せないんじゃなくて、話さなかったの!聞かせたくなかったんだもん…消太さん、CM見るたびにテレビ睨むでしょ絶対…」
めちゃくちゃ想像つく。相澤は相澤で、神代の考えそうなこととか行動パターンをよく熟知していると思ってたが、神代は神代で相澤のことよく分かってるんだな…さすがバカップル。
「いますぐどうこうできることじゃないし…ゼンマイの言う通り、徐々にメディア減らしていけばいいかなっておもってたから痛い痛い抓らないで消太さん、痛い、まじ痛い」
「だから事務所入れって言ったろうが……どうこうできなくても無かったことにするな、お前自身が不快な思いをしてるからそんな鬱憤溜まんだろうが。…気にしないようにしても0になるわけじゃねえぞ」
「消ちゃんいいこと言うじゃん…くましろくん、俺も消ちゃんたちに賛成かな…あ、大々的に訴えますからね!って言えってことじゃないよ?
やめてくださいって言っていいんだよってこと…もう言ってるかな?」
「…怒られてから言えなくなっちゃった…」
「だーもう、学生の時から何でそういうとこ気弱なんだよ神代は…お前の人気と今の立ち位置はお前が事務所に属さず1人で築いてきたモンだろ?若くて人気なのは事実だろうがよ〜、茶々入れてくんなって突き返すくらいでいいんだぜ」
頭をぐしゃぐしゃ撫でると鼻をすすってんのかズビズビ聞こえる。すぐ泣くのも変わんねえのな…。
「山田、お前のコネでなんとか絞れるだろそいつ」
「絞ってどうするつもりだ相澤…つーか絞れても教えねえよ!」
山にでも埋めるつもりか!?と聞くとマジな目をした相澤が海に沈めると返す。確かにムカつくがそんなキレるなと窘める。
大人2人は笑い、1人はキレて1人は泣いてる不思議な絵が生まれる。
「ま、とにかく俺も相澤もいるからよ…なんかまた変なことされたら今度はアレだ、相談じゃなくて報告してやれ!
で、神代自身も言ってたように徐々にメディアからフェードアウトしてくのがいいと思うぜ?」
マスコミすら巻き込んで振り回すことのある天然の神代は決してメディア受けしないわけではないが、イケメンが気に食わないオジサン・可愛い子が気に食わないオバサン共っつーのはどこにでもいるもんだ。
難癖や犯罪まがいのことされてまで居座る必要のない肩書なんだから、離脱しちまえばいい。
「山田の言う通りだ…次は見過ごしてやらねえからな」
「消ちゃん、過保護さに拍車かかったね」
「かかってねえ」
「かかってるだろ、どー見ても…海に沈めるとか言っといてよー言うぜ」
「今はほら、テレビなくてもいい時代だし。YouTubeとかで気ままにのんびりやってもいいんじゃない?見てくれる人は見てくれるよ、そこで」
「ソレ俺のラジオにも来んだよなあ、ラジオじゃなくて生配信してほしいって。本末転倒だよな」
「へ〜若い子の感覚は分かんないな…ラジオの方が良いじゃんね、なんかしながら聴けたりするし」
(……つーか静かだと思ったら何、寝てんのか?)
(いつの間にか寝てた)
(ストレス凄そうだね…ストレスで痩せてんじゃないの?)
(だとしたら活動休止期間は正解だな)
(冬くらいまでゆっくりしていいんじゃねえか?)
(長い期間家でじっとしてんのも苦手なんだよ)
(雄英来ればいいだろ、緑谷の補佐)
(そうだな…仲いいやつらと会って話せばだいぶ良くなると思うが…全員忙しいからな)
(気にしいな神代は自分から誘えねえわな……)
(はは、山田くましろくんのパパみたいだね)