MHA
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
29 働き方改革
*神代くましろ
活動を詰め込みすぎてメンタルやられて体調崩して、休止して1ヶ月経って慢性的な体の怠さや偏頭痛、フラつきは完治した。
すごい長く感じた1ヶ月だった…消太さんにも出久くんにも…遊びに来てくれたゼンマイにも迷惑かけちゃったな。
特に味覚に変化はなくてもう一生このままなのかもな…と覚悟を決めようかなって思いつつ、もう恒例になった消太さんの卵がゆと今日は頑張って鮭まで焼いてくれてた朝食を見る。
「……ん…?」
なんだ、この違和感は。
「どうした?」
「……」
鮭のお皿を鼻先に持ってくると、匂いが強く感じる。嗅覚が元に戻った…?
人間って面白いもので、嗅覚さえ残ってれば味をイメージして味覚と連動しているみたいで味覚障害になってしまったオレは常に鼻づまりで何も匂いがわからないような状態だったから…。
梅干しとか、キムチとか…そういう匂いが強いものは若干感じることもあったけど…ちゃんと香ばしさまで香るのはなんか久々の感覚だ。
「美味しそうな匂いがします」
「…食ってみろ」
ゼンマイがふるさと納税のお裾分けとくれた北海道の鮭だ、味がするなら美味しいんだろうけど。
「……しょっぱ!??!ゲッホ!!!」
びっくりするくらいしょっぱくて咽る。塩漬けして焼いたのか?!?
「…戻ったな、それわざとだ」
消太さんがそれはそれは嬉しそうに笑いながら水をくれる。いやオレも嬉しいけど…!塩辛すぎて口がしびしびする。水を何口か飲み、おかゆは普通に作ったと言われて出汁の香りがするおかゆを食べる。
「…ぅ…おいしい…」
「泣くなよ」
消太さんの優しさが具現化したようなおかゆの味に感涙してドバドバ涙が出る。ご飯が美味しいの本当に久々だ…!鮭はびっくりしたけど、普通に焼いた分と差し替えて2人で食べる。
「良かったな、完治だ…だが念の為明日まで諸々禁止」
封じ込みが早い…心配性だからそうだろうと思ってたけど…。
「出久くんが言ってたパン屋さん寄りたいです!」
買いすぎるなよ、と釘を差されるので3人でピクニックしよう!と着替える。
「ふふ、消太さん1ヶ月も色々ありがとうございました…」
そう言うとやっと安心できる、と返ってくる。本当に心底安心した表情のせいもあって罪悪感で胸が痛い。
「これからも無茶は禁止だからな」
頷く。流石にオレももう今回でこりごりだ。この一ヶ月、体重はどんどん減るのにあんまり筋トレもさせてもらえなくて本当に大変だった。
職員室について出久くんにいの一番に味覚戻ったよ!と伝えると出久くんが泣いて喜んでくれた。心配かけちゃったな…。
「だから、お昼パン屋さん行ってピクニックしようよ」
「もちろん!よかったぁ…じゃあ明日くらいから本格的に活動再開かな?」
「うん…でも徐々にかな、体力とか相当落ちてると思うし…まず体重戻さないとね」
1ヶ月も出久くんの補佐を務めていたのでもうPC作業もお手の物。クラスへのちょっとした書類とかは作れるようになった。
活動休止のSNS見て連絡くれてたA組の皆にもLINEで報告しつつ、午前中いろんな先生の雑務を引き受ける。担任や担当に専念するために、専用の事務員さんが必要なのでは?ってくらい細々とした事務作業が多くて学校の先生も大変なんだな…としみじみ思った。
お昼、パン屋さんに3人で向かう。
「うわ…!かわいい…!」
森の中のパン屋イメージらしく、まず建物の形がどんぐり。めっちゃ大きいどんぐりの中にお店があるコンセプトらしくて、超可愛い。リスとかモモンガの置物がおいてあったり、パンからちゃんと離れた窓辺とかに植物がレイアウトしてあってとってもとってもかわいい。
「好きそうだな…おい、はしゃぎすぎて店壊すなよ」
「ゴジラじゃないんですからしませんよ…お家かわいい〜!昔好きだった漫画思い出す…」
「どんなの?」
「3匹のうさぎが主人公なんだけど、森の中で暮らしてて郵便屋さんを引き受ける日常系のやつ」
「……それもしかして、少女漫画に載ってたやつ?」
僕も知ってるかも、と出久くんに言われタイトル教えると知ってた。
「早よ選べ、子ども2人」
消太さんにパンの前まで誘導される。美味しそうなパンがいっぱいだ…。
「胃が小さくなってんだから、2つか3つまでな」
頷く。どれにしようかな〜…!カレーパンと…ミルクレーズンパンと…
「何にンな迷ってんだよ」
最後の1個を決められなくて面白かったのか、消太さんに笑われながら聞かれるのでこのうさぎモチーフのパンかメロンパンか…と答えると、声上げて笑い始めた。
「ちょっと、人の真剣な選択肢を笑わないでくださいよ」
「悪い悪い…はあ、可笑しい…。どっちも買えばいいだろ…緑谷、お前の分も寄越せ」
そう言ってオレがどっちにしようか悩んでたパンをトレーに乗せて、伊豆くんの分のトレーも半ば強奪してレジに行っちゃった消太さん。
「かっこよすぎ…スパダリ…!」
「変わんないね、くましろくん…僕までご馳走になっちゃった」
あまりのスマートスパダリムーブに両手で顔を抑えて悶えてると出久くんにそう言われる。だってあまりにもすぎて…!
お会計を終えた消太さんにお礼を言って、雄英の隠れたのんびりスポットである運動場の芝生面に座る。
「ふふん、準備バッチリしてきたんだ!まず小学生の頃使ってたレジャーシート!」
「わ、懐かしい…!キティちゃんの柄使ってたんだ」
小学生向けのレジャーシートに大人3人入るかな…?とめちゃくちゃ不安だったんだけど、なんとか入った!ヨシ!
「そして朝急遽作ったオニオンスープ!」
スープジャーに入れてきたからまだあったかいはず。寒くはないけど、風が涼しいからちょうどいいかも。パンがあると飲み物とかスープとかで汁気が欲しくなるのはきっとオレだけじゃないはず。
「すごい、くましろくん気合めちゃくちゃ入ってる…」
「楽しそうで何より…ほら座れ、スープこぼすぞ」
2人に言われたので真ん中に座り直す。スープを紙コップに入れて…お〜、ちゃんとピクニックだ!木陰もあって涼しい。
「あ、爆豪くんからすごいLINEきてる」
「かっちゃん?なんて?」
「…戻ったらラーメン旅に行けなくなるだろうがクソってきてる、爆豪くんてほんと素直じゃないよね」
これ、多分連れてくからなのメッセージだろうな…。あ、そうだ。楽しいピクニックを見せつけてやろう。
「出久くん、写真撮って〜」
いいよ、と撮ってくれる優しい出久くんの頭を撫でておく。うさぎのパンをもって消太さんと撮ってもらう。
相変わらず捕縛武器に顔埋めてるし、ほぼ無表情だけどまぁいっか。消太さんにも頼んで、出久くんとの写真を撮ってもらう。その2枚を送りつけておく。
「いただきまーす…うん、美味し〜!!」
カレーパン、カレーの具材がちゃんとゴロゴロしてるタイプだ…!超美味しい、毎日お土産に買ってきてくださいと消太さんに頼んでおく。
急遽作った割に美味しくできたオニオンスープも好評で良かった。今日は久しぶりにリクエスト聞きますよ、と消太さんに言うと悩みながら和食が食いたいと言われた。炊き込みご飯とか久々に食べたいな〜。
(というわけで、気合い入れたら作りすぎました)
(調節下手だな…ん、美味い)
(幸せ……!)
(やっぱりお前の飯が1番美味い)
(ふふ、嬉しいです…明日手合わせお願いしてもいいですか?)
(分かった、ただし徐々にだぞ)