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25 暴徒
*神代くましろ
「何がどうなってこんなことになった、全部言え」
相澤さんに詰められて爆豪くんと並んで正座させられてる。断じて言っておくけどオレらはまじで何も悪くない。
「何にもしてないですよ…ねぇ爆豪くん」
「モブ共が勝手にやったことだ、俺らには関係ねえよ」
ケッ、と吐き捨てるように言う爆豪くんもオレも相澤さんに顔を鷲掴みされてヒヨコみたいな顔になる…しちょっと力込めてません??痛いんですけど???
「ならなぜヒーロー科じゃない生徒が暴徒化し、その中心にお前らがいるんだ?」
「止めてたんですってば!!仲裁!」
「痛ぇぞクソが…」
爆豪くんに至っては普通に文句言うだけになってる。クソがって言った瞬間の相澤さんの眉間のシワの深さがとんでもないことになったから煽らないで!!とお願いする。
「クソ下らねえモブ同士の喧嘩をそいつらが崇拝してる俺ら本人で止めてたんだ…責められる筋合いねェ」
「神代、日本語化しろ」
「ずっと日本語だろーが!!!」
「相澤先生もわざと煽らないでくださいってば…オレのファンクラブの子たち同士で、どっちがかっこいいって揉めてたのが大喧嘩になった感じです…
オレと爆豪くんは次の授業の準備で他の先生に付き添ってて、やたら名前聞こえてくるな?ってみたら手を出し合う喧嘩してたので…って感じです」
「最初からそう言え、バカ2人」
「言ってましたよ…」
デコピンされる。痛い…。
喧嘩沙汰になっていた生徒たちは駆けつけた普通科や経営科の先生たちに回収されていき、相澤先生が事情を説明する…もなんか睨まれてるような…?
「ねえ、なんか睨まれてない?オレら…」
「知るか」
相澤先生じゃなくて、他の科の先生だよと一応言うとチラと周囲を見渡す爆豪くんが押し黙る。
「では、ヒーロー科は経営科が起こした問題だと仰りたいんですか?」
「いえ、そうではなく…」
「元はといえば、そこの二人のファンクラブでしょう?…じゃあ原因はそちらでは?」
めちゃくちゃ相澤さんに突っかかってるおそらく経営科の先生がこちらを指さしてキーキー怒鳴るように相澤さんに詰め寄ってる。わざと聞こえるように言ってるんだろうな…。
「ンだとあのババァ…」
「向こうの手にのっちゃだめ」
爆豪くんの個性が万が一でも億が一でも発動して責任転換されないように左手を握る。
「あ゛…?」
「わざとだよ、アレ…さっき普通科のオドオドしてた先生が根津さん呼んでくるって言ってたから、それまでしょぼくれた演技して待ってよ?うまいこと助けてくれるから」
「チッ…言われっぱなしは癪に合わねェんだよ」
それはオレもそうだよ、と返す。ムカついてるのはオレ自身もだ、相澤さんをあんな風に困らせて…。
「雄英ってさ、ヒーロー科がどうしても目立つけどその次はヒーローサポート科の成績のほうが評価されて、普通科と経営科はオマケみたいな扱い受けがちなんだよね…世間からの評価を見てると。
だから関係ないのにヒーロー科を嫌ってる人も多いんだよ、驕り高ぶってるって」
「…詳しいんだな」
「入学する前の試験で色々知ったから、その後卒業後のこととか調べたんだ。」
だから今後のオレらのためにも、しょげたフリしてよう?と爆豪くんの左手を強く掴む。
「……お前ほんと相澤先生絡んだらどこまでもやんだな…面倒くせェから合わせる」
ため息つかれた。ありがとう、と返して気持ち頭下げてしょげてる感出す。
「泣いたりしてみる?」
「演技くせェよ、やめとけアホ」
それもそうか…。そうやって小声で反省したふりを続けてるとちょうど相澤さんが「ほら、二人もあの通り反省してますし…」と大目に見てやってくださいの流れに持っていってるのが聞こえる。
まあ別にオレたちほんとに争いの中身の発端とはいえ発破かけたわけじゃないし、関係ないんだけどね…。
根津さんもやってきてファンクラブの継続方法はヒーロー科の方で話し合うこと、ただ今回の経営科・普通科の生徒の暴動にはオレらは止めようとしたし関係ないことを強調して解散になった。
「クソ腹立つ、解散させろ」
「まあまあ…くましろくんは?」
「解散強制させたところでなくなると思えないので……自分の好きな人を褒めたいときに他の人を下げるようにしない、…ってルール追加でいいと思います」
「神代も爆豪もよく我慢してたな」
「アンタ絡みだとコイツうっせェからな」
爆豪くんに肘でつつかれる。不意打ちで痛かった。
「だって…オレらが暴れたところで相澤先生とか…根津さんがあーだこーだ言われると思うとそっちのほうがムカつくし…」
「愛だねえ…!ありがたく受け取っておくよ。2人とも演技とはいえよく黙っててくれたね、おかげですんなり話し合いができそうさ。」
根津さんにふくらはぎをぽんぽん、と撫でられる。
「でも、経営科のあの人めっちゃ相澤さんに詰め寄ってましたよ?すんなり…いきます?」
「普通科の先生がわざわざ根津さん呼んだのは、自分の学科の生徒たちが原因だって自覚あるからだろ」
なるほど…発端はそうだとしても原因ではないって主張者が2名いれば、あの経営科の先生も冷静になるのかな…。根津さんがいれば大丈夫かな、とにかく言語化がうまいし根津さんに適う人はなかなかいないんじゃないだろうか。
その日の夜、帰ってきた相澤さんがムスとしてたので話し合いで何かあったんだろうな…と思いつつそっとしておこうと思ったら座れ、とソファの隣を指定される。
「相澤さん…?」
「……じっとしろ」
ボス、と割と勢いある状態で肩に顔を埋めてきた。普通にヴッて声出たし、衝撃で後ろにぐらついたらじっとしろって怒られた。とりあえず、むしゃくしゃしてそうなので背中をさすさすと擦ってみる。
「……経営科のアイツに…色々言われてムカついた」
アイツ呼びになってる…!相当オコだぞ…珍しい。
「……何言われたかめっちゃ気になるけど、相澤さんがそんな怒るくらいなら聞かないほうがいい気がするので聞きません…でも怒ってくれてありがとうございます…好き…」
「空気茶化すな」
茶化してませんけど!?真面目に言いましたよ、と返す。
「根津さんがなんとかしてくれたんですよね?オレ的には相澤さんが何か言われてないかが気がかりですけど……とりあえずあの人や普通科の皆の前ではしょげたフリしてたので味方になってくれるだろうし、いいです。
これだからヒーロー科はって言われても…見てる人は見てるので…でしょ?」
「あぁ…分かってるよンなことは…」
「今日相澤さんがこの間一人で全部食べちゃったきゅうりの酢の物作ったんで、機嫌直してくださいよ」
ね?と頭をゆっくり撫でる。深呼吸を何度か繰り返して相澤さんはようやく落ち着いたようで、嫌いになる程度で済ませるとか怖いこと言い出した。嫌いの先何しようとしてたの…。
(美味い)
(ちょっと、オレにも少しはくださいよ)
(お前は肉を食え)
(もー偏食家!)
(うるせぇ食わず嫌い野郎)
(こっちのおかずだってレシピ見て頑張ったんですから食べて褒めてくださいよ!)
(……ハニーマスタード?)
(相澤さんからハニーマスタードって単語出るの超可愛い、もう一回)
(可愛くねえよ、どこに可愛さ見出してんだ)
(語呂?)