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20 入れ替わり
*相澤消太
「…うお…!??!うわ!!!!相澤さんだぁ!!!!」
「…待てお前、誰だ」
捕縛武器で縛り上げる。くましろが寝ていたはずの寝室から出てきた男を捕らえる。
「くましろですが…あの、個性事故で未来から来たんです。ちなみに今25です」
「…顔良く見せろ」
手足を縛って床に押し付けていたので、顔だけ後ろを向くように言えば……確かに15のくましろと比べたら顔つきが大人びている。髪形も違うしパッと見分からなかったが、容姿はくましろだ。
「……テストだ、俺の好きなところ5個言ってみろ」
「疑い深いですね…目が優しいところ、オレの名前呼ぶときの言い方、40になってもしいたけが嫌いなとこ、ヒーローとしてかっこよすぎるところ…ですかね、まだまだあるけど」
即答できるこの感じはくましろ本人と捉えて問題なさそうだ。跨っていたのでくましろの上から降り、手足の捕縛武器を緩める。
「んでそんなややこしいことになってンだ」
抱きつこうとしてきたくましろの顔を掴み、先に状況を説明しろと顔を鷲掴む。
「ふふ、オレ個人で活動してるんですよ!…してるんですが、敵の個性で入れ替え使われちゃって……
だから15のオレは一時的に10年後の方に入れ替わってるはずです。」
「解除方法は?」
「シンプルです、1日経ったら!」
「……不注意は治ってねーのな……くましろ、プロヒーローの生活はどうだ?」
「夏だけ休業してるんですが、楽しいです。相澤さんも雄英で活躍してますし、いつまでもカッコいいですよ…あ、戻ったらお互い記憶なくなるはずなんで、気にしないでくださいね」
夏だけ休んでる、というのがまんま予想できて苦笑してしまった。動けねえままなのか。
「……これは?」
左手をとると、薬指に結婚指輪をつけている。
「え…嫉妬…???!ふふん、言いませ…ウソウソ言うから人を殺す眼光やめてくださいよ…ゴルゴじゃないんだから…
相澤さんが、くれたんですよ」
くましろに両手で顔を掴まれる。なんだ、照れ屋でウブのくせにしたり顔で笑いやがって…。
「嬉しそうに言うのな」
「世界で一番好きですからね」
まだ言ってんのか、それ。
「ね、オレ今は成人済みなんでいっぱい抱きしめてくださいよ」
「……お前ほんとにくましろか…?可愛いっていうだけで床転がりまわってンのに…」
「心外ですね、あなたの愛弟子で結婚相手ですよ」
「図太くなっちまったんだな………髪型、似合ってるな」
今より少し長い、女のショートという長さに近い。耳に髪をかけながらそう伝えると、見えるようになった右の耳が真っ赤になっている。
「…変わんねえのな」
「本気で口説かないでくださいよ…」
「今は我慢してるからな」
「え、雄英通ってるときからオレのこと好きでいてくれたんですか…!?やっぱり自伝本に…あ!そうだ、ほんとに今度自伝本出すことになったんですよ!!」
分かったから落ち着け、と宥める。こいつの語彙力で本が纏まるのか?と心底不安だ。担当の編集社は頭抱えてるんだろうな…。
「ちなみに、爆豪くんとか轟くんたちに教えてもらいながらSNSもデビューしましたし、結婚の会見もやったんですよ!
未だに馬鹿にされますけど…」
「結婚式は?」
「オレが誓いのキスできないからやめようってなりました」
「ふっ……変わんねえな」
「もーすぐそうやってバカにする…」
拗ねて寄りかかってくるくましろの頭を撫でる。
「可愛いっつってんだ、喜べよ」
「好き…」
変わらない反応に思わず笑う。
「相澤……いや、消太さん」
くましろが両手を握ってくる。
「……今後、いろんなことが起きて、色んなことで貴方もオレもたくさん泣きます。しんどいこともめちゃくちゃ起きます…けど、未来はそんなに悪くないです。だから、待ってますね」
「……泣きそうだな、くましろ。」
「…数年で乗り越えられるようなことではない、ので…オレの中では」
「泣くのは俺関係か…?…いいよ、お前が生きてくれさえいれば…言ったろ、俺が生きてるならお前も生きろって」
そう言えば泣きそうな顔で頷くくましろ。未来はそんなに悪くない、か。くましろからそんな言葉を聞くとはな…。
「もうちょっと強く抱きしめてください…」
はいはい、と腕に力を込める。泣き虫なのも変わんねえのな。しばらく抱きしめてやると、落ち着いたのかまた元気なテンションに戻るくましろ。
「……ファンクラブに悩まされたりしてねえか?」
「それめちゃくちゃ大変で……事務所に所属しなくてよかったって思います、街で活動すると色んなもの手渡しされて…SNSにやめてねって書いてるのに…手作りの食べ物とか渡されるんですよ…」
顔がどんどんしおしおになっていくくましろの様子を見るに、相当苦労しているようだ。
「大変だな…手紙は?」
「家も明かしてないし、仮事務所みたいのもオレ持ってないから雄英に送りつけてくる人が多くて…未来の消太さんがため息ついてます…やめてねって言ってるんですけど…」
「…お前がいいヒーローだからこその人気だろ、大変な面はあるだろうが全部マイナスに受け取るなよ」
「…やさしい…好き…」
俺の肩に頭をおいてくるくましろ。ちゃっかり首元の匂い嗅ぐな、と軽く肩を叩く。
「モテる自覚は湧いた?」
「…多少は……テレビとか出るときに、プロデューサーの娘とか紹介されること多くて。嫌になったんで、貴方との結婚明かしたんですよ。ノリノリの消太さん可愛かったですけど…既婚者ってなっても、…あの…本能的に女の子のほうがいいでしょ?みたいな感じで迫られたりして…ストレスではあります…」
「……傾いたりすんのか?」
「するわけないじゃないですか、オレの気持ちを疑うんですか?…まじで言い方考えないなら眼中にないです、他の生命体」
「生命体…悪かった、疑ってねぇよ…そんなキレるな」
頭を撫でる。聞いてみただけだ、と強調しておく。
「一筋ですよ、ずっと。…忘れないでくださいね」
「分かった」
マイクが呆れる様子が目に浮かぶ。少しはその結婚の間までに誰かと目を向けてみればいいのに、それもせず言う通り一筋に生きているらしい。
「…くましろ、お前…10年経ったらこんなイケメンになっちまうのか」
「いっぱい見ていいですよ…今度、オレ化粧品のモデルすることになったんですよ」
「…お前…凄えな…」
「肌弱いんで色々つけてるじゃないですか?…それのおかげか、肌がきれい!って褒められることが多くて…化粧品って言ってもメイクのほうじゃなくて、スキンケアの方なんですけどね。
髪の毛も褒められますよ、消太さんがヘアマスクとかトリートメントとかいっぱい買ってきてくれるから…」
確かに、今より伸びているのもあって撫で甲斐のあるサラサラの髪の毛だ。
「広告モデルまで務めるとはな……聞いてもいいなら、母親とはどうなんだ?」
神代さんの話をぶっこむと、少し表情が固くなるくましろ。
「…結婚するときに、一応…挨拶?事後報告?しにいったんですよ、まあ…予想できるかもしれないですけど父さんはひっくり返ってびっくりしてました。
オレが無類のイレイザーヘッド好きなの知ってるんで…母さんは、フゥン…て感じでした。
年に1回、正月に家に帰るようにしたんです。まあ…可もなく、不可もなく…オレがお雑煮作ったりして、3人で食べて…近況報告してって感じです。」
「安心した、修復途中なんだな」
「修復……になるんですかねえ…?…でも、母さんのこととか…オレのヒーロー観に関することではたくさん…迷惑かけましたよね、感謝してます。向き合えてますよ、なんとか」
偉い偉い、と頭を撫でる。快方になるかは分からないが、最悪なことにはなってないので良かった、と安心できる。
(年齢近い状態なんて個性事故ないとあり得ないから、なんか名残惜しいですね…)
(いいだろ、向こうの俺が寂しがるだろうから帰ってやれ)
(ふふ、そうですね…オレは向こうの組み合わせが心配ですけどね)
(?なんでだ?)
(消太さん、残るタイプの大怪我するから…その怪我見て大泣きして過呼吸とか起こして焦らせてそうです)
(…お前は平気か?)
(うん、生きてくれてるから)
(…泣かないのな)
(まあ…当時は泣きましたけど、10年経ったら徐々に受け入れようと試みてますよ。ほら、ポジティブの実践)
(偉い偉い、やればできるじゃねえか)