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16 ダメダメ介抱
*相澤消太
朝、真っ赤な顔をしたくましろが俺のもとへやってきて倒れ込むように膝の上に座ってくる。
「……くましろ、熱あるだろ」
「た、ぶん…めちゃしんどいです…」
そうだ、たとえ実質的なダメージは突き指だとしても骨折したように感じるダメージ2倍なんだった。
微熱ではなさそうな顔の赤さから動くな、と言い残し体温計を探す。…がない。
もともと体調を崩すことの少ない、崩しても市販薬飲んで仮眠室で寝りゃ治るってやってきたからそもそも置いてないんだと探し始めて15分で気付く。
「もしもし…」
『よう、相澤!珍しいな、どうした?』
マイクに助けを求める。
「悪い、くましろが多分熱出したんだがどうしたらいいか解からん」
『…多分?』
「まずは熱を測ろうと思って体温計を探してたんだが、そもそも置いてねえと今気づいた。」
『………お前な…体温計くらい置けよ…つーことはなんだ?冷えピタとかそーいうモンもねーのか?』
盛大なため息のあと、呆れたように言われる。
「解熱剤ならいくつかあるがそういうのはない…氷枕は前俺が熱出したときにくましろが買ってきてくれたからある。
介抱してやりてえがやり方が分からない、来てくれ」
『…心配だから言われなくても行くぜ、とりあえず薬飲ませるのは病院のあとだ、勝手に飲ますなよ。
布団につれてって氷枕で熱冷やしてやれ、スポドリとかは?食いもん神代が用意してくれてるし、なんかあるよな?』
マイクにそう言われ冷蔵庫を開く。俺のときはうどん作ってくれたな。
「…たまごとうどんがある。あとは豆腐とか…肉とか野菜もちらほらある。くましろが飲むからポカリの粉常備がある」
なら食料は特に買ってかねえからな、とマイクが言う。用意してくれてるのだろう、ガチャガチャ色んな音が聞こえてくる。
一旦切るぞ、と電話を切り言われた通り布団にくましろを運んで氷枕を置いてやる。
「…あつい…」
布団を蹴り飛ばすくましろにブランケットをかけ直す。
「…吐き気とかはあるか?」
「……ちょっと…なんかおなか痛くて…」
あるのか、ただの風邪じゃなさそうだ。くましろにも俺もマスクをつけ、ポカリを作ってやる。
「少し飲んどけ」
「……っぷ、」
起き上がろうとした拍子にトイレに駆け出すくましろ。…あぁ、吐いたな。
「悪い、マイク。経口補水液追加だ、吐いた」
『重症だな…朝イチで病院行くか、行きがてら買おう』
もう着くぜ、とのこと。トイレでぐったりしてるくましろに口だけゆすがせて抱きかかえる。
マイクの車に乗り込み、マイクが声をかけるも返事すら寄越さないくましろ。相当しんどいのだろう。
「吐いたって何食ったんだよ…相澤は平気なんだよな?」
「昨日食欲なくて食ってねえ」
病院につき、歩く気力もないくましろを抱きかかえて診察へ。とりあえずさっき吐いてたからと経口補水液を飲ませ待合室で熱を測ると38.6度。なかなかに高い。
医者もあまりにぐったりするくましろに眉を顰めていたが、個性の反動でダメージ2倍と伝える。あまりに痛がりぐったりしているので念の為とレントゲンまで撮り、また待合室へ。
「くましろ、今後吐きそうなら右手あげろ」
頷くくましろの頭を撫でる。
少し待ち再び診察室へ戻る。レントゲンも何もなく、胃腸風邪だろうと診断が下りる。胃腸風邪…。
腹に菌が入り込んでの症状なので、最悪上からも下からも吐き戻しなどが続くそうで脱水にとにかく気をつけろと忠告される。
「…喉乾いてなくても少しずつ飲め、脱水になったら点滴だぞ」
点滴が嫌な(というか注射)くましろは頷き、補水液を飲む。待合室に戻る途中でまたトイレで吐き戻していたので、何か食うもの…と考えていたが、おかゆかすり潰したバナナくらいしか食えなさそうだな、とマイクと話す。
「しんどそうだなぁ…いやあ体温計もねえとは…お前はしっかりしてると思ってたんだがなァ、相澤…。」
「すまねえな、しっかりしてなくて」
「共倒れにはなるなよ…帰りアルコールと手袋買って帰るか?あと小せえビニール袋とか…」
アルコールはある、と答える。綺麗好きなくましろがよくアルコール塗布して掃除してるのを思い出す。
「体感はどんな感じなんだ、神代?」
マイクがくましろに話しかける。
「…常に…めまい…寒い、気持ち悪い、乗り物酔いのマックスて感じ……」
「座ってるほうが楽か?」
「寝てるほうが…楽…」
とても胃腸風邪とは思えない重症の様子で話すくましろ。
「寝てろ、あと薬もらって帰るだけだ」
足に頭がくるようにくましろを寝かせ、頭を撫でる。
家に帰ってきてからもお前一人じゃ神代が心配だ、とマイクが残ってくれる。
薬とゴリ押しの眠りでいつも治してたし、病人の看護は慣れてないので助かる。
「悪いな、マイク。疲れたろ…こんなに体調崩すの初めてでな」
「あ〜疲れたぜ……病人の介抱って疲れんのな…ダメージ2倍と考えてどこまで力入れていいかいつも以上に気を遣うぜ…
もう4回目だぞ、吐くの。次吐いたら病院で点滴じゃねえか?」
「そうだな…」
何も食べれてねえから吐き出すものがないのに吐いてげっそりしてるくましろを思い出す。
「経口補水液飲んでるっつったってそれ以上にゲロゲロ吐き戻したらな〜、そろそろ脱水危ねえな」
俺らも飯を食おう、とうどんを火にかける。
*くましろ
やっと吐き気・腹痛・胃痛・胸焼けみたいな気持ち悪さ、寝ているのに目眩、強烈な寒気が弱まってきた。
吐くもの吐いて落ち着いてきたんだと思う。
相澤さんは合理的を好むから余計なものに時間や労力を割かない。それはお家も同じで、オレが居候するようになったから色々買い揃えてくれた。
随分前に相澤さんが熱を出したとき氷枕がなくてびっくりしたものだ。必要最低限の家具だけ買い揃えてたから、こういうときに必要な普段は使わないものが意外とあるんだなと痛感したの覚えてる。
こんなに体調崩すのは初めてで、めちゃくちゃ不慣れな相澤さんには迷惑をかけてしまった…。不慣れすぎてゼンマイも途中から来た。主な介抱はゼンマイがやってくれたけど、ゼンマイもどこまでの力加減がオレがしんどくないかを推し量ってくれてたのがすごく伝わってきた。この2日間でありえない回数吐いたので食道が傷ついてないか不安、もう少し落ち着いたら治癒しないとな…。
「くましろ、落ち着いたか?」
「相澤さん…」
布団から右手を出すと相澤さんがぎゅ、と手を握ってくれる。
「あちぃな……熱まだ下がんねえか」
「……でもだいぶ、よくなりました…波が去った感じ…」
「話せてるもんな」
昨日の朝はしんどすぎて話せなかった、医者も驚いてたもんな…。
めまいで常にくらくらするのにウイルスのせいでちゃんと気持ち悪いしお腹もめちゃくちゃ痛いから、考えて話すことができないくらいしんどくて頷いたりするくらいしかできなかった。
「…相澤さんすみません、しんどいでしょ…」
「どう見ても1番しんどいのお前だろ、気遣うな」
「まあヤバかったですけど…ゼンマイとかにも迷惑かけちゃったし…」
「いいよ、甘えてろ」
「……優しい」
相澤さんいつも優しいですね、と付け加えると何か考え込むような表情をする相澤さん。
「くましろにだけ特別な」
ニヤ、と悪い顔して言ってくるもんだから急激に熱上がった感覚がする。
「ヴッ……」
「おい、死ぬなよ」
縁起でもないこと言うなと返す。
「よう、神代〜相澤といちゃつく元気出てきたか?」
ゼンマイが扉からひょこ、と顔だけ覗いてこちらを見てくる。
「ゼンマイ……何か痩せた?」
「お前の介抱思ったより大変でな!正直舐めてたぜ」
ごめんね、と返すと気にすんな!!と食い気味で言われた。
「オイオイ俺のことよりお前だろ、この2日間ゲーゲー吐いて何も食ってねえんだから…さっき相澤とも話したが、明日の登校は様子見だな。
登校できてもヒーロー基礎学は見学措置!」
「えぇ…やだ…」
「死にてえのかお前」
相澤さんに右手の甲をぺし、と叩かれる。
「そーだぜ、保護者の言う事は聞くもんだ。飯も食ってねえし体力落ちてるだろうからな〜
食欲はねーの?」
「うーん……入れられはしそうだけど、お腹は空いてない…ちょっとまだキリキリするし…」
左手でお腹をさする。少し痛みが和らいだ気がした、ここまで来たらたまにお腹痛いときとほぼ同じなところまで戻ってきてるとは思う。
ウイルスのせいで弱ってるから、いきなり何かを食べるのは無理だろうけど…。
「ま、早く元気になれや。お前が元気ねーと相澤も元気ねーから。」
ゼンマイに頭をワシワシ撫でられる。
「嬉しいけどお風呂入ってないから汚いよ…」
「ンなこと気にすんな、汚くねーよアホ!」
「相澤さんの口の悪さうつってる…」
「心外だな」
たまに爆豪くんみたいになってますからね、と相澤さんを見ておく。
最後に吐いてから5時間以上経ったけど、念の為経口補水液飲んでおく。
「……腐った?これこんなまずいんですか?」
「おお!ほんとに体調で味変わるんだなソレ」
「脱水になってる時ほど上手く感じて、健常時に飲むと不味く感じるそうだ
脱水は心配ねえな…最後に吐いて…5時間半か。」
医者にいつでも説明できるように、とノートに書きまとめているらしい相澤さんに愛しか感じない。
「せっかくの土日、すみません…なんとか回復します!」
ゼンマイと相澤さんを見て言うと2人から頭を撫でられる。お風呂入れてないんだから汚いってば…!
(おお…!熱下がりました!)
(あのな、これ世間では微熱っつーんだよ。今日は休み)
(……)
(だめに決まってんだろ、大事をとって休め。1日休んだくらいじゃ平気だ、俺がいるだろ)
(かっこよ……相澤さんも休み?)
(帰ってくる前にぶり返しても困るからな…)
(……なんかすみません…ズル休みさせてる気分です)
(いい、気にすんな。最近マスコミ対応とかでバタついてたし良い機会だ、お前も羽伸ばしきって治せ)
(……怪しまれませんかね、2人休んで)
(別にバレたところで問題ない、根津さんから許可貰ってんだから。お前の入試も不正はない、俺は採点に関わってないしお前が合格者の一覧に載ってから名前を明かしたんだ。
ヒーロー基礎学の成績もオールマイトたちの意見も加味してる)
(……好き…)
(不安はそれだけか?)