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15 香りの先
「…くましろ、なんか匂い変えたか?」
猫がまっさきに匂いを嗅いでくるようにオレの首元に顔を寄せる相澤さん。昨日雑貨屋さんで見つけたボディスプレーがドンピシャでいい匂いで買って今日つけてみたら、即バレた。
「……ちょっと恥ずかしいんですが…そんなに嗅がれると…」
「甘い匂いがするんでな」
「いつものやつよりこっちのほうがいいですか?」
「……お前、好きな方を好きなようにつけろよ」
俺のいいって言った方にするつもりだろ、と睨まれる。だってどうせなら多くの人にこっちの匂いのほうが好きって思われたほうがいいじゃん!いい匂いだけど好きじゃないな〜って思われてるよりかは…嫌いな匂いかもしれないし…。
「クサいかな…」
「クサくねえ。珍しいと思って聞いただけだよ」
なら良かった、と胸を撫で下ろす。
バニラとかみたいなThe!甘い匂い!は少し苦手だ。ほんのり香る程度ならいいけど、匂い自体にインパクトがあって香りも残りやすいからしつこく感じてしまう。
柑橘系はインパクト大だけど、すっとすぐ消えるからしつこくなくて大好き。そこに木の質感が入るウッド系のものをいつもはコロンで使用している。パルファンじゃない理由は重たくないから。コロンくらい軽めだと、匂いも残りにくくてつけやすい。
最近はたいととやつきに水溶性のいい香りのするフランス製の体や髪につけれるオイルをもらった。アルコール性じゃないからツン、とした強さがなくてとても大事にちびちび使ってる。
「くましろ、香水とかそういうの好きだよな」
スカスカだった洗面台はオレのコロンや貰ったオイルが複数並ぶようになった。
「女の子の化粧みたいな…?気合入るんすよね、気分あがるし」
フゥン、と相澤さんが横目で見てくる。
「相澤さんにはこれつけてほしいです、ウッド系の香りにスパイスみたいな辛めの匂いが入ってて爽やかでかっこいい匂い」
少しなら、と手首を出されるのでシュ、とつける。
「手首同士は擦っちゃダメですよ、そのままポンポンって首とかにつける感じで…」
アルコール性だから擦ると気化して香りが変わってしまう。体温で気化してその人自身の香りと混ざりあって変化してくのが香水のいいところだ。
「わ……相澤さんが香水つけるとかかっこよすぎて無理…オトナすぎ…今日は外出ちゃダメです!モテちゃう…」
「お前のだろ」
香水つけたくらいでモテねえよ、と笑われる。元のポテンシャルの高さを忘れてるな…?
相澤さんの隣に座ると、フワッといい香りがする。ネロリの花がメインの少し甘めの匂いオレとは対照的に、ウッドとスパイシーなキリッとした香り。
「かっこよ……今度相澤さんイメージした香水プレゼントさせてください無理…」
「そんなつけねえと思うが…。まあいいよ、いい香りだなコレ」
でしょう!と答える。
「ガツンと強い香りなのであんまり日常的につけないんですけど、いいですよね。ちょっと落ち着ける匂いで…相澤さんにピッタリです、どこの香水ブランドにしようかな〜」
「奮発してバカ高ェの買ったりすんなよ」
「…」
ハイブランドの…とか想像してたオレの思考はばっちり相澤さんにバレてたみたいで。釘を刺される。
「そういうのは大人になってからでいい。…予算3000までだ」
「だめ!5000!!」
「これ以上は増やさんぞ、すぐその場で値段調べてやるからな」
「そんなぁ…」
「お前、普段から何買うにしても自分は一番安いのでいいとか俺に散々言っといてよく言うな…貰う側もそういうの気にすんだよ、特に子どもからだと」
「こういうときだけ子ども扱いして…!」
「法律的に見たってどうしても未成年の子どもだろうが」
クソー!!とジタバタすると苦情はいるからやめろ、と怒られた。両手を掴まれたときにふわっといい匂いがする。
「ふふ…いい匂い…」
「そうか」
「よくあるパルファン…1番匂い持ちがいいやつより、コロンとかの方がいいですよね?」
相澤さんがあぐらかいてる上に座り、もたれかかる。めっちゃいい匂いする…顔をグリグリ押し付けて匂い嗅ぐ。
「人にはあんま嗅ぐなっつっといてお前……。あぁ、あんまり濃いと酔う」
「だっていつも相澤さん香水とかつけないからなんか新鮮で……
じゃあロールタイプとかボディミストみたいな方がいいかな…3000円…ん〜あるかな…」
あるだろ、と返ってくる。
(見つけました!はい!これ!)
(…ロールタイプか。匂いは?)
(ふふん、嗅いでみてください)
(…随分シャキッとした匂いだな、なんの香りだ?)
(ライムとかバジルとかグリーンな感じなものがメインです…!相談せずに買っちゃったのでアレですが…好きな香りですか?)
(…いい匂いだな。明日からつけるよ)
(!)
(おい、感激しすぎて廊下で固まるな)
(うれじい……)
(んで、予算内?)
(…すこし超えました…)
(すこし?)
(……4700円…)
(……はあ〜…妥協できねえのか)
(しません!!!相澤さんへのプレゼント品ですよ!?)
(分かったから騒ぐな…まあありがとう、大事に使うよ。今度からは予算内に収めろよ)