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10 猫
プラン、と宙に浮く感覚で目を覚ます。体にうまく力が入らない。
「……どこから入った…?」
相澤さんの声がする。目を開けると相澤さん不思議そうにオレを見上げてる。
ん?見上げている…?手を見るとオレを持ち上げているようだ。
「ニャン」
何してるんですか?と言おうと発した言葉は猫の声になって出てきた。え!?下を見ると、もふもふの毛と手足、下がった尻尾まで見える。
猫…!?猫になった!?
優しくベッドに降ろされる。オレが寝る前に着ていたパジャマだけが抜け殻のようにある。
「スマホも置きっぱなし、家の中にいない、靴もある…。
お前もしかして、くましろか?」
頷く仕草をしたつもりが瞬きに。体がうまく操れない。肯定の意味を込めてハイ、…まあ、実際はニャンだったけど返事をする。
「なんで猫になってんだよ…くましろならこっちおいで」
ぽふぽふ、と相澤さんのお腹の前あたりのベッドを軽く叩く相澤さんの言う通りそこに行っておすわりしておく。
「ニャン」
「ロシアンブルーか……お前らしいな」
頭と顎下を撫でてくれる手がめちゃくちゃ気持ちいい。優しめのマッサージみたいな気持ちよさでどういう仕組みかは分からないけどゴロゴロ大きく喉が鳴る。
何かを考え込んでしまった相澤さんの手に頭を押し付ける。もっとなでてほしい。いつものときだってそんなに撫でてくれないんだから。
貴方が大好きな猫に事故とはいえなっちゃったんだから、こちらの心ゆくまで撫でてほしい。猫だからこのくらいのワガママまかり通る気がする。
「変わらず甘えたなのな」
「ゥナン」
「なんだその鳴き声…」
笑ってる。相澤さんに背を向けるように座る。背中にあったかいのがあるの、落ち着くんだよねえ。
「くましろ、腹減ったか?」
ニャン、はハイのときにした返事だから、違うほうがいいよなあ。長めで鳴いたら違いわかりやすいかな?
「ナァァン」
「ふ、どっちだよ…今日職員会議あんだ、待ってられるか?」
嫌だ、と爪たててしがみつく。拒否と受け取ってくれるだろうか?
「いて、爪立てんなよ……捕縛武器の中で大人しくできるか?」
「ニャン」
「よし、静かにしてろよ」
わーい!顔を洗って服を着替えた相澤さんの肩に恐る恐る乗る。わ、意外とバランス取りにくい。
「少し寒いからちょうどいいな…苦しくないか?」
「ニャ!」
ご機嫌だな、と頭を撫でられる。今はマフラーみたいに相澤さんの右肩に上半身、首の後ろにぴったりお腹をつけて下半身は左肩にある。相澤さんもあったかいみたいで機嫌がいい。
「マイクの声いつもよりうるさく感じるだろうから、個性使えるなら試せ。無理ならオレに知らせろ」
返事する。
歩く振動で眠くなってくる。…え、ていうか外にいるときにこの個性事故解けたらオレ…人間としての尊厳を失うのでは…?ていうか逮捕で前科では??
雄英着いたら個性使えるか即刻確かめないと…。
雄英ついたときに相澤さんのデスクの時計を2秒止めたら成功した。もし戻っても全部止めればなんとかなる。よかった〜。
「相澤ぁ、また猫拾ってきたのかァ?尻尾漏れ出てンぞ」
ゼンマイだ。尻尾が隙間から出ていたみたいで、即刻バレた。
「野良猫ではねェぞ」
「…?野良猫に餌はやってても、猫は正式に飼ってなかったよな?」
すごく不思議そうな声がよく聞こえる。耳が勝手にいろんな方向に動いて色々聞こえてくるから面白い。すごいな〜。
「あぁ、でもオレにはペットいるだろ?1年くらい前から」
「え、神代!?」
「出ていいぞ」
許可をもらったので上半身を起こし、相澤さんの捕縛武器から顔を出す。バランス取るのが難しい。
「ニャア!」
「…まじかよ…変身できるようになったのか?それとも事故か?」
「できるようになったら真っ先に見せてくると思うから、おそらく事故だろう」
失礼だな…でも人から猫に変身できるの、オレの個性内容とは関係ないからできたら素直にすごいと思うんだけど…。
「随分可愛いのなあ…これは?なんつー猫?」
「ロシアンブルー。猫の中でも犬っぽい性格だ。」
そうなんだ。
「目の色違くてキレーだなぁ…ヘイ神代、調子は?」
「ヌァ!」
「どういう鳴き声だよ」
分かんない、気持ちで声だしたら鳴き方が変わるから…。
相澤さんの顎にスリスリする。毛がモフモフな分、相澤さんのヒゲがダイレクトに伝わってこないから全然痛くない。
「猫になっても相澤好きは変わんねェのな…、あ、神代じっとしてろよ〜」
「ニャーン」
「カメラ?」
「滅多にねェだろうからな…こっち見ろ〜」
カメラのレンズが生き物の目みたいで…例えるなら大きい蜘蛛の複眼にじっと見られてる気分でうまくレンズが見れない。早く撮って、と念を送ったらやっと撮ってくれた。
「いい感じだぞ〜、どうだ?神代」
ほら、と画面を見せられる。おお、いい感じだ。相澤さんが少しやさしい顔してるし、オレ今こんな状態なんだ。
毛艶のいい猫だ。ゼンマイの言う通り左が黄色の目で、右は青みのある緑だ。
「ニャア!」
「おー元気だな…すげー!モフモフ!」
ゼンマイにも頭を撫でられる。ツボみたいで気持ちいい〜。
ミッドナイトやセメントス先生、オールマイトにも撫で回され、根津さんとは会話ができてすごい助かった。
猫カフェの猫ってこんな気分なんだろうな…動物カフェ反対する人の気持ちがよくわかった、これは過酷だ…。
カメラのレンズってわかっててもなんか怖いって根津さんに言ったのにミッドナイトはもうすごい勢いでカメラ近づけてくるから怖かったし、いろんな人に撫でくりまわされるの意外と疲れるんだなっていう貴重な経験をした。
(……)
(ぐったりだな、くましろ。疲れたろ)
(ナァ…)
(撫でてやる、膝の上おいで)
(ニャ)
(すー…匂いまで猫だな)
(ナ)
(手で押しやるな、背中くらい吸わせろ)
(ンナァ〜〜)
(減るもんじゃねえだろう、肉球くらい我慢しろ)