MHA2
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19 あまえんぼ
*相澤消太
「ただいま……」
玄関開けて真っ暗な日々が続いていた。テレビじゃあ見ねえ日はないし、連絡もめちゃくちゃマメ。帰ってこれない日は通話というくましろからの申し出により声も聞いているからなんというか……1ヶ月帰ってきてないという事実が理解しがたい。
帰ってきてない、じゃねえか。帰ってこれてないが近い。スマホを見ると3時間前にくましろから連絡が来てる。
『深刻な消太さん不足すぎて現場でイヤイヤしてたらジーニストさんに帰れって怒られました』
何やってんだあいつは。思わずため息と同時に口角が上がる。脳内でひっくり返って駄々こねるくましろが簡単に想像できてしまう。でもまぁ……1ヶ月か。そろそろ俺もくましろを抱きしめたい。
『早く帰ってきて』
そう返信してテレビをつける。お、丁度くましろがインタビューされてる。部屋の電気をつけて少し音量を上げる。
『ブハッッッ!!!!!』
『Neutral、だ、大丈夫ですかっ?!?!』
思い切り水を吹き出し噎せたくましろに若干アナウンサーは引き気味ながらも心配してる。何やってんだ、そそっかしい。
『…………今日、帰ります!!!もうおれ疲れた!!ジーニストさん、さよなら!』
『待ちなさい』
スマホを見て耳まで赤くなりながらそうまくし立てたくましろの首根っこを掴むジーニストさんにまた菓子折り買わなきゃならん。なんだ、さよなら!って。幼稚園児かよ。警察との事務手続きやらなんやらがあるからすぐには帰れない。そんなの俺だって分かってる。
『離してください!!おれのフィアンセが!!!帰ってきてって!!!』
『まだ警察とのやり取りもあるし、インタビュー中だろう……今日は直帰しなさい』
『………はぁい…』
声ちっさ。
『ふふふ、イレイザーヘッドからラブコールですか?』
『はい!!!』
声でっか………。分かりやすすぎるだろ。気を利かせたアナウンサーがインタビューを短くしてくれたおかげ?でジーニストさんが最後代わりに答えていてくれたが、あいつ警察の方々に迷惑かけてないだろうか。
そのニュースから30分しないうちに忙しなく玄関があき、鍵を占めて鍵を置いてどたばた走り寄ってくる音がする。相変わらずうるさい……。
「消太さん!ただいま……!」
「遅え」
「ゔ〜〜〜ごめんなさい世界一可愛い無理好き大好き……」
「一個にしろ」
流れるように色々言ってきたくましろが手を洗ったのちに飛び込んで来るので受け止める。おお、痩せてはねえな。上出来上出来。
「ジーニストさんに迷惑かけるな」
「早く帰りたかったんですもん」
「だからって現場でイヤイヤするな……どこ行くんだよ」
立ち上がろうとしたくましろのヒーロースーツを引っ張り膝の上に乗せ直す。
「え、あ、お風呂……」
「あとでいいだろ」
くましろの背中に腕を回して首筋に顔を埋める。1ヶ月も留守にしやがって……まあ今回は怪我なく終えたからいいか。
「ねえ」
「?」
「甘やかして」
「ぐ、ぅ………しぬ……」
「死ぬなよ」
「だって……だって消太さんごんなに゛もがわいい゛……」
「落ち着け」
何泣きなんだよそれは。肩をぽんぽん叩いて座ってるくましろを見上げる。クマは……出来てない。俺の言いつけをきちんと守ってるな。むしろ今は俺のほうが眠れてない日が多かった。
「ふふ……消太さん、ぎゅっ」
視界がくましろで覆い尽くされる。こいつ本当に…体温が高い。ちょうど胸のあたりに頭があるから心音がよく聞こえる。
「消太さん、今日もお疲れ様でした…出久くんからここ最近ドタバタしてたって聞いてます……眠れてないんじゃないんですか?」
「あぁ……徹夜しないようにはしたが…」
「眠そうですもんね……ふふ、可愛い」
ちゅ、ちゅとリップ音が聞こえてくる。頬やおでこが擽ったい。目を閉じてされるがままになっていると耳を甘噛みされ肩が跳ねる。
「お、い」
「しーっ……じっとしてください」
くましろの声が脳内に響く。言われるがままじっとしていると耳をかぷかぷ甘噛みされる。くそ……こいつ煽ってんのか?そのまま首筋に移動してきた。
「……っ、くましろ…」
「ん、ふふ……こっちですか?」
首筋にちくりと痛みが来たあとに微笑むくましろと視線がかち合う。……ツラがいいやつっつうのは本当に、いつでも絵になるモンだな……くましろに言えば俺もだなんだとギャーギャー騒ぐんだろうが。
美形なくましろの表情はいつだって綺麗だ。その目が俺に向けて欲を抱えてるとより一層、絵画みたく思える。
「っふ…ぅ…んむ、しょ、消太さ…っ?!」
「もっと」
離れかけたくましろの後頭部を引き寄せて強請る。舌を絡ませていればくましろの体から力が抜けてくる。
「……あまえんぼ」
「悪いか?……散々煽ってくれたな」
「えぇ!?!リクエスト通り甘やかしたのに……」
「人に痕つけといてよく言う」
くましろの首筋に吸い付いていくと肩を震わせて感じてる。痕をつけて、吸って舐めて。首から肩、胸を真っ赤にした頃くましろはタコみたくぐでんぐでんになった。二人で風呂に入ってイチャついて、しこたま抱いた。煽ってきたのはくましろだから仕方ない。
「ゔ………体重い…」
「そりゃ悪かったな」
「信じらんない……なんで元気そうなんですか?」
「そりゃ射精すもん射精してすっきりしたからな」
「…………下品!すけべ!」
「今日はお前から誘ってきたんだろうが」
真っ赤な顔でいろいろ言うくましろにそう返せば、言い返せないのか口をモゴモゴさせてる。気絶させてないだけ加減した方だし、そもそもそういう流れに持っていったのはくましろだ。
………ま、ここだけの話…そういう流れにならなかったら俺がそう差し向ける予定だったけど。手間が省け手何よりだし、奥手なくましろから誘われてノらない訳がない。くましろからしたら勝ち戦だな。
「おらお前のフィアンセは寂しかったんだからもっと甘やかせ」
「ぐぅ……かわいい!!!」
がば!っと勢いよく抱きしめられた。くましろも元気じゃねえか。その日はくましろの体温があるせいかよく眠れた。
*神代くましろ
ムリムリムリムリかわいすぎ。甘やかせ!とくっついてきた消太さんは珍しくおれより先に寝落ちた。クマはできてないけど…あんまり寝れてないって言ってたし、やっぱり疲れてたんだろう。
顔良………まつ毛なが……寝息かわいい……何この生命体…この世のありとあらゆる可愛いを掻き集めて出来てんの…??いや、顔良………
「ふふ」
こうやって寝落ちた消太さんは出動要請のアラームとかおれが痛みに魘されるとか、そういう緊急を要する場合じゃないと起きない。好きなだけほっぺにちゅーしても起きないし頭を優しく撫でたらすこし表情がやわらぐ。
可愛すぎない????????マジで何?????顔が良いんだよマジでさっきっからさぁ…彫刻でも始めようかな。
消太さんが万が一でも風邪を引かないように布団を肩まで上げて抱きついてからスマホをタップする。おれの方向いて抱きついてきてるから画面の明るさが顔にかかることはない。……あ、轟くんから連絡きてる。
SNSを見れば『Neutral直帰』がトレンドワードになってた。時間の確認したくてスマホ開いて、あまりに可愛いLINEきてたから思い切り飲んでた水吹き出したところも皆にウケるウケるって笑われてる。まあ確かに……おれもテレビ見てヒーローインタビューされてたヒーローが思い切り水吹き出したら笑うわ。
『おれのフィアンセが!って嬉しそうなくましろくん見てオタクも嬉しくなる』
『帰ってきてって連絡しあってるの可愛い』
ふふん。そうだろうそうだろう。イレイザーヘッドは銀河一カッコよくて宇宙一かわいいんだ。
『銀河一カッコよくて宇宙一かわいいイレイザーヘッド』
最近飯田くんのお兄ちゃんからもらった手作りの黒猫のあみぐるみの写真も添える。イレイザーヘッドイメージの黒猫で、黄色いゴーグルと捕縛武器をかけてる黒猫。手のひらにちょこんと乗るサイズで、いつもカバンにつけてる。ちょーーーーーかわいい。もしくたくたになったら2代目作って欲しいと連絡してあるくらい気に入ってるしイレイザーヘッドの公式グッズになってほしいくらい可愛い。
「ん……くましろ、ねないの…?」
「きゃわ………」
寝起きでぽやぽやの消太さんに見上げられてもう意識ない。心臓が限界を迎えている。
「…目が悪くなるだろ、寝ろ」
「ふふ、はぁい」
ぎゅうぎゅうに抱きしめてたら苦しいって怒られた。
(夜中に何呟いてんだバカ)
(だって……消太さんが可愛いのが悪い)
(はいはい…このぬいぐるみは?)
(飯田くんのお兄ちゃんからもらったんですよ!ぬいものハマったらしいです)
(器用なのな……)
(あげません)
(俺を模したぬいぐるみは別にいらん)
(おれのは?)
(……美人な白猫か?)
(え、おれ消太さんの中で美人な白猫認定なの?!)
(やっぱり却下。うるさい犬だ)
(ふふん)
(ドヤ顔すんな)
(呟いちゃお)
(やめろ……くましろ)
(?)
(俺に構えよ…………おい、おい。フリーズすんな)
大好きな大好きな相澤消太に対して処理速度が2Gくらいになるくましろちゃんあるある。