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16 争奪戦
※捏造の相澤家の家族が出てきます。ひどい捏造。というか希望
*神代くましろ
「エッ!??!お義母さん、おれのグッズなんてつけてくれてましたっけ?」
「ふふ、いいでしょ〜?」
いや、おれはおれのグッズはつけないけど。久しぶりに消太さんのご実家にお邪魔している。結婚して数年経ってようやく、ようやく緊張せずにお茶を飲めるようになってきた。最初のご挨拶の時は立派な玄関の上がり框に脛から突っこんで蹲ったあと、足引っ掛けて盛大に転んだ。玄関だけで20分は滞在してたと思う……消太さんは確か仰け反って大笑いしてた。
次に、ようやく上がってまあお茶でも……って案内された部屋で緊張によるど忘れで正座の仕方を忘れてどう座ればいいか、どう足畳むんだっけ??!!?とパニックになって思いっきり足を捻った。特例で座椅子が出されたのは覚えてる。もうお義母さんは玄関で転んだときは心配してくれてたけど、お土産を震えながら渡したあたりから消太さんと一緒に笑ってたと思う。
そういう紆余曲折を経て、ようやく話すときに冗談も言えるようになった。お義父さんも未だにおれが転んで足を捻ったことをほじくり返して来る。
「消太がねえ、くれたのよ。被ったからやるって」
「え??!??!消太さん、おれのグッズ買ってるの??!初耳なんですけど」
「母さん、面倒だから言うなって釘刺しただろ……」
もごもご喋る消太さんの頭ごと抱きしめて黙らせる。窒息するだろと手を握られたけど無視無視。お義母さんに尋問が先。
「いいじゃない、どうせそのうち部屋に入り切らなくてバレるだろうし」
「お、収まりきらないほど……??!?!?なんで黙ってたんですか」
「そうやって大騒ぎするから」
「ひどい!!!!嘘つきは離婚の始まりってお義母さん言ってた!!!」
「嘘じゃねえし違ぇよ……買ってること隠してただけだろ。また足捻るから座れ」
どすん、と消太さんの隣に密着して両手を差し出す。
「なに?」
「どんなグッズ買ってるの」
「見せるわけねえだろ」
「なんで???!?!本人なのに」
「お前『本人がいるのにグッズ買うなんて浮気だ!』とかいじけるだろ。自分は買ってるくせに」
「需要と供給考えてくれません?消太さんのグッズなんてレアレアすぎて買う他ないんですよ」
「はいはい、ラブラブなのはいいから……こんな感じよ、くましろくん」
「母さん」
「え、すごいこんな……アクスタとか買うんだ、消太さん……意外かも」
手始めに、って感じで机に乗せられたグッズはたとえばちっこいぬいぐるみとか、アクスタ、写真、キーホルダー、お菓子。
「おおお……ふふ、こんなに買ってくれてるんだ」
「店舗まで行って買ってるのよ、合理的に〜とか言って」
「母さん、マジで黙れ」
「え〜!!!!幸せ………」
「溶けるなお前も……」
わざわざ混み合うポップアップショップへ赴いて買ってくれてるんだ、これ全部……。愛がないとできないし消太さんは並んで何か買うなんてよっぽどじゃない限りしない性格だと思う。その『よっぽど』に入ってるのが何より嬉しい。
「じゃあお義母さん、消太さんのレアグッズもつけます?」
「いいの?並べて飾ろうかと思ってたの」
「オレの分もくれよ、くましろくん。ぬいぐるみある?」
お義父さんまで参戦してきた。お義父さんも当たり前にぬいぐるみ持ってた。まじかよ……めちゃくちゃ布教されてるじゃん。
「も〜ほんと、こんな可愛い子家族に迎えるってなっただけでひっくり返りそうだったのに、モノを集めるなんてことしない消太が大量にくましろくんのグッズ持って帰ってくるんだもん……人が変わったってこういうことね」
「……あ、かわいい、照れてる……いだだだだ痛い痛い」
黙り込んで照れてる消太さんにツン、とほっぺを指で突いたら引きちぎれるんじゃないかと思うくらい頬を伸ばされた。ピザの生地じゃないんですけど。加減を考えてほしい。
「お前、俺の実家出禁な」
「多数決で。賛成の人…はい、いません。よって否決です」
「クソが……‥父さんも嬉々としてグッズ出すなよ」
強く言えない消太さん可愛い。アルバムを譲ってくださいと交渉しているが、アルバムだけは絶対に譲るなと家訓にされたそうで、まだ見たこともない。消太さんの赤ちゃん時代とか見たいのにな〜。
「そういえばくましろくん、何か食べる?さっきおいなりさん作ったんだ」
おれの大好物。お義母さんの作った煮物、惣菜みたいな「お手本」の味がして3回おかわりしてからお家に行くと伝えてから伺うといつも何か作ってくれるようになった。
「いいんですか?消太さん、どっちが多く食べられるか競争しましょ」
「吐き戻す気か?」
「もう汚い……」
「全部食うフードファイター思考をやめろってんだよ、食いきれなかったら持って帰りゃいいだろ」
痛い。こめかみをツンツン遠慮ない力で突かれてる。お皿を出したりして手伝って、想定より倍多いおいなりさんが大皿に出てくる。おれが3人くらいいて食べ切れるのでは?って量。ありがたく美味しく頂いて、食べきれなかった分はタッパーに入れてたんまり持って帰る。そうするとお義父さんが味噌とか梅干しも好きだろ、持ってけ。とか、これこの間近所の人からおすすめされたんだと色々積み上がって行く。
「父さん、俺もくましろもこんな食いきれねえよ……初孫のテンションで与えるのやめろって言ってるだろ」
「何渡しても喜んでくれるからつい……くましろくん、せんべいは?」
「母さん」
「ドーナツもあるよ」
「父さん!!!」
消太さんをもってしてもツッコミが追いついてない。なかなか見れないけど、ここに来ると見れる現象を目に焼き付ける。消太さん、ひとりっ子で大事に大事に育てられたんだろう。そんな中、結婚相手はおれ。結婚相手より弟感のほうが強いと初対面で言われたとおり、近所の小さい子みたいな扱いを受ける。帰り際のあれ持ってけこれ持ってけ、がその1つ。
「ふふ、日持ちするやつだけいただきます。不定期な仕事だから」
「思い切って今シーズンお休みにしちゃえば?」
「えぇ…ただでさえ休みすぎって言われてる方なのに」
もっと遊びに来てよ〜ってお土産積み上げてくお義母さんについつい笑う。
*相澤消太
俺の実家に寄ると連絡せずに一度くましろをふらっと連れてきたことがある。なんにも用意してないのに!と母さんにはキレられ、手土産にと父さんは近所のスーパーへ車を走らせた。
くましろと結婚すると顔合わせをする前に軽くくましろの家庭環境を話しておいた。最初はあの神代さんの…?!と怪訝な顔をしていた二人も、神代さんから毒素を抜き取り天然と優しさと人懐っこさを倍にしたようなくましろを見て猫っ可愛がりしてる。俺が強めに制止しないとくましろが病気になるまで食わせかねない。
「良かったな、梅干し食いてえって昨日話してただろ」
梅干しのタッパーをそんなに愛おしそうに抱きしめるのはこの世でお前だけだろう。こんなに喜んでくれるなら、とついつい与えてしまう母さんたちの気持ちは理解してる。理解してるが、与えすぎだ。
「市販とかお取り寄せの梅干しよりよっっっぽどお義母さんの梅干しのほうが美味しいですからね」
「それ絶対母さんの前で言うなよ、梅干し屋開業する勢いで作るだろうから」
車にたんまりと荷物をつめこみくましろを助手席に乗せる。自分が運転する!とブーブー文句言ってたが、さっきのいなりの詰め込み様だと帰りは爆睡だろう。潔癖で知らない人の手作りが苦手なくましろは親族や仲のいい関係のやつなら手作りでも食べられる。いなりはどうか?と少し不安だったがはじめの一個を二口でほぼ飲み込んだ様子を見て安心したとともに、噛んで食えと脇腹をチョップした。
車を走らせて20分、想定通り爆睡したくましろを横目で見やる。コンビニに寄ったところで母さんから着信がきた。
「もしもし?」
『もう家ついた?』
「まだ。いまコンビニ……母さん、くましろに食わせすぎ。子供みたいに寝てるよ今」
『ええ?だって美味しい美味しいってすごい食べる子なんだもん…作りたくなっちゃうじゃない』
「太ったりしたら泣きながら減量するのくましろなんだからな……あ、でも梅干しはほんとに喜んでたよ。抱きしめて寝てる」
『えぇ?!渋いわねえ、梅干しがいいの?』
「梅干しとか海苔好きなんだよ」
『来年から倍量漬けようかしら』
ほら、すぐ増やそうとする。
「十分足りてるから……食いきれなくて捨てるほうがストレスになるから抑えて」
くましろが意図せず家を空ける期間が長引いた際、なんだったかアレは……なんかの煮物?にカビが生えてしまっていてカビの部分さえ取り除ければ食べられるのでは?とレンジに入れようとするくましろにガチで体壊すからやめろ、と説得したのは記憶に新しい。結局作ってもらったのに…と泣きながら生ゴミとして捨てる他なかった。
家について手土産を冷蔵庫なりなんなりにしまって、すぐくましろは梅干しを叩いたキュウリと合わせてぽりぽり食ってる。
「うま!」
「美味しいだろ……胃とか痛くねぇか?あんな食い方して」
「パンパンですが平気です」
(少し胃休めろ、没収)
(あ、横取り!)
(一口くらい俺にも食わせろ)
(しょうがないですね)
(なんで上からなんだよ)
(横取りされたのでつい……ふふ、消太さんおれのグッズカバンとかにつけてくださいよ〜)
(やだ)
(なんで!!!推しでしょ!!)
(推しじゃねえ、結婚相手だ)
(ぐっ……)
(ウン万で転売されてるお前のグッズをわざわざつけて見せびらかさなくてもな……揃いの名字と指輪あるし)
(な…急におれでドヤらないでくださいよ…!!)
(ふは、顔赤ぇな……照れちゃった?)
(意地が悪い……お義母さんに言いますから)
(どうぞ、事実しか言ってねえからな……ふ、首まで赤いのな)
さすがにくましろちゃそほどグッズ買い集めてないけど、そこそこグッズ買い占めてる相澤さんいたら萌える。しかもこっそり集めてて、ダブったりしたら両親や親族にあげてるせいで集めてることをバラされたりしたら……と思い書きました。
相澤さんは大人しいタイプの子供だけど、お母さんお父さんは意外に茶目っ気あるタイプだとかわいいな……!