MHA2
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
15 従兄弟攻撃
*相澤消太
だ、誰だ…?玄関を開けて固まる俺、そして向かいの子ども。あちらもきょとんとしてる。家を間違えたか…?ドア横の表札を確認すると相澤の文字。くましろが綺麗に書いてくれたやつだ。
「……おじさん、誰?」
「え、と…家主の相澤だ。君は?」
「……ふぅん???くましろくーーーん!!」
俺の名前を確認した途端、じろりと上から下まで舐めるように見られたかと思えば腕を組んで振り返り、随分大きな声でくましろを呼ぶ。
「はぁい……あ!消太さん、おかえりなさい!」
「あ、あぁ……?知り合いか?」
「従兄弟です!はーちゃん、自己紹介したの?」
「……木下なるは」
どう見てもこちらを睨みつけてるようにしか見えないその子に頭を下げる。まあ……小さい子ウケするかと言われりゃ、ノーだ。くましろの足にしがみついて離れない様子から怖がらせちまったのかもしれん。
「母さんの妹のとこの子なんです、今日から二人で旅行らしくて……預け先の都合がつかなくて俺のとこに……2泊3日の旅行なので、明後日お迎えです」
「なるほどな」
「ねえ、くましろくん」
「なぁに?」
「ほんとにこのおじさんのこと好きなの?」
「え?うん」
「やだ〜!!!!くましろくんははーちゃんと結婚するの!!!!」
「無理無理、おれ消太さんのこと大好きだもん」
泣き叫ぶなるはちゃんを慣れたように抱き上げながらくましろが廊下を歩いていく。近所迷惑になりかねん……ドアを締めて靴を脱いで上がる。通りで敵視されてるわけだ……。
「信じられない!はーちゃんのほうが可愛いもん!!!」
「はーちゃんはそりゃ可愛いけど、消太さんも可愛いよ」
「可愛くない!おじさんじゃん!」
「はーちゃん、おれもいつかおじさんになるからね」
「くましろくんはおじさんになっても可愛いもん!」
どんなおじさんだよそれ……まあ確かにくましろは顔が可愛らしいタイプだし中性的だからあり得るけども。手を洗ってうがいをしてリビングに戻れば、芸能人のマネージャーばりにひっついてディフェンスしてるなるはちゃんに近寄るな!と睨まれる。
「近寄らないで!」
「コラ、なんてこと言うの。はーちゃんの親戚なんだよ、消太さん」
「はーちゃん認めてないもん」
「熱烈だな」
「消太さん、なんか面白がってますね?」
「あぁ……なるはちゃん、くましろのこと大好きなんだな」
そう投げかけると当たり前でしょ!!とキレられた。反応がくましろそっくりだ、可愛く見えてくる。
「触るの禁止!!」
「や〜だ、消太さんおれの旦那さんだもん」
「くましろくんははーちゃんのなの!!」
「いくつなんだっけか?」
「おじさんには教えない」
おお、ツンケンしてる。最初に出会った頃のくましろみたいだな。今や懐かしい。
「たしか…今7歳くらいだったかな…小学2年生ですよ」
小学2年生……なるほど、女の子なら少しおませな子なのも納得がいく。結婚だのなんだのそういうの意識する子が多いからね。
ず〜っと敵視されてくましろに近づくことさえままならないまま夜に。今日明日はくましろもオフのため、俺用となるはちゃん用のご飯をわざわざ作ってくれたようだ。オムライスにかぼちゃのスープか、好みまで似てるのな。
「わ〜!すごい、くましろくん!ママのオムライスより上手!」
「叔母さんのご飯も美味しいでしょ、そういうこと言わないの……猫がいい?」
「わんちゃんがいい」
「はいよ……ほい」
絵の上手いくましろがサラサラとケチャップで犬の絵を描けば両手を上げて大喜びしてる。個性事故でくましろが小さい頃に戻ってしまったときを思い出す。あの時もくましろはマイクの手作りのご飯なんかにいちいち喜んでたな。
「俺のまで悪いな」
「2週間ぶりですからね、むしろおれのご飯の味忘れてません?」
「たんまり作り置きしていって何を言ってんだ……忘れるわけ無いだろ」
カップラーメンなんぞ食おうもんなら大泣きするくせに。スーパーの惣菜も苦虫を噛み潰したような顔で渋々食べるのを許可されてる。俺が食う飯は色か、ランチクック、マイク以外の手作りは嫌らしい。そんでもってゼリーも嫌だと。
相変わらず美味いくましろの飯を食ってるとなるはちゃんが俺にブロッコリーを渡してくる。
「嫌いなの?」
「なんかもそもそしてるんだもん」
「へえ、くましろが作ってくれたモンなのに残すの?じゃあ俺が食べちまうね」
そう意地悪く言うと俺の更に寄越してたブロッコリーを小さいフォークで全部刺して一口で頬張った。まさか一口でいくとは思わなかったからちょっと焦る。
「ちょ、はーちゃん……無理はしないでよ?大丈夫?……消太さん」
「悪い、全部いくとは思わなかった……かぼちゃスープのむか?」
差し出すと少し涙目のなるはちゃんがスープを受け取る。ゆっくり咀嚼してなんとか飲み干したようだ。
「偉いな、くましろは未だにトマト食わねえぞ」
「ケチャップで補ってますもん」
「ほらな」
「はーちゃん偉い?」
「偉い!消太さんだってしいたけ綺麗に避けるくせに」
「気のせいだな……水おかわりいるか?」
「いる」
やっと普通に話すようになってくれた。長かった……。まだ睨まれてはいるが、受け答えできるだけでまあ満点だろう。くましろと一緒に風呂に入り、くましろと寝る!と聞かないなるはちゃんを見送り、Vの確認など持ち帰りの作業を行う。くましろも疲れてるだろうしなるはちゃんと一緒に眠るだろうと予測していた通り、1時間経ってもくましろの部屋から出てこなかった。
ペチペチ、とくましろより軽い足音が聞こえてくる。トイレだろうか?くましろは爆睡してるのか、と思いながらパソコンでVを見ていると、声がかかる。
「しょーた、くましろくんが……」
「ん、どうした?」
「くましろくんが、なんか喋ってる」
魘されてんのか……なるはちゃんに手を引かれ、くましろの部屋に入ると確かに汗ぐっしょりでくましろが魘されてる。
「くましろ、くましろ」
「ぅ、やだ、さわんな…ッ!」
おお、暴れるか。なるはちゃんに当たると危ないのでドアの方まで下がるように声をかける。不安そうに眉を下げるこの表情はくましろそっくりだ。
「くましろくんどこか痛いの?」
「いや……嫌なこと夢で見て思い出してるだけだ、大丈夫だよ」
なるはちゃんの頭を撫でると少し不安そうな顔が和らいだ。ドアまで下がったのを確認してくましろに手を伸ばす。捕縛器で手を縛りあげて膝辺りでも縛る。
「くましろ」
「ゔ、ぁ…っ!」
苦しそうに呻く様子的に溺れてる夢とかでも見てんのか?頬をさすって肩を少し強めに叩いているとくましろの瞼が開く。
「……ぇ…?あ…れ、消太さん…?」
「うん……起きた?」
くったりして体をこちらに預けてくるくましろの背中を撫でる。すげぇ汗かいてる…着替え直しだな、こりゃ。
「魘されてるってなるはちゃんが」
「……え?はーちゃんが?」
「くましろくん、もう大丈夫?」
ひょこ、と俺の後ろから顔を覗かせたなるはちゃんにくましろが頷く。タオルとか用意するか…。手足の捕縛器を外して部屋を出る。
「くましろ、汗すごいから服着替えろ」
「はぁい……はーちゃん、眠いね…すぐ戻るから布団入ってて」
「いや!くましろくんと一緒がいい」
「ふは、言ってること同じだな」
「も〜……消太さんまだお仕事してるんですか?ノー残業!ブラック企業根絶!」
「あと1組で終わりだからそれ終わったら寝るよ…はい水、なるはちゃんは飲む?」
「はーちゃんも飲む!」
*神代くましろ
あれ、なんか……。
「なんか仲良くなってる」
「え?そお?」
「そうだよ……はーちゃん、前に言ったよね?この人はおれの!旦那さんなの。おれの!だからいますぐ膝からおりて」
「やーだよ」
「……………」
「くましろ、お前大人気ねえぞ」
「浮気者!!!!」
なんで消太さんも満更でもない顔してんの!!!ケラケラ笑うはーちゃんのオデコを突いて床に寝っ転がる。いいもん、可愛い猫の動画見るから!!!一人でね!!
「しょーた、大変だね」
「可愛いからいいよ」
「ふん」
「拗ねんなよ……」
知らないし。猫見てるし。夕方になって叔母さんがやってきてはーちゃんが帰る時間になる。
「なるは、いい子にしてた?」
「おれの旦那と浮気してた」
「あらま!くましろくん差し置いて?くましろくんと結婚するんじゃないの?」
「するよ、はーちゃんくましろくん大好きだもん。どこが好きなの?ってしょーたに聞いてたんだよ」
そんなスパイ行為みたいなことしてたの…?小学2年生が思いつく技?
「なんだ、仲良くなれたと思ったのにスパイ行為だったのか」
*相澤消太
「べー!しょーた、くましろくんに優しくされてるからって勘違いしないでよね!はーちゃんにだってくましろくんは優しいから!」
どんな文句だよと思わず笑う。くましろが轟や爆豪と接するの見たらなるはちゃんはどんな反応するんだろうか?
「こら、なるは!すみません……くましろくんもなるはの相手してくれていつもありがとうね」
「たった一人の従兄弟だからね〜、あ、はーちゃんブロッコリー食べてたよ」
「へ〜!凄いじゃん、なるは」
「ふふん」
おお、仰け反りまくってる。またね、と見送り振り返ると初対面のなるはちゃんと同じように腕を組んでこちらを睨むくましろに思わず声を上げて笑う。
「何笑ってんですか、浮気者」
「は〜……そっくりだなお前ら……ヘソ曲げんなよ、くましろだって昨日一緒に寝てたろ」
「膝の上乗っけて抱っこしてた!」
「お前も一緒に絵を描く時してただろうがよ…」
なんの張り合いしてんだ、全く。ソファに座り端っこに三角座りしてるくましろの手を引いて足の上に乗せる。これで機嫌治るんだろう、多分。
「熱烈だったなぁ、なるはちゃん」
「兄弟とかおれ以外に従兄弟とか親戚居ないですからねえ……」
「しっかり懐かれてるのな」
「まあ……母さんより懐かれてる自信はありますね」
そりゃな。後ろからくましろの首筋や項に吸い付いているとくましろの機嫌はだんだん良くなる。いっちょ前に両の手行かない子供に焼きもち妬いてるくましろは少し面倒くさいが、まぁ可愛い。
(お前は本当に可愛いよ)
(なんですか急に……)
(何引いてんだよ褒めてんのに、クソが)
(へへ……昨日寝れました?結構遅くまで仕事してた)
(ん、ベッドが広くて寝付き悪かったよ)
(え……え〜〜〜!!!な、に…何それ…!!きゃわ〜!!!)
(落ち着け、暴れるな)
(おれが居なくて寂しくて眠れなかったってこと!??!)
(声デケえよ……そうだけど?)
(ぐっ………)
(そうやってすぐ止まる心臓よせ、鋼の心臓にしろ)
(無理に決まってるじゃないてますか……この天然メロ男!)
(不名誉なあだ名つけるな)
(誇りに思ってください。今日は一緒に寝ましょうね、明日雄英行くし)
(ん……あ)
(?)
(なるはちゃん、これ忘れてってる)
(なんです?これ)
(くましろのブロマイドしまってあるファイルらしい。連絡してやれ)
(おれのブロマイド……?はーちゃん物好きだな……)
(お前が??お前が言うのか????お前が????)
(混乱しないでください、そして直ちに鏡見てきてください国宝イケメン)
(それもお前が言うのか????フォロワー100万人)
(なんの罵り合いですかコレ)
結婚○年目になったら相澤さんは図太くもなるので、
様々な「お前が言うのか?」をちゃんと声にして訴えてると思います。くましろちゃそはくましろちゃそで、身内にそんな熱烈なフォロワーがいるという経験がないため、歯がゆいし自分以外も轟くんとか爆豪くんみたいなカッコイイヒーローたっくさんいるのに、物好きだな…と思ってそう。
その気持ち、結婚する前に相澤さんが君へ抱いていた気持ちだよ。