MHA2
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14 面倒
*神代くましろ
テレビで流れてる映画のテーマが初恋だった。プレイリストからたまたま再生された曲も初恋の歌だった。なんとなく気になったから消太さんに尋ねた。
「消太さんの初恋ってどうだったんですか?」
「………なに、急に」
「なんで教えてくれないんですか」
「会話しろ。急に何?って聞いてんだよ」
「気になったから…?」
他に理由はない。めちゃくちゃ眉間にシワを寄せた消太さんは怪しいものを見る目つきで見てくる。
「あのな……お前、俺の初恋エピソードなんて聞いてメンタル健やかでいられねえだろ」
「いられますもん!!!!あーそんな渋るってことは忘れられないんだ」
「くましろ」
もういいし。ふて寝してやる。消太さんに背を向けてゴロンと寝転がって呼びかけをスルーする。猫みたいに尻尾で返事できたらいいのに……聞いてはいるよ、みたいな。
「急にどうしたの、くましろ」
「気になっただけですもん」
「昨日見てた映画?」
「うん」
「……お前……もしかして初恋が皆あんなキラキラしてると思ってんの?」
「知らないし」
「拗ねんなって……よっこいしょ、体痛くなるぞ」
体が浮いて消太さんに抱き起こされる。軽々と……筋肉落ちたのかな。消太さんのお腹に顔を埋めて匂いを嗅いでると頭を撫でられる。
「俺の初恋は酷いもんだぞ……お前のがよっぽどいいだろ、結婚までして」
「おれのはいいんです」
「……小3のころ、字が綺麗な子がいてな。ハンカチ持ち歩く大人しい子……が初恋だった」
「ユーキャンでペン字習ってきます」
「習わなくても綺麗だろ、バカ。寝てろ」
「実ったんですか?消太さんの初恋」
「酷いもんっつったろ。あんま話したことねえのに他の女子に揶揄われて好きらしいとなんだかんだ広められてな…避けられるようになっておしまいだよ」
「………同窓会とかは…」
「行かねえよ」
「居たらどうするの」
「……ふっ、ははっ!何、心配してンの?」
するでしょ、そりゃ!!!!!
「おれが消太さんのクラスメートならひっくり返りますよ、何このイケメン…?!って。相澤くんって何年経ったらかっこよくなってる〜!ってなるんだ、うわあぁああ!!!嫌すぎる!!!今日からおれが郵便受けの手紙とか管理します」
「五月蝿え。暴れるな」
思い切り背中をバシン!と叩かれた。痛い。痛みで蹲ってるとお腹に腕が回ってきて、消太さんの足の間に座り直させられる。
「信用ねえのな」
「消太さんが行かなくても言い寄られるって話してるの!」
「言い寄られても乗らねえって」
「………」
キュンとした。カッコイイ。食い気味だったのがなおさらかっこいい。逆に同窓会参加させるべきな気がしてきた。こんなイケメンが世にはいるんだぞっていう周知の為に。
「つーか……お前、よく考えてみろ」
「?」
「初恋の理由、字が綺麗だぞ。なんじゃそりゃ?ってなるだろ。今から会っても向こうも俺も何も起きねえよ……あといい加減俺が言い寄られたら流されるっつーのもやめろ」
そういうもん……なのかな?分かんないけど。でも自分が小学生の頃ってどうだったかな。クラスのあの子は誰が好きって話によく混ぜられてたけど……理由、理由……。
『○○くんって足速くてかっこいい!サッカーうまいし』
『△△くんもテストいつも100点でかっこいいよ』
…………なるほど。たしかに今考えるとなんだそれ?の理由かも。
「ふふ。ツンデレだ」
「いっっっつもデレてやってるだろうが、どこにツンがあるんだよ」
「いいんです、ツンデレなの」
「くましろのほうがツンケンしてんだろ」
肩に乗っかってきた消太さんに擦り寄るように頭を傾ける。……てか失礼な、おれのどこがツンケンしてるの?!いっつも素直ですけど!!
*相澤消太
急に俺の初恋はどうだった?と聞いてきたくましろ。教えても教えなくてもめんどくさい事になると予感し頭を抱える。急になんで?と聞けばどうしてすんなり教えてくれないんだ、忘れらないんだと一方的に拗ねられた。めんどくせ………。
こうなると心底面倒くせえが、可愛いのでくましろを抱き起こして嘘偽りなく初恋の相手のことと結末を伝えて機嫌を取る。満足したかと思えば、くましろが同窓会に行けと急に方向転換してきた。なんでだよ、さっきまで初恋の相手が同窓会居たらどうするんだとか騒いでたくせに。
「消太さんが同窓会でワイワイするでしょ」
「…しねえと思うが、まあ。で?」
「帰りに颯爽とおれが迎えに行くんです!どーーーだおれの相澤消太はかっこいいだろって自慢して帰ってやります」
「……お前が言い寄られるだろ、それ」
「蹴散らします」
「こら、一般人を蹴散らすな」
何故か機嫌のいいくましろの頬を摘む。むっにむにだ。5歳くらいの頬の柔らかさと変わらねえんじゃねえか?と思う。
くましろはまじで面倒くせえので、俺を誰にも取られたくないから監禁したいがカッコよさが伝わらないのはムカつくから広めたいと訳わからねえこと言い出す時がある。
決まって俺がSNSで何か言われてる時とか、くましろがイレイザーヘッドについて何か言われた時に高確率で言い出す。
どっちなんだよと笑うといつも真剣に考えろと何故か俺が怒られる。
だが、まあ……。同窓会に限らず迎えに来てもらうのはいいな。各々のフォロワーの中には過激派もいる。中にはくましろは俺ではなく、轟と付き合ってほしいとかくましろと爆豪が結婚してほしいと考える奴らも一定数いる。考えてるだけならご自由にどうぞ、だが厄介なのはそれをくましろや轟たちの目に見える形で残すのが居る。
そういう奴らの目にもいずれ触れるように、俺のことを迎えにくるくましろ、くましろのことを迎えに行く俺が色んなところで定着すれば減るんだろうか。
「…じゃあ今度の飲み会、迎えに来て」
「えっ?!」
「地元のダチと集まる。既婚者の男と女が1人ずつ、そんで俺とあと独身の女」
「……合コンみたいな比率なんですけど!」
「比率はしょうがねえだろ、中学の時の……アレだ、くましろ流にいうといつメンってやつ。……だめ?」
「めっちゃおしゃれしていきますね、威嚇で」
「威嚇すんなよ……あぁ、結婚するって言ったとき既婚者の男には話したんだよ。おめでとうって連絡もらったんだぞ」
「……女の子は…?」
ナチュラルに自分より一回り上の女を「女の子」って扱うくましろのほうが絶対にモテるだろ……こいつは無自覚でこういうことするからこっちが色々突っ込みたい。
「俺がイレイザーヘッドなのは知らない。……あぁ、口は堅いというか広めようとするような思考の持ち主ではないから大丈夫だ」
ダイエットしなきゃ、と意味分からない気合の入れ方するくましろに涙が出るまで笑ってしまい、盛大にふて寝された。笑っちまったが俺は絶対悪くないと思うし、なんでダイエットなんだよ。
*神代くましろ
「わ、くましろくんなんか……気合入ってるね」
「今日消太さん、飲み会なの」
「え?う、うん」
「だからお迎え行くの!」
「へえ、そうなんだ!」
出久くんにチョコレートを貰いながらそう気合を入れてる。今日はゼンマイに洋服決めてもらったし、頭もちょびっとセットしてもらった。
「おれの!ってアピールしに行くの」
「SNSであんなにアピールしてるのに…?」
「二度と言い寄られないようにするの」
「ふふ、鉄壁だね」
「ダイエットもした」
「だから筋肉量減ってたんだ……食べないダイエットしてないよね?」
じろりと出久くんに睨まれたので断固拒否した。タンパク質を気持ち増やしたダイエットだもん。あとは間食を減らした。チョコレート久々に食べてる。出久くんは睡眠不足が続いて食べられなくなっちゃった時期を知ってるから、とにかく厳しい。なんなら消太さんやゼンマイより厳しいと思う。
お迎え頑張ってね!と夕方に別れて、一旦おうちに帰る。何時くらい?と聞いたら22時くらいって返ってきたので、9時くらいまで映画を見て過ごす。そろそろかな……。香水つけ直して家を出る。
どきどき。なんかめっちゃ緊張する。お店の人に迎えに来たんです、と伝えて個室へ案内してもらう。
「失礼しまーす……あれ…?」
消太さん、どこ?
「……えっ?!?neutral…!?本物??!」
お姉さんの声が響く。ぺこ、と会釈して気づいた。待って、消太さん壁で寝てるんだけど!!
「消太さん、迎えに来たんですけど……おーい」
「……待って、neutralと結婚したイレイザーって……相澤なの!??!」
「はい!」
ピースして答えるとお姉さん2人はびっくりしたのか固まってた。その隙に消太さんの頭を撫でて肩を軽く叩く。寝ちゃうなんて珍しい。ガブガブお酒飲んだのかな。
「消太さん、帰りましょ〜」
「………くましろ?」
「はい、くましろです」
無言のまま微笑んだ消太さんが腕を伸ばしてきて抱きしめられた。……え??!?!ゼンマイとかの前でしかぎゅってしないのに!そ、相当酔ってる??!
「俺のくましろ」
「…………」
「わ…neutral顔赤………」
「そりゃ赤くもなるだろ、結婚会見忘れたのか?」
ちょっと!!!そこの既婚男性!揶揄うの禁止!!
「しょ、うたさん、水、水飲みましょ、ね?」
「いらない」
「お願いですから飲んで!!!やだ、こんな可愛いところ見られるの!!想定と違う!!」
「大丈夫だよ、neutral……あたしらにとっては相澤ただのおっさんだから…」
「それは解せないですね、こんなにイケメンなのに」
お姉さんから水をもらって飲んでと渡すも嫌だのラリーが続く。
「もぉ〜、ゔ、重ッ……消太さ、」
思いっきりちゅーされた。頭に回された手のせいで全然離れなくて焦る。まじで3人の内の誰がこんなに飲ませたの??!?!こんなに酔ってる消太さん見たことないんだけど!!!?
「こら!!!!」
「何?」
「ひ、人前でちゅーなんて…!」
「ふは、ちゅーって言うの?可愛いね」
「……………」
「相澤、お前の嫁キャパオーバーになってんぞ」
「そーそー、惚気るなら家でやってよ」
「い〜な〜〜アタシも彼氏欲しい、マチアプ頑張ろ」
「………消太さん、家帰ったらお説教ですからね!!!」
「ん?」
クソ〜〜〜この酔っぱらいが!!!!
(もうお迎えきません)
(なんで?俺のこと好きじゃねえの?)
(……ゔ〜!!!)
(へえ、neutralってほんとに騒いでるんだ)
(魚が跳ねるって言われてるのめっちゃ的確でウケる、相澤いい表現するじゃん)
(褒めないでくれます?!?ほらなんかドヤ顔してるし!)
(浮気すんなよ)
(浮気じゃありません!)
(すぐ女にも男にも言い寄られる…アホモテ男)
(どんな悪口…?言い寄られてないし、消太さんのお友達ですよ)
(頑張れよ……相澤はめちゃくちゃ嫉妬深いからな)
(またよそ見。浮気)
(違いますってば〜!)
お酒を飲む前はくましろちゃんのほうが面倒で、飲んだら相澤さんのほうが面倒くさくなるとイイ。