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13 やっぱり皆がいい
*麗日お茶子
くましろくんが個性事故によって子どもになっちゃって10日目。そろそろ戻るんじゃないか?って皆で話してはいたけど、特に私ら女子からは戻らんくてもいいんじゃない?って話も出始めた。だって小さいくましろくん、想像以上にかんんわいいもん。
「オチャコちゃん」
やっぱりなんかイントネーション変だけど、お姉ちゃんからいつもみたいな名前呼びに昇格した!ちょっと嬉しい!この頃のくましろくんはあだ名がブームみたいで、梅雨ちゃんはケロちゃんって呼んでて聞いてた三奈ちゃんが破顔しとった。
「なぁに?」
「爪とれた」
「…あぁ、さきっちょから剥げてっちゃうんよね」
「ん」
膝をつんつん、とされたのでくましろくんの抱っこの合図。脇の下に手を入れて持ち上げる。足の上に乗せて爪を一緒に見れば、爆豪くんに塗ってもらったマニキュアがちょびっとずつ剥げてる。
「ね、そのまま両手出しといて」
「?」
ちいちゃい手が可愛いから写真を撮る。くましろくんアルバム写真めっちゃ少ないって言ってたし増やしちゃおうの勢いで撮りまくってる。
「なんか今日ねむい……」
「夜ふかししたの?」
首を横に振りながら私に寄りかかってくるくましろくん。昼寝を挟んでることもあるし、子どもだから体力もなくて眠いんかな。
「わ、わわ、!!」
呑気なこと考えて頭を撫でてたらどんどんくましろくんが大きくなってく。ちいちゃいくましろくんに見慣れてたからなんか……めちゃデカ!!!飯田くんが先生を呼びに行ったのを確認して、寝てるくましろくんの肩を叩く。
「くましろくん、くましろくん」
「ん……………???!??!」
しょぼしょぼと目を開けたくましろくんは周りを見渡したあと、私と目を合わせてみるみる顔が赤くなっていく。あ、そっか……普段じゃありえん場所に座っとるもんな。
「え、ごめ、ごめん!!!」
「ええよ〜、立ち眩みしたら危ないから先生来るまで座っとこ」
「神代テメェ大きくなったんなら降りろやコラァ!!!」
この10日間歯ぎしりばっかりしてた峰田くんが後ろから叫んでる。
「大きくなったんなら……?なんかあった?もしかして」
「うん、4歳のころのくましろくんに戻っとった!すっごい可愛かったよ〜」
「よ、4歳??!…え、おれなんもやらかしたりしてないよね?」
「さあ〜?それはどうでしょ?」
「ハッ、お姉ちゃんがいい〜って丸顔の足しがみついとったぞ」
「えっ??!」
「あと轟のことお姉ちゃんっつって懐いてたなァ、あれすんげぇ面白かった〜」
「ぅえ………」
「くましろちゃんアルバムたくさん作っとった!」
「勘弁してよ……ごめんね、重いでしょ…」
顔が真っ赤のくましろくんがちょうど立ち上がったとき相澤先生がクラスに入ってくる。なぜか片手にマシュマロを持ちながら。
「おぉ…戻ったな、これ言えるか?」
「マシュマロ……?え、何??!何ニヤついてんですか!!」
「まひゅまろだのまうまおだの言えなくてマイクのオモチャになってたからな…体調は?」
「穴に埋まりたいくらいで元気です」
「はいはい……念の為あとでばあさんのとこ行っとけ」
「何このマニキュア?」
「それ爆豪が塗ってくれたんだよ、それぞれ上鳴と爆豪のイメージカラーらしい」
「何それ??!?!」
「オレはぴかぴかって言ってくれてたぜ」
耳まで真っ赤になってしまったくましろくんは席に戻る。おお…なんか10日も弟がいた気分だったからちょっと寂しいところもある。
*神代くましろ
散々いろんな動画やら写真を見せられてバカにされたから職員室の隅っこで小さくなって拗ねてる。なんなの、クラスLINEに大量に貼り付けられてたんですけど。ゼンマイもすごい写真の数々だった。
「なんだ、へそ曲げてんの?」
「だって皆バカにしてくる…」
「してねえよ、可愛かった〜って言ってるだけだろ。お前もいつもしてるだろ、俺で」
「だって相澤さんはあざといですもん」
「どの口が言うんだか………ちなみに麗日と結婚するって言って麗日喜んでたぞ」
「ねえ!!!!!」
何ニヤついてんの???てかそんなことまで行ってたの??!?めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど…!明日から保健室登校しようかな。
「学童の先生に似てるっつって麗日に一番最初に懐いてたな」
「………あ〜!思い出したかも…たしかになんか……雰囲気似てる……ような」
お家に帰りたくなくて寄り道してた頃がある。近所の登園バスのバス停から降りて少し歩くけど、学童に行けばおやつもらえたり本が読めたりして夕方くらいまでは時間を潰せてた。……なんで行かなくなっちゃったんだっけ…?
「あ…」
「くましろ」
「……おれ……学童にいた小学生に囲まれたことあって……トラブルになっちゃったから、学童行かなくなっちゃったんでした」
「……3人くらいにか?」
「え、戻ったときになんか恨み言言ってました?」
なんでそんな詳しく知ってるんだろう?確かに三人だった。やたら思い出した記憶では大きく見えたけど、おれは平均よりもちょっと体が小さかったのもあるだろうし…あの子達もせいぜい小4くらいだろう、なんとなくだけどね。
「くましろの体中に痣があってな、小学生のお兄ちゃんたちにやられたって泣いてたんだよ……だから爆豪はおろか緑谷やら飯田にも最初寄り付かなくてな。麗日にひっついてばっかだったんだ」
「そ…だったんですか、それはあんまり……覚えてないような……でもおれが、個性使っちゃったかなんかで大事になったのはぼんやり」
「そうか。痛かっただろ、実際今同じようなことが起きても正当防衛に値するからお前は何にも悪くない。気に病むなよ」
頭がぐしゃぐしゃになるまで相澤さんに撫で回される。体中痣だらけって相当びびっただろうな……。メディアにも報じられてないし母さんからも苦言を呈された記憶はない、から相澤さんの言うとおり警察とかに向こうが注意されて終わった…んだろうな、多分。
個性事故の後遺症があると危ないから1人で帰るな、待ってろと言われたので空き教室の隅っこでスマホを開く……ちょっと待ってよ、本当におれのアルバムあるじゃん……382枚??!多くない!??!
「うわ〜……」
日付が10日前の最初の方は泣いてる写真ばっかりある。ほんとにお茶子ちゃんの足にしがみついてる……。そこから芦戸さんにお菓子を貰って泣きやんでたり袋が開けられないのか端っこがのびのびになったお菓子の袋を真剣に開けようとしてる写真だったり、梅雨ちゃんの髪の毛結ぼうとしてる写真だったり……峰田くんにボコボコにされそうなくらい女の子に囲まれた写真がある。あ、4日目くらいから飯田くんに抱っこしてもらってる写真ある。出久くんのそばかすの真似しようとしたのか、マッキーペンで顔中点々だらけにしてるのもある。……あ、爆豪くんがマニキュア塗ってくれてる!しかも動画だ。
『爆豪〜、こっち向いてよ』
『黙れ。真剣に塗ってんだよ』
職人みたいな顔してるもんね、爆豪くん……。
『右はぴかぴか!!』
『さっききらきらっつっとったろが!!』
『ぴかぴかがいい』
『もう落とせねえから諦めろアホ』
『おたんこなす』
『あ?』
『おたんこなす!』
『聞こえとるわ、大きな声出すな……腕寄りかかるなズレんだろ』
凄い……爆豪くんに臆せず喧嘩売ってる……舌打ちとかあ?とか言うの、母さんで慣れてるからかもしれない。
『ぼくもお兄ちゃんに塗っていい?』
『やめろ、俺は塗らねえ』
『足は?』
『足もだ』
『じゃあ顔』
『顔に塗っていいモンじゃねえ……動くなドアホ』
爆豪くん、優し〜〜。こんなクソガキムーブしてるおれに怒らずに塗ってくれてる。
『爆豪くん、くましろくんのお兄ちゃんみたいやね』
『ぼくお兄ちゃんいないからお兄ちゃんほしい、お兄ちゃんがいい』
『俺は弟なんぞいらねえ』
『なんでーー???』
『動くなっつってるだろボケ!!』
『頭しかうごいてないよ!』
おお、また喧嘩してる。5分くらい経ったら思いっきり爆豪くんの左腕を枕にして寝てる。
『ありゃ、寝ちゃったね』
『動かんくて静かで楽……あと乾かしたら終わりだ』
『すんげ〜キレイじゃん!』
『これ早く乾くトップコートだよ〜塗ってあげて』
少しだけさきっちょが剥げた両手を見る。きらきらとぴかぴか。上鳴くんと爆豪くんの演習見てふたりの個性がかっこいー!と大騒ぎして塗ってもらったらしい。
その後のアルバムの写真、ほとんど餌付けされてる写真ばっっかり。なんかパン食べてたり、おにぎり食べてたり、クッキー食べてたり、飴もらってたり。食べてるか寝てる写真ばっかり。
(ね、爆豪くん次これがいい)
(あ?塗らねえわテメェでやれ)
(やだ。こんな綺麗にできないもん)
(やだじゃねえわ練習しろ)
(やだーーーー)
(燃やすぞゴラ)
(いだだだだだ)
(……何だこれ、わざわざ買ってきたのか?)
(うん、昨日ドラスト寄ったんだ。いっぱいあったよ)
(知っとるわそんくらい……おい、また爪噛んでんだろ。噛むなっつったろがアホ)
(じゃあ噛まないから塗って)
(学食のステーキ丼)
(ハンバーグ)
(ステーキ丼)
(……分かった)
(3日分)
(おおい〜!)
(多くねえわ)
(ちぇ……分かった、お願い)