MHA2
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8 醜い
*神代くましろ
う、わ…珍しい。ゼンマイから呼び出しがあったと思えば消太さんが酔い潰れてると。あの消太さんが…?!あの、いつも『お酒なんか一口も飲んでません』みたいな済ました顔して誰よりも飲んでたりする消太さんが、酔い潰れてる…??
半信半疑で指定されたお店に迎えば、お座敷の席で壁に持たれるようにして座りながら寝ちゃいそうな消太さんがいる。顔が真っ赤だ……。明日二日酔いとかで残らないのかな、これ。
「どんだけ飲ませたの」
「なぁんで矛先オレなんだよ、止めたに決まってんだろ?お前に会えなくて溜まってたみてえだぞ」
ぼふ!と音がするくらい強めに頭を撫でられる。ゼンマイも結構酔ってるな……個性の反動でダメージ2倍のおれを気遣って、いつも他の人と接するより力を弱めてくれているゼンマイは酔うとそれが普通の強さになるのか、ちょびっとだけ痛い時がある。
「消太さん、帰りましょ?迎えきましたよ」
「……」
「寝ちゃった?」
個室のお店で助かった。ぽんぽん、と消太さんの肩を軽く叩いて背中を擦るように撫でる。ゼンマイの言うとおり、度重なる出動要請で帰れなくて20日ぶり?くらいだ。半月以上もホテルや轟くんとか爆豪くんの事務所に居たから後半おれも「消太さんに会いたいよーー!!!」って駄々こねてたらもう帰りなさいって言われた。
「おそい」
「ごめんなさい……怒んないで、消太さん」
じろ、と睨まれてる。高校のときの怒られてる時の顔と同じ。正座して小さくなってると人差し指で鎖骨のあたりを突かれる。
「なんでお前はいつも忙しいんだ」
「いて……たてこんじゃって」
「挙句熱愛すっぱ抜かれやがって、浮気者」
待って、やきもち…??!??消太さんに浮気者、って言われるのは初めてだ。
「浮気してないです、大好きなの消太さんだけ……撮られたのはごめんなさい。あれは敵に襲われて足捻っちゃったっていう人を起こそうとしてる写真です」
「………」
「お〜相澤ァ、めちゃくちゃ酔ってんなァ」
「笑うな……んで見るな」
いじいじ、といじけたような消太さんは申し訳ないけど普通に可愛い。こんなあからさまにやきもち妬いて拗ねられたの初めて……いつもおれがギャーギャー言うときちょっと消太さんが嬉しそうに笑う理由、分かった気がする。可愛い、可愛すぎる。
「消太さん、ぎゅっ!可愛い……」
「可愛くない」
「可愛いんです……ふふ」
「何笑ってんだガキ」
「もう成人しましたもん……おれ消太さんだけだから、もうへそ曲げないで」
「……お前はいつも誰かといるだろ」
え〜〜待って待って、可愛すぎる可愛すぎる!!!!ちょっとしょんぼりして目線を下に落としてるの何??!?キャパオーバーなんだけど!!!
「消太さんが教えてくれたんじゃないですか、おれの愛のデカさ……おれがどれだけ周りに愛を配っててもちゃんと線引きはしてますよ、それは分かるでしょ」
距離が近い、とはよく言われる。けど体を許してるのは消太さんだけ。一定以上のラインを超えたら……例えばゼンマイとか出久くんだってはっきりNOを伝える。全部見せて全部許してるのは、消太さんだけ。
「おれが安心して帰ってこれるのは消太さんがいるからなのにぃ……いい匂い」
「やめろ、汗臭いだろ」
「え!?おれ汗臭い??!いちおシャワー浴びてきたんだけど」
「くましろじゃない、俺が」
「どこが汗臭いんですか、このおバカ」
「誰がバカだこのアホ」
ぎゅううううと遠慮のない力で頬を抓られる。痛い痛い痛い普通にちぎれる勢いで抓られてる、
「いだだだ……ギブギブギブ!!」
「もう明日からしばらく休みか?」
「うん、事務所でイレイザーに会いたいって転がってたら帰れ、そんで半月くらい休めっていろんな人に怒られた」
「容易に想像つくわ……良かったな〜相澤、しばらく独り占めできるってよ」
「……おわ……消太さん、寝ようとしてません?ここお店だからだめですよ。さっきタクシー呼んだから帰りましょ」
後ろから抱きつかれてお腹に手が回る。そのまま引き寄せられて消太さんの膝の上に座る形になる。背中にぐりぐりと顔を擦りつけられた。可愛い仕草すぎるけど、そのまま寝ちゃいそうでヒヤヒヤする。
タクシーが来るまでそのままで、お会計シャッて払ってタクシーに乗り込む。ゼンマイの分も頼んでおいてよかった。また雄英行くね、と声をかけてタクシーに。家につくまでの間、ずっと右手を握られて肩に消太さんの頭が置かれてて……あまりに可愛くて変な挙動しないように必死だった。
「おうちつきましたよ〜…重い重い重い……っ!」
わざと体重かけてくる消太さんの背中をぽんぽん叩く。抱きつかれてるので離れることもできない。ひっつき虫の消太さん、あんまりに可愛い……。
「消太さん、一応……お水」
「飲ませて」
「やばい心臓止まる……はい」
「コップ嫌だ」
「ぐう……」
コップを口元に持っていくと、猫みたいに顔をそらして嫌だと言われる。つまり、口移しで飲ませろってことだ。消太さん酔ってるからいいけど、おれは普通にシラフ。恥ずかしいんだけど???
仕方ないから水を口に含んで消太さんに口付ける。上手くできなくて口の端から水が漏れ出てしまってる。タオル、と離れようとしたら消太さんの両手が頭に回されて無遠慮に引き寄せられた……そのせいで少し歯がガチって当たって痛い。
「っん……しょ…っ」
なんかお酒の味濃い……。苦くてアルコールの風味がおれの口内に広がってクラクラする。アレルギーではないけど、本当に人よりお酒の耐性がない。これだけでも酔うかもしれない…。
「まだ」
据えた目をする消太さんと目が合う……この人酔い醒めてない??!力強くて全然離れられない。しつこく、体感なら10分以上ずっとキスしてたように思う。
「消太さん……酔い醒めてるでしょ…」
「さぁな……くましろ、もう一回」
「んっ??!」
グイっと水を一気に口に含んだ消太さんに胸元を掴まれて引き寄せられた後、何故かおれが水を飲む羽目に。逆でしょ!!ぬるくて少しアルコールの風味がする水を飲んだあと、また消太さんの舌が伸びてくる。
「…う、あつ…っ!」
「…ん」
ようやく口が離れて、おれが呼吸を整えてる間に消太さんは首元に擦り寄って来る。いつもおれが消太さんの匂い嗅ぐときと同じように項やら耳の後ろに口元を寄せていちいち音を立ててキスしてくる。
「っあ…?!ちょ、と消太さん…っ!!」
「何?」
「そこ、見えちゃう…っ」
ぢゅ、と次々にキスマつけられて体がピクピク反応してしまう。いつも鎖骨の方とか、胸の方とか……服で隠れるところにつけるほうが多いのにガッツリ見える喉元に何回も何回も唇を落としてくる。肩を掴んで離そうとしたけどびくともしない。
「だめ?俺のなのに」
「見えないとこに……っい、だぁ…」
見えないところにして!とお願いしようとしたら耳をガリッと音が立つくらい噛まれる。ふわふわしてた脳に痛みがツンと走って背筋が粟立つ。
「見えるとこにしないと意味ないだろ」
こんな独占欲強いとか、聞いてないんだけど……!
「だから昔言ったろ、俺以外を知ったほうがいいって……お前が俺を選んでくれたのは有り難いけど……俺は重いよ」
「重い…?」
「うん、ほんとは外出したくないし……誰彼構わず抱きつくのだっていい気はしない…が、なんつーか…最初からだったから咎めてどうにかなるもんじゃねえっつうのも理解はしてる…ほら、猫は呼ばれたら耳動かすだろ。ああいうレベルだと思ってる」
「……え、待って追いつかない」
しれっと外出したくないって言わなかった?
「可愛くて言い寄られてるの見るたびに閉じ込めたくなるし腹も立つ……けど、お前は絶対に俺のとこに帰ってくるって嫌というほど分かってるから、何もしてなかっただけ」
「………そんなに、妬いてくれてたんですか?」
「妬くどころじゃねえよ……お前がしんどいときに支えになってたっつう実績なければ轟たちの態度なんか許すわけ無いだろ」
「………ちょっと、嬉しい…かも」
消太さん、そりゃおれの倍の年齢だからそもそもさ…『余裕なんて当たり前では?だって年上だし』をそれこそ出会った時から出してた。
今思えば当然だろって言う消太さんの主張はわかる。今おれが15くらいの子供に迫ってたらやばいと思うもん。同じ年齢に近づけば近づくほど、倫理がしっかりしてて紳士というかいろんな面で守ってくれてたんだなと感じる。
おれが大好き大好き大好きって言えば分かってるよ、と受け取ってはくれる。…たまぁに俺もって恥ずかしそうに返してくれる。そんな消太さんが裏では誰にも見せたくないって思うくらいの気持ちをおれに持ってくれてる、っていうのは普通に……嬉しい。
「嬉しがるな、嫌がれよ……監禁なんてやだろ」
「監禁はまあ……5日くらいでちょっと限界きそうですけど…」
そう返すと早ぇよって怒られた。早くないよ、5日も理由なく閉じ込められたらコンビニでいいから外出たい〜!ってなるでしょ!!ちょっとお菓子買うついでに公園でお花みたい!とかなりそうだし。
「なぁ……嫌じゃねえの?」
「消太さんがやきもち妬いてるのにおれの為に制限しないでくれてた、っていう話のどこをどう嫌がるんです…?…いつもありがとうございます」
「ん……もうくましろの距離感については諦めてる」
「それはごめんなさい……でもおれも、線引きはしてるから」
「分かってる」
「熱愛はマジで撮られないようにします……消太さんが1番なので。大好き大好き大好き」
「怖、呪いみたいに言うなよ……」
そう言いながらちょっとウケてる消太さんの頭を撫でる。可愛い可愛い、世界一可愛いのでは?
「じゃあもっと安心させて」
(唇腫れるかと思った………)
(仕方ねえだろ、1ヶ月弱居なかったんだから溜まるもんも溜まる)
(すけべ)
(くましろにだけな……眠い)
(明日二日酔いになりませんか?大丈夫?)
(飲む前にウコン入れた)
(へえ、あれそんな凄いんだ)
(全然違うよ……くましろもっとこっち…もう眠い)
(はぁい……ふふ、消太さんあったかい)
(飲みすぎた…)
(髪の毛齧らないでくださいってば……)
(甘い)
(明日病院連れて行きますよ)
相澤消太って個人的にメンヘラでもヤンデレでもいいんですけど、くましろちゃんのカップリングの相澤消太は重くてメンヘラ気質あっても監禁できないからヤンデレにはならなそうな……