MHA2
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4 わからず屋
*轟焦凍
「轟くんのわからず屋!!!」
「待て、俺のどこがわからず屋なんだ。分かる方だろ」
くましろの腕を掴む。スンスン鼻を啜って泣かないようにしてるらしい、ほぼ泣いてるけど。
「だっておかしいじゃん、なんで言われっぱなしにしなきゃいけないの」
「くましろ、落ち着け……まず座れ。そんで俺の話聞く準備が出来たら手を握ってくれ」
くましろは1回頭に血が上ると人の話を聞き入れにくい傾向がある……時間経って冷静になれば折り合い付けれるのに、なんなら言い過ぎたって落ち込んでばっかりだから。
「……わ、かった……轟くんも座って」
「ん」
くましろの目の前に椅子を引く。膝と膝が当たる距離だがまあ、いいか。両手を握ると握り返される。
「……落ち着いたか?」
「た、ぶん……」
「たぶん?じゃあダメだ」
「話は聞けるもん」
「ふは……頑固」
「轟くんに言われたくないし……頑固者」
減らず口だな……確かに怒気はもう感じられない。じゃあ平気だろうか。そもそもの発端は週刊誌だ。俺が夜な夜な遊んでるとかそんな類の。護衛のときの写真の切り抜きで夜遊びか?と大きくメディアに出された。事務所もそうだが俺もフル無視を決め込んで切り込まれたらきっぱり否定しようと方針を決めていたが、くましろが誰よりも怒って荒れ狂ってる。
「……お前は俺のことでもそんな怒るんだな」
「…なにそれ、轟くんが怒らなすぎなんだよ」
素直に思ったことを零せばまた不服そうな顔をしてくましろが手を握ってくる。
「謂れもねえことは事実だが、夜遊びも何も護衛任務だからな。事務所にも依頼した向こう側にもやり取りの記録はあるからでっち上げなのはすぐ証明できる」
「……」
「くましろ、もしかしてマスコミになんか言われたのか?」
俺より先にくましろに取材がいくのか分からねえが俺も取材でよくくましろの近況を聞かれたりするし、現場も被ることが多い。セット扱いなんてザラだから、もしかしたらがあり得る。
「……うん」
「…ボコボコにしたりしてねえよな?」
「してないよっ!出久くんも轟くんもおれのことゴジラかなんかだと思ってない??!」
「わ、悪い……ゴジラとは思ってねえが、くましろならキレそうだから」
そう返すと失礼だな!とぷりぷり怒りだした。事務所の先輩の子供のお守りをしたことあるが、怒り方がその子そっくりだ。相澤先生が前に『ぷりぷりするな』と窘めていた時があったが、この状態を指してるのかと納得がいく。
「言われっぱなしっつーか……的外れなこと過ぎてわざわざ否定するのもなって思ったんだが……くましろが言われた内容によっては事務所に相談する。なんて言われた?」
「……轟くん本人に言いたくないよ…ムカつくから」
「ぷりぷりするな」
「プンプンしてるの!」
「ふ、そうか……あんまりキレると疲れるだろ」
ぷりぷりとプンプンにどう差があるのかは俺には分からないが、くましろの好きにさせておく。事務所の個室を借りていたので、事務員の人たちが仕切りに様子を窺いに来てくれるので上長を呼んでもらい、くましろの元に訪れたマスコミに言われたことを話してもらう。
「ショート、すみません」
「?」
「あの……さっき結構怒鳴り声が廊下に響いてて……その、ヒートアップしてるのかと思って念の為雄英に連絡したんです」
「?おぉ……イレイザーヘッドが迎えにくるのか?」
「あ、いえ…授業のため手を離せないらしく……デクかプレゼント・マイクが向かってるそうです。不要でしたらすみません」
どっちが来てもくましろは落ち着きそうだな、事務員にお礼を言って入り口で待っていれば緑谷が袋を片手に走ってきた。
「と、轟くん…!久しぶりだね」
「緑谷、わざわざ悪ィな…走ってきたのか?」
「うん、事務所の人慌ててたからそんなにヤバイのかなって……くましろくんは?」
「マスコミになんか言われたらしくてな……俺にはそれ言いたくないってプンプンしてたから、上長が今代わりに聞いてる。だいぶ落ち着いたぞ」
「プンプンしてるのに…?」
「俺からすりゃぷりぷり怒ってたけど、くましろにとってはプンプンらしい…面白えだろ」
そう言うと緑谷は吹き出してた。コンビニで申し訳ねえと色々差し入れ買ってきてくれたようで、くましろの好きなモンもちゃんと入ってる。
聞き取りを終えた上長から入っていいと許可を得たので緑谷と一緒に部屋に戻る。
「あれ、出久くんだ」
「やあくましろくん……これ、食べる?」
「買収されたんだ、轟くんの事務所に!!」
「違う違う、様子見に来てほしいとは言われたけど!」
「ぷりぷりすんなって……これ美味そうだぞ、エクレア」
「プンプンです!!……ほんとだ」
甘いものに目がない。寮で暮らしてた時も、通いのときもくましろはチョコとかプリンとか、ラムネのグミとか色んなもん食ってた。芦戸なんかと一時期クレープやらタピオカやらばっか食ってた時期もある。
「轟くんの事務所側はどう動くの?」
「対面で聞かれた時とかは否定するが、嘘も甚だしいから放置だ……が一人納得いってないやつがいるからな、変わるかもしれねえ」
「電話しに行ってたよ」
「………くましろくん、君何言われたのさ……」
「轟くんには聞かせたくない」
おお、緑谷の追求もはぐらかすとは。くましろなりの優しさだから無理には聞かないし、たぶん上長もくましろから言うなって口止めされてるだろう。
「そっか……怒鳴り合ってるっていうから心配したけど、良かったよ。くましろくんがそこまで言うなら僕も聞かないでおく……けど!事務員さん相当怯えてたからね」
「だって轟くんがわからず屋なんだもん、頑固者」
「頑固はお前もだろ」
「ほら喧嘩しないで!」
なんで俺まで緑谷に怒られたんだ。
*相澤消太
「………ふっ…」
数時間前、轟の事務所からくましろが轟とデマ報道の件で言い争っている、ヒートアップしているようだから様子を見に来てほしいと電話を受けた。生憎授業が連続で入っており、さすがに代われる人がいないため緑谷に回収を頼んだ。
『大方、マスコミにくましろが何か言われたんだと思う……だが轟側はだんまりだろ、だからなんで何も言わないんだって暴れ散らかしてるんだと思う』
『流石ですね…スムーズに想像できます』
『単なるあんな大概が見たら嘘くせえ記事にくましろがいちいち噛み付くわけねえからな……予想だが、家庭環境を揶揄ったこと言われてブチギレてるんだと思う』
『………くましろくんなら怒りそうですね』
『……シュークリームかプリンとか…なんかそういうの買ってってやってくれ、そんで泣いててもいいからそれ突っ込ませたら落ち着くはずだ』
『はい!ちょっと行ってきます!』
なんの連絡もなく平気かどうか事務所に電話しようとしたら先にかかってきて、今度は収束したが部屋から出てこねえと。寝てるんじゃねえか?とも思ったが、今度は俺が様子を見に行くことに。来てみれば案の定、3人はくっついて眠っている。全員それぞれ連勤中だったしな……。
「轟、緑谷…風邪ひくぞ」
「……せんせ…?」
「うん……随分食ったんだな」
シュークリームにエクレアに?…わらび餅にプリン。どんだけ買ってきてるんだ緑谷は。緑谷の肩をたたいて揺すれば起き出す。
「くましろ」
1番の寝坊助を起こさなきゃな……。軽く揺すったところで起きやしねえ。頭をなでて頬を摘んでるとだんだん眉間に皺が寄りだす。
「……くましろ、帰るぞ」
「……消太さん…?……あれ、なんで…」
「部屋から一向に出てこねえって心配の電話がきてな……仲直りしたの?」
「喧嘩じゃないですもん」
「わからず屋って言われました」
「わからず屋だったじゃん」
「くましろは頑固すぎる」
「喧嘩すんな……くましろ。マスコミに何言われたかは知らねえが、許せないからって轟本人に当たるのは違うだろ……ただでさえ訂正するのすら面倒くせえ記事書かれてんだ。」
「……」
「轟も……まあどうアクションするかは事務所と決めたんだろうが、くましろの気持ちだけは受け取ってやって」
「はい」
「じゃあこの件はお終い。くましろ同様に轟と関係あるヒーローに度が過ぎたこと言って聞きまわってるらしいから声明出すってよ……くましろ、充分だろ」
「……ボコボコにしておけばよかった……いだだだだ」
「干されてぇのかお前は……」
まだ拗ねてるくましろの頬をつねりあげる。まだ眠そうなくましろと緑谷を抱えるようにして立たせる。
「轟、お前も少し休め……くましろも明日オフだから」
「ありがとうございます…くましろ、明日いきたい場所あるんだが」
「どこ?」
「このベイマックスの人形買いにいきてえ」
「行こ」
「休めっつってんだよ…緑谷も。今日は仕事持ち帰らずに寝ろ、チェックするからな」
全くこいつらは手のかかる……。
(ほらさっさと寝る、結局明日行くんだろ)
(午後にしましたもん)
(休みのうちに入らねえけどな……っいで……魚雷みたいに突っ込むな)
(好きすぎて勢い増しちゃいました)
(好きなら俺の体を労れ)
(く〜〜っ!!すき……!!!)
(急に元気になるなよ、寝るのに)
(あ……轟くんから電車の時間きました)
(遠足じゃねえんだから寝ろ)
(あ〜!取り上げないでくださいよ!)
(もうおしまい、ぎゅってしてやるから目ェ瞑れ)
(テンション上がって寝れませんが……?)