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95 お泊まり会
*相澤消太
うるさい。くすくす聞こえてた笑い声がゲラゲラと爆笑に変わっていって床を叩く音まで聞こえる。いつまで学生みたいなノリなんだよ。
事の発端はもちろんくましろだ。
最近は任務や急な呼び出しも少なく、くましろはA組の生徒と同窓会に行ってきてた。初めて全員参加の回に行けたこともあり、9時すぎに申し訳なさそうに電話が来た。
『も、もしもし消太さん?』
『どうした?何かあった?』
『あの……お泊まり会したくて……何人か呼んでいいですか?』
お泊まり会。まさかのフレーズに一瞬思考が停止したが、確かにくましろには無縁のものだ。轟やら緑谷の家に単体で泊まりに行くことはあっても、複数人の泊まり込みなんて合宿の時くらいしかないだろう。
『いいよ、誰来んの?』
『やったー!来ていいって!!』
お酒もあってもうこっちの話は聞いてないくましろの嬉しそうな声が響き、まじかよ〜!先生ありがと〜!といろんな奴らの声が少し遠くで重なる。
そんで足元ヘロヘロなくましろを担ぐようにやってきた面々は予想していたメンバーとは異なった。
まさかの爆豪たちだった。てっきり飯田や轟、尾白や芦戸なんかを連れてくると思ってた。
『センセー!悪ィ、こいつぐびぐび飲むからベロベロなっちゃった』
『酒弱すぎんだわ』
『程々にしろって言ったんだけど聞かなくて……』
『あ、でも吐いたりはしてないです』
上鳴、爆豪、切島、瀬呂の順で口々に話してくる。この感じ久々だな……。来客用の布団はあるが、あと二人とか連れてこられたら流石に足りなかったので安心した。
『あぁ、いいよ。大方楽しみすぎてペースあげちゃったんだろ……くましろ、くましろ。ここどこか分かるか?』
頬を軽く抓って反応を見る。寝てはないな、やっぱり楽しかったみたいでテンション上がってるんだな……。
『ん……?』
『どこか分かる?』
『おうち!』
『はい、俺は?』
『ハンサム!』
『……まぁいいや、たしかに意識あるから。重かったろ』
上鳴からくましろを受け取り抱き上げる。おお、珍しくくましろが酒臭い。スリスリと猫のように擦り寄って来るので頭を撫でてリビングへ誘導する。順番に風呂に入って、くましろの番。
『お風呂はいらない』
『なんでだよ、いつも帰ってきていの一番に入るだろ潔癖』
『お泊まり会だから枕投げするんです』
『どう考えてもお前がビリだろ』
爆豪がそんなこと言って煽るからくましろも負けじと枕を投げるが、ヘロヘロ過ぎてあらぬ方向へ飛んでいった。
『待て待て待て!くましろ写真とか割れちまうぞ、いいのか?』
切島が待ったをかける。確かに、そこまで飾ってないがこいつらが枕投げなんかしたら本気になるだろうから片付ける必要がある。
『……あーあ、爆豪くんのせい』
『ぁあ??!お前があらぬ方向へ飛ばしてんだろうがアホ!』
『分かったから喧嘩はしないの…ほら、そうやって駄々捏ねてたら瀬呂たち寝ちゃうよ』
『カラスで入ります』
『カピバラくらいゆっくり入れよ』
『カラス?カピバラ?』
上鳴がそう尋ねてくるので、カラスの行水並みに風呂入ってくる俺に対して、ニュースでたまに見るカピバラくらい湯船にゆっくり浸かってこいというくましろとの定番のやり取りを伝える。
そんな微笑ましいくましろたちとは今日くらいは別室で寝ているんだが、まあ寝ない。何があっても楽しいようでずっと誰かが笑ってる声が聞こえてくる。
*神代くましろ
「なぁ笑いすぎだって爆豪、くましろの嫁起きるだろ」
「待って相澤先生嫁なん?!」
「ギャッハハハハwwwwww」
「んふ、っひっひ…っヒィ」
上鳴くんの発言にオレと爆豪くんが文字通り腹抱えて笑ってる。深夜の時間も相まってなんだか全部が面白くておかしい。
「んだてめ、その引き笑い……っ!」
もう声も出ないくらい笑って指差してくる爆豪くんにつられてもっともっと面白くなっちゃう。
「っひ、くるし……っ!お腹痛い…っ」
「ゲラだな〜、爆豪も深夜になるとゲラになるよな……」
ひいひい笑いながら布団にうつ伏せになってるとパチリと電気がつく。
「何歳だお前ら、そんな暴れて………」
「ほらバクゴーとくましろのせいで見回り来ちまったじゃん!!」
「「だっはははは!!!!wwwww」」
「修学旅行かよ!!!」
「いだいいだいおなかいだい……っ!!!」
「消灯時間はとっくにすぎてるぞ、さっさと寝ろ」
なんでノリ良く先生出してくるの…!!ウケすぎちゃってお腹痛くなってるオレに布団をかけてくれた消太さんに頭を撫でられる。
「もぉ笑いすぎて熱っちいよ……瀬呂俺の布団剥いで」
「んだよ……ギャッハハハwwwww」
瀬呂くんの笑い声につられて見れば、切島くんが何故かパンツ半分脱げてお尻が見えてる。
「またそのパンツ履いてんのかよ〜」
泣きすぎて涙が出てる。ゲラゲラ笑ってると消太さんに寝ろよと言われ、電気を消される。
「はーい寝ますねます」
真っ暗になってすぐ、誰かのいびきが響く。寝るの早くない?寝てないでしょ絶対。
「頼むから寝ろ」
消太さん、まだ廊下にいるみたいで声が聞こえる。
「っふふ、ふふふふっ……んっふふふwwwww」
布団4つ敷いて寝なくて怒られてるオレらと、本当に10年前のときみたく先生ムーブしてる消太さんを思い浮かべると面白すぎて、静かにしようとすればするほどツボに入ってしまう。
「寝ろっつってんだろ」
「うるせぇんだわ馬鹿くましろがよぉ……っ」
「爆豪くんだって笑ってんじゃんwwwww」
「お前らツボ浅すぎだろ…」
「はぁ…ほら布団に入る、布団かぶる、目ェ瞑る!電気消すからな」
はあいと返事してパチッと音がする。こっそり目を開けるとまた電気が消されて暗くなってる。
「爆豪くん寝た?」
「寝た」
「起きてんじゃんwwww」
「ウゼェダル絡みしてくんな寝ろ」
笑ってるのか爆豪くんの声が少しだけ震えてる。それすら面白くなっちゃって小さく笑ってると、上鳴くんの悲鳴が響く。
「いだだだだッ痛痛い痛い!!!」
また電気がついたと思ったら瀬呂くんが上鳴くんにプロレス技のようなものをかけてる。上鳴くん、サソリみたいな体勢になってる。
「何やってんだ、瀬呂…!!」
「すんません、興奮して寝れなくて」
「も〜パンツ見えてるし意味分かんねえしよぉ〜〜」
ぷりぷり怒る可愛い消太さんと瀬呂くんの奇行に3人で大ウケしてると、ついにげんこつのポーズとってきた消太さんに布団をかぶって逃げる。
「くましろも、もう寝ろ。酒のせいでおかしくなってんぞ」
「ふひ、はぁい……消太さんもこっちで寝ませんか?」
「いい。うるさくて寝られやしない」
ちぇ、面白いのにな。呆れたように目を細める消太さんが寝ろよ。と釘を刺してまた電気を消す。
「痛い痛い痛い!!!瀬呂痛いって!!!」
電気を消してすぐ聞こえてきて見上げる。もう消太さんも静かに電気つけてきた。そしたらさっきとは違う技のかけられた方してる上鳴くんとなぜか加勢してる爆豪くんとかけられて笑いながらギブ連呼してる切島くんがいた。
「あっは!!!あはははっ!!!はっはっはっはっwwww……ッヒィ」
「だからそれ……ッwwww」
「お前らもう25だろ……寝てくれ頼むから」
笑い転げてるオレと爆豪くんを見て消太さんがそう言う。
「おら布団戻れ爆豪」
「くましろも戻れ〜嫁さんが怒ってる」
「ギャッハハハハwwww」
「寝ろガキども!!!!」
あぁ、怒っちゃった…でも本気で怒ってるわけじゃないの皆分かってるから笑いが止まらない。はぁ…と笑い疲れてぐったりした頃、消太さんが電気を消す。
「何やってんだお前ら」
頃合いを見てオレも混じろうとしたら全員布団から出ようとしてる瞬間に電気がついた。急いで布団に戻って寝ようとしてたのにぃ〜感を出すと消太さんもついに笑い出す。
「ふっ、っく……早よ寝ろ、お前ら」
「はぁい寝る寝る、寝ます」
「なんでヤケクソ気味なんだよ」
「だってセンセがぱちぱち電気つけるから眩しくて寝れねえんだもん」
上鳴くんが全面的に消太さんに責任をなすりつけてそういえば、もう面白いからいいのか悪かったよ、と消太さんが棒読みで謝ってる。
もう一度電気が消されて今度こそ!と布団から這い出る。組体操しようぜ、と聞こえてピラミッドがいいとリクエストして2、2、1で作る。1番上いけと言われてポーズすると1番下の二人が痛みを訴える。
パチッと電気がついて確認したら成功してる、綺麗なピラミッドが出来上がってて消太さんが大笑いしてる。
「何やってんだほんとに……っ」
「もお〜センセー邪魔しねえでよ」
「ほら布団戻って」
珍しくまだ笑いながらピラミッド解散。布団に横になると枕を差し込まれて布団を被せてくれる。
「こんな汗かいて……もう2時だよ、寝なさい」
「ふふ、はーい」
どうやら寝付くのを待つんじゃなくてオレを先に寝かしつけようとしてるらしい。笑いすぎて筋肉が攣りそうなくらい痛かったほっぺに消太さんの手が添えられると暖かくて安心する。
「へえ、そんなんで寝ちゃうの?くましろ」
「寝ない…」
「もぉ目瞑ってっけどな」
「犬でも見てるのかお前ら、そんな体乗り出して」
「いや、マジでラブラブなんだなって」
お店でご飯食べてたときも楽しくて、帰りも皆で競争しながら帰ったりして、ピラミッドまでしたから疲れてたのか眠気がきた。うとうとしてると会話が遠くなってくから布団をぎゅっと掴んで起きるようにしてると手が握られる。
「寝なさい、また明日起こすから」
*相澤消太
「お〜〜……!ガチで寝たの?」
「あぁ、赤ちゃんみてえだろ?」
上鳴がくましろの頭を撫でるももう起きる気配がしない。電池切れだ、相当楽しみにしてたからな。初めての同窓会。聞けば帰り道も爆豪と張り合って50m走の記録を測りながら帰ってきたんだとか。酔ってるのに走り回ってよく吐かなかったなとホッとしたが、この寝落ちの早さに納得もいく。
「泣き虫だし赤ん坊なんじゃねえの?」
「ふは、だとしたらお前はいつも赤ん坊あやしてくれてありがとな」
「あやしてねェわ、勝手に懐いてくんだ」
「またまた〜!ブッ倒れたくましろ介抱したりしてんじゃん、かっちゃん!」
上鳴がそう揶揄うと顔を真っ赤にしてキレる爆豪の頭を撫でて止める。
「はいはい、照れ隠しに爆破しないでくれ。家賃払ってんだから」
「引っ越したりしないんですか?」
「まあ下手な一軒家よりセキュリティはいいからな……あとはご近所もいい人多いし」
「エッ先生ご近所付き合いとかすんの!?」
切島が驚いて体を起こしてくるからおでこを押して戻させ横にさせる。
「失礼だな、コイツが15のときからしてるよ。くましろに雄英職員だって明かしたのは受験の合格発表のときだからな…顔も似てねえし、今まで居なかった子供がこんな風貌のやつの元に急に居たら誰だって怪しむだろ?
だから掻い摘んだ訳を話して回ったりした」
「へ〜なんつったの?」
「神代さんトコの息子さんを保護してる、母親がプロヒーローだからもしかしたらメディアがこのマンションに纏わり付く時期が来るかもしれない、とかな……何」
「いや、成人してからセンセと住んでたって聞いたけど……センセガチでくましろの事好きなんだなって」
「はあ……コイバナはいいから寝るぞ、電気消すからな」
生半可な気持ちで拾ってもないし、育て上げてない。ましてや、結婚も。色々言われるし邪推されるのは承知で待ってずっと隣に居たくましろを引き込んだ。
(おら、寝ぼすけ共…起きろ……爆豪、くましろのこと起こしてくれ。あんまり揺すると吐くから気をつけろ)
(センセ朝早すぎねえ…?)
(バカ言え、9時だぞ。味噌汁と簡単な飯作ったから食えよ)
(おい、おい…くましろ。起きろ)
(ん゛…消太さん、だっこぉ)
((ブッハwwwwww))
(爆豪、爆豪!……駄目だ、くましろに抱きつかれて固まっちまったwwww)
(何やってんだお前らは……くましろ、そいつ爆豪だよ)
(えぇ……?)
(っっっ匂い嗅ぐなやボゲェ!!!!燃やすぞ!!!)
(布団が燃えるからやめなさい……くましろも匂いで判別しようとする癖やめろ)
(だっこ)
(はい、飯は?)
(いらない)
(そこは食えよ)
消太さん、だっこで半年イジられ続けます。
爆豪くんたちとは有名すぎるV6の修学旅行編のようなくだらないことでツボ入って笑うお泊まり会定期的に開いてほしい。深夜だとくましろちゃんと爆豪くんはめちゃくちゃツボのリミッター外れてゲラになるといいな……。下らない下ネタもゲラゲラ笑っちゃって定期的に呼吸困難になっててほしい。