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82 ニャン染
*神代くましろ
「はわ…」
消太さんから猫耳と尻尾が生えてる。そんな黒猫の消太さんが中庭で寝転んでいる。今日はジーニストさんと爆豪くんとのチームアップが終わり、雄英に顔を出しに来た。職員室にも仮眠室にもいなくてゼンマイに聞いたら、中庭じゃね?と言われたのでやって来たところ。お昼寝にはもってこいな天気ではある。風もあって涼しい。
可愛い……。丸まって眠る猫みたいな消太さんが可愛くて寝顔をもっと堪能するために一歩近づく。最近あんまり眠れてないのか、クマがある。後でホットアイマスク献上しないと…。
そっと手を伸ばして頭を撫でると猫特有のぐるぐる音が鳴る。おお、すごい本物だ…!!!猫カフェ行ったときに聞こえてきたあの謎の鳴き声(?)だ!!ということは肉球あったりして…?あ、肉球はないのか…。
そうやって寝ている可愛い消太さんを堪能していると、寝ていると思っていた彼は声を上げて笑い出す。
「くましろ、来てたのか」
「…いつから起きてたんですか」
「そう拗ねんなよ……はわ、って訳わかんない声出してたとこから」
めちゃくちゃ最初からじゃん!!!!恥ずかしい。消太さんによると個性事故らしくてまあよくあることなんだそう。在学中に一度も見ませんでしたが…??よくあることなのか?本当に…
「言い忘れてたがこの個性は人に伝染する。発動は触れられたら…だ。お前にも生えてんぞ」
え?と頭を触るとたしかに耳があるし体をひねって後ろを確認すれば尻尾も生えている。
「えっ…?!」
「…お前は白猫か、可愛いな」
「ゔ……死ぬ…」
毛づくろいでもしてやろうか?とニヤつく消太さんに断りを入れる。毛づくろいだけじゃ絶対に終わらない。
「今日はもう授業ないんですか?」
「ああ、猫化すると断然眠い。お前も寝るか?」
「寝たい……けど…盗撮ついでに消太さんの顔流出させたくない…捕縛器で顔ぐるぐるにしていいですか?」
「呼吸困難なるだろ」
そうやって話してると移動教室で騒がしい普通科…?の生徒たちの会話が聞こえてくる。普段ならガヤガヤ、わいわいで終わるのに詳細に聞こえてくるのは猫耳が生えたからだろう。
「あ〜あの人?あの人ホントにあんなんでヒーローなのかね?」
「Neutralのヒモなんじゃね?」
「つーか翔、この間あの人のこと蹴っとばしてなかった?」
「違う違う、ぶつかったんだよ」
「あんな足振り上げといてぶつかったとかよく言うわ」
「待て」
「やだ」
明らかに消太さんのことを話してるし、悪口だけならまだ担任に言う程度で済まそうと思ったけど後者の蹴っ飛ばしたっていうのは聞き捨てならない。凸る前に消太さんに腕を引かれ制止されるけど首を降ると捕縛器でオレがぐるぐる巻きにされる。
「………噛みつきますよ」
「できねえだろ。…いい、放っておけ。大体お前同級生ならまだしも大人だろ、大人が子供に手ェあげんな。ましてや、悪口くらいで」
「蹴っ飛ばしたって…」
「証拠ないだろ、まあ確かにぶつかったと言う割に強かったが。……俺も寝てたし証人がいない。そんで怪我したわけじゃないからいい」
「……手、あげなきゃいいんですよね?」
「炎上すんぞ」
「注意するならいいんですよね?」
引き下がらないオレを見て諦めたのかついていくからな、と釘を刺される。
「ねえそこの……そう君たち3人。」
「Neutral…!?え、なんで…猫耳生えてんの!??」
ごもっともな疑問だから個性事故とだけ伝える。
「ご存知の通り今猫耳が生えてて遠くの会話もよ〜く聞こえるワケ。オレがなんでこんなに怒ってるのか分かるかな」
「は……知らねえし…なんなの?」
「Neutralのヒモだとか足を振り上げて蹴っ飛ばしたとか聞こえたんだけどな〜?おかしいな、侮辱罪と暴行罪として担任に報告するから来てもらおうと思ったんだけど」
「いいっつってんだろ…」
「あんたまで猫耳なの?!」
「……別に陰口叩いて笑うのは許すよ、だけどオレの大事な人に子供だからやり返されないってナメた態度で暴力まで振るうなら話は別だから。あとこの学校、監視カメラ相当あるからね。根津さんに言って確認取れたら親御さんにも連絡するから。はい名札……木下川越斎藤ね。」
2年D組ね、覚えたからな。いつもマスコミとかにもなるべくニコニコと対応しているからオレのイメージとはかけ離れた真顔で詰められてタジタジな3人の顔をみやる。
どう見てもやべ…って顔してる。
「……そんなに消太さんバカにするなら1ヶ月でもいいからヒーロー科編入してみたら?血反吐吐くと思うけど…。楽してる人なんていないからね」
オレも、消太さんも。たまに体を壊しながら、消太さんは体を文字通り欠けながらヒーローしてる。欠ける前も欠けた後も見てるからこそ許せない……オレは消太さんほど大人になりきれない。
「根津さんの前にマイクあたりにしとけ、根津さんは即退学とか言いかねない。お前に甘いから」
「そんなことないです、曇りなき眼で審議してもらいますよ。ゼンマイのほうがオレの味方になっちゃうからダメです」
ゼンマイが一番に『あー暴力はアウト!退学でいいんじゃね?』って言いそう。お茶とか飲みながら…。
「ふ……まあそうだな。……お前ら俺の請け負った生徒じゃないから言うが…まあこうなったらコイツは止まらない。俺を蹴ったくらいで退学には持ってかないようにはするが、とりあえず親御さんには連絡しとけ」
「甘いんですよ消太さんは……普通に犯罪なんで裁判かければいいんですよ」
「それこそやりすぎだよ」
機嫌を直せ、と言わんばかりに撫でられて無自覚に喉がなる。顔が青い3人に背を向けて根津さんのもとへ。話を聞いた根津さんは猫の姿の俺らを笑いながら監視カメラ確認するね〜と別室へ。1週間以内の出来事らしくて映ってればすぐ帰ってくるだろう。
「ふ…かわい、こっち向いて」
「ニャン!!!」
「声でか……犬かよ」
「ニャン」
そう言って消太さんの手に頭を擦り付ける。落ち着く………こういう仕草?や思考回路も猫っぽくなるのか。数時間で元に戻るらしいこの個性を少しもったいなく感じてしまう。
「あったよ〜思いきり蹴っ飛ばしてるね。…相澤くんこれよく怒らなかったね?結構痛かったんじゃない?」
「……やっぱり裁判…」
しない、と右隣から言われる。根津さんやマイクに宥められて保護者と担任に連絡、反省文提出で様子見とのこと。
「…なんで教えてくれなかったんですか」
「言うほどのことじゃない。俺にとってはな…だがくましろがそんなに泣きそうな顔するなら今後は言うようにするよ」
消太さんに頭を撫でられる。
「当たり前です、俺が上級生にストーカーされてたとき般若みたいな顔して怒ったくせに…」
「悪かった、んな毛を逆立てて怒るな」
「やんのか!?」
「やらん。やんのかステップするな可愛いだけだから」
埃が舞うだろと怒られた。
「反省文、俺がチェックしてナメたこと書いてたらやり直しか退学にしませんか?」
「こらこら、再提出かせめて奉仕活動くらいにしてあげて」
「パトロール同行させよっかな〜」
「ダメ」
セメントス先生やら出久くんからずっと甘いものを差し出されてる。空腹だから怒ってるんじゃないんだけど…!??まあ食べるけどさ…!!!
「猫のときにチョコ食っていいんか?」
「………どうだろ……人間だしイケるでしょ」
ゼンマイにお前ほんとてきとーなのな…と苦笑された。割合的に8割は人間だから大丈夫だよ、と返す…微妙な顔された。
「白猫のくましろくんと黒猫の相澤先生、なんか揃うと可愛いですね」
出久くんにそう言われる。
「ほら聞きました?可愛いの自覚持ってください」
「お前もいたろうが」
「オレはもう持ちました。カッコイイのも無自覚なくせに可愛いのも無自覚なのでいつか攫われそうでオレは心配です」
「緑谷、この馬鹿なんとかしろ」
逃げるな!と引っ張る。鏡張りの部屋に引っ越したっていいんだぞ…!!
(くましろくん……はいこれ、あの子達の反省文だって。僕はまだ読んでないけど君が先読んでね)
(どれどれ…はい短すぎて誠意が見られないので再提出。次は……文章が支離滅裂、再提出。最後…………自分は関係ないって書きすぎ、再提出)
(お前………どんだけ怒り狂ってんだよ…っ)
(笑うとこかァ?相澤…お前の嫁過去一怒ってんじゃねえかよ)
(まあいいじゃねえか、大人に悪さしたらどうなるのか学ぶだろ…年長者は敬えってな)
(消太さんも!もう廊下で寝るの禁止ですからね!空き教室かここ!宣誓してくださいここで)
(分かった、俺も邪魔だったんだろうから……んなキレるな、健康に良くない)
(消太さんの健康はすでに損なわれているんですが)
結局再提出した反省文も適当に書いてるのが開け透けすぎて保護者へ通達し、保護者が吹っ飛んでくる事態にまでなります。