TWST × 銀魂
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
カホゴ
*神夜
クルーウェルがずーーーーーっとネチネチ怒ってる。
何で怒るのか意味わからない。
「夜兎は傷の治りが早いから、怪我をしたって「それだ、バカ犬」……」
バカじゃない、と言おうとする前に睨まれた。黙っておいたほうが良さそう。
「怪我が治るなら、犠牲にしても構わないというのは傲慢な考えだ」
「ごうまん…」
「そうして右手を失い、左手を失い、両足を失うときお前はどうするんだ?」
「義手があるよ」
「………本気で説教をせねばならんようだな?」
間違えたらしい。青筋立てて怒るクルーウェルを見上げる。
「……お前、家族がいると話していたな」
「うん」
「大事な妹と、兄が怪我をしたらと考えて少しでも不快な気持ちにはならないのか」
神楽と、お兄ちゃんが怪我を……。なかなか想像つかないけど、強い人間も地球にはゴロゴロいた。あり得なくは、ない。
腕がなくなった神楽、お腹に穴の空いたお兄ちゃんを想像して、なんだか胸がざわざわした。
「ざわざわした」
「嫌だと言う感情だ、それが。治る、治らないじゃない。痛みがないわけでもないんだろう?」
「うん……お腹熱かった」
「……俺とお前は家族ではないが、お前は俺の子犬だ。目をかけた子犬の表情が乏しくても痛がったり、痛々しい怪我をするのは『嫌』だ。」
「怪我なくすればいいの?」
「…本能は抑えられないだろう、無理に戦うなとは言わん。そういうものだからと自分を雑に扱うなということだ。」
「……分かった」
そんなこと初めて言われた。………いや、神楽から聞いたことがある。銀時に似たようなことを言われたと。
「フン、少しは反省しろ」
コツ、と教鞭の持ち手でおでこを突かれた。
「痛い」
「フン……腹は何があったんだ」
「このくらいの木が刺さったから抜いた」
「…………」
両手でまるを作って言えばクルーウェルは黙って、またおでこに青筋が増えた。
「この馬鹿者がっ!!!」
*デイヴィス・クルーウェル
バルガス先生の腕より太い木が腹を貫通したのに抜いただと??聞いたとき理解ができなかった。
痛みを感じないわけではない、と話していたし熱かったというのはそれなりに激痛だったということ。それを経て尚、治るから怪我をしようが構わないという考えだったのには呆れてくる。
「今すぐ上を脱げ、傷口が塞がることと感染症を引き起こしてないことは別だ。下着は脱がなくていい」
「………」
しっかり俺に怒られたことによって少しだけ反省したらしい神夜が東洋のデザインの珍しい服を脱ぐ。いろんなことが一段落したら、教えてもらうつもりだ。
キャミソールをあげると、包帯がある。貫通したからバラバラになっているが。
「……体中に元々包帯を?」
「日光、弱いから。肌がヒリヒリする」
「……なら、この透ける素材の服はやめたほうがいいんじゃないか?」
「……神楽が可愛いって選んでくれたから」
神楽。確か神夜の妹の名だ。妹にプレゼントされて大事にしてたのか。
「……似たようなのを見繕ってやる、包帯をどかすぞ」
腹に手を当て魔法で感知する限り、内臓は無事。しかし膿みかけている箇所がある……自動的に塞がるのかもしれんが、消毒もせず傷口が塞がったことで細菌が入ったのだろう。
「化膿しかけてる…魔法薬を調合してやるから毎食飲め」
「うん…ありがとう」
「ああ、今後は馬鹿な真似をしないように」
「うん。地球ではクルーウェルみたいな人、カホゴっていうんでしょ」
「…………誰からその言葉を?」
「銀時」
誰だそいつは。聞けば妹のもとにいる男らしい。最初は妹へ悪影響を与えるのでは?と考え嫌いだったとこぼしているが、表情を見るに今はそれなりに信用しているのだろう。
「……俺は、過保護ではない。これは正当な指導だ、バカでやんちゃで走りまわり飼い主の言うことを聞かない子犬のな」
そう言うと、そうなんだ。とあっさり下がった。全く調子が狂う。そうしているとトレイン先生が入ってくる。
「………これはまた……随分大きな怪我を?」
「えぇ。しかしすぐに治るから、構わないと繰り返すバカ犬に対し指導していたところです」
「まだ言う」
「いつまでも言うに決まってるだろう…このくらいの木の…枝と言い張ってますが恐らく幹が貫通したと。傷はこの子犬の種族の能力で塞がっていますが、化膿しかけているので魔法薬を調合してきます。その間、子犬の監視をお願いしても?」
「もちろんだ…食事は摂らせても構わないか?薬の後かね?」
「いえ、食べさせて大丈夫です」
トレイン先生に子犬を任せて鍋のある薬学室へ向かった。
*モーゼス・トレイン
「服…はそうか、破けてしまったのか」
「うん。クルーウェルが直してくれるって」
大事なものなのだろう。きれいに畳んでいる。しかし、怪我で着るものがないとはいえ妙齢の女性を肌着で歩かせるのは……。体操着の予備分があったはず。ケースを覗けばあったので渡す。
「上から羽織りなさい。夜は冷える…食堂へ行こう」
「うん…ルチウスは?」
「ルチウスは寝ている」
「ネコなのに?ネコは夜行性って聞いた」
「猫だが、私の生活に合わせている。昼もよく寝るが、人間が寝る時間になったら同じように眠る」
「そうなんだ……わたしも夜のほうが好きだから、見たかった」
「夜兎族、だったな」
夜と名前がついているなら不思議じゃない。
「いっぱい動いたから、お腹空いた」
「本来は夜食は厳禁だが…まぁ仕方ない」
オニオンスープとバターたっぷりのパン。そしてハムエッグ。よく食べる……。
「裾がつく。こう持ちなさい」
「?…こう?」
「あぁ」
所作を正せば随分良くなった。食事が終わる頃にクルーウェル先生がやってきて、魔法薬の入った瓶を差し出す。
「…………」
とても嫌そうな顔をしているのが分かりやすい。年相応の感情はやはりあるようだ。今回に限っては表情の変化も大きい。
「飲まないとは言わせんぞ、子犬」
「……まずそう」
「飲め」
「……ゔぇ…」
睨まれながらだがなんとか飲みきったようだ…毎回飲まなきゃいけないと嘆いていたが。
「シャワー室があるから入浴しろ。そして今日はさっさと寝るように」
「うん…モーゼスさん、ばいばい」
「あぁ、おやすみ」
*デイヴィス・クルーウェル
なぜこいつは俺のコートを布団代わりに眠っているんだ……!
シャワーを浴びてる間の出来事だった。寝息をすうすうと立てて眠る神夜を叩き起こすことも憚れる。なぜなら話を聞く限りゴーストの魔力がオーバーに肥大化したような存在と戦い、駄犬たちを守ったというのだ。
「明日覚えていろよ……」
少し痛む頭を抑えながら仮眠用のベッドに横になる。
(………くるーうぇる…?)
(………ねてる)
(………ヒマだ、散歩しよう)
起きたらコートが自分にかかっていて、神夜ちゃんが居ないので顔色を変えて探し回るクルーウェルが目撃されます。