HQ 宮(侑)
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
走り回る1日
*宮侑
入学してまぁすぐの体育祭やし来んでもええって言ったのにサムがやたらとおかんに来てほしい来てほしいっつっとった理由がようやく分かった。こいつ、葵ちゃんのこと揶揄うつもりでおかん呼んだんやろ。
「侑、治!入学式ぶりやないの……で?仲良うなりたい子ってどういうことなん?侑くんは」
「ガチで片思いやで…2年の先輩の妹ちゃんなんやけどな、ようやく先輩たちの許しもろてLINE交換してん」
「なんで全部言うねんしばくぞボケサムが!!!!」
「はいはい照れ隠しええから座りや…‥お弁当作って来てんで?食べるやろ?」
「「食う」」
「治もガチで片思いなら笑いものにすんのはよしや、性格悪いで」
「上手くいけばええなぁとは思ってんで?ほんまに……ほんまやって」
「はっ、どうだかな…さっきやって角名たちとゲラゲラ笑っとったやんか」
「そりゃ仲良うなりたい子……って顔真っ赤にしてたら笑うやろ」
「………」
「ご飯中に喧嘩せんの!!!お弁当ナシにすんでアホ共!!!」
おかんにゲンコツ食らった。なんで俺まで殴られなあかんねん……!!!!サムと取り合うようにお弁当を食べているとおかんが俺の肩をバシバシ叩いてくる。痛いねん、加減しろやババァ。
「なんや」
「あの子ちゃうん?」
「あ…?あんまジロジロ見んなよ」
「へぇ、さっき演舞一緒にやっとった子やんな?あらえらい美人さんで……ほんまに可愛いやん!顔ちっっっっさ!!家にあるバレーボールより小さいんちゃうん?」
「小さいで」
「あ!おった!侑くん、治くんまだお腹すいとる?……あ、こんにちは」
「こんにちは〜、このバカたちの母です。二人と仲良うしてくれてありがとうなぁ」
おかんが勝手に挨拶しだしたから余計なことだけは言うなよ、と睨む。
「ちーちゃん……お姉ちゃんがすんごい量のお弁当作っちゃってな、信ちゃんと茜とじゃ食べきれんくて……」
「なくなりそうやし貰いたいわ、ええのん?」
サムの言葉に弁当箱見ると確かにもうなくなりかけや。俺もまだ腹6分目くらいやしな…俺がこのくらいならサムはもっともっと食えるやろな。
「なんか、残飯処理みたいで申し訳ないねんけど……」
「ええよ〜、そっち行ったらええ?持ってくる?」
「治、侑おおきにな……ホンマにすごい量やで」
北さんがお重持ってやって来た。お重????花見か???何段あんねん……4段??!?弟たち3人の運動会やから気合入れるにしても凄い量やな……。
「いつも世話になってます、2年の北と申します。妹の葵と……弟の茜も2人に良うしてもらってます」
「あらあら、しっかりしてはるわ……1年違うだけでこんなしっかりしはるん?あんたら同じようになれんの、侑、治……。宮の母です、喧嘩ばっかして大変やろ……堪忍な、遠慮なくゲンコツしてええからね。」
「やめろや、おかん……北さんならホンマにする」
「周りが引くほどの喧嘩せんかったらええんよ、止める方も巻き込まれる方も迷惑なんやで。こんな可愛い葵ちゃんに怪我なんかさせてみぃ、指切り落としたるからな」
「怪我なんかさせへんわ!つか切るなや!」
耳が赤い葵ちゃんに謝りながら北さんからお重を受け取り、蓋を開くとまだおにぎりやら唐揚げやら美味そうなんがいっぱい入っとる。
「葵ちゃんたち食うたん?」
「いっぱい食べたよ」
「ぎょうさん食っとったな…ちーちゃん喜んでたわ」
「うん……ありがたいけど、10人分くらい作るのは次からやめてもらお」
あの溺愛っぷりのお姉さんならこんくらい作りそうやな……サムとまた手を合わせておにぎり頬張るとむちゃくちゃ美味い。なんや?おかんのも別に不味いなんて思ったことないけどむっちゃ美味い。
「うま!!」
「おかん、むっちゃ美味いで」
「嫌やわ、下位互換になってまうやん」
「おかんの飯不味いなんて言ったことないやろ」
「おん」
サムにな?と見られたから頷く。ほんのり出汁?の味するおにぎりやら柔らかい唐揚げしこたま食う。
「ほんま、2人ともよぉ食べるね」
「食わなおっきくなれへんで」
「む……おにぎりちょうだい」
「葵、程々にしとき……侑もや」
北さんに頷く。1番ちっちゃいおにぎりを渡すとリスか?ハムスターなんか?ってくらいちいちゃい口で食べ始めた。おかんが呼びかけておかんの隣にちまっと座った葵ちゃん、ほんまにちいこい。
「葵ちゃんやっけ?侑と同じクラスなん?」
「はい、1年2組です」
「そうなんやぁ、侑に意地悪されてへん?昔から意地悪やねん」
「おかん」
「190cmになって見下ろされるの楽しみやわ〜って言われてます」
「葵ちゃん!言わんとって!!」
「ま〜意地悪やんなぁ…あんな、おばちゃんがええこと教えたる。葵ちゃんが伸びようとするんもええことやけど、上から叩いて縮ませたり!!」
「暴力推奨すんなや、おかん」
「叩くのは可哀想なんで、漬物石みたく押しますね」
「ノらんでええねん、葵ちゃん」
何仲良うなっとんねん。
「葵ちゃんなんか午後競技出はるん?」
「先生との選抜リレーで終わりです」
「すごいやん!選抜されたん?」
俺もサムも出るって事前に話したんやけど。全然反応ちゃうやんこのババァ。2人で平らげたお重掲げて葵ちゃんのお母さんに渡しに行く。ほんまになくなってる!ってむっちゃびっくりしてた。
「2組陸上部おんのズルいわぁ」
「長距離走担当やからな、先生にあまりに不利やから」
サムと体操しながら答える。先生との対抗リレー終わったら次部活の対抗リレーや。走ってばっかやねん、今日。リレーの順は陸上部の田中さん、葵ちゃん、俺で2組は終わり、1組サッカー部の林へバトンを渡す。2年、3年生は2人ずつで今回は新入生に華持たそうってリレーらしい。
「侑くん右手で受け取るんよね?」
「おん、葵ちゃん頼むで」
「プレッシャー………投げないようにだけ頑張るわ」
「投げたら一発アウトやで?」
よーいスタートで一斉に赤団からスタート。先生はあれ……生物の先生か。若いからトップバッターにされたんやな。お、田中さん普通に早いやん。青抜いて、黄色も抜いた。1位や。
「葵〜!!!コケんなよ!!」
茜や。ここまでも聞こえるくらいの大声で応援しとる。頷いた葵ちゃんがバトンを受け取り走り……はっや??!体力測定のとき男女で別れてやったから知らんかったし、午前の借り物競争時はここまでガチじゃなかったからこんな早いと思わんかった。どよめいとるで、周り。
「ぶっちぎりやん」
「ふふ、っ頼んだ!」
バトン受け取る時おもっきし指触ってもてどぎまぎしながら走った。赤組1位のまま1組へ渡し、これまた茜が足が早い。1年組が終わったので真ん中らへんに集まって残りを見守る。
「葵ちゃんあんな足速いん?」
「短距離集中型やけどね……はぁ…疲れたぁ…全力疾走したわぁ」
「びっくりしたわほんま」
「ふふ、運動センスはあるんだよ……体力とかないけど」
「シャトルラン何回やったん?」
「12」
すっっっっくな。振り切っとるな……ロケットみたいやな。スラムダンクみたくゴールシュートできたって言ってたのもそうやし、今回のリレーもそうやし……。瞬発力やらなんやら人の倍あるけど、持続力はない。特攻みたいな。
「茜たちは部活のリレーもあるんよね……なんか今日さ、侑くんたちずっと走ってへん?」
「丁度思てた、今日走る競技ばっかや。」
「茜が言うにはサッカー部相当足早い人集めたらしいで……信ちゃんに花持たせてくれたら、お祝い行こぉや!クラスのとは別で」
「………ぇ?」
アホみたいな声しか出ぇへんかったのは、2人で?デートっちゅうこと??と混乱しとったから。ぐるぐる考える間に葵ちゃんが「あっ!」と大きい声出した。
「……お金の問題とかあるのか……」
寮生やからな。まぁお小遣いくらいおかんにいえばいつでも貰えるけど。真面目な葵ちゃんは考え込んどる。
「お小遣いくらいあるし、行けるで……サッカー部負かしたらええねんな?」
「腕まくり何…?何しに行くん??リレーの話やんな?」
ボケたらついてきてくれた。葵ちゃんから言い出してくれたんや。もしかして……いや、もしかしなくても。俺が午前中借り物競争で『仲良うなりたい子』って言ったから、やんな?みすみすチャンス逃す手はない。
(っっしゃおら!!!!勝ったァ!!!)
(ツム……お前なんか葵ちゃん絡みであったやろ)
(分かりやすすぎるよね。で?何?リレー勝ったらキスとか?)
(キッ…!?んな訳ないやろ!!!黙れ角名のアホが!!!!)
(おーおー顔真っ赤……落ち着きなって、北さん見てるよ)
(なんっっっで俺が悪いみたいになっとんねん…!!!)
(ごめんごめん、ピュアな侑にぶっこんだ俺が悪かったね)
(……で?北さんと何約束したんだよ、侑)
(………クラスの打ち上げとは別でお祝い行こーって…)
(((………デート??!)))
(じゃかしい!!!!2人でなんて言われてへん!!)
(いや、もぉそれはデートでええやん、デートにし!2人で行こや言うてこい!俺が言おうか?)
(うっっさいわサムまじでやめろボケ)
(どんな感じで言われたの?照れてた?)
(ニッコニコしとった……から、勉強会みたいな感じで…バレー部1年で、いう話かと思うやん)
(……俺も侑だったら思うわ)
(なぁ、銀島もそう思うやんな?!)
(デートしたいか、否かによるけど。侑はどうしたいの?)
(………したいに決まっとるやろ)
(2人きりで1日会話できる自信は?)
(……………)
(よし、皆での方向に持ってこ。協力はするよ、面白がるけど)
(嬉しくないわ……はぁ…サムお前は笑いすぎやしばくぞ)