HQ 宮(侑)
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心踊るやりとり
*北葵
ぽこん、とスマホが鳴る。
見ると宮くん。柴太郎のアイコンだ。お昼、LINE交換したんだった。
『今ええか?』
『ええよ、部活お疲れさま!』
『北さんから何も聞いとらんやんな?』
『喧嘩してたって聞いた。あんま信ちゃん困らせんとってよ〜〜ご飯3杯食べとった』
『むっちゃ食うやん』
『まぁサムにムカついて3杯俺も食うたけど』
食うたんかい。思わず脳内でツッコむ。やっぱりお米いっぱい食べたほうがええんやろか……骨やからカルシウム!と思って一生懸命カルシウム摂取してきたけど。
『宮くんもよぉ食べるんやね…私も2杯目指そうかな。190cmになって宮くん見下ろすねん』
『まだ諦めてなかったん????』
『成長期やからね??』
怒ったうさぎのスタンプを送りつける。そのあとに銃口を向けてるひよこのスタンプも。
『ばりキレてるやん』
『諦めへん。スタイルええのんが理想』
『別に今も悪くないやろ』
『ちっこいもん。信ちゃんとか見てみ?股下4キロくらいあんねんもん、隣立つの辛いもん』
『4キロはないやろ』
でも今もスタイル悪くないやろって褒められた?のは素直に嬉しい。ありがとうのスタンプ送っておく。
『なぁ』
『なぁに?』
『……名前、宮やなくて侑がええねんけど。サムと同じやもん』
『たしかに』
『北なんて今3人おるやろ。北さん、北さんって言われたら区別つかんやろ』
『やから』
『俺は葵ちゃんって呼んでええか?』
『ええよ!私も侑くんって呼ぶな』
『あと』
LINEの登録名も侑くんに変更してたら、あと…から連絡が来ない。
『なに〜?』
『や、ええ。気にせんとって』
1番気になるやつじゃん……。そのあともぽこぽこLINEが届く。眠い……。
*宮侑
言ってしもた。下の名前で呼んでほしいって送って、北家は三人もおるから!とかいろいろ言い訳みたく送ったらふっつーに『ええよ!』ってあっけらかんと返ってきてなんか緊張してたんがアホらしなった。けど、文字でも侑くんって返ってくるの嬉しい。
「なんニヤニヤしとん、ツム……あ〜葵ちゃん?早速LINEしてんねや」
「そりゃするやろ」
「ほ〜ん???まさかツムの好みああいう子やったとはなぁ……」
ニヤニヤとおかんにお土産話できたなあ!とか言われて血管ブチギレそうになる。言い返そうとしたらスマホから音なっとる。
「………は??!電話!?!!」
「早よ出ぇや」
「出れるか!!!!」
「勿体無いの〜、電話やで?値落ち通話とかすりゃええやん」
うかうか寝落ちできんわ、緊張して!!!!押し間違いか?と思ったけど暫く鳴るからサムに言われるまま通話ボタンを押す。
「……もしもし?どないした?」
『………』
なんの返事もない。
「……寝ぼけてるんちゃう?もう10時やし」
小声でサムが言う。………いやいやいや、小学生やないねんで???高校生ならもう少し起きとるやろ、大体は。
「……間違い電話なん?」
『ん……ぁえ…?なに…?』
ごっつ寝ぼけてるやん。は?????むっちゃかわええ寝起き?の声聞こえてきたんやけど!?!
「ツム、顔赤すぎや……っ」
「お前は黙らんかい、サム…!…寝とるんやな?切るで?」
『え…?なんでぇ?』
「眠いんやろ、早よ寝やんと」
『ん…?……葵、ちーちゃんに貸して?やっほー、君が侑くん?』
「え?ぁ、はい」
ゴソゴソという音のあと急にハキハキした声が聞こえてくる。……北さんのお姉ちゃんやろか?
『凄いなぁ、信ちゃんと茜の審査通った子ぉ久々なんよ!まあウチの?葵ちゃんは?ほんまにスーパープリティばり世界一可愛い子やから、道行く皆をメロメロにさせてしまうんは仕方ないんやけどぉ〜』
むっちゃ喋るやん……。スピーカーにしてないのにお姉ちゃんの声でかすぎてサムにも聞こえてるらしくて、ポカーンてしとる。俺もや。
『堪忍なぁ、かならず睡眠7時間!って決めとるから10時くらいには大体寝とるんよ……んで、さっきまで寝ぼけながら文字打っとったから電話しちゃったみたい。決していたずら電話じゃないから』
「あ、はい……別に怒っとる訳やないんで…」
『ふふふ、ありがとぉ!あ、この間侑くんチロルチョコありがとぉな!卒論のお供にさせてもろたよ〜』
「……っす。」
「ギャッハハハハ!!!筒抜けやん、ツム!!」
『おー元気やねえ、そっか。稲荷崎は寮生もおるんか…君らも高校生なんやし早よ寝なあかんで?部活中にあくびなんかしてみぃ?信ちゃんから右ストレートくるで』
「早よ寝ます」
『ん、またね〜!6月の体育祭見に行く予定やから!』
ぷつ、と切れた。嵐みたいなお姉ちゃんやな………。
「つかツム、お前賄賂送っとんか?」
「ちゃうわアホ……お前にもやったやろ。あっち4兄弟で仲良う分けるから俺も2人で分けろっちゅうから」
「へ〜え?素直やん……良かったな」
うるさい。早よ寝るで。そういって電気消して目を瞑る。明日角名たちにも揶揄われるやん……くそ。
朝練向かえば葵ちゃんが北さんとボール磨いとった。3年生に絡まれたくないからってもう教室行くらしい。
「葵ちゃん」
「あ、侑くん!おはよ〜ごめんね、昨日なんか間違ぉて電話かけちゃったみたいで…ちーちゃんに笑われてん」
「や、ええよ……今日もボール拭いてくれたん?」
「うん、信ちゃんと一緒にね!やっぱ磨くと違うん?セッターに聞くとええって言っててん」
「そやな……ボール掴みやすいからトス上げるとき滑りにくいわ……ありがとな」
「ふふ〜、信ちゃんにも言うてな」
か、かわえ……。満面の笑みでそう言ってきた葵ちゃんと別れる。朝練ばり気合入った、単純すぎて自分でも恥ずかしくなる。
「なに?侑機嫌いいじゃん……葵ちゃん?」
「お前らな……」
「そうそう、昨日やっとこさLINE交換してニヤニヤしながらLINEしとったわ」
「サム!!」
「事実やろ?」
「…3年の前で言うな、北さんが色々言われんねん」
声を小さくしてサムを睨む。あのあと結局、監督総出でミーティング中に注意入って北さんがネチネチロッカールームで言われとった。
北さんは葵ちゃんが危ないって判断したら言い返したりするんやろうけど、自分が言われてるだけやし。まいっか。って感じでなんにも言い返さん。
「やから?」
「なんちゅーか……別に北さんはスタメンちゃうし、バリ才能マンって訳ちゃうけど……褒められんくても誰も気にせんくても色々気ぃ回してやっとる人が、下らん理由と下らん人間にこき下ろされていい訳ないやろ。そんなん俺のセットで打てへんポンコツ以上にカスや。」
「お前………ちょっと見直したわ、侑」
「銀島クンどういう意味かよ〜く教えてや???……かといって俺は別にボール拭くの混ざるわけやないで。その間に俺は一本でも多くセットアップの練習する。ビデオ見る。走り込む。やり方が違うだけやろ、そういう各々のバレーのために努力もしてへんやつが北さん馬鹿にしてええ理由どこにあんねん」
「おお、なんやえらい褒められとるな……朝練で汗かいてん。風邪引くから早よ着替えてき」
「ぅげ、北さん…盗み聞きせんとってくださいよ!!」
「盗んでへん、人聞き悪いな。間が悪いが正しいで…ま、おおきにな。3年のことも気にしてへんから侑が喧嘩売りに行く必要もないで」
「うぐ……」
しっかり特定の3年に反抗しとるのバレとるし……。
「角名と銀島も、もし絡まれてたら助けたってな?逐一見張るわけにもいかんし。侑も治も、まずは冷静にな」
一応返事はする。けど……もしあいつらまた葵ちゃんに絡んでたら冷静でおる自信、ミリもないわ。
「同じや、サムや俺にキャーキャー言うてそれで『マネやりたいねん』っていう女も、『可愛い1年生にマネしてほしい』とかいうあいつらも。お似合いやからそっちでくっついてりゃええんや」
「まあそれはそうだね、こちとら県外からくるほどだし。そういう目的で進学したわけじゃないしね」
「やろ?早よ引退せんかな……はぁ…」
靴箱の中やらに入っとる下らん手紙も全部引っ掴んで寮のゴミ箱へ捨ててる。一応宛名だけは確認しとる。たまにおかんの手紙も混じっとってブチ切れてるから。
「おはよぉさん」
「侑くんおはよ〜」
「宮くんおはよう」
工藤さんと単語帳開いとる。葵ちゃんかわええ……そういや稲荷崎どうやって受験したんやろ。
「2人、ここどうやって受験したん?」
「私も葵ちゃんも一般やで、宮くんはスポーツ推薦やろ?」
「おん……もしかして勉強得意なん?」
「得意かどうかは……」
「どうなんやろね?お姉ちゃんがな、中学まで成績よくても高校は色々行くとこあるし、その年に入学した子らの偏差値で点数変わるし、ガクッと変わることあるで〜って怖いこと言っとった」
「ありえるなぁ、稲荷崎なんてもともと偏差値高めやから期末テスト今から怖いわ」
「ほん、なら葵ちゃんたち勉強教えてや。俺からっきしやねん」
「宮くん……ええよ、ええねんけど。諦めすぎや」
「や、俺中学から点数だめやねん。サムもやけど」
「ええよ!……お菓子くれるんなら」
「ん、決まりな。やーーよかった、赤点なんか取ったら北さん『部活参加させへん』って言いそうやし」
「葵ちゃん、甘やかし良くないよ……」
「やってお菓子には抗えへんよ〜…あ、でもだからって授業中すすんで居眠りとかはあかんよ?」
頷く。葵ちゃんと勉強会できるってだけでちょっともう嬉しい。できれば二人きりがええねんけど、逆に緊張するからサムたちにもあとで呼びかけるか。
チャイム鳴って前へ向き直す。斜め前の葵ちゃんに視線移すとえらい姿勢ええなぁとか、可愛い筆箱つこてるんやなぁとか、下敷きはディズニーの見たことあるキャラやなとか。全く飽きひん。
「じゃあここ読み上げてください…出席番号22番、北さんやね」
「はーい…
「お〜随分スラスラ読んだね。そこはかくりゃく、です。古い漢字だから難しいよね」
「か、かくりゃきゅ」
「惜しい。かくりゃく」
「かきゅりゃく」
「ぶっ」
「もお、笑わんとって!!!」
顔真っ赤にして噛みまくってんの可愛すぎるやろ…!指さされて怒られたけど笑いが止まらず、葵ちゃんみるみる顔真っ赤っかになっとった。
「じゃあばりウケてる宮くんにバトンタッチしてもらいましょー、はい、読む人は立ってください」
(侑くん笑いすぎや!)
(やっておもろかってん、なんで読めへんかったん?今読めんのに)
(調子悪かってん)
(調子あるんやぁ……くく、あ〜おもろかった)
(はぁ、勉強会の話更地にさせてもらうで)
(あかんあかん、それはあかん。ごめん葵ちゃん、赤点なんかとって部活やめたなんて言うたらオカンにぶん殴られる)
(ふん。お昼のコーヒー牛乳で手ぇ打つわ)
(寛大なお心に感謝します)