HQ 宮(侑)
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ひよこの足どり
*北葵
「今日その宮くんって子にな、ちび!って言われてん」
「宮……あぁ、あのでっかい双子か」
「やからな、成長期や!追い越したる!って言ったらな、『何年かかるんでちょうね〜』ってバカにされてん」
「ふは、そりゃ腹立つなあ」
信ちゃんによしよしって背中ぽんぽんされた。
「お母さん、今日グルト4本飲む!!!」
「葵、またお腹下すで?そんな即効性ないやろ」
お母さんにグルトは1日2本まで!と家訓つけられたの思い出した。
「なんで私だけこんなちっこいんよぉ〜!誰の血や!!」
「ばあちゃんやろ……ええやん、葵は葵なんやから」
「股下4キロある信ちゃんにフォローされても」
「4キロもないわ……ほら、教科書お下がりジャンケンやろ」
落書きもシワもない信ちゃんの教科書。信ちゃんの名前書いてあんねん。ジャージも信ちゃんが卒業したらもらうって約束してある。
現国、数Ⅰ、数A、生物基礎、英Ⅰお下がりでもろうた。お母さんからはお下がり普通嫌がるのに珍しいねえと茜と一緒に撫でられた。信ちゃんやちーちゃんのお下がりならええもん。ちーちゃんは着てる服もかわいいし。お下がりほしいけど身長高いから着れへんもんばっかりでスウェットとか部屋着いきのものが多いけど……。
「信ちゃんありがとお、大事に使うわ!」
「ん、おおきに。ジャージは仲良く半分こな」
「うん」
「茜はもっと背伸びるかもしれんから着れへんかもな」
「伸びるやろ」
「そんな無理やり着るもんちゃうやろ……ノートに名前書いたん?二人とも。混ざったら偉いことになるで」
「「書いた!」」
「ん。ならそろそろ寝る時間や」
アヤちゃんからLINE来てる。明日の時間割共有してくれた。わざわざ……なんて優しい子ぉなんや。宮くんに揶揄われたあとも背伸びひん辛さを共有しとった。アヤちゃんも159、で四捨五入したら160cm組やねん。変わらんやんって言われるけど、変わんねん。大事なことやからな。
『アヤちゃん、ありがとお!おおきに!明日一緒におべんと食べよ〜ね!』
「お母さん、明日…」
「だし巻き卵?卵買うとるよ」
「ふふん」
「俺も唐揚げ」
「朝から揚げ物させるなんてアンタくらいやわもう……唐揚げは夕飯出た次の日に繰り越しシステム」
「え〜!じゃあ塩カルビ」
「肉から離れや……ほら、葵と信介と歯磨き!」
背中押された。茜はタンパク質の大事さ分かってへん!ってぷりぷりしてたから頭撫でといた。卵にもあるやん。肉と比べたら少ないかもやけど。
「葵、葵」
「ん……?」
「兄ちゃん朝練あるから起きるけどどうする?」
「……茜はぁ…?」
「茜も起きてサッカー部の朝練参加しに行くで」
じゃあ起きる……1回変な露出魔に遭遇したり、酔っ払いにストーカーみたいなことされてから登下校一人でしたアカン!言われてる。信ちゃんと茜の部活の邪魔はできないから、私が起きる時間二人に合わすしかない。
「起きる……」
「ほら、寝癖の櫛と治すやつ。お母さんおにぎり作ってるから兄ちゃん貰いに行くで。ちゃんと着替えや」
頷く。現役の二段ベッドから降りて顔を洗う。日焼け止め塗って、バレない程度にカバー力ある下地塗る。眉毛整えて、眉マスカラでぼかす。まつげは日中用のクリアなマツエク効果あるやつ塗って終わり!お化粧するとこちゃう。って信ちゃんがギリギリ許してくれるライン。
寝癖直しして真っ直ぐにして制服に着替える。ペチコート履いて靴下履いて……リビングに向かう。
「おはようさん」
「おはよー葵も行くん?」
「おはよ〜、うん!ちーちゃんは?」
「1限あるってもう出たわ」
そうなんだ……ちーちゃん頑張ってねとスタンプを送って座る。おかかのおにぎり食べて歯磨きして家を出る。信ちゃんジャージやしなんか変な感じや。
「まだ朝ちょっと寒いな」
「さぶさぶやな」
「葵マフラーいらんの?」
「そこまでちゃうよ」
正門入ってグラウンドに行く茜と別れ、昨日お母さんたちと見た体育館に向かう。
「誰もおらへん!」
「ん、早めに来とるんよ……葵もやるか?」
「え、朝練を…?」
「ふは…ちゃうよ、ボール磨くん。朝練の前と練習後に磨くんよ」
「磨いたらなんか変わるん?軽くなるとか?」
「セッターが上げやすくなったり、汗やらなんやらついとるから滑りやすいんよ…あ、磨いたら後で手ぇ洗い」
「やる!信ちゃんの手ぇ2本しかないのに大変や」
「おおきにな」
「…じゃあサッカーボールも磨いたほうがええんかな?」
「どうやろ……こっちは素手で触るもんやけどあっちはスパイクで蹴るから勝手が違うかもやし茜に聞いてごらん」
頷く。タオルで丁寧に磨くんよ、と教えてもらった通りに磨いているとちらほら人が覗きこんでる。
「二人やと早いな…おおきに、葵。練習見ていくん?ボール飛んでったら危ないから見るなら2階やで」
「信ちゃーん!って言うてええ?」
「あかん」
「え〜!テレビではしてるやん!」
「世界大会ちゃうからな……ほらいじけんと」
手洗ってくる!と廊下に出る。水冷た……石鹸でよく洗ってミッフィーのハンドタオルで拭いて2階に登る。道狭……!埃すご……!また後で手洗わなアカンな……。
*宮侑
朝からびびった。サムと朝練参加しに行ったら葵ちゃん居る。なんか普通に2階に居る。全然顔なじみの俺なんか見てくれんくてサムには笑われたからどついて喧嘩してたら3年生よりよっぽどおっかない2年生に真顔で怒られた。
「北、あんま新入生詰めんようにな」
「すんません……二人とも、練習中断させるような喧嘩は先輩たちにも迷惑やで」
「「はい…」」
ん…?北?北言うた?昨日の会話を思い出す。
『バレー部なら信ちゃんの後輩やん!』
信ちゃんってまさか……?この人?!は??!?こんな
イロモネアの絶対笑わんやつみたいな人があの可愛え葵ちゃんの身内なん??!?信じられへん……。ピクリとも笑わへん北さんが怖くてその後はサムと小競り合いだけして朝練終了。用具片して着替えるかあとストレッチしとると、似合わん間延びした声が聞こえてくる。
「信ちゃん、ボール磨く?」
「ん、夕方の部活終わりに拭くから大丈夫やで」
「ほんまに兄弟やん…………」
つか北さん、葵ちゃんにはあんな優しい顔すんの??!3年生にも向けてない表情筋ばっしばし動いとる。キャプテンもびっくりしたみたいで声かけとった。
「え、北、知り合い?彼女ちゃん?」
「ちゃいます。妹です…弟もおるんですけど」
「そぉなん?!俺……てっきりひとりっ子か長男かと思ってたわ」
「はは…まあ長男ではありますけど、姉もおります」
意外すぎるやろ……。あの貫禄で上おんのかい。
「北の妹ちゃん、降りといで〜!マネやらへんの?」
「真似?」
「マネージャーな……あかん、埃ついとるやん」
「要検討です!…信ちゃん、2階凄かってん!雪みたいやった」
「今度掃除せなな……外で払ってき」
はーい!とぱたぱた足音がこっちに近寄ってくる。ひよこやん……俺らさっき走り回ってる時ドスドス音鳴っとったのに……軽すぎやろ。
「あ!宮くんと銀さん!おはよう」
「銀さん…???」
「金さんと銀さんみたいやねって昨日話しとったんよ……縁起良いのに金さんは嫌がったけど」
「嫌なもんは嫌やからな。あれ?190cmに伸びてくるんちゃうの?」
「しょうがないやん、ぐんぐんグルトは1日2本までなんやから!」
か、かわええ……ぐんぐんグルトで背伸びると思ってんの??可愛すぎるやろ……なんやこの生命体は。同じ人間か?ほんまに。
「信ちゃん!!!」
「ぷりぷりせえへんの…ほら払ってき。…宮もあんま人の気にしとうこと揶揄ったアカンで。どうこうできる問題ちゃうし」
先輩だけ呼びつけて埃払いに行った葵ちゃんを少し睨みながら北さんに向かい直す。
「や〜可愛ええ反応するからつい………違う違う違うすんませんした。何でもありません」
本音がポロっと出てしもうて慌てて首を振るもサムは腹を抱えて爆笑しとるしキャプテンも「へえ?」って肩くんできた。恥ずくて顔が熱い。
「ふ…可愛いんは否定せんから、葵と仲ような?」
な、に笑っとんねんこの人は…!!!
「昨日の今日で一目惚れか?ツムにしてはめっずらしいなぁ」
「うっさいわサム……!」
散々揶揄われながら着替えて教室向かった。
「やから今日早かったんや〜!あ、宮くんおはよう」
「おはよ……さっきぶりやん」
「ふん」
え、目線合わせんようにしとるん??可愛すぎるが???顔ぷいぷい背けるからちっこい頭掴んでこっちに向けさせる。
「挨拶くらいしたらどうやの」
「さっきしたやろ!」
「何度でもすんねん」
「なんやそれ……おはよ」
「おはよう」
ボールよりちっこいわ。工藤さんと葵ちゃんは対面式の話しとる。対面式?
「対面式ってなんなん?」
聞けば体育館に集まって先輩たちと対面するらしい。新入生代表の挨拶に選ばれたのがなんと、葵ちゃんやと。頭ええんや……確かに北さん頭良さそうやもんな……北さんの妹ならありえるか。
「緊張しいやから嫌や言うたんやけど……」
「凄いやん、代表なんて!後ろから応援しとるよ」
「宮くん、変わらへん?」
「俺そういうの向いとらんで……選ばれる基準におるんやから何も緊張せんでええやろ」
「皆に見られるんが嫌なんや……あ!そうだ、1年生下向いてもらうように呼びかけてもらおうかな」
「どんな対面式やねん」
話してるとサムがニヤニヤしながらクラスに来てるのに気付いた。あいつ余計なこと言うんちゃうやろな……!!
「葵ちゃん」
「銀さん!さっきぶり〜」
おい、俺と態度違いすぎやろ!!!なんで嬉しそぉやねん!!!!
「俺の片割れが酷いこと言ってごめんなぁ?あとでぶん殴っとくから許したって」
「な、殴りはしやんで…痛いの可哀想や」
「ちょお、なんで俺がボコられる前提やねん」
納得いかへん。
「どっちもや!も〜!すぐ突っかかってくる!!それに!手ぇは大事って信ちゃん言うとった!やから余計ダメや」
「ふは……おもろ、なるほどなぁ。確かに手ェ大事やんなぁ…ツムは特に」
「そうなん?」
「ツムはセッターやからな」
「……セッターなん?すごいやん!信ちゃんもな、セッターは頭よう使うから大変やってちいちゃいころ言っとった」
「お、う……司令塔やからな」
キラキラ…!って目で見上げられて毒気抜かれる。なんや、意外〜とかそういうこと言われると思ってたから素直に褒められて声小さなってしもうた。
「なぁなぁ葵ちゃん、俺は?北さんと同じポジションやで」
「ええなぁ、かっこいいポジションやん」
クソサム、何しれっと自分も褒めてもらっとんねん!!!ニヤニヤしてこっち見やがってクソが…!!
「身内にバレーしとる人おるんなら、葵ちゃんもやろーってならんかったの?」
工藤さんが葵ちゃんにそう尋ねる。確かに……あんだけお兄ちゃん好き好きーってやってるんなら女バレしとってもおかしくない。
「最初やろうとしたけど……ボール飛ばへんかったんよ…パワーないって言われた……あ、今バカにしようとしたやろ」
「してへんわ…こない細っこい腕ではそりゃ打てんわ」
俺の何分のイチやねん。カリッカリやん。
「ジャンプ力なら負けへんもん……やからバスケしたら?ってオススメされてんで」
「ジャンプ力あるんや…何cm飛ぶん?」
「今は分からへんけど……中学の時60cm近く飛べてんよ!でも飛べてもさ、元がちっちゃいから活かせへんって」
60??!?!バケモンやん。葵ちゃんの身長やとまあ確かにリベロが無難やけど……飛べるとなるとウイングスパイカーに向いてはいる。けど、マイナススタートの身長をカバーできる他の能力が備わってへんのやろ……ある方が奇跡やしな。
「スラムダンクいけるんちゃう?」
「やれたで!中3のころ」
「「すごっ!!!」」
今度見してや、嫌やとやり取りしてるとサムがとんでもないこと言い出した。
「葵ちゃん、LINEの交換しよや」
はぁ……???!?!!コイツ俺より先に…!!!
(あ、それは茜と信ちゃんに要相談や)
(え?私とはすぐしてくれたやん)
(アヤちゃんいい子やし女の子やもん。男の子は北家メンズによる審査通ってからって決まってるんよ)
(えらい厳しいんや……)
(そーそー。というわけで詰め寄るの禁止や。葵、数Aの教科書持ってってない?)
(……あ、ごめん持っとる)
(重かったやろ。……はいウチの可愛い葵にいつまで付き纏っとるんや、宮くん。ナンパ禁止や)
(ナンパちゃうよ、マネしてくれるかもしれへんし)
(はぁ?!葵サッカー部のマネやるんじゃなかったん??)
(まだ決まってへんやん…今日サッカー部見に行こと思うてたし)
(というわけで葵は俺のマネ候補やから諦めて、宮くん)
(何そんな怒っとん?チョコ食べる?)
(いらん、ラムネないんか)
(ある……ほい)
(ん。工藤さん?葵すぐナンパされるから見とってな…ほら帰るで、宮くん)
(じゃあなぁ、葵ちゃん)
(またね〜)
(………お前の片割れ、えっっっっらい過保護やの……)
(そう?信ちゃんもあんな感じやで)
((クソ前途多難やん……連絡先も交換できへんの…???))