HQ 宮(侑)
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
メイドさん参上!
*北葵
「アヤちゃんどお?着れてる?これ可愛いなあ!」
さすがクラス委員長が拘っただけある。橋本先生が良かれと思って衣装はドンキで売ってそうやんなって話したときの勢い、ホンマに凄かった。
『ドンキ?!??!先生何言うてはるん?!?あんな安っちい露出しとけばええんやろ?みたいなんメイド服ちゃいます!!!!』
『ご、ごめんね…???どういうの見てるの?』
『男女ともに所謂ホール接客は5人ずつ居れば回る想定なんで、10人で接客、商品提供、レジやるんで……お湯とか茶葉とか用意したり茶器洗ったりする裏方はジャージでって考えてるんで、予備含めて6着ずつ。このアマゾンの見とるんです!』
そう言って見せてもらったんは6着ずつでそこそこ値段するもんやった。売上の想定と、茶器は委員長のお家から借りて茶葉もルピシアで揃えた。その支出含めてもメイド服、執事服買うても問題ないってなって買うてくれたやつ。
足首まですっぽりあるふわっとしたロングスカートも可愛いし、太ももくらいまであるフリル付きのエプロンも刺繍がキレイで全然安っぽくない。肩のところはパフやらタックも入っとって、とにかくシルエットがきれい。ロングの子ぉはきっちり髪の毛結んで、頭のアクセサリーを紐で結んで。むちゃくちゃ可愛い!
「可愛い〜!!!葵ちゃん似合うわぁ」
「アヤちゃんもお団子しとるからむっちゃ可愛いで!本物みたいやなあ」
二人で写真撮っとると、男子の着替えが終わった。仲良しグループでシフト割り振ってくれたおかげで、ほとんどいつも話す仲良しの子らしか居らへん。手作りで作ったメニュー表を各机に置いて、入り口で待っとく。
「わあ、侑くんも堀川くんも似合うとる!カッコええなあ」
二人ともちょっとガタイがええけど、パツパツやないしものすごい様になってる。侑くんは委員長によって髪の毛セットされたらしくていつもよりかっちりしとる。
「…むちゃくちゃ恥ずいわ…」
「え〜?似合うとるよ?しゃきっとせんと、逆にかっこ悪うなっちゃうで」
少し猫背な侑くんにそう声をかけると目が合うのでくるりと一周回る。
「どう?委員長こだわりのメイド服!」
「……むちゃくちゃかわええ。葵ちゃんこそ似合うとるわ」
「ありがとぉ、堀川くんも着替える前に4人で写真撮ろうな」
「うん!」
*宮侑
あっっかんやろマジで、なんで好きな子ぉのメイド服こんな近くで見とんねん。可愛すぎるやろ。なんなん???どう?ってくるって回ったときホンマに時間止まったかと思うた。
始まってすぐ、角名たちが茶化しに来よった。
「執事さ〜ん、俺アッサムティー」
「俺は緑茶にしよ」
「俺ルイボスティー」
「何ニヤついてんねんお前ら……」
「執事服着せられてんのウケる」
角名に写真撮られまくったけど、途中から葵ちゃんも入ってきたからもう何も言わんかった。
「誰がどれやっけ?」
「角名がアッサム」
「じゃあ蒸し終わったから淹れるで〜」
「おお、本格的やん」
3人もいるからって葵ちゃんと工藤さんが手伝おてくれた。慣れないながらも事前に委員長にレクチャーされた淹れ方で入れる。むっちゃええ匂いする。
「お、侑……似合うとるやん」
「北さん……」
「信ちゃん!信ちゃん見て!」
サムみたいな揶揄うときの顔しとる北さんをちょっと睨んどったら葵ちゃんが子犬見たく跳ねて来た。
「こら、埃舞うやろ……おお、可愛いやん。似合うとるわ」
「ふふ〜そやろ?アヤちゃんも侑くんも褒めてくれてん」
「良かったなぁ…アラン、入るで」
アランくんも居るん?!?!バレー部大集合してもうてホンマに恥ずかしいしクソサムが余計なことアランくんに吹き込むから、葵ちゃんにアランくんが絡んどったりして最悪やった。
「えぇ子やなあ、さすが北の妹ちゃん」
「せやろ」
否定せん北さん、いわゆる「親ばか」っちゅーやつやな……まぁ確かに葵ちゃんええ子やけど。
「今朝もボール磨きに来てくれてんな?怖がるかなぁって入り口で見とってん」
「え!?そうなんですか?!気付かんかった」
「気にせんと入って来ぃや…」
予想しとったより寒い気温やったのもあって喫茶大繁盛。お昼にシフトチェンジする前までひっきりなしに人くる。葵ちゃんのお姉さん来はった時なんかもう、大変やった。
「わ〜!!!葵バリ可愛いやん!!アヤちゃん、久しぶり〜!アヤちゃんも似合うてはる、可愛いなぁ!二人寄って寄って〜?」
「ちーちゃん、可愛く撮ってな」
「なんもせんでもアンタら可愛いやろ…‥はぁ可愛い、お父さんに自慢しよ。アールグレイください」
「は〜い」
「あれ?侑くん!?侑くんも似合うてはるわ……おすましさんやね」
「え、まぁ…‥」
「あとで葵と写真撮ろうか?」
「……さっき角名…バレー部のやつが撮ったんでええです、」
何をニヤニヤしとんねん、この人は……。角名のクラスの焼きそばもう食うて来たらしくて美味しかったよ〜ってオススメされた。もう昼やしお腹空いたわ。
シフト変わって制服に着替えてサムたちと合流する。葵ちゃんと居らんでええん?って言われたけど…葵ちゃんかて工藤さんらと回りたいやろうし…。
「文化祭なんてナンパの嵐やで、ツム」
「アカンわ」
「連絡だけ入れてみたら?多分電話のほうがいいよ」
「……おん」
『……あ、もしもし?侑くん?』
「回っとるとこすまんな、あの……なんもあらへんか?大丈夫か?」
『あんな、今ちょうど…知らん子にアヤちゃん声かけられてて……動けへんねん、3年生のたこ焼き食べようと思ってんけど……』
「他校の人らなん?」
『うん……制服着てはる……なぁ、誰と話してん?お姉さんも一緒に回ろうや』
こいつ、スマホ葵ちゃんから取り上げたん?ガサガサした物音したあと葵ちゃんの声が遠い。
「サム、絡まれてるから行くわ」
「俺らも心配やからついてくわ」
3年のフロアに急いでいくと葵ちゃんのスマホを上にやって左手掴んどるやつおる。
「ちょっと、返してください!」
「連絡先教えてぇや?」
「あ……侑くん」
「おん、大丈夫か?おい何人のモン取り上げて脅しとんねん、返したりや」
背が高くて良かったとひしひしと思うわ。角名もおるし銀島もおる。慄いたナンパ野郎が舌打ちして葵ちゃんにスマホ投げ返した。なんで投げんねんアホが。投げ返されると思ってへんかった葵ちゃんのおでこにバチィン音立てて思い切り当たった音した。
「いだ……」
「葵ちゃん大丈夫?…信じられへん、普通スマホ顔に向かって投げる!??」
「アヤちゃん、平気やから落ち着いて…よく寝っ転がって弄って顔に落としとるから平気よ」
「投げるんと落とすんじゃ話変わってくるやろ…ほんまに平気なん?」
おでこむっちゃ赤くなっとる。鼻やなくてまだ良かった、鼻血とか出しとったら俺アイツのことしばき倒してるとこやったわ。
「うん!ごめんなぁ、バレー部で回っとったとこなのに」
「いや全然いいよ…葵ちゃんたちさえよければ一緒に回ろうよ、正直俺も女の子に声かけられる治と侑にうんざりしてたんだよね」
「おい、角名」
「人気者やね〜、私皆がいいなら皆で回りたいわ!葵ちゃんは?」
「うん、回ろ〜……あっ!」
「何?!急に大声出さんとって!」
「……信ちゃんのお化け屋敷、もう行った?茜に裏切られてん」
「行ってへんわ、北さんのクラスお化け屋敷なんや」
去年、北さんが1年生の時は茜も葵ちゃんも受験で来れへんかったらしい。準備中にその話聞いとったし、北さん的にもきっと遊びに来てほしいやろうしな……葵ちゃんのこと目に入れても痛くないって前言っとったし。
腹ごしらえして向かうか、とグループになって動く。
「たこ焼き買えたん?」
「まだやねん、並ぼうとしたらさっきの人らに付け回されて……しかもな、アヤちゃんに最初声かけたときな、迷っちゃったってテイで話しかけてきてん!ずるいやんなぁ」
ぷんぷん怒る可愛い葵ちゃんを宥めつつ、フランクフルトやらたこ焼きやら焼き鳥やら買うて食べ歩く。サムが全然満足しとらんかったけど、北さんのクラス向かう。
「はあ……嫌や、先に謝っとくけど多分私ばりうるさいわ」
「学生のクオリティなんやし大丈夫やって!」
工藤さんがそうフォローした瞬間、クラスの中からむちゃくちゃ悲鳴が廊下に響き渡る。アカンやん。最悪のタイミングや。
「は〜嫌やぁ…」
「まあまあ…治と俺で先頭行くから」
「せや、大体前から来るし!しかも狭いし大丈夫や」
サムも必死に元気づけて、サム、角名、銀島、俺、葵ちゃん、工藤さんの順で入る。ギリギリ二人で並んで歩けるスペースやけどホンマに真っ暗や。あとなんかエアコンついとんのか、寒い。
「待ってあかん、怖い」
「まだ入ったばっかやで葵ちゃん」
「アヤちゃん、間違えて打ったらほんまごめんな」
「どんだけ暴れるつもりやねん」
工藤さんに謝っとるけど、工藤さんに当たらんくても先輩の誰かに当たるやん。手を出すんはあかんでって言いながらサムについていく。曲がりくねってるせいでダンボールにぶつかりまくりや……真っ暗でほぼ見えへん。
時々音の脅かしがあるものの全然来おへん、あっけないわと思っとると後ろから走ってくる足音が聞こえて工藤さんと葵ちゃんが大パニック。そりゃそうや、一人やのうて何個か足音聞こえるし、音やのうて多分誰か実際に走っとる。まさか後ろから来るとは思わんかった。
「ぎゃああぁぁああぁあぁっ!??!!?!」
「おわっ!?!」
俺後ろから抱きつかれてんけど!?!??背丈的に葵ちゃんやんな!?!
「早よ前行って、銀島くん!!!」
「工藤さん押さんとって!おい角名、早よ行け!」
「いやいや前にもいるんだって!!」
「おいアホツムお前も押すなや!!!前にもおんねん!!!」
「角名と同じこと言わんでええわ!!…ちょ、ちょお葵ちゃんら、落ち着き、な?」
俺ら全員パニックになりつつも葵ちゃんの手をぽんぽん叩く。思いっきし抱きつかれてんねんけど…?全然怖くないねんけど別の意味でむちゃくちゃ心拍数上がっとる。
「……わっ!!!」
この声むっちゃ聞き覚えある。そう思って振り返る前に葵ちゃんが今日イチの悲鳴出して出口ついた。サムにライト渡して返却してもらって、振り返る。
「……は、え、泣いちゃったん?!?」
「だってさいご信ちゃんがあ゛……」
あ、北さんっていうのは気付いとったんや。ぼろぼろ泣いとる葵ちゃんにサムでさえ困り果ててなんでかタピオカ渡しとった。いらんやろ。ティッシュとかやろ普通。
「……はあごめん、ほんま怖かってん……やっぱ暗いとこあかんわ」
「いや、葵ちゃんの反応面白かったからいいよ」
「何言うとんねん、角名も前にもいるんだって!とか慌てとったくせに」
「そりゃ後ろからすごい押されたからさ……立ってるスタッフにぶつかりそうだったんだよ」
銀島はずっと爆笑。工藤さんも葵ちゃんも最後けらけら笑っとったけど、俺はもうそれどころやない。………柔かった……あかんきしょい。今のは逮捕やきっしょ。
(葵、凄かったな)
(信ちゃん……最後わざと狙ったやろ)
(おん、でも兄ちゃんも暗くて見えにくいんやで?けど角名とか葵の名前聞こえてな)
(私やっぱり暗いとこあかんわ……ほんまに足震えて歩けんかった)
(そうなん?……無理したらあかんで)
(銀島くんなんか笑いっぱなしやってん。酷いやろ)
(ふ、酷いなあ)
(治くんなんか急に葵ちゃん、タピオカ飲んどき!って)
(っふ……あいつらしいわ、元気づけようとしたんやな)
(な。けどタピオカ美味しかった)
(良かったな)
(ふふ、信ちゃんともちーちゃんとも茜とも写真撮れて楽しかったあ)
(おん、兄ちゃんにもあとで写真送ってや)
(うん!東京のメイドカフェの宣材写真みたいなんもアヤちゃんに撮ってもろたんよ……ほら!ホームページ載ってそうやろ)
(ほんまや……これ何のポーズなん?)
(ネコちゃんらしい、猫耳やねんて)
文化祭は一気にカップル増えますからね(経験談)
お化け屋敷、前にいる人じゃなくて後ろついてってる人の後ろにお化け役居たりしますからね(経験談)
20/20ページ