HQ 宮(侑)
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文化祭といえばね
*北葵
「そういえば葵ちゃん、文化祭の話聞いてへんやんな?2組は飲食の中の軽食に決まってん」
「軽食」
アヤちゃんからグミを貰いながら聞く。なんやろ、フライドポテトとかそういうんかな?あれ軽食…よね?
「そうそう、1年の中でも飲食2クラスあって、どっちもメインやねん。噂やと焼きそばとかそういう系らしい。2年生は逆に3クラスあるうち、2クラス軽食でアイス売るって」
「寒ない??今の時期アイス?パルムとか?」
「予算オーバーやわ…あともう一個タピオカやったかな」
「寒いもんばっかや」
「3年生は2クラスメイン系で、軽食たしかフランクフルトやって」
「フランクフルトええなあ!2組はなんの軽食なん?」
「まだ決まってへんのよ…今日の総合の時間はその話し合いやって」
そうなんや。ジュース買いにいってた角名くんたちが戻って来はった。角名くんは焼きそばのクラスらしい。
「味噌煮込みうどんにしようよって言ったけどスルーされたんだよね」
「おん……そりゃされるわ」
「でもええなあ、本場の人おるんやから本場の味やで。私ひつまぶし食べてみたいわぁ」
「あかん、食べてるのに腹減るわ」
出し茶漬けにして食べるん最高に美味しそうよなあ……本場のひつまぶしは全然ちゃうで!ってお父さんも言ってたし、食べに行ってみたい。
「10月後半にやる文化祭やから、温かい飲みもんのほうが絶対ええって。紅茶とかさあ、ホットココアとかさあ。」
「おー、ええかも。2年のクラスにクレープと3年にチュロス売るクラスあるらしいし」
「もう逆に緑茶ほうじ茶紅茶の無糖シリーズのほうがウケ良さそうやんな」
私が飲みたいだけやねんけど。でも水とかさ、そういう口さっぱりするもんを自販機以外で置いとったら売れそうな気ぃするんよなあ。
「葵ちゃん、お姉さんの文化祭とか行ったことないん?」
「あるで!ちーちゃんはな……たしかたこ焼きしばいてたわ」
「「しばいてたん???」」
侑くんと治くんが同時に聞いてくる。頷く。あれは焼くを超えてしばいとった。職人かと思うたくらいやもん。ちーちゃんのクラスのたこ焼き美味しかったな〜!
去年、信ちゃんが1年生の時は私と茜の受験もあって行けなくて家でブーブー文句言ってたら、信ちゃんがクラスでやったお好み焼き焼いてくれた。ちゃんとあの、透明な入れ物にいれて渡してくれて、茜と二人で食べたなあ。
「今年北さんのクラスお化け屋敷らしいで」
「え〜最悪やあ〜」
怖いやつやん。茜面白がっていくんやろな……狭いとこ駄目なくせによう行くわ。お昼ご飯を皆で食べて、クラスの出し物何にするかの最終調整。
「さっき、葵ちゃんと話してたんやけど……温かい飲みもんどう?アイスと、タピオカと、フランクフルトやんか」
アヤちゃんのその発言に何人かが振り返ってくる。
「おー!いいねいいね、メイン系の飲食クラスも飲み物売ってたりするんやけど、例えばピザにコーラとかそういう系が例年あるかな」
「北さん、たとえばで何考えてたん?」
「甘くない紅茶とか…シロップは別添えでええかなって。あとほうじ茶とか…?今でさえ寒いから当日絶対寒いやんか」
私がそう言うと確かに、と他の子らも頷いてる。元気そうな野球部とかの子らはそうかな?って反応やったけど。
「あと、こってり系ガッツリ系のご飯多いなら水みたいなん欲しくなるやん?アヤちゃんに聞いてんけど、軽食なら持ち帰りのイメージやって聞いたから……ここをお店にするにしても、持ち帰るにしてもええかな〜って」
「温かい紅茶ええなあ……お茶シリーズのメイド喫茶とかええんちゃう?!」
「え」
メイド喫茶…??!
橋本先生によればタピオカのクラスはカフェみたくするそうで、教室内で販売の形式もアリだそう。全員分のメイド服を揃えるのは予算的に厳しいので、何人かで着回すしかないと。あれよあれよという間に男子は執事、女子はメイドになった。露出なし、クラシカルなタイプでお茶出したら渋いやん!って委員長たちが大盛り上がりして決まってしまった。
「……メイドかあ」
「嫌なん?」
「着たことないし恥ずかしいわ……」
頬杖ついてる侑くんに向き合うと目線が合う。執事服の侑くんか……背ぇ高いし、足長いし似合うんやろなあ。
「侑くんは執事、似合いそおやね!手袋してな、白いやつ」
「似合うかあ?俺が執事なんて一番想像できひんわ」
「背高いし、足も長いし絶対似合うよ!」
襟も立て襟にして、黒い服着てるんやろ?と想像してると侑くんがふ、と笑う。
「俺が執事似合うんやったら、葵ちゃんも絶対似合うわ。かわええもん」
「………え」
「………………すまん埋まってくる」
どこに??!?!耳を真っ赤にした侑くん見て、発言を思い出す。か、可愛いって言うた?今?侑くんが?……いや、浴衣のときも褒めてくれたやん!それと一緒や、大袈裟な反応して恥ずかしい。
「や、あの、ありがとう…?まだ着てへんけど……」
「………おん」
*宮侑
「なあ、宮くん。君らいつ付き合うん?」
葵ちゃんがトイレ行ったん見届けて堀川くんが振り返って一番に言うてくる。何をニヤついてんねん、ほんまにこいつ……。
「うっさいわ、ほんまに…」
「いやいやいやいや、今のは堀川くんが正しいで、宮くん。私も何聞かされてんねやろって思ったわ」
「何?宮また惚気た?」
「うん、特大惚気や。内緒やで」
「堀川くん、広めんでくれるか??サムに伝わって揶揄われんねん、こちとら」
毎日のように隣のクラスなのに俺の言動筒抜けで寮の部屋でむちゃくちゃイジられてんねん。あかん、思い出したら腹立ってきた。葵ちゃんがかわええのが悪いねん。なんであんな可愛いん??意味分からん。
「でも確かに宮ってなんで告らんの?」
「小声にすりゃええってモンちゃうで、早川」
「私も気になる」
「だーー!!!鬱陶しい!!!!」
「うーん……部活終わるまではとか決めてるん?そしたら僕もそれまで見守るよ?」
「………はぁ…そういうんちゃうけど…」
「ちゃうけど?」
「前言っててん、自分は一目惚れとか分からん。付き合うっていうんもある程度仲良うなってその人のこと知りやんと怖くて無理やって」
「……え、それで宮くん仲良うなろうとしてるん?……一途〜!!!」
「遊び人のサムと一緒にせんでくれるか???ほんまに腹立つ嫌なイメージやわ…」
「へえ、ってことは宮くんの一目惚れなんだ!運命だね」
「堀川くんほんまに声でっかいねん、気ぃつけてくれるか???」
俺は、確かに。可愛い子おる…!!ってビビビって来た。一目惚れや。今まで付き合ったことある子ぉは一目惚れちゃうくて。向こうから告ってきて、悪い感じせんかったら受けてた。直感的なもんを信じることが多かってんけど、葵ちゃんの言い分も分かる。直感ではいいと思った子らは『なんかちゃう』『こんな子やったんや』って幻滅することの方が多かった。
やから俺は葵ちゃんのこと知りたいし、知ってるうちにどんどん好きになっとる。……葵ちゃんは…分からへんけど。けど、さっき俺が口滑らしたとき顔真っ赤になっとった。悪いようには思われてへん………はず。
堀川くんたちなくれぐれも言い広めるなよと釘を刺しておいて文化祭の装飾準備に入る。俺は部活あるし、放課後の準備手伝えへんからこんときくらいしか貢献できへん。
「ダンボールこっち寄越して」
「っぐぬぬぬ……」
「葵ちゃんが裂けるわけないやろ、貸しや」
折り目きれいにつけてプリントピリッて破こうとしとるようにダンボール両手に持ってるけど、全然動かん……ほんまにちいさちいのちや……
葵ちゃんは当日宣伝係が持つ看板作り。女子が看板持って、男子はギブスみたいに紐で前後つなげて上から被って歩き回るらしい。
「何色がええかなあ、絵の具使うんなんか久々や!」
「メイドと執事やし白と黒ちゃう?」
「せやんなぁ」
そう言いながら葵ちゃんがダンボール黒く塗りつぶしてく。そういや絵描いとるとことか見たことないな…上手いんやろか?
「稲荷崎やしキツネさん描こ!オレンジと黄色と〜」
「おお、ええやん………???葵ちゃん、なんで丸描いたん?」
「顔!」
キツネの輪郭って丸かったか???どちらかといえば三角ちゃうん??
「………これ何?」
「体!」
このぐにゃぐにゃの溶けたアイスみたいなんが???葵ちゃん画伯やな、これは。
「目描いて、髭つけて……完成!キツネ!」
「……味があってえぇな、うん」
描き直しも大変やろうし、全ッ然キツネには見えへんけど葵ちゃんが一生懸命描いたモンやし……よく見ればなんか愛着湧く顔しとるし……うん、そうやんな。可愛いキツネや。
「アヤちゃん見て、キツネ描いてん!」
「……葵ちゃんって画伯?」
「え?体は確かにちょっとアレやけど…ほら、耳とかキツネやん!」
「…そうやな、耳と色はキツネやと思う!」
工藤さん意外と言うんやな……納得いかへんかったのか葵ちゃんは俺にもキツネ描いてみろって言い出した。なんでやねん、俺は褒めたやんか。いざ描けって、言われるとすっと描けへん。犬猫ならまだしもキツネやで?
「わあ、侑くん上手やな!」
「そんなに変わらんで?」
堀川くんがちょっと肩震えさせながら言うてくるんは少し腹立つけど、言うとおりではある。どっちもどっちのレベルや。
「まあ…味があるっちゅうことで」
(信ちゃん、おかえり!今日な、私のクラスの出し物決まってん!)
(ただいま。そぉなんや。…軽食やったっけ?)
(うん!お茶と紅茶出す喫茶になったんよ)
(ほお、ええやん。甘いもん多いからな)
(そうそう、2年生のどこかアイス売るんやろ?あとタピオカ。逆を行ってん)
(ふふ、ええやん。兄ちゃんも遊びに行ってええか?)
(うん!シフトの時間決まったらまた教えるな)
(やから葵も兄ちゃんのとこ来いや、待っとるで)
(お化け屋敷嫌や〜)
(茜と侑たちとおいで…すっごい力入れてるで)
(え〜余計嫌やぁ)
(茜たちのクラスなんやったっけ?)
(確か……謎解きの脱出ゲームやって!)
(おもろそうやな……あ、葵ここ公式間違えてんで)
(え?……あ、ほんまや)
(あともうちょいでご飯できるから誰かお風呂入ってきて〜)
(茜先入って〜、私課題のプリント山盛り出てるねん)
(あ、行けてなかった間の?分かった、先もらうで)
(おん、兄ちゃん見とるから早よ終わらそうな)
(楽しい文化祭から復活できるんは嬉しいけど、それ終わったらいきなり期末やし過酷や……3ヶ月近く行けてへんのに)
(まあこうやってプリント出して成績加味してくれるんやし、プリントとテキストから出るんやから大丈夫や……ほら、集中)