HQ 宮(侑)
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運命的な出会い
*北葵
夏休みの最後の1週間くらいは侑くんと治くんに泣きつかれて残った宿題一緒にやり切った。私としては単元の復習にもなるしええかって思ってたんやけど、黙ってへんかったのは信ちゃんやった。怒った信ちゃん、ばり怖かった。
『……侑、治。俺は言うたよな、やることきちんとやらへんでバレーはさせへんって。お前らは今どこに所属しとるん?』
『稲荷崎です…』
『そうやんな。朝の8時45分から夕方部活始まるまで、勉強しとるやんな。まさかと思うけど……合宿日程と被ってたから赤点取ったら合宿参加させへんって言うたと思うてるん?
やることやらんで好きなことだけやるんはおかしいやろ。やから、参加させへんよって伝えたんや』
『すみませんでした』
『ほんまにすみません』
『きっちりやろうとしとるんはええよ。……やけど、葵に泣きついたらどうにかなるって思うてへんか?
葵には葵の時間があるのに、それを貰う自覚はあるんか?3回目やろ、テスト前に葵に泣きつくんは。』
『……』
『しかも今回はこの夏休みの宿題から出題されんねんで。きっちりやっとったら赤点もとらへんし、そもそもこんな終わり際に焦らんくてええはずや』
お母さんとちーちゃんがなんとか宥めて、私はしょんぼりした2人をなんとか励まして宿題を速攻で終わらして、夏休み明けすぐの中間テストにむけてひたすら復習の毎日。10日くらい付き合うて、テスト返ってきた2人は号泣してしまった。
「どっち?どっちの涙?!アカンかった?!!」
気が気じゃない私も2人にティッシュを渡しながら言葉を待つ。す、と二人は順位が書かれた紙を渡してきた。
「侑くん、68位……治くん、52位……え、すごいやん!」
「こんなにええ順位はじめてや…」
「葵ちゃんほんまにありがどお゛……」
「ええよ、泣きやんで〜!」
角名くんもちょっと笑いながら、銀島くんに至ってはぎょっとしながら何事?と聞かれたので信ちゃんのことを話す。
「あぁ……70位より上取ってこいって言われてたアレか」
「え?順位も言われてたん?!知らんかった……」
それは確かに安心と喜びと達成感で泣いてまうのも仕方ない……のかも。泣きすぎやと思うけど。
「じゃあ〜そやなぁ、今回はちょっとええお菓子買うてもらおうかな?」
「分かった……予算3万で考えとくわ」
「高い高い、桁間違えてるよ治くん」
「2人で6万な、サム」
「高いって、侑くん!1000円くらいで考えとったのに……」
ピコン、と通知が鳴る。噂をすれば信ちゃんや!
『信ちゃん!侑くん治くん頑張っとったよ』
『頑張った言うてもな……葵もやんか』
『それは否定せんけど……ふふん。私何位やったと思う?』
『ん〜5位とかか?』
『じゃん!3位!侑くんたちに付き合うていっぱい復習したからや〜』
『凄いやん。けど葵の努力やで』
『信ちゃん、評価が甘いわ』
『偉いもんは偉いからな』
*宮侑
ほんまに、ようやく寝る間際まで教科書眺める期間が終わった。ようやっと解放される。葵ちゃんには頭上がらへん。盆に実家帰ったときも俺もサムも成績良すぎて、おかんが通信簿見て固まっとった。なんでこんなに点数ええのん?って聞かれて、2人で葵ちゃんのおかげやって言うておかんが本気で菓子折り買わなあかんって言っとったくらいや。
北さんにドキドキしながら順位表見せたら「やればできるやん。これからもちゃんとやり」と褒められ?た。頭撫でられたし、褒められてるやんな。
「サム、葵ちゃんのお礼のお菓子どうする?」
「あ゛〜……あの子何好きなん?」
「……聞いたことあらへん」
「聞いてこい」
なんっで偉そうやねん、くそサム!!!イラついてセットしとったら、角名にアドバイスもろた。
「来週芸術鑑賞会あるでしょ。東京限定のお菓子とかにしたら?ほら、ポケモンとか」
「ポケモン……」
そうや。来週芸術鑑賞会っちゅう名の遠足がある。新幹線乗るんやしほぼ修学旅行みたいなモンやん。確か行き先は……上野。美術館やら博物館が固まっとって、行きたいとこによってグループ組んで回るんやったっけ。
「侑、葵ちゃんとグループ一緒なの?」
「おん……確かモネ見に行く」
「ええな〜、それ人気で俺抽選落ちたわ」
「モネ人気やんな」
「モネ見て、確か葵ちゃんと工藤さん科学博物館行きたい言うとった気ぃする」
「ふ、完全にひっつき虫なんだ?」
「うっさいわ角名アホ」
疎い俺ですら名前は知ってるモネを見れるんなら見たいんは正直ある。しかも葵ちゃんとグループ一緒。こんなに嬉しいことあるか???新幹線もグループで動くなら席一緒やねん。こんな嬉しいことあるか??????
「あ、侑。ちょっとええか?」
角名たちとストレッチしながら話していると、北さんに呼び出される。少し緊張しながら後ろをついていくと、誰も居らん部室へ。なんや俺………シメられるん?
「来週の芸術鑑賞会、葵と一緒やんな?」
「ぇ、あ、はい」
「侑くんと一緒やねん!って嬉しそうに報告してきてな……あ、話逸れたわ。夏祭りの時もあったと思うけど、くれぐれも葵一人にせんように気ぃつけてな…葵は東京行ったことないし、すんごい方向音痴やねん」
「すんごいんですか?」
「あぁ。きっと侑が思うてるより、すんごい方向音痴。仲良うしてはるアヤちゃん?も居るし、侑も居るしって浮かれて逸れる様子が目に見えるんよ」
「お、おぉ………」
北さん、めちゃくちゃ心配しとる………まぁ、3年に絡まれたりナンパされとったり…気持ちは分かる。大袈裟やないっていうのも茜から聞いた話で理解したし。
「葵のこと、頼んだで」
「はい!」
そんなやり取りあって、学校からバスで新大阪駅に集合した。新幹線乗り場に入って、案の定はしゃいで逸れかける葵ちゃんと珍しくテンション上がっとる工藤さんのリュックを掴んで捕まえる。
「こら、迷子未遂。はしゃぐのええから逸れんとってや」
「逆に宮くんなんでそんな落ち着いてるん?」
「楽しみは楽しみやで、けどまだ関西おるんに迷子なりかける2人おったら冷静になるやろ」
「侑くん、限定のチップスターあんで!これ食べよう」
「葵ちゃん、聞いとる???」
同じ班になった堀川くんも苦笑してはる。体育祭から葵ちゃんと堀川くんが結構仲良うなってんの知ってる。俺としては大変におもろくない状況やけど、LINE交換までは至ってないらしい。
葵ちゃんが食べたがってるチップスター買うて、新幹線乗る。椅子向かい合わせにして堀川くんの隣に座る。通路側がええらしくて、俺と葵ちゃんが窓際。
「工藤さん、窓際やなくてええの?」
「うん!富士山こっからでも見えるし!」
「そんじゃあ、葵ちゃん。工藤さん。ルート振り返りすんで、ちゃんと聞いてや」
「「はーい」」
逸れたら動かずスマホに連絡入れること。スマホの充電確認もしておく。
何か見に行きたいモンあったら俺か堀川くんに声かけること。モネ見たあとにお昼食べてから科学博物館行くこと。
「分かったん?」
「うん、分かった!侑くんルートの企画ありがとう」
「楽しみやな〜、おっきい恐竜の骨飾ってあるらしいで」
「ほんまに大丈夫なんかな…」
「ははは、宮くんも大変やねえ」
何がや?と見ていると堀川くんが耳打ちしてくる。
「好きな子ぉが危なかっしくて目離せへんやんな」
「…………じゃかしいわ」
「はは、多分やけど2組全員分かってんで」
じゃかしいわ、なんなん。堀川くんにまで揶揄われて恥ずかしくなる。出発してすぐ、葵ちゃんも工藤さんも眠たそうになっとる。富士山あたりきたらアナウンスなるはずやから寝とき、と促すとコテンと寝落ちた。可愛すぎるやろ。
富士山も無事見れて、東京駅に到着。上野に移動してここからはグループ行動。
「ほんまにパンダまみれや!侑くん、撮って〜!ちーちゃんに送る!」
「はいはい……撮るで」
いちいちパンダに反応してばり可愛いやん。スマホにどんどん葵ちゃんが増えていく。
美術館について、本物のモネの絵に葵ちゃんたちは大興奮。解説呼んどったら普段は海外の美術館にあるやつを展示のために借りてるらしい。
「ここ写真撮ってもええらしい!ほんま綺麗や〜これ絵の具やで?」
「水の色綺麗やわ〜」
「アヤちゃん、モネのハンカチかなんか買うてこー!さっきお店に売ってるよって書いてあってん」
俺もクリアファイル買うて帰ろかな……やっぱずっと飾られとる画家なだけあって、本物見ると綺麗や。印象派っちゅうのが何かは読んでもよう分からんかったけど、他の印象派の絵も綺麗やと思った。
「葵ちゃん、お店こっちや」
意気揚々と反対方向に進もうとする葵ちゃんの袖を掴む。
「あれ、逆やった?」
「おん……人だかりすごいから離れんでな」
「分かった!」
平日といえど、ここは東京の上野。海外の旅行客がごっつ居る。近くにはパンダも居るしな。
「ほら、モネや」
「お〜!か、かわいい〜!」
絶対葵ちゃんの方がかわええで。そう思いながらクリアファイル買うて、堀川くんもキーホルダー買っとった。皆モネ一色になっとんのちょっとおもろくて、昼飯のために美術館の外に出る。
「あ!ちょお待って!……お姉さん、写真撮ってください」
「?はーい、修学旅行?」
「遠足?です!お願いしまーす」
葵ちゃんバイタリティすご……知らんお姉さん2人に声かけていってスマホ渡しとる。4人で並んで美術館前とモネの展示ポスターの前で撮ってもらう。さっきも絵の前で撮りたかったらしいねんけど、撮ってもええ絵画となると列がすごくて断念したと。
「ありがとうございます〜!」
「関西から来たのかな?」
「はい、兵庫から来ました!」
「へえ〜!遠足で美術館って凄いね」
「ね、私ら工場見学とかだったよね」
「工場も楽しそうですね」
むっちゃ会話弾んどる……葵ちゃん末っ子やし、お姉さんお兄さんに甘える術とか自然と身についてるんやろか?
「今からどこ行くの?」
「お昼ご飯食べて、そこの博物館行くんです!」
「お昼ご飯かぁ、決まってるの?ここお店だけはいっぱいあるから迷うでしょ」
「そぉなんです、せっかくやし松屋はあかんって却下されちゃって……」
「確かに松屋はねえ…君たち何か希望あるの?ここら辺詳しいからお店紹介できるよ!」
「お、お姉さん……!」
「やった〜!パンダならではのメニューとかええんちゃうん?」
「パンダ……笹味ってこと?」
堀川くん、お前はツッコミ側で居ってくれよ。なんやねん笹味って。お姉さんのスマホを4人で覗き込むようにしていくつかお店を教えてもろて、プラスでカフェも教えてくれた。
(東京の人って冷たい言うけどそうでもないねんな!)
(ほんまやね……あ、ここちゃう?)
(お〜〜!かっこええ店構えやな!)
(ほんまにランチやったら1000円以下や!)
(侑くん、ご飯足りそう?)
(おん、大丈夫や……葵ちゃん消毒してや)
(おと……)
(あと、むやみに財布出したらあかん。スられんで)
(と、東京ってスリ居るん…???)
(無防備はあかんってことやない?葵ちゃんスマホも財布もいつも机の上置いてどっか行くやんか)
(……確かに茜にも怒られたことあるわ、気ぃつけよ)
(宮くん、大変やな……)
(ほんまや。堀川くんもそっち側やからな)
(???)
(まぁええわ…ん、メニュー表これや)
(わ〜、唐揚げ美味しそう)
(あ、だし巻き卵ある)
(居酒屋ちゃうで?ランチメニュー見いや)