HQ 宮(侑)
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足並みを揃えて
*宮侑
もうすぐ夏休み。夏合宿の話も聞いたし楽しみだらけや。そうやってウキウキしとったら1年が2年に呼び出された。
「分かっとる思うが……赤点出したやつは合宿参加させへん。させへんというより、出来ひん。今年は合宿の日程と補修の日程ダダ被りなんや。中間各々ええ点数取れたんやろ?期末でいきなり崩れるなんてないはずや」
北さん、ほぼ俺しか見てへんのちゃうか?ってくらい目が合う。いやそら、寝たりなんかしてへん。どうしても眠いときは仕方ないやん。けど…いつも寝とるわけちゃうし。
「あと、通信簿あるやろ。あれ監督に見せなあかんからな。貰った〜ってお母さんたちに送る前に、回収して監督に見せるから忘れんようにな」
「……というわけで期末の勉強会お願いします、葵ちゃん」
「ええよ!凄いなぁ、通信簿まで見せるんや」
「見てどうするんやろね?『なんでここ2なん?』とか詰められるん?」
おっっそろしいこと言わんでほしい、工藤さん。ちょっと想像ついてもうたし。確かに、1取るってなると毎回寝てテストも中間、期末で赤点とかやろうけど……2があっても指摘される気がしてきた。ないとええな……。
「意図は分からへんけど……はぁ、憂鬱や」
「そんな落ち込まんと〜、夏休みやで?あ、そや。宮くんたち寮生っていつお家帰るん?」
「盆休みやから……13からたしか今年は17日まで?やったな」
「そうなんや、お家でゆっくりできるんやね」
まあ実家って言っても関西なの変わらんし……帰って何かする訳ちゃうし。なんなら1ヶ月前体育祭で会っとるしな。サムとおるからなのか知らんけど、ホームシックにもなっとらん。先輩の中には1回帰ったあとの秋ごろくらいにホームシックなるで言うとった人もおるけど……俺の場合はそもそもならん気がしてる。
「お盆さぁ、お祭り行かん?うちのお寺主催のお祭りあるんよ!ちょっと小規模かもやけど……人殺到しやんし葵ちゃん来るやろ?」
「え、行く!またアヤちゃんのお家のお寺遊びに行きたい思っててん」
ほんま、家が神社ってどないやねん。寺の娘やで?強すぎるやろ。葵ちゃん行くなら俺も行くに決まっとる。
「おかんに聞いてみるわ……多分行ってき!ってなるやろうけど」
「お父さんに伝えとくわ」
「やった〜!お祭りたのし……私は一旦信ちゃんに聞いてみるわ…子供だけで夜まで遊んだらあかん!って」
まあ、その通りなんやけど……北さんも通常運転やな。プレゼン頑張りや、と工藤さんに言われて俺と葵ちゃんが頷く。……ま、俺の場合はよっっっっぽど成績悪くない限りおかんはOK出すはずや。通信簿の成績アップのためにも、ひとまず先に期末テストや。
サム、俺、角名、銀島、工藤さん、葵ちゃんで食うのが当たり前になった。工藤さんは角名たちにもお祭りの話しとった。
「俺は愛知に帰るから参加難しいかも…誘ってくれてありがとね」
「え、角名くん愛知の人なの?!」
葵ちゃん、むっちゃ今更や。ほんまにびっくりしてるみたいで目がぱちぱちしとる。
「待って、初知り?」
「うん…だからなんかイントネーション違うんや」
「標準語なんか?角名は」
俺が角名に聞けば標準語ではない、けど一部は標準語かもってよう分からん答え返ってきた。どっちやねん。
「愛知ってほんまにコンビニよりコメダあるん?!」
「…ふは、コンビニのほうが流石に多いよ。こっちで言うと……なんだろな、スタバみたいな感覚ではあるね」
葵ちゃんの愛知へのイメージ可愛すぎんか?その質問が1番先に頭に思い浮かぶんや。
「じゃあ、角名くんもあんこばっか食べとるん?」
「待って、愛知にどんなイメージ持ってるの??」
「朝ごはんはあんバタートースト食べて、味噌カツとか味噌煮込みうどんが主食」
「病気なるやろ」
流石にサムもツッコんだ。俺もそう思う。
「でも私らは隙あらばたこ焼き食べるやん」
「「まあそれはそうやけど」」
サムとハモる。ほんまに、隙あらばたこ焼き食うとるしなんならタコパしとるけど名古屋もそうとは限らんやろ。
「確かに……ほんとに関西人って絶対たこ焼き器持ってんだーとは思ったけど」
「必需品やしね」
角名は夏休み終わる前の大阪の祭りでも行こぉやと声かけて終わる。祭り………葵ちゃん、浴衣とか着てくるんやろか。いや、そもそも夜までの出歩き許可出るかも分からんし。…あんま期待しすぎやんと。葵ちゃんと工藤さんの監督により、なんとか期末テスト手応え感じた。返却されたテストの基礎5科目の平均は78点、まあまあやん?モチのロンで赤点はなし、赤点危ういってテストもなかった。葵ちゃんたちには頭上がらへん。
「あ〜オール5ならずや……」
「葵ちゃん凄そおやんな」
「体育だけ3や。あんなに頑張って参加しとったのに!せめて4やろ!」
ぷりぷりしてかぁいらしい。他は5らしい。やっぱ頭ええんや……茜と競い合ってるらしくてそわそわしとった。
「夏休み暇やぁ、夏休み限定でバイトとかしよかなぁ」
「あかん、葵ちゃん攫われてまうわ」
「アヤちゃん……攫われへんよ」
いや、俺もそれは工藤さんに全面同意や。茜も北さんも合宿あるからやっぱり暇になるらしい。二人ともおらん日とかありそうやな。大家族やとやっぱり静かやな〜ってなるんやろか。
*北葵
毎日夕方信ちゃん迎えに行って、ボール磨いて一緒に帰ってきた。やっぱ日中どうしても暇やぁ〜って暴れてたらちーちゃんと市民プール行ってき!って送り出された。日焼けはしたくないから行かんかった。
信ちゃんと茜の夏合宿はジュースとアイスの差し入れした。先輩や他のお母さんたちは泊まり込みでご飯作っとるみたいで、大変そうやった。アイス大盛況やって嬉しかった。
「葵ちゃんお疲れ〜」
「角名くん、お疲れ様……暑いな……信じられへん…こんなん中駆け回っとんの…」
「こっち結構暑いね、京都よりマシって言われたけど」
確かに京都の盆地の暑さよりかは、まだマシや。「まだ」やけど。
「これ、ちーちゃんたちと選んできたの、シューアイス」
「うわ、アイス助かる〜……ありがとね。侑たち来た?」
「来てへんよぉ、私さっき着いてん」
「そうなんだ……侑どう?意地悪言われたりしてない?」
「それ、銀島くんにも定期的に確認されるんやけどなんなん?侑くん別に意地悪ちゃうやろ」
「(おお………)うん、そうだね」
なんか言いたげな角名くんに首を傾げていると治くんが凄いスピードで走り寄ってきた。
「葵ちゃんやん!」
「すごい元気……お疲れ様〜、今日は北家の差し入れやで」
「おおきになぁ!アイス?俺も欲しい」
「はい、シューアイスだよ」
「いただきます!ツム、葵ちゃん来てくれてんで」
「お……葵ちゃんやん!アイス?」
「うん、茜が差し入れの8割ジュースでたぽたぽになってるだろうからって」
「ほんま正解や、飲んでも飲んでも飲みきれへん量のアクエリの山できてんねん……ありがと、北さんありがとうございます」
「ん、水分もしっかりとりや……葵、兄ちゃんにも1個くれるか?」
「ん!抹茶ね」
信ちゃんにもアイスを渡す。あっという間になくなったアイスの箱を2度見した。ちーちゃんが練習見ていこうと言ってきたので頷く。……?なんかギャラリー人いっぱいおる。
「みんな家族なんかな?」
「さぁ……?あ、いや。宮くんたち目当てやな」
しっ!と人差し指を口に当てたちーちゃんにしたがって静かにしてると、確かに女の子たちは「宮く〜ん!」と声をかけていた。侑くん、バリ眉間に皺寄ってる。集中しにくいんかなぁ……。
「なんかちょっと迷惑そうやない?ちーちゃん、かえろ」
「見とるだけならええやろ、信ちゃ〜ん!ってやらんから」
「それ、私も前に信ちゃんにアカンって怒られてん」
世界大会やないんやからって。試合はええらしい。公式戦で信ちゃんのこと早よ応援できる日来んかな。そう思いながらどんどん騒がしくなる女の子たちにちーちゃんが顔を顰める。耳キンキンするから少し離れて信ちゃんたちのバレーボールを見学。
「すごいなぁ、人いっぱいや」
「さすが他県からもスカウトしてる子ぉら多いだけあるな……なんか聞いたことない音やね」
「大砲みたいやんな」
ドォン!!!バァン!!みたいな当たったら腕折れるんやないかってハラハラする音。それがあのボールから鳴ってるんだから信じられん。どんだけ筋肉あればあの音鳴らせるようになるんやろ。
「宮く〜ん、頑張れ〜!」
「ばりかっこええ!!」
きゃー!と歌番組のアイドルステージくらい盛り上がってる……大会違くて練習やんな?と聞きたくなるくらいの女のコたちに痺れを切らしたんは侑くんやった。
「じゃかしいわボケ!!!集中できへんから黙ってろッ!!」
水を打ったような静けさ。さっきまでシューズが床に擦れる音、跳ねるボールの音、掛け声やセミの声まで聞こえていたのに。時が止まったんかと思うくらいしん、とした場を立て直したのは信ちゃんやった。
「侑、言葉も態度も悪いで」
「そ…やけど、北さん」
「ボケまで言う必要ないやんな?……すみません、応援はありがたいけど監督の指示が聞こえにくくなってまうので抑え目でお願いします」
部員や私達の視線を一気に浴びた女の子たちは「何あの態度!」とぶつくさ文句言いながら体育館から出ていった。
「ちーちゃん、私らも帰ったほうがええんちゃう?」
「ええ?静かに見とるんやしええやろ。応援されるんはありがたいけど、少しも静かにできやんのは見てる方からしても迷惑やから……よぉやくこっちも見れるわ」
そういうもの、なのか。いつもあんなに元気な侑くんは練習終わりまで静かやった。
(北さん、大耳さん、あの……)
(ん。そこ座り)
((こっっっっわ、俺ケジメつけや。とか指詰められんちゃうん??!))
(侑。俺はお前のバレーへの気持ちの強さは分かっとるつもりや。やから言わしてもらう。ギャラリーに惑わされたらアカン)
(………はい…)
(何言われても気にするなってことやなくてな。お前はことさらバレーに関わるとカッとしやすい。余計な一言で後ろ指を指されるん勿体無いやろ)
(なぁ、当たり前に自主練して伸びようと努力してんのにたった一言で「でも宮侑って…」って評価されるん勿体無いわ)
(ぅす…)
(分かったなら明日から気をつけ。話は終わりや)
(気持ち切り替えてきや……あと北の妹ちゃんも目ぇまんまるにしとったで)
(ぇ、?)
(なんや、片思いちゃうん?)
(大耳、揶揄うのはあかん)
(揶揄ってへん、見守ってるんや)
(まぁ……葵は大丈夫や。あの子は…人が大事にしてるモンちゃん見極められる。なんで侑が声上げたんかの理由くらいわかっとるよ)
(や、あの、北さん、フォローしてくれんでええですから)
(おお、顔真っ赤や……まぁ、侑も治も角名も人気モンなんやから、いつも一緒にいる葵ちゃんのこと気にかけてあげなあかんよ。女子同士やと何あるか分からんしな)
(そうなん?……葵のことよろしくな)
(あ、えと、はい…?)